No.678180

義輝記 雷雨の章 その弐拾七

いたさん

義輝記の続編です。 また、よろしければ読んで下さい。

2014-04-12 11:15:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1824   閲覧ユーザー数:1599

【 安堵する諸侯 の件 】

 

〖 洛陽 宮廷内 謁見の間 にて 〗

 

一刀「………………………………」ボー

 

華琳「一刀! 一刀!! 」ユサユサ

 

麗羽「『御遣い』様!! 」ユサユサ

 

一刀「はっ!? ……か、華琳!? あれ? 袁本初様も!?」

 

華琳「ちょっと!? どうしたの? ………大将軍にアレほど啖呵を切った男が、朦朧としているなんて!?」

 

麗羽「いいじゃありませんの! 『御遣い』様のおかげで、わたしくし達は、無事に解放されたのですから!」

 

一刀「そうかぁ…………。 策は上手くいったんだな……」ヨロッ

 

華琳「しっかりなさい!! ほらっ! 私に掴まって……」

 

一刀「…………良かった……。 ……この……温もりを……守る事が出来て………」ガクン

 

華琳「ばっ、馬鹿!! そんな、恥ずかしい事……言われて、皆の前に出る私の事を考えなさい……!!! って、一刀? 一刀!!」

 

麗羽「………落ち付きなさい、華琳さん。 え~と、額は……平熱ですわね。 脈も……あら、結構逞しい腕です事! 『麗~羽~!!』 ん~~ゴホン ………脈も平常ですわ。 

 

どうやら……過度の緊張に依る疲れですわね……? なんですの? その『 猪々子さんが、斗詩さんに怒られたような表情 』は?」

 

華琳「貴女? 医療行為も出来るの? 」

 

麗羽「華琳さん! わたくしを誰だと思っているのです? 『袁本初でしょ?』 ………分かっているでは、ありませんか?」

 

華琳「今ので理由にならないわよ!! 説明なさい! せ・つ・め・い!!」

 

麗羽「はぁ~~、理解不足ですわね。 花嫁修行の一環ですわよ! 愛する殿方を守る為、掃除・洗濯で清潔さを! 料理で胃袋を! 医療で、その……お身体を! 勿論、兵法、武術もですわよ!?」

 

華琳「─────じゃあ! 今までの行動は……!!」

 

麗羽「これらの知識、技術は、愛する殿方のため。 普段で、そのような事を披露する気なんて………これっぽっちもありませんわ!!」

 

華琳「…………………………」

 

麗羽「華琳さん!! 何を御間抜けな顔を晒しているのですか!? 早く『御遣い』様を皆の下へ!! 

 

あぁ……やはり、お運びするのは、わたくし一人で結構ですから! 

 

華琳さんと一緒に肩を貸せば………華琳さんに負担が殆ど偏ってしまいますもの! おーっほっほっほっほっ!!! 」

 

華琳「なら! 早く来なさい!!! ムカツクッタラアリャシナイ…ブツブツ……」

 

★☆☆

 

〖 洛陽 宮廷内 謁見の間 にて 〗

 

愛紗「御主人様───! ご、御主人様!?」

 

鈴々「にゃ─!! お兄ちゃ─ん! しっかりするのだぁ!!!」

 

桃香「ご…………一刀さん!!」

 

朱里「…す、すいましぇん! 私に見せて……ホッ、大丈夫ですね」

 

雛里「………良かったです~!!」グスン

 

星「主よ………お見事で……ございました…」スッ ペコリ

 

☆★★

 

春蘭「かぁぁりぃぃんんざぁぁぁまぁぁぁ!!!」ダッ!

 

秋蘭「…………華琳様、北郷。 二人共、無事で何より!」ホッ!

 

桂花「華琳様!! ご無事で桂花はー! 桂花は──!! ……北郷…アンタも、しぶとく残って………良かったわね。 フン!! 」

 

李衣「華琳様!! 兄ちゃん!!!」ダッ!

 

流琉「華琳様、お疲れ様です。 兄様の看護、代わりましょうか?」

 

真桜「隊長! ……『 男 』見せてもらったでぇ!」

 

沙和「華琳様も、御無事で………ホント良かったなの!!!」

 

★★★

 

雪蓮「………私達に都合が言いようになったわね? 冥琳?」ウーン?

