No.677156

義輝記 雷雨の章 その弐拾六

いたさん

義輝記の続編です。 洛陽防衛戦後の話になります。
よろしければ、読んで下さい。
4/7、4/8に誤字、文章、加筆修正しました。

2014-04-07 20:28:59 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1884   閲覧ユーザー数:1620

【 一刀の謀 の件 】

 

〖 洛陽 宮廷内 別室1  にて〗

 

《 盟主、副将達 収容中 》

 

麗羽「…………天の御遣いから、一挙に謀叛人に落としてしまったのは、間違いなく、わたくしの罪ですわ! わたくしが……張譲の口車に乗ってしまったばかりに、このような扱いを………!! 

 

申し訳ありません! 『御遣い』様!!」

 

華琳「………あの麗羽がねぇ……。 一刀、どう? 今の心境は…………? 」

 

一刀「………動転している…。 天の御遣いの虚名の次が……謀叛人という実行犯。 あまりの変わりようにね……」

 

華琳、麗羽「…………………………」

 

一刀「………だけど、このまま黙って、はいそうですかって………終わらす訳にはいかないんだ! だから…足掻いてやる! 『秘策』を実行して…」

 

華琳「!?」

 

麗羽「──! 無理、無理ですわ!! この袁家の当主『袁本初』である、わたくしでも……この状況は、覆せれませんのよ………!」

 

一刀「無理と思って諦めるのは勝手! だけど、この秘策は袁本初、貴女の力も必要なんだ!! ………だから、謝罪だけではなく、手を貸してくれ!!」

 

麗羽「はぁ………はい!!」

 

華琳「………貴方達ね…。 もし、私達の会話を盗み聞きする輩が居ると、考え浮かばないかしら!? 漏れた聞こえたら……私達、こ・れ・よ! これ!!」(首筋に手刀を当てて、トントンと……)

 

一刀「あっ! ……………ゴメン!」

 

華琳「……私が探った限りは大丈夫よ。 監視の兵は動いていないし、付近に気配も感じなかった。 だけど、あの『三太夫』だとかいう『忍び』が居たら、お手上げよ?」

 

麗羽「その時はその時ですわ! 『御遣い』様! どうするおつもりですの!? この『袁本初』!! 何を言われても、実行してみせますわ!?」

 

華琳「……一刀、貴方に頼まれた件は命じておいたわ。 

 

兵達に『一刻後、槍や剣を見せ付けるように研いだり、剣戟の練習、試合をするように』と。 これが『秘策』なの?」

 

麗羽「えぇ!? わたくしには、何も御命令がありませんが!?」

 

一刀「陪臣の身で、貴女に直接頼めませんよ! 顔良さんに同じ事を行うように頼みましたから…………」

 

麗羽「………………………プゥ!」

 

華琳「ほらほら、早く打ち合わせしましょう! 刻限も無いから!」

 

一刀「で、俺の考えは────── 」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〖 別室2 にて 〗

 

《 袁、曹、孫の将達 収容中 》

 

愛紗「…………御主人様……………」ギュッ!

 

春蘭「華琳しゃまぁ…………………」ギュッ!

 

桂花「………私達、軍師が集まって相談しても……この事態は好転できないじゃない!! あぁ~、本当にどうすればぁぁ~~!?!?」

 

朱里「反董卓連合を指揮したのは、実質『華琳様』と『袁本初』、盟主は『一刀さん』!!  洛陽軍や董卓の将達が、全員目撃しているのは周知の事実でしゅ!!」

 

雛里「……でも………洛陽守備戦で、私達も参戦しました。 その事も減刑の一助になる筈ですよ(カム)うぅぅぅ…………」

 

冥琳「………しかし、盟主の斬首は間違いないだろう。 それに副将とて軍権を持っていたのだ。 副将は良くても流刑、悪くて……斬首………の可能性がある………!」

 

桃香「────────!」

 

李衣、流琉「「えっ──────!」」

 

雪蓮「私達を分けた理由を考えると……無くも無い話よ? 下手に何か最後の指令を残されて、災禍の元を作られたら大変じゃない?」

 

鈴々「た、大変なのだぁ!! 今すぐに、ここをぶち破って、お兄ちゃんの所に駆けつけなきゃあぁ「駄目だ!! 鈴々!」──! どうしてなのだぁ!? 星ぃ!! 早く行かなきゃ!? お兄ちゃんがぁぁぁ───────!!!」

 

星「ここは……国の中心部。 部屋に軟禁されているのは、我々の罪がそれだけ重いと見ている証! 盟主である一刀殿……いや、この際だ! 我らの『主』は、全ての罪を自分に背負いて、決済する所存だと見ている! その主の覚悟を……邪魔立てするなぁ!!」

 

鈴々「星はぁ…グス…悔しくないのかぁ!? 大好きなお兄ちゃんが……グスグス……し、死んじゃうかも……しれな「私だって、悔しい!!!」───星ぃ!?」

 

星「我が槍を捧げて忠義を誓った『主』だぞ!? 国をも敵に廻して奪還する覚悟はある!! 

