No.678932

義輝記 別伝 その参 青州攻略編

いたさん

義輝記の続編です。 物語が華琳を中心に動くため、颯馬達は、当分お休みです。 また、今回少し短いです。
よろしければ、読んで下さい。 4/15 民の台詞を変更しました。

2014-04-15 00:43:11 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1631   閲覧ユーザー数:1461

【 青州攻めに向けて の件 】

 

〖 陳留 陳留城内 謁見の間 にて 〗

 

華琳「さて、私達は………数日後に青州へ攻め入る。 桂花! 状況の説明を!」

 

桂花「はっ! まず事の起こりは、兗州刺史『劉岱』と済北の相『鮑信』が、反董卓連合に参加した事から始まります。

 

この時、守りが薄くなった兗州に、黄巾賊百万が侵入を果たし、任城国相『鄭遂』等を殺害。 方向を転じ東平に攻め寄せ荒らし回ったとの事です!」

 

華琳「私達の目的は『青州黄巾賊の壊滅』させる事!

 

後方に部隊を残すため、約一万人が出動! 

 

周辺諸国には、陳留を襲い落とす可能のある、軍閥及び賊も居ないため、主要な将は全員投入する! 各自準備を怠らないように!!」

 

沙和「あの……華琳様、質問なの? 援軍は……?」

 

華琳「援軍は無し! 単独で賊を撃破するから、そのつもりで!」

 

真桜「た、大将!? そんなムチャな話で大丈夫でっか!?」

 

華琳「………一刀に策があるそうでね。 一応、軍師達にも確認したら了解を得たわよ……」

 

朱里「…………場所が限定される奇策でしゅが………」

 

雛里「………効果は………絶大………でしゅ………」

 

華琳「………? どうしたの? 二人共…………?」

 

桂花「はぁ、はい! 実は華琳様から北郷の策を聞き、試しに私達で打ち破れるか協議したのですが………無理……でした」

 

華琳、軍師を除く一同「──────────!」

 

桂花「私は───これ以上考えても、弱点など見つからない。 しかも華琳様は……私達が問題無いと判断する前に……先に材料の準備を命じられていたようなので……早々に諦め床に就いたのですが……」

 

朱里「わ、私達は……この策に不備が無いか……更に追求していて……夜遅くまで……………」

 

雛里「コクコク(……桂花さんから頼まれた、華琳様の全体画の協議をしていた……なんて……知られたら……あわわわわ!!)」

 

華琳「私が直に聞いて大きな問題は無い。 もし、軍師達が問題を見つけても、修正可能な小さい所の筈だから、材料の調達を優先したのよ。 ………それとも、桂花? 妬いていた?」フフフ

 

桂花「~~~~知りません!!」プィ!

 

華琳「もう………拗ねないの。 

 

さて、それから皆に告げる! 先程洛陽から伝令が送られてきた! 

 

今回の戦の監査官と何進大将軍配下『郭奉孝』『程仲徳』両名、 護衛として『楽文謙』『張文遠』率いる護衛団百名が陳留に来訪され、我が軍と行動を共にする!」

 

真桜「凪が!?」 沙和「凪ちゃん!?」

 

桂花「……………あの軍師………」ギリッ!

 

朱里、雛里「「 ゴクッ……! 」」

 

愛紗「張文遠──────!!」

 

春蘭「アイツに、私こそ……愛紗より強いと、教えてやらねば!」

 

鈴々「にゃー!! 鈴々! 鈴々が最初に手合わせするのぉ!!」

 

華琳「…………今回の来訪は、私達の軍備と黄巾賊との勝敗、両方の

確認!! 洛陽と董卓側の正式な使者ゆえ、失礼な事は無いように───くれぐれも注意なさい!!!」

 

一同「─────────────!!」

 

華琳「真桜、沙和……凪は、既に向こうの陣営に加わっている身。 心配や逢える喜びも分かるけど………あくまで『友達』範囲にして頂戴。 

 

双方の軍務等に内容になれば、私は貴女達を……処罰しなければならないし、凪の身だって……董卓軍側から疑われる可能性がある。 そんな事にしたくないから……協力して欲しい!!」

 

真桜、沙和「「 御意! 」」

 

 

◆◇◆

 

 

【 天麩羅騒動 の件 】

 

〖 陳留 陳留城下 街中 にて 〗

 

 

霞「───ここが『陳留』かいなぁ!! 思ったより、ぎょーさん繁盛してるやないかぁ!? なぁ? 稟、風、凪っち!」

 

稟「……霞殿! 私達は漢王朝の代表で、曹孟徳殿に訪ねたのです! もう少し威厳がなくては…………!」クイッ!

