No.680167

義輝記 別伝 その五 青州攻略編

いたさん

義輝記の続編です。 また宜しければ読んで下さい。

2014-04-20 11:53:48 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1444   閲覧ユーザー数:1286

【 『影』よりの報告 の件 】

 

〖 陳留 陳留城 華琳私室 にて 〗

 

華琳との相談を受けて三日目の夜、華琳と稟、風が部屋に集まる。

 

華琳「──刻限の三日目。 首尾はどうなの!?」

 

稟「私が申す事でも……ありません! 『影』殿、報告を!」

 

室内の灯りが、風も無く一瞬揺らぎ─────元に戻る。

 

気が付けば………華琳の目の前で跪いて、礼をとる者が居た。

 

伯約(影)「───御前、失礼仕ります。 稟殿より紹介がありました『影』と申します、曹州牧様!」

 

華琳「────────!  まったく……貴女達の仲間には、驚かされてばかりだわよ……… 」ドキドキ ドキドキ

 

伯約「では、稟殿より受けた依頼ですが、敵は百万の規模は確かにあります。 されど……非戦闘者を含めての数ゆえ、実際には四十万規模の軍勢と思われた方が無難かと…………」

 

風「妥当な線だと思いますよぉー? 温暖な地域でしたから、人は多いですからぁねぇー。 それに、家族だけ残して賊になるより、家族全員が賊になっちゃた方が、安全ですー!」

 

伯約「それから、かの者達に………組織だった私達のような情報収集に長けた者、防諜部隊等は……存在しません!」

 

華琳「──今まで、誰も情報を得られなかったのは、一体どういう事なの? 私達でさえ、情報の秘匿に細心の注意を払って、行っているのに関わらず、敵側に漏れるのよ! それが……賊如きに!!」

 

伯約「その考えの甘さが……漏洩の危機に陥るのですよ、曹州牧様。

 

賊如きでは無く、賊だからこそ、規律が厳しいとお考え下さい。 見つけ出され捕まれば──死罪は確実! だから、情報の漏洩は……死活問題になりますので、対策を採らざるなりません!」

 

稟「それでも異常ですよ? ほぼ完璧な防諜を施せるなんて。 しかも、防諜部隊も無いままで防ぎきるとは………」

 

伯約「…………相手方は『天の国』より伝わる『間者判別法』を使用して、間者を見破っています。 

 

猟で例えると……『曲者』という獲物を襲う『狩猟犬』が防諜部隊、相手方が行ったのは『判別法』と言う『罠』です。 

 

『罠』を仕掛け、相手を捕まえ……そこから更に芋づる式で捉えて始末する。 恐るべきやり方ですよ────」

 

華琳「じゃあ! ───向こうにも『御遣い』が!?」

 

稟「………考えられない訳でもありませんが……その割りには稚拙な人海戦術しか使っていません。 それに、もし関与していれば、颯馬様が……私達だけを派遣するとは思えません!」

 

風「──そうですねぇ。『影』さん? 賊の様子はどうですかー?」

 

伯約「………見張りだけ残して、気ままに自分勝手な行動をしていました。 

 

一度、見つかりそうになり、慌てて貂蝉さんから借りた下着を投げましたら、すぐに反応し……匂いを嗅いで嬉しそうに、懐にねじ込んでましたよ………あ───っ!?」

 

風「────ぐぅ」

 

稟「……貂蝉殿に、借りたのでは?………」

 

伯約「……………( 首を縦に )…コクリ………」ビクビク

 

稟「………持って行かれた事は…伝えて…………?」

 

伯約「 ─── ( 横に顔を ) ブンブン!!! 」

 

華琳「?」

 

風「………後で、貂蝉さんに伝えて上げて下さいー。 貂蝉さんの下着を盗んだ──黄巾賊がいますよーと」

 

稟「…………『埋伏の計』ですか?」

 

風「超──強力な『埋毒の計』ですー!」

 

  ………………………………………

 

────この後、賊将『閔純』の容貌、兵の性質を伝え、質疑応答も済ませて、二人の軍師に問い掛ける。 

 

『この戦い、我が軍に勝利は訪れるのか────?』と。

 

二人の軍師は、口を揃え『 是 』を発す。

 

これにより、曹孟徳は幾つかの策を用意して、青州黄巾賊に対する事になった────────

 

◆◇◆

 

【 久秀と順慶の暗躍 の件 】

 

〖 渤海 麗羽居城 司馬懿仲達私室 にて 〗

 

久秀「これで冀州は、こちらの物になったわ……。 確か、この後『 鄴 』に居城を移す事になるから、例の『調教部屋』の準備をして置かないとね…… 」

 

??「失礼しますわ!! 久秀!! 貴女は────!!!」

 

久秀「あら、順慶? そちらの準備は終わったの?」

 

順慶「……貯蓄庫の設置は、ほぼ終わりましたわよ! 二里(約830㍍)四方に周囲に壁を巡らせて、貯蔵庫を十棟作りましたわ。 この時代は、のんびりし過ぎて困りましたけど………」ハァ

 

久秀「だから……分担方式で行うように教えたでしょう? 

