No.679639

義輝記 別伝 その四 青州攻略編

いたさん

義輝記の続編です。 宜しければ読んで下さい。
4/18 一部修正しました。

2014-04-18 01:36:19 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1586   閲覧ユーザー数:1429

【 華琳の悩み事 の件 】

 

〖 陳留 陳留城 謁見の間 にて 〗

 

郭奉孝以下四名は、典韋の案内、許緒、張翼徳の護衛?で城に登城する。 事前に連絡があったため、曹孟徳、臣下一同が謁見の間で迎えて、顔合わせを行う。

 

十数日前には、別の場所で顔を合わせ……命のやり取りをした者、声を掛け合った者も居れば……全くの初顔合わせの者も存在する。

 

例外と言えば、元曹孟徳に仕えながら……一身の都合で鞍替えした楽文謙の姿が見える事。 

 

だが、双方それぞれ納得で移籍した事、真面目で人望厚い楽文謙の人柄の事などで、問題は何も起きないままで済んでいる。

 

それぞれの簡単な紹介の後、仕事を片付けに行く者、別の用事に行く者、誰かさんから逃げる者、その者を追いかける者等……それぞれ解散となった。

 

***

 

秋蘭「さて、もう一息で終わる。 手際よく片付けようか!」

 

桂花「私も手伝うわ! 早く終わらせて、秋蘭に青州攻めの見解を聞きたいのよ。 ……青州に送り込んだ『草』が………」

 

***

 

鈴々「ごめんなのだぁ! メンマを食べた事、謝るのだぁ!!」

 

星「天は許しても、このメンマの伝道師たる趙子竜が許さん! 覚悟せよぉ!!!」

 

 

***

 

沙和「凪ちゃん来たから、可愛い服を見繕って贈るのお!!」

 

真桜「……凪……元気そうやなぁ! うん! うん!!」

 

 

★☆☆

 

〖 陳留 陳留城内 華琳私室 にて 〗

 

華琳「遠路より遙々の到来、恐悦至極……で、いいのかしら? 郭奉孝……」

 

稟「此方こそ……務めては言え、曹孟徳様の用兵の妙は聞いていますよ。 孫子を注訳した新たな兵法を竹簡に記述したり、実際に実地に取り入れて行う様は、洛陽にも聞こえていましたから…… 」

 

華琳「そんな私でも、『颯馬』に悉く退けられてしまった。 所詮は生兵法だった………それだけよ…………」

 

稟「……………………………」

 

華琳「さて……そんな話をしに、この部屋に来た訳ではないでしょう? 要件は………何かしら?」

 

稟「─────率直に申し上げましょう! 曹孟徳殿……何を怯えていますか………?」

 

華琳「!!」

 

稟「今日の昼に……典韋殿達と昼を御相伴致しました。 その後、曹孟徳殿の様子を尋ねると……言い淀まれたのです。 その様子は、心配されている様子でしたのでしたよ?」

 

華琳「それだけで『 まだ、ありますよ! 』……!」

 

稟「……貴女の顔を観察してみれば、目の隈が濃いですね。 化粧で隠してありますが……間近で謁見させて頂きましたので、はっきり見えました。 それに、その顔の赤みは……お酒ですか?」

 

華琳「───!」

 

稟「うっすら……貴女から、お酒の匂いがしたものですから、鎌をかけてみたのですが………やはり、そうでしたか………」

 

華琳「────恐るべし観察眼と読みの深さね。 

 

……で、どうするの? このままにすれば、曹孟徳は自壊するわ! 誰の手も煩わせずに………この国は落ちるわよ?」

 

稟「……原因は何ですか? 私で良ければ、相談に乗りましょう!」

 

華琳「はっ? 何を言い出すと思えば……相談に乗る? 貴女と私は敵同士。 助けて何の得が『 天城殿の頼みだからですよ! 曹孟徳殿 』…えっ? 」

 

稟「………天城殿は、洛陽救援に向かう途中、貴女を見定めたそうです。 そうして、出た答えが『 虚勢を張る女の子 』だと……」

 

華琳「な、何を馬鹿な! 私は覇王!! 孤独を友にし皆を導く者よ!! それを、何も出来ない小娘みたいに……言うなんて!」

 

稟「……私も、始め聞いた時は驚き、今まで……その言葉を疑っていました。 しかし、たった今、確信しました! 天城殿の見立ては正しかった………と!!!」

 

華琳「────!」

 