 

冥琳「………これを真に受けて喜ぶべきか、裏があると警戒した方が良いのか………判断に苦しむな…………」ウム?

 

祭「難しく考えても仕方ないじゃろう。 勅命だから拒否も出来ぬからな。 良否に案を分けて、対応策を練るしかあるまい!」

 

穏「そうですね~! 一時といえど領有出来るのですから、『種を撒く』事も、『刈り取る』事も出来ますから~良い方向に考えても、間違いないかもしれませんねぇ~!」

 

蓮華「『種を撒く』? 『刈り取る』? 」

 

明命「ボソッ( 『種を撒く』のは、孫家に味方する豪族を増やし、袁家の支配から抜け出すための布石にするのです! )」

 

思春「ボソッ( 『刈り取る』とは、孫家に仇なす輩を排除する事です。 蓮華様! )」

 

蓮華「──────────!」

 

◇◆◇

 

【 暗躍する二人 の件 】

 

〖 どこか別の場所 にて 〗

 

于吉「──────う~~ん、甘いですよ。 私の手助けを無にしてしまうなんて。 ………いえ、もしかすると、世界の修正力とかが働いているのですか? 『董仲穎達を守ろうとする意志』が……… 」

 

左慈「おい! おぉぉい!! 馬鹿于吉!!! 

 

ちっ! また、考え事始めやがったな………。 コイツが思考の海に浸ると長時間出て来ないんだよ、────ったく!!! 」ガン!

 

于吉「ああぁぁぁ~~~!!」ウットリ……

 

左慈「全く……やってられねぇ!!!」スッ─

 

 

于吉「────────左慈は、行きましたか。 まぁ、左慈の事です。 手筈通り『五胡』に向かったのでしょう。 なら、当分帰っては来ませんね。 私は、もう少し様子を見てから、動きましょうか…」

 

◆◇◆

 

【 策の出所と……… の件 】

 

〖 洛陽 宮廷内 別室 にて 〗

 

桂花「北郷! 言いなさい! 早く言いなさい!! 即、言いなさい!!! 絶対、元になる『何か』が、あったんだでしょう!? 

 

アンタみたいな、日頃から女を誑かすしか考えない頭で、あのような良策が出来るワケが………。 ハッ! もしや、似たような脅しを考えて、私達将を己の寝台に同衾させようなんて…………!!!」

 

雛里「で、でも………知識として知っていたとしても、運用する時、場所、環境を見極めて行わなければ『宝の持ち腐れ』でしゅよ~?」

 

穏「でもでもぉ~、出所は…とっ~ても気になります! きっと、素晴らしい未知の策が、わんさか載っているんでしょうね!?」

 

雪蓮「策の出所は置いていいから『雪蓮様あぁぁ!!』……これ以上宮廷で騒ぎを起こさせないの! 聞くなら、ここを出てからになさい!! 『しょんなぁぁぁ~~~生殺しですよぉぉぉ!!!』」

 

冥琳「……コホン 我々にも、その策の全容を教えてもらう権利があると思うが………どうだろう?」

 

華琳「私は良いわよ! 隠し事があると、有らぬ噂でも立てられるのは困るもの。 そうでしょう? ……周公瑾?」

 

冥琳「フッ! 私としては、権利を主張しただけだ。 後ろめたいものがある奴には、噂といえど怯えるものだよ……」

 

麗羽「………わたくしも構いませんわ! 後ろめたい事なんて、少しもありませんので!」

 

一刀「分かった! 説明するから、聞いてくれ…………」

 

俺の居た天の国に、同じように権力者に楯突いて、疑われた太守がいてね。 自分の眼が片目だったから『独眼竜』て、言われていたけど……。

 

その『独眼竜』が、二度目の疑いが掛かった時に使った策が、これだったんだ。 

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あの時………俺達は、盟主、副将と三人だけ、部屋に入れられた。 

 

他の皆に相談は出来なかったけど、意思疎通を通すには、ちょうどいい人数だったんだよ。 謁見の時になれば、多分、俺達だけで纏めて置かれる予測は出来たからね。 

 