 

風「───稟ちゃん~! もう無理だと思いますよぉ? ほらぁ!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

    

 

民1 「楽文謙様だぁ!! 楽文謙様が──お帰りになったぞぉ!!」

 

民2「『陳留の武神』から『洛陽の守護神』に成られた楽文謙様だぁ!」

 

凪「あ、あまり騒がないように───えっ!? そんな肩書き名乗っていません!!! 変な肩書きを言うのは、止めてください!!!」

 

     トタトタトタトタ トタトタトタトタ!

 

子供1「凪お姉ちゃんだぁ! 久しぶり~!!」

 

子供2「凪先生ぃぃ~~!! 練習続けてる……よぉ!!」グスン

 

子供3「凪先生! 桃香お姉ちゃん……また遊んでいたんだよ。 怒ってあげってよ………!!」

 

凪「皆………!! うんうん……クスン 偉いぞ、練習……頑張ってるんだな! 師範代の言うことを、よく聞いて励むんだぞ!! 

 

…それと、桃香の事は、華琳様に伝えておこう!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

霞「おぉ~!? こりゃまたぁ……凄い人気やなぁ!」

 

稟「───────話は聞いていましたが、ここまでとは!」

 

風「さて、そろそろ、お昼になりますよぉ~? どこか、良いお店を凪ちゃんに教えて貰って……………う~ん?」

 

 ────『 陳留名物 天麩羅屋 』

 

風「稟ちゃん! 霞ちゃん! これを見て下さいー!」

 

稟「えっ? この前、陳留に寄ったときは、このような名物料理など無かったはずですが──────!?」

 

霞「あれて、颯馬軍師の言ってはった『天ぷら』!?」

 

『───そうですよ!』

 

霞「凪っち! 用は終わったんかいな?」

 

凪「皆さんを、待たせる訳にはいきませんから。 私も今は──董卓軍の一員です! 先程、何人かの人に、お昼の美味しい場所を尋ねてみたところ、ここを紹介されまして……………」

 

宝譿「おっ? あの軍師が教えたのは『薩摩揚げ』じゃねえのか?」

 

稟「──私も、汜水関で曹操方に教えた調理方法は、その『薩摩揚げ』だと聞いておりましたが…………」

 

凪「はい、私も聞いていた話と違うので、聞き直すと……曹操軍へ伝わった調理法に、一刀殿の『天の知識』も加わり、料理の種類が豊富となり、曹孟徳様が大変喜ばれたそうです。

 

そして、民間に条件付きで、その調理法を下げ渡されたて、このような名物料理として営業していると。 条件は『売上の二割は、官に上納するように』だそうですよ」

 

霞「そんじゃ、ここに決め早よぉ昼にしようや? 味の保証もしてくれてるし、曹孟徳への謁見も務めなぁ、あかんからなぁ?」

 

風「グゥ~」

 

稟「風……!」

 

風「…………お腹の音ですぅ………」

 

☆☆★

 

霞「おっ? なかなかいけるやんかぁ~! この『かつ丼』って言うのぉ!! 肉の臭みが殆ど無くて美味いでぇー、おっちゃん!!」

 

風「稟ちゃん……。 風の『精進揚げ』を何度見しても……あげませんから。 パリポリ う~ん 新鮮な味覚です!!」

 

稟「私だって同じ物を頼んだのですよ! 一足違いで材料が無いなんて───────!」

 

凪「稟様、わ、私ので良ければ……お分けしますが……」

 

稟「それは……貰えません! 陳留に残る御友人が、いつ寄るか判らぬ貴女のために用意された『特別めにゅー 辛子ビタビタ精進揚げ料理』でしょう。 凪殿が召し上がるのが筋です。 