この時代は一カ所終わらなければ、横の作業が出来ない段階方式。 職人が遊んでいるなんて………時間の無駄! 

 

だから、それぞれの場所を定め競争させて、仕上がりが綺麗で尚且つ早く終われれば、褒美を与えさせるように…と、指示したはずよ?」

 

順慶「それはいいのです!! わたくしが言いたいのは、何で褒美がわたくしの『口付け』ですの!!! 」

 

久秀「──お金の節約よ」クスクス

 

順慶「資金が潤っている袁家の家宰が仰るような言葉ではありませんわよ! そ・れ・に・わたくしの唇は、颯馬様お一人に捧げていますの! どこの訳の分からない男共に行うモノではありません!!」

 

久秀「──あらやだ、しつこい女は嫌われるのが…定番なのに?」

 

順慶「ふん! 貴女のように虐めを主とする趣向では、颯馬様の心は射止めれませんわよ!? 」

 

久秀「────仕方が無いわね。 褒美は金銭で手を打ちますか……。 じゃあ、久秀は、麗羽に報告に行くから、順慶は『閔純』の様子を聞いて頂戴? 」

 

順慶「あの男は………なんですの? 会うたびに……期待した目で、わたくしを見詰めて、気持ち悪いったらありませんわよ!!!」

 

久秀「…あの男は、張譲に居た頃に、見張り役で付いていた男なの。

 

久秀に五月蝿く付きまとうから、ちょっと調教してあげたんだけど、主が主なら、従者も従者ね……。 すぐに墜ちたわよ………」クスクス

 

順慶「颯馬様意外の男など興味ありませんわ! ですから、用事が済めば、すぐに戻りますわよ!?」

 

久秀「それだからいいのよ。 あの男には、一定期間調教を施して快感を覚える一歩手前で止める。 その繰り返しで『放置』こそが、快感として覚えさせたから。 だがら、その方が喜ぶのよ……」クスッ

 

順慶「────クッ!! 兎に角、行ってきますわ!」ダン!

 

  ……………………………………

 

 

 

久秀「─────颯馬は、誰にも渡さない!   

 

久秀が……この手で……虐めて……あげるのよ…命絶えるまで…!」

 

 

◆◇◆

 

 

【 青州黄巾賊 討伐戦 出発 にて 】

 

〖 陳留 陳留城 謁見の間 にて 〗

 

華琳「皆に告ぐ! 青州黄巾賊討伐の目処が立った!! 明日、日の出と共に出発する!! 軍師達は……資材、兵数の管理、拠点までの道程の確認、斥候の派遣を行う事!!」

 

桂花、朱里、雛里「「「 御意! 」」」

 

華琳「将達は……兵の鍛錬、武器の確認、馬の管理! 」

 

春蘭達『 御意!!! 』

 

華琳「此度の戦は、短期戦で行うつもりだが、予断は許さない! 各自で必要な物を準備所持するように!!!」

 

一同『 はっ!!! 』

 

 

☆☆★

 

 

〖 陳留城内 通路 にて 〗

 

桂花「─────ちょっと、アンタ達!」

 

朱里「あわわわ! な、なんでしゅか!?」

 

雛里「はわわわ! あわ─────!?」

 

桂花「…………………アンタ達、口調が逆!!!」

 

朱里「はわわわ! え~と、もしかして………アレですか?」

 

桂花「そう、頼んだアレ! 筵よ! 」

 

雛里「……えーと、試供品で……一枚だけ……」

 

桂花「すぐに確認するわ! 持って来なさい!!」

 

朱里「で、でも……お仕事が………」

 

桂花「アンタ達二人分、私が片付けるわよ! つべこべ言わず──早く持って来なさい!!!」

 

朱里、雛里「「 わかりましゅたぁぁ────!! 」」

 

───────二刻 (約四時間) 後

 

〖 陳留城 政務室 にて 〗

 

朱里「お、お待ちどぅさぁ…‥はわぁ───!!」

 

雛里「しゅ、朱里ちゃ───あわぁ────?!」

 