だから、俺が二人に頼んだのは…『時間稼ぎ』…だった。

 

仕込みは、俺達が宮廷内へ入る前に、華琳や顔良さんへ、一刻後兵達に騒ぎを起こして欲しいと頼んだのさ。 

 

………正確には、武器の研ぎや撃剣の練習だけどね。

 

俺が一番恐れたのは、この詮議を早く終了されて、閉会にされる可能性があった事だ。 

 

俺達が起こした、張譲様の要請にお応えする『支援行動』は……洛陽側にとって正しく『叛逆行為』にしかならない! 俺達を早急に罰したいと考えても………間違いでは無いはずだ。

 

そうなれば、詮議なぞ異論ないまま終了、罪状を棒読み宣言してから『 罪確定! お前達は死刑!! 』……で、終わり。

 

これでは、一刻も掛からずに済んでしまう!!

 

それじゃあ、仕込んだ策の意味が無くなってしまうし、みすみす皆を罪人にさせてしまうのでは、俺を信じてくれる人達に申し訳が立たない!!

 

だから、『 異論の発言が出なければ、こちらから発言して、時間を稼いで貰いたい! 』と、お願いしたのだ。

 

………結論的に言えば……言わなくても、食い下がるような二人じゃなかった………。 早くも『異議あり!』と発言してくれて、なんとか一刻過ぎるまで持つ事が出来たんだよ…………。

 

華琳「……………ねぇ、ふと思ったのだけど………あの『伏竜の軍勢』の将の中に、その『独眼竜』って……いるの?」

 

一刀「……俺が見た限りは……居なかった。 でも、急に現れる可能性はあるよ。 現に……先程の謁見で、虎牢関でも見たことない将が幾人も居たから………」

 

華琳「……董仲穎の下に集まる『天の御遣い』達……ね」

 

一刀「華琳……?」 

 

華琳「天城颯馬………!! 貴方は何を望む!? 

 

その軍略、戦力、名声!! 今の貴方なら、主である『董仲穎』さえ凌駕する力を持つのに、まだ『伏せる竜』となる気なの!? 

 

ならば、見ていなさい! 曹孟徳は……今回の戦を糧に、更に巨大化してみせる!! 貴方を実力でねじ伏せて……あげるわ!!

 

そして…………我が手に──────!!! 」 

 

雪蓮「………………………………」キュッ!

 

 

◆◇◆

 

 

【 颯馬の意図 の件 】

 

〖 洛陽 宮廷内 何進の部屋 にて 〗

 

何進「う──────ん!! 肩が凝ったわい!!!」コキコキ!!

 

颯馬「お見事でした! 素晴らしい『演技』でしたよ! 何進殿!」

 

何進「いやぁ──驚いた!! 北郷めが、あのような奇策を編み出してくるとは…………いやはや『天の知識』とは恐ろしい!!」

 

颯馬「俺も、それには同感です。 『三太夫』に伏せてもらったかいがありましたよ!」

 

………北郷殿達を別室に留め置いたのは、正解だった。 

 

もしかすると、何か策を企ててくるのではないかと、三太夫を伏せて置いたが、あのような恫喝をしてくるなんて………。

 

★☆★   ★☆★   ★☆★   

 

 ◆ 回想 ◆  

 

〖 場所は同じ 〗

 

三太夫『旦那ぁー!! あっちの天の御遣い、すげぇ企み持ってやがる!! 早く対処しないと、えらい事になっちまうぜぇ!?』

 

    ───────────────

 

颯馬「……………分かった。 相手がそうくるなら、こちらも便乗しよう。 確か、史実が青州の争乱があったから…………」

 

     ガタガタ ガタガタ!!

 

何進「ああぁぁぁ!! 漢王朝も、もう終わりだぁぁ!! あの世にいる母ちゃん! 馬鹿な妹! どこに居るのか分からん行方知らずの弟よぉ!! 先立つ不幸を許してくれぇぇ!!!」キュッ! ギュ~

 

稟「落ち着いて下さい!! 何進様!! 自分で自分の首を締めて死ねる器用な人なんていません!! ………多分………」

 

風「………ですがー、そんなに死にたいのなら……稟ちゃんー! この布をー、何進様の首に巻き付けて、片方持ってもらえます? 風は、もう片方を持って引っ張ってあげますのでぇ~~!! せえ~のぉ~!」ギュッ~~!