 

それに、具が全部唐辛子で、周りも辛子で覆われている激辛料理を食せば………どうなるか童でも判りますよ!!!」

 

店主「すまねぇな、客人! もう少し待ってくれれば、材料が届くはず『たっだいまぁぁ! 待たせてごめんなのだぁ!!』 おっ! 噂をすれば………将軍方!! お帰りなせぇ!!!」

 

鈴々「にゃははは! 鈴々、一番なのだぁ!!」

 

季衣「こらぁー! ちびっこ!! 軽い荷物だけ持ってくなぁ!!」

 

流琉「………二人共、お客様が居るんだから、騒いじゃ駄目! もし迷惑掛けたら……今から作る料理は、一切食べさせません!!」

 

鈴々、季衣「「 ─────はぃ! 」」ピシィ!!

 

   ……………………………………

 

霞「ありゃ? うちとやりおうたぁ……ちびっ子!!」

 

鈴々「あっ─── 愛紗と戦ったぁ………布巻いたお姉ちゃん!!」

 

稟「………えーと、貴女方は曹操軍に居た…………」

 

季衣「あぁ────! 凪ちゃん! 久しぶり!!」

 

稟「……まぁ、そんなモノです。 べ、別に落ち込んでなど……」

 

流琉「あっ! 虎牢関の時は、助言ありがとうございました! おかげで華琳様や兄様が……無事に帰って来てくれました。 本当にありがとうございます!」ニコッ!

 

稟「 い、いえ、それが、私の役目ですから………」

 

店主「典韋将軍! このお客が、店の材料が揃うまで待ってくれたんでっさぁ!! 腕を振るって、急いで調理を手伝って下せえ!!」

 

流琉「す、すいません!! 急いで支度しますので、もうしばらくお待ち下さい!!」パタパタ パタパタ!

 

宝譿「ほらよ! 手拭いだ。 いい女に涙は不要さ」

 

稟「…………………………」スッ クスンクスン フキフキ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー   

 

店主「待たせてぇすまねぇ! 当店自慢『薩摩揚げ』って言う『天の国』の料理だぁ!! しかも、材料取れたて、典韋将軍直々の調理とは、お客さん運がいい!! 

 

食せるのは、曹孟徳様以下重臣の方々と、偶に手伝いに来てくれるこんな時だけだぁ!! 許緒将軍と張飛将軍は、もうしばらくお待ち下せぇ!!!」

 

鈴々、季衣「「 ………………ギュルルル……… 」」ポタポタ

 

稟「はぁ、はい!! では、いただきまぁ………す?」

 

風「ジィ─────────」

 

稟「先程、私の懇願を鰾膠もなく(にべもなく)、断ったのは風でしょう! だから、私が戴きま…………『ジィ────』わかりました! 分かりましたから! しかし、最初の一口は私ですからね!」

 

  ぱっく! モグモグ ────!

 

稟「───これって魚なんですか? ですが、骨が無い!! しかも油で揚げているため、焼くとか煮るとか違う味わいがぁぁ!!」

 

風「……………稟ちゃん。 能書きはいいですから、風にも食べさせて……『もう一口、もう一口だけぇ!』 ………はぁ……」   

 

     …………………………………………

 

稟「……………申し訳ない………風………」土下座

 

風「────プンプンですーよぉー。 稟ちゃんたら約束したのに、待つ身の目の前で、全部平らげるなんて……鬼、人デナシ、種馬!」

 

稟「くっ────! もの凄く人格不定された言葉が───!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

鈴々「それ駄目! 鈴々の分、鈴々の分!!」

 

季衣「ちびっ子は食い過ぎ!! 少しは控えろ!!! これはボクんのだぁ─────!!」

 

霞「こらぁ!! えぇ加減にぃ───もう止め! 止めれぇ!! 