桂花「………………………遅いじゃないのよ……」モゾモゾ

 

( 死屍累累の有り様をみせる政務署内。 倒れ込む文官の中からムクリと起き上がる桂花───!! )

 

桂花「 ……アンタ達…待たせるのにも……限度があるわよ!? 結局、私一人じゃ……間に合わないから、文官達を総動員して、アンタ達の仕事も、全部終わらせたわ!!!」 

 

朱里「ひゃい! すいましぇん!! ……部屋に戻って持って行こうとしたら……郭奉孝様に通路で会われ…………」

 

雛里「………中身をみたいと……言われたもので………お見せしたら……は、鼻血………信じられな……あわわわ!」

 

桂花「鼻血で───!? 嘘付くんなら、もう少しマシな嘘付きなさいよぉぉぉ─────!!!」

 

朱里「ホントでしゅ!! しゅごぉーい勢いで、描いた筵にドバァッと付着して、一から書き直したんでしゅ!!」

 

桂花「じゃあ! 見せて貰う『 バッ────! 』──うっ!」

 

    ドバァッ─────☆☆!! 

 

朱里「────はわぁ! 桂花しゃん!!」

 

雛里「───あわぁ! またぁ─────!!!」

 

────桂花は、疲労と出血で倒れたが、華琳より命じられた事は済んでいたので、仕事にも支障はなかった。

 

当日、開いた時間で仕上げた筵を、数枚渡すと……痩けた顔でニンマリ笑いながら追加注文を入れたのは、言うまでない──────。

 

 

☆★★

 

 

〖 陳留城 春蘭私室 にて 〗

 

春蘭「………長期戦になる可能性もありか………」

 

秋蘭「姉者、入るぞ! ──むっ? 姉者! 何を考えている?」

 

春蘭「華琳様が、長期戦もあり得ると仰ると言うのでなぁ? 食糧の不足をどう補ったらいいか………と?」

 

秋蘭「………………………」

 

春蘭「………何だ? 私がこんな事を考えるのは意外か?」

 

秋蘭「───コクッ!!」

 

春蘭「…………考えてみろ! 我が軍には『鈴々』と『季衣』と言う腕白達が居るではないか! 動けば、それだけ……腹は減る! 

 

桂花が軍師の試験を行った時も、季衣の参入で食糧の消費計算が狂ったのだ。 だが………今回とは様子が違う! この人数では、誤差が現れる可能性が多い!! そのために考えているのだ!!」

 

秋蘭「 ………本音は? 」

 

春蘭「 ────毎日、お腹一杯食べたい!! 」

 

秋蘭「………そうか」

 

 

★★★

 

 

〖 陳留城下 街中 とある店 にて 〗

 

星「店主! 頼みがあって来た!!」

 

店主「………!」ガタン スクッ!

 

星「────戦いが長期になるかもしれん! 何か……変わった味の『メンマ』は無いのか?」

 

店主「………。 ──!」

 

トコトコ カタッ! トコトコ ───ドン!

 

星「────試食してみても?」

 

店主「 (コクリ……) 」

 

ガダガタ パシィ  ───モグ! モグモグ………

 

星「辛子と塩味が聞いた……長期戦に相応しいメンマだ──!」ニヤッ

 

店主「──────」ペコリ

 

星「また、戻ってこれたら─買いに来よう! 息災にな、店主!」

 

 

☆★☆

 

 

〖 陳留城 謁見の間 にて 〗

 

風「北郷のお兄さ~ん!! 筵に『文字』を入れてくれませんか?」

 

一刀「──俺!? 俺より上手い人なら履いて捨てる程── 」

 

風「『天の国の文字』で書いて貰いたいんですよー!」

 

一刀「えっ?」

 

宝譿「『たいふへんもの』と入れて貰いてぇんだよ!!」

 

一刀「───なんでぇ、そんな物を『 おびき寄せる為だよ! 』 ………はぁ!?」

 

宝譿「アンタや颯馬達の知名度は、メチャクチャ上がっている!!