 

何進「や、止めろ! ホントに死んでしまうだろうがぁぁ!!」

 

   ……………………………………

 

チラッ チラッ……    

 

ジイィ────────

 

颯馬「…………はいはい、手の込んだボケは結構です。 時間がないのですから……… 」

 

      ピタァ…

 

何進「………ノリが悪いぞ!! 天城ぃぃ────!!」

 

稟「す、すいません! 天城殿! 何進様がどうしてもと……!」

 

風「『神速のツッコミ』の名が泣きますよー?」クスッ

 

颯馬「誰も、そんな肩書きなんかぁ名乗ってねぇ───!!」バシィ!

 

風「おぉぉ───! 速攻でツッコまれちゃいましたぁー!」ニヤッ

 

   ………………………………………

 

何進「うむ~、無理なく相手を誘導する話術、警戒心を薄れさせる風貌…。 これからは、程仲徳を『先生』と呼ぼうか……?」

 

 

★☆★   ★☆★   ★☆★   

 

     ─────────あれ? 

 

幾ら思い出そうとしても、この場面しか出てこない……だと? 

 

プルプル!! ───関係ない! 関係ない!!

 

    ───────────────────

 

───やむ得ず、説明させて貰うが、三太夫より聞いた後、何進殿と相談。 北郷殿の策を逆利用して、袁、曹、孫の勢力拡大を推進させるためだ。

 

今回の大戦で、幾人かの太守、刺史が亡くなった( こちらで謀殺したからだが…… )ので、空席が目立つようになったから。

 

このまま行けば軍閥達は躍進する。 

 

曹孟徳の覇道、孫伯符達の悲願、袁家の野望が、今の領地で満足するはずがない。 ならば、下手に封じるより、勢力拡大を促しつつ、時期を見て頭を抑えつけようと考えている。

 

国として纏める事が出来る優秀な人材、建国できる資金、民を大事に思うからこそ出来る絆。 

 

それを、今残っている軍閥は、少なからず ( 劉焉は違うようだが……… ) 持っているようだ。 

 

ならば、より優秀な者に淘汰されれば、より良くなるはず!

 

最後に、残った者達と対峙して我らが勝ち………その者達を配下、もしくは同盟を組ませ、王朝を盛り立てながら……大陸を任せたい。 

 

そして………月様の下を………去りたいと思う。 

 

銅鏡の願いは『大陸を平和の世の中に!』だから────

 

叶えてしまえば……お別れなのだろうなぁ……………

 

◇◆◇

 

【 その後の諸侯 の件 】

 

〖 洛陽 張譲屋敷 にて 〗

 

麗羽「……………貴女は、わたくしに仕えたいと、言うわけですの? 『司馬仲達』さん?」

 

??「はい……。 お優しかった張譲様も亡き今、洛陽で漢王朝に戻り仕えたままでは、迫害を受ける事になります。 

 

ですので、ぜひ河北で名声も高く、その美貌、立ち振る舞いとも大陸に轟く『袁本初』様に……誠心誠意お仕えしたいのです!! 」

 

麗羽「大陸に轟く……!? コッ、コホン………ですが、貴女は元『張譲』の臣! 権勢を欲しいままにした張譲ですが、今は漢王朝の屋台骨を揺るがした『大悪人』とされていますわ!! 」

 

??「………私には、今も……張譲様が……あのような恐ろしい企みを画策していたなんて………信じられないのです!!! 

 

それに……私は存じません!! そのような企みを担っていた─と仰られましても……何がなんだか…………」オロオロ オロオロ

 

麗羽「ですが……洛陽で董仲穎達に襲いかかった者を、庇ったのはまぎれも無い事実! 物理的な証拠も、多く残っていましたし。 

 

潜んでいたと思われます『竹の箱』、日に数度に渡り食事を運んだ女官も判明して、すでに捕らえてありますわ。

 

その後、洛陽を攻め立てた軍勢が、急に引き始めた事も納得できますわよ? そうなると、張譲に仕え……わたくしと連絡役を務めた貴女は、疑われて当然ですわね?」

 

??「……………わかりました。 そこまで言われたのでは、私も潔白を立てなければなりません!  ───お許しを!!」 

 

───スッ  ( ??は、懐から懐剣を取り出し、自分の喉を突こうとする!! ) 

 

麗羽「─────! 馬鹿な真似は止めなさい!!」

 

バシィ!!  「うっ!!」 ガタン!!   ……トス!