………調理してくれはった、あの子の分も平らげるのちゃうか!?」

 

季衣、鈴々「「 ~~~~~~~!! 」」 ピタッ

 

霞「───ったく、ちぃこい体して、大皿二杯をペロッとてぇ、どない胃袋しとるんやぁ? ほんまにもぉ………」ポンポン ポンポン

 

季衣、鈴々「…………………………」

 

流琉「────あ、あの、すいません!! 二人共……食になると見境が無くなって…………」シュン

 

霞「いやぁ……ええねんけど……一つだけ頼み聞いて貰えんかい?」

 

流琉「はい?」

 

霞「その『薩摩揚げ』……ウチも一枚、一枚だけで…ええねん! 食べさせて貰えん? 」

 

風「風も、是非ご相伴させて下さいー!」

 

凪「わ、私も……………」

 

稟「……………」(店の隅で、しゃがみ込み……文字を書いてる)

 

流琉「いいですよ! 皆で食べた方が美味しいですし…あっ、そこの眼鏡の方もどうぞ! 入らして召し上がって下さい!!」

 

稟「……………………」スクッ モジモジ

 

風「……仕方ないですねー。 風も意地悪した事ですしー、稟ちゃん! 早く来ないと稟ちゃんの分は、宝譿にあげちゃいますよー!」

 

稟「今、行きますので残してぇぇぇ!!!」ダッ!

 

 

☆★★

 

 

風「満足ですぅ───グゥ~!!」

 

稟「食べた早々に───寝るなぁ!!!」

 

風「おおぅ───!!」

 

凪「それでは、行きましょうか?」

 

流琉「? そう言えば、皆さんは……曹孟徳様に……まだ?」

 

霞「いやぁ、謁見中に腹の虫が鳴かれても……と思うてなぁ!」

 

凪「先に先触れは出して、お昼以降から登城する旨、お伝えしてありますから大丈夫ですよ?」

 

流琉「そうですか……。 それならいいのですが………」

 

稟「…………何か、曹孟徳殿に変わった事が………」

 

       ビクッ!

 

流琉「…………………………いえ! すいません。 私の勘違いでした。 余計な事を言ってしまい、申し訳ありません! 

 

………ご案内しますので、私の後に付いてきて下さい。」

 

稟「────分かりました。 それでは……お願いします!」

 

流琉「はい! おじさん!! 片付け手伝えなくて、ご免なさい! 今から、お城に戻りますので!!」

 

霞「おっちゃん! 美味かったでぇ!! また寄らせて貰うさかい、体に気ぃ付けてなぁ!! 代金置いとくかいなぁ!!」

 

凪「ご馳走様でした!!」

 

風「美味しかったですよぉ~!!」

 

店主「へい! ありがとうござぃ!! またのお越し!!!」

 

 

      トットットットッ!

 

 

鈴々「待ってぇ! 鈴々達も行くのだぁ!!」

 

季衣「召集掛けられるのは、分かっているからねぇ!!」

 

★★★

 

〖 陳留城下 街中 にて 〗

 

 

風「───それでは、『薩摩揚げ』が颯馬さんの教えてくれた調理法で、『天麩羅』が北郷さんの教えてくれた調理法ですかー?」

 

流琉「はい! 天城様と敵同士の関係でしたが………私には料理の先生のお一人です。 兄様も色々教えてくれるのですが……」ポッ!

 

風「ふ────ん」ニヤニヤ

 

宝譿「おい、風! 他人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んじまうって話だぜぇ!!」

 

風「おぉ~! それは怖いですねぇー!(棒読み)」

 

稟「…………………………………」

 

凪「稟さん? どうされました?」

 

霞「───どないしたん? 腹でも下したかぁ?」

 

稟「違います! ……天城殿が言っていた言葉が、気に掛かっていたものですから…………曹孟徳殿を『一人の虚勢を張る女の子』と評価していたのですよ? あの才気煥発な覇王を…………!」

 

霞「───────! 颯馬軍師は、そう見えはるかぁ……」

 

凪「………………………………」

 

稟「………どちらにしても、曹孟徳殿にお会いしなければ、何とも言えないですね…………」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

今週忙しくなりそうですので、急ぎ投稿しました。

 

次の投稿は、来週日曜以降に、なるかもしれませんので。

 

待ってる方は、あまり居ないと思いますが……念のため。

 

naku様、要望とは、かなり変わりましたが…本文に取り入れて出してみました。 こんな具合で宜しいですかね。

 

また、よろしければ読んで下さい。

 


 
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