洛陽での活躍が活躍だから……その分な? だから、アンタが描いた物は、すべて貴重品って事で値が上がってるんだぜ?」

 

一刀「嘘ぉーーーーーー!」

 

風「……その文字ですね、『天の国』では有名な言葉だって聞いてますよ? 『宝譿』が教えたくれましたー!」

 

宝譿「『天の国』じゃあ、濁点はワザと付けないとさ! なっ? 兄ちゃん!?」

 

一刀「どこで、そんな話を─────!?」

 

宝譿「こまけぇ~ことは気にすんなよ? 照れるじゃねえかぁ!」

 

一刀「…………………………」

 

 

◆◇◆

 

 

【 《宴》の準備 の件 】

 

〖 兗州 山陽郡 鉅野県近辺 にて 〗

 

華琳「───桂花? 黄巾賊の動きはどう?」

 

桂花「斥候の報告ですと、この近辺には姿が見えない事。 また東平国に派遣している密偵達からも、連絡が届いておりません!」

 

華琳「それでは、計画通り砦の設置を急ぎなさい!!」

 

桂花「御意!」

 

 

 

▲▽▼  ▼▽▲  ▲▽▼  ▲▽▼  

 

地形は、左右に伸びる『舌状台地』。 両台地の側面と真ん中に『河』が三本流れている。 両台地の真ん中は、昔、大河が流れていため堆積物が溜まり、平野になっている  

 

▲▽▼  ▼▽▲  ▲▽▼  ▼▽▲  

 

 

 

☆☆★

 

〖 左舌状台地 先端部 にて 〗

 

周辺一帯は、立木が乱立している場所で、平野部分との差は数十㍍。

 

真ん中の平野部や周辺の部分は、なだらかな斜面が続いていた。 

 

朱里「周辺は、立木が続いていて大変ですが、『砦』を作る場所だけ立木を切り、その周辺は全部残して下さい!!」

 

星「『筵』の用意、柵用の木材も搬入しておけ!」

 

桃香「切り出した木は、輪切りにして置いて下さい~!」

 

 

***   ***

 

 

〖 右舌状台地 先端部 にて 〗

 

こちらは、立木はまばら。 河川の流れがあったためか、岩肌が剥き出しとなり、断崖が数キロに渡り続いている。

 

雛里「周辺に柵を三重に準備して下さい! 始めの柵は木の板を地面に差して、紐で落ちないようにしてから、傾斜を付けて崖前に少し出るように設置して下さい!!」

 

秋蘭「弓部隊は、活躍が増えるぞ! 矢の補充は充分に用意しておけ! 筵の準備を忘れるな!!」

 

 

***   ***

 

 

〖 二つの舌状台地の付け根、中央部分 にて 〗

 

こちらも、立木が乱立している。 

 

そこに左舌状台地と同じ作りの砦を三倍規模の大きさで造営、周囲に木々を残して、骨組みを建設して行く。 

 

華琳「今は敵がまだ来襲していない! しかし、もし来襲されれば、ここが最終砦と化す! 頑丈に造り上げなさい!!!」

 

季衣「大岩があったら言ってね! ボクが粉々に破壊して、石礫用の材料にするから!!」

 

 

***   ***

 

 

〖 中央の河 水源付近 にて 〗

 

桂花「急ぎ土嚢を積み上げなさい! 水の流出場所は一カ所のみ、そこは直ぐに外れるように、細工を試みるのよ!!」

 

真桜「やっとウチの出番かいなぁ!? 任しときぃ!!」

 

沙和「こらぁ! ウジ虫共! 相手はお前達ウジ虫より下等なクソ虫共なの! だから、真っ当なウジ虫に成りたければ、クソ虫共をぶち殺して、その事を沙和に証明してみせろ……なの!!!」

 

曹兵達『サァー イエッー サァー!!!』

 

 

***   ***

 

 

〖 曹軍 野営拠点 にて 〗

 

一刀「『松明』を、四本ぐらい一本の棒に括りつけて、背中に背負えるように準備するんだ!」

 

鈴々「う~ん? こう、お兄ちゃん?」

 

一刀「うんうん、上出来、上出来!!」ナデナデ

 

鈴々「えへへへへへ……」

 

 

ーーーーーーーーー

 

〖 とある川上 にて 〗

 

稟「平野の中央に設置する『砦』の材料は、これで大丈夫ですか? 材料が足りないとか無いように、確認は複数人で!!」

 

風「印が全部してあるかも見てくださいねー! 建築に遅延が生じたら、仲間の皆さんの命が危ないですよー!?」

 

 

ーーーーーーーー

 

〖 曹操軍 宿営拠点 にて 〗

 

愛紗「我々は、周辺の地形を今の内に確認する!」

 

春蘭「頭に叩き込むな! 身体で覚えこめ!!」

 

凪「春蘭様が仰ると、説得力がありますね!」

 

春蘭「ははは! 誉めても何も出ないぞ! 」

 

霞「………今の……誉めたと……ちゃうでぇ?」

 

 

◆◇◆

 

 

【 対する《百万の客》は…… の件 】

 

 

〖 青州 東平 青州黄巾賊居城 にて 〗

 

 