 

??「お願いします!! 敬愛する袁本初様に、ここまで疑われては───私に残された術など、これしかないんです!!!」

 

麗羽「ハァ! ハァ……! わっ、わかりましたわ!! それなら当分の間、監視をつけさせていただきますわよ! えーと…………」

 

久秀「『姓は司馬、名は懿、字は仲達。 真名は……久秀』と申します。 袁本初様!!」

 

麗羽「………真名を預けられたのなら、わたくしも預けますわ! 『麗羽』と呼ぶように!!」

 

久秀「はい! 麗羽様………!」

 

─────クスッ クスクスクス────

 

 

★☆☆

 

〖 洛陽 郊外 曹操軍駐屯地 にて 〗

 

 

華琳「皆に命じる!

 

我々は、数日後に洛陽を立ち、陳留に帰還する。 来月には青州の黄色巾賊を退治するため、準備が必要である!! 

 

だが、陳留には必要分の材料が少ないため、各地の物資が集う、ここ洛陽で皆の力を頼りながら、進めたいと思う!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

華琳「────と、私は言ったわよ、えぇっ、間違いなく。 だけど何で『筵(むしろ)』が、数千枚も必要なのか……説明なさい!!」

 

一刀「─────────────────────」

 

華琳「………戦場を限定しないと出来ないわね。 誰かある! 何人か青州出身の者を呼びだしなさい! そして、扇形の地形、川が数本流れる場所を大至急示唆せよ!!」

 

一刀「信用してくれるのか?」

 

華琳「成功確率が高いからよ! ………それに、信用なら既にしているわ。 一人の『男』として…………」

 

一刀「…………えっ!?」

 

華琳「ほらぁ! 他に用意する物は? 早く言いなさい!!」

 

一刀「あ、あぁ………。 他には──────── 」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

〖 洛陽 郊外 曹操軍駐屯地 にて 〗

 

桃香「あぁ~! そこ違いますよ! 『筵』を織り込みのは、こう! こうです!! わかりますか!? 華琳様!!」

 

華琳「わ、分かったわよ………。 あ、あれ? こ、こう?」

 

桃香「全然ちが~~~~~う!!!」

 

華琳「仕方がないでしょう! 初めて行うのだから! 」

 

桃香「甘い、甘いです! 私の家では、これが出来ないと食べていけなかったのですから! ですから、物心付いたときより、筵を編んだものなんですよ!! ────はい! もう一度!!!」

 

華琳「くっ! 桃香に説教されるだなんてぇ……屈辱だわ!! 」

 

愛紗「姉上~!! 私も教えて下さい~!!」

 

鈴々「鈴々も──────!!」

 

一刀「……………………………」スッスッ

 

桃香「ご………じゃない、一刀さんはどうですか? 分からなけば、私が…って、何を作っているんですか!?」

 

一刀「『草鞋』だよ。 昔、天の国で履いていた履き物さ。 今回これが、活躍するかもしれないと思って、作っているんだけど。 爺さんみたいに上手く作れないな…………ははは………」

 

桃香「一刀さん! 是非、これを兵士さん達に教えて上げて下さい! 

 

筵の作り方と大差なく、しかも履き物なら日常的に使いますから需要があります!! 上手くいけば、兵士さんの家族が副収入で助かりますよ!!」

 

愛紗「姉上………勉強の成果が出ていて、嬉しいですよ」ホロリ

 

鈴々「あの後(別伝2)お姉ちゃん……愛紗に散々勉強させられたのだぁ!! 何故か……桂花や華琳お姉ちゃんまで入って、猛勉強になったけど…………」ブルブル

 

華琳「これが、一刀が作った物? なかなか上手よ。 これも天の国に伝わる物なのねぇ!!」ジィー

 