稟「曹孟徳殿! 私を信じて下さい! 私も貴女を助けたい、この国を、この国の将兵達を、民達を助けたいのです!! 」

 

華琳「しかし……」

 

稟「その証拠に、私の真名『稟』を曹孟徳殿、将の皆さんにお預けしましょう! これでも……信じていただけませんか? 」

 

『稟ちゃん…………! 一人だけ格好つけては、駄目ですよー?』

 

稟「風!? 貴女、いつの間に!?!?」

 

風「えぇ──? 稟ちゃんの後ろにピタリとくっ付いて入ったんですよー? 曹孟徳様、確かに見ていましたよねー?」

 

華琳「最初は、何かの冗談かと思っていたけど………本当に気が付かなかったのねぇ………」フッ

 

稟「風! 今、大事な話を『 あいあいー! だから、風も口を出したんですよー! 稟ちゃんだけだと頼りないですからー! 』 ちょっ!?」

 

風「曹孟徳様ー! 風も真名『風』を預けますよー! 貴女達を助けたいんですー!! 天麩羅も美味しかったですからねぇ~!」

 

華琳「そう………………判ったわ! それでは二人の真名『稟』、『風』を預からせてもらう! 私も……信頼の証として『華琳』の真名を、二人に預ける!! 」

 

稟、風「「 はい! 」」

 

◆◇◆

 

【 久秀の進言 の件 】

 

〖 渤海 麗羽居城 謁見の間 にて 〗

 

久秀「麗羽様! ここは……このようにすれば、もっと壮麗に威厳も醸し出され、良い雰囲気になると思いますが?」

 

麗羽「おーっほっほっほ!! 渤海の居城が美しなるのは、わたくしにとっても、大変喜ばしい事ですわ!!」

 

猪々子「しかしさぁ~ 姫ぇ~! 戦が無い分、あたい達は暇でぇ暇でぇ…………」

 

斗詩「……じゃあ、この案件を見て貰いたいんだけど………」

 

猪々子「───あぁ! 急に忙しくなった! わりぃー、斗詩! また今度な────!」ピュー

 

斗詩「もう! 文ちゃんたら!!」

 

久秀「顔良様……僭越ながら、私で宜しければ……」

 

斗詩「あっ! お願いします! 司馬仲達さんなら、何かに付け詳しいから大丈夫です!」

 

久秀「……では、拝見を。 ……『 食糧貯蓄庫の建築と輸送の問題 』ですか。 将来的に曹操を攻め入る目的の先行投資ですね?」

 

斗詩「………そうなんですよ! 姫が『河北を平定して、曹孟徳さんに戦い挑む!!』って息巻いてるですけどねぇ~」

 

麗羽「斗詩さん! 何を弱気な事を!! ここは、大きく飛躍しなければ行けない時なのですよ!!」

 

斗詩「ですが、姫ぇ!! 周辺は、まだ安定に程遠く、袁家の財力を持ってしても……とても今年以内に曹孟徳さんに攻めいる事なんか、出来そうもないんですよ!!」

 

麗羽「─────ですが、あの『クルクル小娘』は、青州の黄巾賊に釘付けにされていますわ! ここで、わたくしが華麗に美麗に登場、優雅に華琳さんにギャフンと言わせれば、御遣い様は必ず……わたくしに向いてくれます! いえ、向かせるのです!!!」

 

斗詩「……しかも、昔…お世話になった『冀州牧 韓馥』様は、麗羽様の礼儀知らずと罵り、私達の『冀州牧地位、領地の譲渡』に首を縦に振りません!!」

 

麗羽「斗詩さん!! 貴女は忘れているのですか!? ……あの男は……確かに先代の袁家が貧窮している時に、私達を預かり養ってくれましたわ! 

 

ですが──幼きわたくしに『人には決して言えない事をした』とんでもない男ですのよ!! 貴女や猪々子さんが、叫びを聞きつけ駆け付けてくれなければ……私は…………!!」ブルブル

 

斗詩「…………………………」

 

久秀「………顔良様、私に任せて頂ければ、この計画より安く堅固な貯蓄庫を、構築させてみせましょう!」

 

斗詩「───い、いいんですかぁ!! 助かります!!!」

 

久秀「麗羽様 誠に差し出がましいのですが……『 冀州牧 韓馥 』の領地、麗羽様に献上したいと存じます」

 

麗羽「久秀さん!? 」

 