 

しかし……!! この城の中に『天下無双』の『呂奉先』、その力に匹敵する『本多忠勝』、それに数多の『伏竜の軍勢』が犇めい(ひしめい)ているのだぞ───!? それに────」

 

穏「…………それにですねぇ~、もし上手く逃げれましても~外で待ってくれています兵士の皆さんを、見殺しにするのですか~? 

 

万単位の人達を連れて逃げるのは~、至難と言うか……ぶっちゃけ無理ですよぉ~~!!!」

 

蓮華「──それに、我々を巻き込むのなら……阻ませてもらう!」

 

明命、思春『───────────!』

 

猪々子、斗詩「……………………………………」

 

鈴々「うう………ウワアァァァーーーーーーーーン!!!!」

 

◇◆◇

 

【 一刀達は…… の件 】

 

〖洛陽 宮廷内 謁見の間 にて 〗

 

玉座に皇帝陛下、傍に協皇女が佇む。

 

数段下に、反董卓連合における詮議を進行する何進。 そして、相談役の天城颯馬。 並びに『虎牢関』『天水』にも駐屯していた『伏竜の軍勢』と洛陽勢、今回援軍で、洛陽に来てくれた馬孟起達も、左右に並ぶ。 

 

左右の側面には、呂奉先、本多忠勝が、他の者達より一歩前に出て、緊急の事態に備える。

 

その場所より、三丈(約7㍍)程離れた所に『北郷一刀』一人を前にして、後ろに『曹孟徳』、『袁本初』が並びて、頭を下げて……礼をとる。

 

そして、その更に二丈(約4.6㍍)下がった場所に、曹、孫、袁の各将が

事の成り行きを心配しながら、顔を伏せ……礼をとる。

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆  

 

何進「今より詮議を始める! 反董卓連合軍盟主『北郷一刀』 並びに副将『袁本初』及び『曹孟徳』よ! お主達が主導の上、皇帝陛下の禅譲を図り、洛陽を攻撃せんとした事、相違ないか!?」

 

 

麗羽「お待ち下さい! この話を持ちかけたのは張譲様です! わたくしは、《 董相国と『伏竜の軍勢』の野望、漢を憂う話 》を聞き、兵を挙げるべし諸侯に要請を行い、攻めたてたのです!!」

 

 

何進「お前は、確かに張譲より聞いた。 それは間違い無いだろう。だが……何を見て言っているのだ? 皇帝陛下か? 大将軍である儂か? それとも天城達か?

 

違うであろう! もし確認するのなら、下々の民の動作、衣装、表情を見て判断すべきだろうが!! 

 

ついでに言うとな、連合軍が兵を上げる前は、ここは平和で活気が溢れていた! 民達はキビキビ動き、衣装も清潔、表情も明るく笑顔だったぞ!

 

それが、お前達が兵を挙げた途端、民達の全てが暗くなったのだ!

 

動作は鈍く遅くなり、衣装は汚くなり、表情は無くなり下を俯く者ばかり! これで、天の御遣いを標榜して、世を平和に齎す(もたらす)だと!! 馬鹿も休み休み言うがいい!!!! 」

 

 

麗羽「……………………………………!!!」

 

 

華琳「何進大将軍閣下、発言をお許しください!「許可しよう!」 ありがとうございます。 

 

臣、曹孟徳が思いますに、張譲様は、先帝の信任厚く、長年宮廷内で重要な職務を任された人物。 その方の要請があれば、我々は固辞する事もできず、行動を起こすしかありません!!」

 

 

何進「……確かに一理ある。 だが、お前達は…張譲の言葉を鵜呑みにして信じる者達か? 

 

かの者は、確かに先帝に信任されていた。 しかも、重要な任務もこなしてきた人物だ!! ……しかし、悪名も高く…不本意たが、この何進の妹『何太后』と手を結んでいた事実もある!!