桃香「ムッ!! 華琳様! 手が止まっています!! すぐに開始して下さい!!!」

 

華琳「わっ、わかったわよ! もう少し見させて貰っても……『 駄目です! 』……はい、はい『 返事は一回!! 』……はい」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

季衣「えっと……これが、こうなって……こうだ!」

 

流琉「うん! まだ季衣も筵を編めるね!!」

 

季衣「当たり前だよ! あの頃、自給自足が当然だったから、編み方も自己流で覚えちゃったよ!」

 

流琉「でも、李衣の編み方……私は好きだよ。 持つ人の事考えた編み方だからね!」

 

季衣「ありがとぉー 流琉ー!!」 ガバッ!

 

流琉「きゃあぁ! もう、危ないじゃない!!!」

 

 

星「うむうむ、幼女の戯れる様も──また、格別!」トクトク グィ!

 

 

真桜「星~! アンタ何しと~ん!?」

 

沙和「大変!! 変態さんが居るの──なの!?」 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

春蘭「秋蘭~! また、このような模様が~~!」

 

秋蘭「姉者………どこをどう編めば……筵の中央に華琳様の顔が現れるのだ…………。 これでは、北郷の言う策には使えんぞ…?」

 

春蘭「な、何を言うか!! 私の筵は作り方は完璧だ!! 」

 

秋蘭「──うむ、それは認める。 だが、策で使用すれば……踏んだり蹴ったり……燃やされる可能性があるが……いいのか?」

 

春蘭「いいわけないだろうがぁぁ────!!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

雛里( 朱里ちゃん、朱里ちゃん……。 筵に八百一の人物画を書いて八百一に付けて売り出したら………どうかな? ) 

 

朱里( 凄いよ雛里ちゃん!! 八百一に付録として抱き合わせにすれば、業界一の売上がでるかも!! )

 

雛里( ………上手くいけば、将達の人物画を多数作成して……売り出せば………… )

 

朱里( 新たな客層の開発だね!? 作れば、兵士さん達が購入してくれるはずだよ!! )

 

雛里( 桃香さんに……協力をお願いしてみようか………!! ) 

 

桂花「……………アンタ達!!」

 

朱里「ーーーひゃい!!! 」 

 

雛里「ご、ごめんなさ『 謝る必要はないわ! 』───へ?」

 

桂花「華琳様の全体画付き筵を十枚予約したわよ!! 可能な限り早く、私に納品しなさい!!! いいわね!?」

 

朱里、雛里「「 ………………………………… 」」

 

★★☆

 

〖 洛陽 孫策軍 駐屯地 にて 〗

 

雪蓮「…………さぁて! 私達も、頑張りましょう! 母様の悲願達成のため、私達の未来のため、この大陸の明日のために!!」

 

冥琳「………確かに、その通りなのだが………お前が言い出すと、何故か不安になる…………」

 

雪蓮「ちょっ! 冥琳、酷くない!?」

 

蓮華「………不謹慎ですが…………私は、この戦に参加して良かったです。 『天の御遣い』と謳われる者達の実力、私自身の器の限界、知らなかった世界が……ここにあったのですから!!」

 

祭「儂も、この年になり……あれほど言いように小馬鹿にされたのは初めてじゃわい! 次回こそは────!」ググッ!

 

思春「三太夫……」ギリッ!

 

明命「あの猫好きの将の方と、ゆっくり……お猫様談義をしてみたいですぅ!!」

 

穏「………………せっかくの新たな知識が………気絶ばかりさせられて、ちっとも教えて貰う機会がなかったです~よ~!!!」

 

( 雪蓮は……洛陽に向かい、大きな声で叫ぶ! )

 

雪蓮「颯馬!! また、会いましょう!!! 今度は、ゆっくり話をさせて頂戴!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

とりあえず、虎牢関の戦いまでが……やっと終わりました。

 

作者が考えていた物語は、本来、ここで終わりだったので、次回の方向性が定まっていません。

 

そのため、更新がかなり遅くなるかもしれませんが、気長にお待ち下さい。 別伝のネタで、穴埋めするかもしれませんが。

 

何進からの罰は、次回にしました。 入れるのを忘れてしまって。

 

次回も、よろしければ読んで下さい。

 


 
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