斗詩「司馬仲達さん!!!」

 

久秀「そうですねぇ…二つの件合わせて……十五日程の期間を頂ければ……大丈夫です。 麗羽様の為ですもの………!」

 

斗詩「──あの貯蓄庫の計画だけでも、二月ぐらい掛かる予定ですよ? それを冀州を落とす事と同時に────なんて!?」

 

久秀「はい、安心して待っていて下さいな」クスッ

 

麗羽「久秀さん! 改めて命を下します!! 『冀州牧 韓馥』の攻略、貯蓄庫の設置! 速やかに行いなさい!!」

 

久秀「───承りました!」ペコ

 

◆◇◆

 

【 華琳の悩み事2  の件 】

 

〖 陳留 陳留城 華琳私室 にて 〗

 

稟「では、華琳殿……悩みを……お聞かせ願いますか?」

 

風「風も、力を貸しますよぉー!」

 

華琳「………私はね、今度の戦いが……不安なのよ。 敵の数が…我が方より多いなんて事は…最初から分かりきっていたわ。 そのために、一刀の策を採用して準備を整えた! 」

 

稟「えぇ……。 臥竜鳳雛殿達が『この策に不備がありますか?』と、私にわざわざ教えて下さいましたから………」

 

風「……細部が少し違う策を示し、こちらの反応を伺ったのかも、しれませんねー? 風には、相談なんてありませんしー」ツーン

 

華琳「あの子達は、貴女を信じているわよ。 貴女の助言のおかげで一刀や私が救われたと、信じているから………」

 

稟「少し複雑ですね。 私の助言は一般的なモノ、軍師なら少し考えれば思いつくんですが………?」

 

風「あの軍師さん達は、稟ちゃんと違うんですぅ! 性格が捻くれてないんですよぉー!」ツーン

 

宝譿「大人げねぇぞ! 風!! それなら、曹孟徳に実力を見せてやれば良いだけじゃねぇか! いつまでも拗ねてちゃ事態は変わらないぜぇ!!」

 

風「ぐぅー」

 

華琳「起きなさい!」

 

風「おぉぉ~! 他の人に起こされますと、良い気分転換になりますねー! ………で、心配されている事とは、何ですか~?」

 

華琳「…貴女を見ていたら、悩んでいた私が馬鹿みたいじゃない…。 まぁ、いいわ! ここまで話たから、最後まで話すわよ!」

 

風「あいあいー!」

 

華琳「私は、相手をただの賊と判断して、何人か『密偵』を送ったわ………。 だけど、誰も帰ってこないのよ! 腕の立つ者も送ったけど、探れたのは周辺のみだけ。 奥に侵入しようとすると、忽ち正体が発覚して──始末されてしまうらしいの!!」

 

稟「情報を遮断する防諜部隊が居る……と、見ているわけですね?」

 

風「それだけ優秀な防諜部隊なら、こちらの様子を探るのも、お手のモノでしょうねー? 」

 

華琳「そうよ……もし、そんな部隊が存在していたら、一刀の策は見破られ、我が軍は蹂躙、屍を晒すはめになりかねないのよ!!」

 

稟、風「「 ……………… 」」

 

華琳「………桂花は、この事態打開の為に、色々と陰で動いてくれているようだけど………とても対応仕切れない!! 私には、もう思い付く方法は無いのよぉ!!!」

 

  ……………………………………

 

稟「………よく相談してくれました。 風! 『影』殿に連絡をお願いします!!」

 

風「じゃあ、頼んできますねぇ? えーと、調査対象は、人数、諜報部隊の有無、兵達の様子、敵大将の人相ぐらいですかねー?」

 

稟「そうですね! 数日の期限しか無いですので、急いで調査を頼んで下さい!! 」

 

風「それじゃあ、一足失礼しますねぇー!」トントントン

 

華琳「──『影』て何なの? それに、私のこの悩みに、どう対応してくれるの!?」

 

稟「──詳しくは説明出来ませんが、『影』とは『伏竜の軍勢』方に属する『忍び』です。 御遣いの百地、風魔の二人から薫陶を受けた者ゆえ、必ず成果を上げてくれるはずです!!」

 

華琳「……百地の弟子……」

 

稟「華琳殿…四日、いえ…三日の間期限を頂きたい。 さすれば、相手の全貌を知る事が出来るでしょう!」

 

華琳「いいの? その者に期限を伝えなくて……?」

 