( 静まり返った玉座に、年の頃三十代半ばに見える若者が、退屈そうに座っている。 

 

細身ながら筋肉が均等に付き、如何にも女性が好みそうな容貌をしていたが、性癖が些か───だった )

 

順慶「─────失礼しますわ!」

 

閔純「おぉ──! 順慶様! 今日も相変わらず…お美しい!!」

 

順慶「………世辞など結構です! そちらの具合はどうかと…久秀さんからの伝言ですわよ? どんな様子ですの? 」

 

閔純「ふっ! ご心配には及びません!! 我が兵は百万を誇る大兵団…あの腑抜けの連合軍より、遥かに精強だと自負しております!」

 

順慶「それならいいですわ! 久秀さんは、曹操軍や周辺諸国と対峙するため、急速に袁紹の勢力を拡大しています。 貴方が順調に勝ち続ければ、久秀さんの良き手助けになるでしょうが………」

 

閔純「ご心配など───無用と、お伝え下さい。 それと……もし、曹操軍を壊滅出来れば、久秀様と順慶様より──褒美を頂きたいと存じます!!」

 

順慶( 防諜対策を教えてあげたお陰で、今まで大した被害が無かったのに…この増長…先は長く無さそうそうですわね? 

 

閔純「順慶様?」

 

順慶「………………分かりました。 その件──考えておきましょう! では、お邪魔しましたわ!」ニコッ スッ─

 

閔純「─────あっ!  ……………行かれてしまったか。 

 

久秀様に虐められるのも良いが、順慶様に蔑んで見下された視線も……また好ましい! 何としても、曹操軍を壊滅させ、御二人より同時の『調教』を受ける、至高の時を授けて貰いたいものです!!」

 

    タッタッタッタッタッタッタッタッ!

 

黄巾賊兵「申し上げます! 曹操軍! 山陽郡鉅野県鉅野沢付近にて軍を展開、我々を誘いだす備えを準備しているそうであります!」

 

閔純「────兵数は!?」

 

黄巾賊兵「同志からの報告によれば、兵数は一万以上二万以内。 地形を利用した砦を造り上げ、我々の最来訪を心待ちにしているようです!!!」

 

閔純「ほぅ!? 官軍の中にも『宴の作法』を知っている奴もいるようだな! 青州や冀州は幾ら暴れても、城の中に縮こまって『居留守』を使う不届き者が多いのに………」

 

黄巾賊兵「こういう手強き兵こそ、我らが信じる『神』が喜ばれるのですね! 閔純様!!」

 

閔純「その通り! 張角様亡き今、我々の指導者は居なくなった! しかし、信じた神が居なくなった訳ではない! 

 

俺の前に現れた白き服を纏った『神の遣い』は、我々に新たなる使命を下されたのだ!『漢王朝に変わりて、大陸を民達に委ねよ』と!

 

そして、『その事象、不変なり! 神の御名の下に!!』とも仰せられたのだぁ!!!」

 

黄巾賊兵「分かりました! 我々同志、その子孫のため、幸福なる未来を得るため、『強敵なる官軍』を神の生贄として捧げましょう!」

 

閔純「頼むぞ! そうすれば『神の御遣い』様も喜ばれよう!」

 

黄巾賊兵「はっ!」

 

閔純「では、明朝に冀州へ進軍! 居城には少数の兵だけ残せばいい! 周辺に敵など居ないのだからな!」

 

黄巾賊兵「──では、全軍に通達を致します!」

 

     タッタッタッタッタ!

 

閔純「───こうも早く、機会が訪れるとは。 

 

曹操軍よ! 我らの野望の糧になるがいい!!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

今回、かなり分かりづらいかと思いますが、作者の文才では、これが限度の様子。 挿し絵でも描ければいいんですけどね。

 

本文の地名は、調べたのですが本により様々で、正確と思われる方を使用しました。 地形は架空ですので、ご容赦を。

 

今回が、一刀の提案した策であり、軍師達の修正したモノになります。 

 

久秀の策略も………このように続いていきます。

 

因みに、久秀の策は三段階ありまして、これも一段目です。

 

黄巾賊兵の勝てば良し、負ければ二段目に移行、それだけです。

 

次回………投稿………遅くなるのかな? 

 

書いておいて、何故か予想より早く投稿する状態。

 

申し訳ないです。 

 

因みに、この物語、書き溜等は一切ありません。

 

全て投稿後に、一から書いております。 策も結構思いつき多いですし……………。 

 

それですので……書き上げれば、その都度、投稿したいと思いますので、また宜しければ、読んで下さい。

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
5
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択