 

そのような人物の『戯言』を信じる、元『部下』では無いと、儂は信じたい!! 」

 

 

麗羽「……………………………」

 

 

華琳「発言を続けても、宜しいですか? 「うむ!」 ……張譲様は今、何処にいらっしゃいますか? 直に聞いて見れば「 あの世だが、聞けると思うか? 」……………えっ!?」

 

 

何進「 張譲は………数刻前に死んだ。 洛陽を攻めてきた軍勢の黒幕と交戦中、その黒幕を庇うように割り込み、身代わりとなったそうだぞ! 」

 

 

華琳「……………それでは!!」

 

 

何進「お前達の言葉を証明する人物を、失った訳だ!」

 

 

華琳「────────────!!」

 

 

 

      ━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

何進「…………では、判決を申し渡す。 皇帝陛下の禅譲、洛陽の攻撃を企み、汜水、虎牢関に損害を与え、洛陽の人民達に恐怖を与えた者共! 全員斬首刑とする!!!」

 

 

一同「 ━━━━━━━━━━━━━!! 」

 

 

何進「しかし、軍師の言を信じ、洛陽救援に赴いた功も合わせると、盟主、副将の三人は斬首! 残りの将は流刑、兵達は命令を準じたのみの事ゆえ、咎無しとする!!!」

 

 

一同「 ───────────── !!! 」

 

 

何進「これにて、詮議を終了────!」

 

 

 

  ダッダッダッダッダッダッ! バン!!

 

 

兵「詮議中、申し訳ありません! 緊急事態です!!」

 

 

何進「────何事だ。 深呼吸して落ちついて報告せよ! 陛下の御前だぞ!!」

 

 

兵「はっ!! スーハー スーハー 失礼しました!! 報告を申し上げます。 洛陽外で駐屯しています袁、曹の兵士達が、一斉に武器を研ぎ始め、剣戟の訓練を始めました!! 孫の兵士は警戒して、一触即発の状態です!!」

 

 

何進「何だと!! どういう事だ!?」

 

 

一刀「…………何進大将軍閣下、私も発言をさせて下さい!」

 

 

何進「………よかろう!」

 

 

一刀「私達の軍は、漢の事を思い、漢の為に動く事を決意した軍です。 それなのに、朝敵の汚名を着せられ、私を含む袁本初、曹孟徳の両名が斬首、もしくは率いていた将が、全員斬首になるかもしれない! 

 

この事が兵士達には、納得いかないからだと思います!!」

 

 

何進「……しかし、余りにも早い行動ではないかね? 北郷一刀!」

 

 

一刀「これは、大将軍閣下とも思えない御言葉。 一刻以上も待たされ、将より連絡が無ければ……答えは拘束状態か軟禁状態。 良い結果など……浮かぶと思う方が、可笑しい!!」

 

 

何進「───────!」

 

 

一刀「我らと生死を共にし、数々の苦難を乗り越えた兵士達。 

 

この絆を舐めてもらっては……困ります!! 

 

………私や副将両名が斬首されれば、袁、曹の兵約四万、漢を見捨て……この洛陽を攻め立てる『死兵』になりかねませんぞ!」

 

 

何進「ーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

一刀と何進の問答に、連合軍側は……皆驚く!!!

 

 

★☆★   ★☆★   ★☆★ 

 

 

麗羽( …………御遣い様!! 素晴らしい策ですわ!!! )

 

 

華琳( 正直……貴方を……侮っていたわ。 まさか、こんな脅迫方法を大将軍に実行するなんて…………)

 

 

★☆★   ★☆★   ★☆★ 

 

 

愛紗「 御主人様…! 」 

 

鈴々( お、お兄ちゃん? )

 

桃香( 頑張れ! 御主人様!! )  

 

星( 主……貴方と言う方は…………! )

 

朱里( 御主人様……いつの間に、あんな計略を!! )

 

雛里( あ、天城様みたい…………… )

 

 

★☆★   ★☆★   ★☆★ 

 

 

春蘭( ……??…… ) 

 

秋蘭( 無理に考えなくてもいい姉者。 北郷が優勢だと分かれば、それで大丈夫だ!)

 

桂花(ふ、ふん! ほんの少し、ほんの少しだけ、認めてあげるわよ!! 天の御遣いだって事!! )

 

李衣( 兄ちゃん! かっこいい!! )

 

流琉( に、兄様!! /////// )

 

真桜( 惚れ直したでぇ 隊長! )

 

沙和( 隊長! かっこいい───なの! )

 

 

★☆★   ★☆★   ★☆★ 

 

 

雪蓮( へぇ~、あの御遣い君もやるものね! 颯馬は、どう動くのかな? ワクワクしない!? )

 

冥琳( おいおい! 私達の軍も心配してくれ!! それにしても、北郷一刀か……。 この絶対絶命の時に、よくも、あんな策を! )

 

祭( 儂の目も……かなり曇ったな。 あの小僧に冥琳並みの策を企てる力があるとは………… )

 