稟「大丈夫ですよ。 繋ぎは付けるようにしていますので」

 

華琳「それでは、三日以内に奴らの全貌を伝えなさい!」

 

稟「承知致しました!」

 

 

◆◇◆

 

【 久秀の謀略発動 の件 】

 

〖 幽州 白蓮居城 にて 〗

 

兵「伯珪様! 大変です!!」

 

白蓮「ど、どうした! 久しぶりの……で、出番だから、緊張してる訳じゃ……ないのだが……!」

 

兵「我が方の領地と『冀州牧韓馥』様の領地境近辺に、少数の白装束の部隊を発見!! 伯珪様に出陣の要請が!!」

 

白蓮「分かった! 颯馬より報告にあった洛陽襲撃の実行犯共だろう!! 捕らえて洛陽に送らなければ───!!!」

 

☆☆★

 

〖 冀州 韓馥居城 謁見の間 にて 〗

 

久秀「───お目通り、ありがとうございます……」ペコリ

 

( 久秀が、城の中を案内され謁見の部屋に入ると……年の頃七十になりそうな、総白髪の細身の老人が玉座に座って待っていた。 

 

皺だらけで骨と皮ばかりの身体だが、身に付けている物は流石に一流品で覆っている。 玉座の手すりで、人差し指を動かしていたのを止めて、久秀の姿を見ると………嫌らしい笑いを浮かべる。

 

しかし、共に入って来た久秀配下の屈強な男二人に、明らかな嫌悪感を表情に出したのを見て、久秀は男共を部屋の隅に待機させた。 )

 

韓馥「して……何用か……の? 麗羽殿は………この《冀州牧》の地位と土地が……余程……欲しいと……見える………な?」

 

( 久秀は、顔を横に振りながら不定の言葉を紡ぎ出す…… )

 

久秀「麗羽様の再三の要請は、決して地位の奪取、国の乗っ取りではございません! 古くから、この地で民達を見守ってきた老英雄を、麗羽様が保護したいとの、要請を受けたからでございます!」

 

韓馥「ほ……ぅ、面白……い事を、言う……。 今まで、何の音信も……なかった麗羽殿が……。 昔、袁家を助けた……事も、あるのにも…何故……今更に………?」

 

久秀「はい! 私の配下の者より報告があり、麗羽様に言上したところ『至急、韓馥殿の下へ向かいなさい!』───と」

 

( 意外な言葉が聞こえたため、少し身を乗り出す韓馥! )

 

韓馥「いっ………たい、何が………!?」

 

久秀「はい! 『幽州太守 公孫伯珪』が、こちらに攻める手筈を整えているため、我が領地へ下がりて難を避けられればと、申しております!!」

 

( これまた意外な人物の名が出て、韓馥は驚きの声を挙げる! )

 

韓馥「───馬鹿、な! あやつとは……互いに……不可侵の密約…を……結んで……いるのに……!!!」

 

兵「た、大変です! 磐河に公孫伯珪の軍勢が集結している、との報告が入っています!! 数は約千! しかも白馬の騎馬隊ゆえ、白馬義従と思われます!!」

 

韓馥「な、なん……だぁ……とぉ!?」

 

( 兵より驚愕の報告が入り、頭が回らない韓馥! )

 

久秀「はぁ………折角の忠告も無駄になりましたわ。

 

如何しましょう? 私は一人で逃げれば済みますけど、韓馥様は……どうでしょうね? 公孫伯珪の白馬義従に対抗出来るのは、多分近隣見渡せば……麗羽様だけだと思いますが………」

 

韓馥「う……うぐっ!」

 

久秀「御返事がありませんようですし、それでは……お暇させて頂きます! 精々無様な死に方をされないよう……お気を付けて……」

 

( 久秀は優雅に別れの挨拶を行い、配下に退室を促した )

 

韓馥「まっ……まてぇ! まっ……てくれぇぇ!! わ、分かった! 地位や……領地も……くれてやる!! た、頼む! 儂も…………連れて………行けぇぇぇ!!!」ガタン!

 

久秀「そうですかぁ………残念ですけど……。 では、先に印綬を頂きましょうかぁ? 韓馥様ぁ? 助けた後で反古にされるなんて、嫌ですからねぇ?」

 

韓馥「こ、これ………だぁ!! は、早く……連れて行けぇぇ!!」

 

( 韓馥から印綬を貰うと、配下の兵に呼びかけた! )

 

久秀「はい、確かに。 では、韓馥サマを丁重にお連れなさい!」

 

( 城から連れ出すと、外に輿が待っていた。 勿論、久秀が命じたもの。 久秀は、口を三日月の形にして嗤いながら命を下す! )

 

久秀「 ──韓馥サマは、渤海までの道筋はご存知ないでしょう? 

