No.98769

鬼畜王文台 蘇りし虎は曹魏を食らう 03 第八章

Degradationさん

注意・免責事項については、[01 第六章IF]の注意書きをお読みください。

上記内容にすべて同意された方のみ、
本作品をご覧になられることをお勧めいたします。

2009-10-03 22:18:58 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:10937   閲覧ユーザー数:8257

孫堅  奥義一覧

 

 

 

真・南海覇王

 

南海覇王の本来の持ち主である、孫文台の強力な一撃。

 

 

 

 

武烈皇帝

 

死後武烈皇帝と諡され、そして再び世に再臨した長沙太守の大吶喊。

 

 

 

 

江東の虎

 

彼岸と現世、二つの孫呉の願いを背負った、呉軍全将と天譴による大号令。

 

 

 

テーマ曲

 

酒戦是快  江東の猛獣たち  帝王宮

 

 

 

第八章

 

 

-1-

 

 

曹魏が呉の手に下って一ヶ月が過ぎた。

煌蓮さんは、魏呉両軍の将や部隊長格の者たちをすべて王宮の広間に集めさせると、

各部隊の牙門旗を一枚ずつ持ってくるように指示し、それを宮殿の天井にすべて吊るすよう

官吏の者に命じていった。

さらに魏・呉両国内に滞在している各文官や主要都市の役人、

果ては有力者や長老たちにも招集をかけ、

建業へ出仕できる者はすべて出仕するように召集令状を送っていった。

これより魏呉両国による、国を挙げての大会議が催される。期間は十日間。

そして出席してきた者たちの中にはなんと、

あの劉備や関羽といった徐州の勇将たちも顔を連ねていたのであった。

 

 

 

王宮天井に吊るされた牙門旗は、そうそうたるものがあった。

 

まず、玉座の奥の一番高いところに虎の孫旗。文台様の御旗だ。

そして右脇に三つ輪の孫旗。孫権の旗だ。左隣に茶色の周瑜旗。

孫権と周瑜の旗から手前に張り出すように、緑色の十文字。

そのすぐ左脇に寄り添うように、蓮華(れんげ)をあしらった、孫策の旗。

十文字の右脇に曹。曹孟徳の旗だ。孫策旗の左脇に劉。これは恐らく劉備の牙門旗か。

後は前から後ろに、曹操旗の手前に向けて赤い夏侯、青い夏侯、荀、紺色の張、程、郭、

楽、李、于、黄色の黄。

孫呉側は、孫策旗の手前に向けて、桃色の孫、甘、灰色の黄、陸、黒い周、茶色の呂。

劉備側は、劉備旗の手前に向けて、緑色の関、黄色の張、諸葛、鳳、公孫。

勇将智将に恵まれているというはずの、劉備側の旗の数が随分少ないような気もするが、なぜだろうか?

今は良く分からなかった。

さらに、それらの旗の一番外側の目立たない位置に、茶色の漢。

なんだろう、あの旗は?漢王朝の旗、というわけでもなさそうだが。

どこかの地方有力者の旗だろうか。

 

 

 

煌蓮「全員そろったようだね」

 

秋蘭「はっ。武官、文官、尉官、さらに地方役人、大商人、その他有力者、長老、書生…

   招聘を受けたものたちはすべて参内しております」

 

煌蓮「そうかい。これから十日間ぶっ続けで会議会議会議の連続だよ。 お前ら、心して掛かりな。

   徐州の劉備たちもいるようだね」

 

関羽「はっ! こちらに。 我ら劉備軍三万、全て建業に参内しております」

 

煌蓮「よろしく頼むよ。 お前さんらは天の御使いの肝煎りだからね」

 

劉備「は、はい! よろしくお願いします!!」

 

煌蓮「お前さんらには、あそこにいる北郷っていう御使いの配下についてもらう。

   あたしの勘じゃ、何となくウマが合いそうだからね」

 

諸葛亮「は、はわわわゎゎゎ……よ、よよよよろしくお願いしましゅ!!」

 

煌蓮「ぶっ! ぶっはははははは! そんなに緊張しなくたっていいんだよ、諸葛の嬢ちゃん」

 

諸葛亮「はううううぅぅぅ~~~……」

 

煌蓮「いいねぇ、ますます気に入ったよ。どいつもこいつも可愛い子だらけじゃないか」

 

鳳統「…………(真っ赤)」

 

張飛「鈴々、可愛いのかー!?」

 

煌蓮「おうさ。 そこにいる関羽も、生真面目そうで良い娘っ子じゃないか、え?」

 

関羽「う、ぅ私は、べ別に、可愛くなど……」

 

 

 

そのとき、曹魏側の席上で、なにやら目がギラついている女の子を発見した。

張遼こと霞である。

 

霞「うおおおおおお関羽やあああああ~~~~~!! 関羽、関羽、関羽ううううぅぅ~~~」

 

関羽「なっ!? お前は……張遼!??」

 

霞「会いたかったでえぇぇぇ~~~、会いたかったでええぇぇ~~ かーーーーんうううぅぅぅ~~~」

 

なんと霞は、二・三歩走っただけで猫のように大ジャンプすると、

まわににいる将たちを飛び越え、そのままひとっ飛びで関羽に抱きついてしまった。

突然のことでどうして良いか、関羽はうろたえるばかりで、ただ立っていることしか出来ないでいる。

…というか、霞のいた場所からあそこまで、軽くは三間はあったのに、一体どうやって跳んだんだろう。

……はっ!? もしやあいつも、孫家の虎共と同じく、猫科の猛獣のうちの一匹か!!