 

凄く険しい道程ですので……舌を噛まれないように、口をきつく布で封じなさい! それから、駕籠から落ちるかもしれないから、手足も縛って、簡単には動かないようにしておくのよ!

 

これも、韓馥サマを守るための予防ですわよ?」クスクス

 

韓馥「ウグゥ───!! ウグウグゥゥゥ!!!」 ガタン! ガタガタ

 

久秀「あらあら……縛られて興奮するなんて……仕方の無い方ねぇ? 誰か!? 少し……眠らせて差し上げなさい!」

 

配下「はっ!」 ドスッ! 「ぐごおぉー!!」 ガタン!

 

久秀「では……渤海に戻りましょうか………」クスクスクス

 

 

( ……こうして、冀州は……袁本初の手に落ち、経緯を聞いた白蓮は……ただ唖然としていた……という……… )

 

 

◇◆◇

 

【 青州黄巾賊 の件 】

 

〖 青州 東平 青州黄巾賊居城 にて 〗

 

青州黄巾賊の主な将が集まり、集会をするため、頭目を中心に円座で囲み─────言葉を待つ。

 

 

  パチパチ パチ……パチ パチッ!

 

 

男達の周りには………篝火が何本も焚かれ、周辺を昼間のように明るく照らしだし、真ん中に居た男──青州黄巾賊頭目『閔純』が大声を挙げた!!

 

 

閔純「皆、日没まで御苦労!! 『 河水 』!!」

 

 

頭目『閔純』が叫ぶと、囲んでいた男達が一斉に座る!

 

……だが、中には座らずに佇む者が二人──────!

 

男1 「うっ!?」  男2 「何ぃぃ?」

 

閔純「───その者を捕らえろ!! 敵の密偵だぁ!!!」

 

  ダァ──! ドタバタドタバタ! 

 

閔純「ふん! 相変わらず…同じ手ばかり。 懲りん奴等…だ! 

 

まぁ───いい! 今日の成果は…………………  」

 

  ─────────────────

  ─────────────────

  ─────────────────

 

 

閔純「───────っと、いうことだ。 本日は、これにて解散とする! 『 嵩山 』!! 」

 

 

閔純が別の声を掛けると、男達が立ち上がる!!

 

男3 「──────!!」

 

………また、座ったままで辺りを慌てて伺う男! 閔純は叫ぶ!!

 

閔純「捕らえろ!! 雇い主を吐かせるのだぁ!!」

 

ドタバタドタバタ! ドタバタドタバタ!

 

解散した後、篝火の火は消され…………辺りは暗くなった。

 

☆☆★

 

??「………なるほど『立ちすぐり・居すぐり』の法を使って、間者の有無を見極めていましたか?」

 

    ───スッ!

 

伯約「…………御二人の修行で養った『遁法』で、ここまで侵入できましたが、並みの間者では無理ですね……ん?」フッ!

 

黄巾賊「あれ? 今誰か立っていたようだが……!」キョロキョロ

 

    ポトッ!

 

黄巾賊「むっ! なんだ…これはぁ!?!? 『女モノの下着』だとぉ!! キョロキョロ! キョロキョロ! クンクン ウホッ! いい匂い!」

 

   ゴソゴソ グィ!  ───ダッダッダッダッダッダッ!

 

 

───────スッ!

 

伯約「危ない所でした。 貂蝉さんから借りた下着が役立ちましたか………。 黄巾賊ですから、男日照りだと思いましたからね。 

 

さて……更に侵入して任務を果たすとしましょうか………」

 

 

 

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あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

仕事が少し楽になった間隙を突き、何と出来ました。

 

久秀の謀略は………更に続きます。 

 

『久秀の策は、こんな児戯みたいなモノじゃないの。 青州黄巾賊も久秀が一枚噛んでるけど、結果がどうなっても曹操は終わりよ!』

 

と………コメント貰う程の自信ありげなんですけどね。

 

どうなることやら。

 

次回には、貯蔵庫造りですね。 

 

久秀がどんな貯蔵庫造りをするか、こちらもお楽しみに………。

 

また、宜しければ読んで下さい。


 
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