ビバ! 虎に囲まれる生活!!

 

 

 

霞「なあなあぁ、親分、お願いがあるねん。ウチを劉備軍の側に配属替えしてほしいんや。

  仰山働くから、ホンマ、頼むでぇ」

 

華琳「……霞?」

 

霞「……あっちゃぁーー 見つかってもたかぁーー……」

 

華琳「あなたは、この私、曹孟とk「曹操オオオオオオオォォォォォッッッッ!!!!!!!!」

 

霞に対する華琳の尋問が終わらないうちに、宮殿内に孫堅のすさまじい怒号がこだまする。

その場にいたすべての将、官、役人、商人、有力者たちが息を呑んで絶句。

次の瞬間、巨大な岩を地面に打ち付けるような轟音が響いた。

南海覇王の鞘を床に叩き付けたのである。

 

華琳「……ひぃぃっ!!」

 

煌蓮「最終的な人事はあたしが決めることだ!! 

   異論は受け付けるが余計な口出しは無用さね!!!!!!!」

 

この剣幕に、華琳はただ無言で首を上下に動かすことしか出来なかった。

呉の武烈皇帝、孫文台を怒らせると、こうなる。

官や将たちは、その威厳をまざまざと見せ付けられたのである。

 

 

 

煌蓮「……分かった。 じゃぁ霞は坊主の部下に転籍することを認めよう。

   霞みたいに、個人的に誰と組みたいとか希望があれば、あさっての夜までに配置換え希望の嘆願書を

   秋蘭と冥琳にあてに一通ずつ、自分の控えを一通、合わせて三通書いておくんだよ、いいね。

   霞は自分のだけ一通で良いよ。今あたしが認めたからね

   …あぁ、あとここにはいないウチの策のことだけどね」

 

煌蓮「命は助かったんだけれどねぇ…結局障害が残っちまったのさ。

   日常生活にゃ支障はないし、少しくらいなら自分で出歩くことも出来る。

   ただねぇ…歩くにしても休み休みだし、酒樽みたいな重いもん持つと痛がってヘバッちまうのさ。

   昔の孫伯符と同じ目で見ないほうが良いよ。あの子はもう車椅子が手放せないのさ。

   せいぜい、良くても軍師としてやっていくしか道はないね。尤もそれすら厳しいだろうけど」

 

魏の将たちの顔が凍りついた。

自らが犯した罪、それが招いた結果。

そして華琳は、胸中に迫る悲しみと悔しさを声に表し、悲哀の叫びをあげた。

 

 

 

華琳「…孫策はもう、戦えない。戦場(いくさば)に出ることかなわず。

   志を砕かれた小覇王、最早貴公と剣を交えることかなわず!

   たとえ命は拾い止めしも、貴公は二度と戦場の空気を味わうことならず!

   之(これ)即ち、傀儡も同然ぞ!!

   聞け、我が忠臣である魏武の兵(つわもの)たちよ、

   我らが呉に戦いを挑み、その得られた結果がこれだ!

   なんと悲しきことか! なんと悔しきことか! なんと無念なことか!

   ならば我らはせめて、我らが招いた過ちの犠牲となった小覇王に、

   せめてもの償いをせねばならぬ!!

   我らは最大級の誠意を以って伯符の許しを乞い、身辺を警護し、

   そして彼女の望みし願いを、我らが出来うる全ての術で叶えてやらねばならぬ!

   よいか、我が忠臣たちよ!?」

 

華琳の命に異を唱える魏の将は、誰一人として存在しなかった。

 

 

 

煌蓮「よく言ったね、華琳ちゃん。ならあたしらも、お前たちを快く迎え入れてやるさ。

   野郎ども!! 今日から三日間は宴じゃぁ!! 飲んで飲んで飲みまくるぞーーーーーい!!

   町の連中も、今日から三日間は無礼講じゃぁ! 騒ごうが暴れようがお咎めなしじゃい!

   馬鹿娘の奴も呼んできな! おらぁ官吏共ォ、城中の酒を引っ張り出して来ぉい!!

   我こそはと思う酒豪は、この孫文台と飲み比べといこうじゃないか!!

   いっとくけど、あたしゃ黄酒二斗(約4リットル)はいけるよ!

   紹興酒なら三斗! それでも良いっていう命知らずはどっからでもかかって来な!!!」

 

祭「よしっ堅殿! その勝負、この黄公覆、受けて立ってやろう!!」

 

霞「ウチも飲み比べには自信あるねんで! 伸(の)るか反るか、いっちょやったろうやないか!」

 

煌蓮「劉備共ォッ、お前らは強制参加じゃぁ! 有無は言わせないよ!!」

 

鳳統「あうぁっ!!?」

 

諸葛亮「はぅぁっ!!?」

 

劉備「わわわわわ……」

 

 

こうして、孫呉始まって以来の、嵐の三日間が始まった。

地獄の宴が孫文台の手によって開幕したのである。

この宴会で、魏武の勇将たちは、孫堅の本当の恐ろしさを知ることになる……。

大方の予想通り彼女は、酒癖が非常に悪かったのだ。

 

 

 

???「ぐぅんふふふふ……華佗ちゃんに頼み込んで、何とかうまく潜り込めたわん♪

    待っててねご主人様、この貂蝉、たとえ火の中水の中、外史の果てまで追いかけていくわん」

 

???「ぐううぅぅ、そうはさせんぞ貂蝉め! イイオノコは、この卑弥呼が頂くのだ!!」

 

 

 

第八章一節終了

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
80
3

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択