穏( ───あぁ! す、凄い策が─── )クネクネ

 

明命( 穏様!! いくらなんでも、こんな場所で発情しないで下さ~~~い!! )

 

蓮華( 私が彼の場合、この切羽詰まった状況をどう覆すか…… )

 

思春( ………………………… )

 

 

★☆★   ★☆★   ★☆★ 

 

 

猪々子( 斗詩────! 麗羽様……助かるのか! )

 

斗詩( 上手く……い、行けば! )

 

 

★☆★   ★☆★   ★☆★ 

 

 

颯馬「───私からも、意見を宜しいですか? 何進大将軍閣下!」

 

 

何進「──うむ。 意見を申し出よ! 」

 

 

颯馬「……確かに、北郷殿の申し出通り、危険な状態です。 それに、ここで連合軍を抑えたとしても、国元の民達が一斉蜂起を起こす可能性もあり、油断がなりません!!

 

ですので、連合軍の将達の命……全員助命を御願い致します!!」

 

 

何進「………それでは、漢王朝の威厳が………」

 

 

颯馬「洛陽外の兵士より、嘆願を受け取ったとして、罪を減刑した形を取りましょう! それから、洛陽の民達に、連合軍の兵糧を幾つか詫びとして放出するようにします。 

 

そうすれば『 漢王朝が連合軍に脅迫で助命した 』と言われる事は無いはずです。 漢王朝、連合軍、洛陽………三者三様に損得したので、問題は起きないでしょう!」

 

 

何進「それで、皇帝陛下への禅譲要請や洛陽攻めの咎が終わり………」

 

 

颯馬「それでは、片手落ちですよ。 今の事は、北郷一刀、袁本初、曹孟徳、三名の助命と他の諸将の流刑を免除したまで! 

 

本題は………これから、申し上げます!!」

 

 

◆◇◆

 

 

【 颯馬からの提案 の件 】

 

〖 洛陽 宮廷内 謁見の間 にて 〗

 

 

颯馬「まず………確認です。 先程の案件は、これで御許可をいただけれますか? 何進大将軍閣下?」

 

 

何進「儂には、その方法しか思いつかぬ。 皇帝陛下! 御承諾、戴きますかな!?」

 

 

金糸「コクッ」

 

 

何進「うむ、承諾を得た! 北郷一刀以下、連合諸侯よ! お前達の身命の助命は承諾。 流刑等の刑罰も不問として無しにする!! 誰ぞ外の兵士にその旨を伝え、騒動を抑えよ!!」

 

 

星「私が参って伝えてこよう!! 御前、失礼する!」ダァ!

 

 

何進「それでは、袁本初、曹孟徳、孫伯符の三名。 兵糧の施し、しかと任せたぞ!!」

 

 

麗羽、華琳、雪蓮「「「  はっ!!  」」」

 

 

何進「この通り、終わらせた。 次の罪科の罰は!?」

 

 

颯馬「何進大将軍閣下! ありがとうございます! それでは、私からの提案として、吟味して下さい」

 

 

***   ***   ***

 

☆袁本初……国元に戻り次第、月に一度『公孫伯珪』殿に鳥丸対策の費用や兵糧を送るようにする事。 三月に一度、不定期に洛陽より視察が入るとする。

 

 

★曹孟徳……エン州刺史『劉岱』、済北の相『鮑信』が戦死したため、エン州が黄巾賊残党、百万の兵数で暴れている。 速やかに、これを鎮めよ! しかも、単独で。 他の諸侯の助けを借りる事不可!

 

しかし、この争乱、見事治めたのならエン州の領有を認め、エン州刺史の地位を授ける。

 

 

☆孫伯符……袁公路及び張勲が、劉岱軍に暴行され意識が戻らない。 

そのままでは、南陽周辺の治安が悪くなるため、速やかに袁公路配下に、その旨を伝え、治安が難しい場所があれば、孫伯符が代理で治めるようにする。

 

 

***   ***   ***

 

 

颯馬「以上、これが私からの提案になります!」

 

 

何進「うむ。これで良いだろう! 

 

袁本初は、張譲に騙されていたとは故、実際洛陽攻めの副将を務め、被害も大きい。 それも考慮すれば妥当と言える。

 

曹孟徳は、旧劉備軍を預けてあったのに関わらず、この企てに乗り洛陽攻めに参加。 

 

しかし、実質的な被害も少なく、三者の中で将も多い。 それに、そのような輩を放置しておくのも、王朝の威信に関わる。 

 

それに、青州の黄巾賊は凶猛と聞く。 早めに手を打たなければ、大陸全土に広がる可能性がある。 

 

曹孟徳の天命を推し量るには、恰好の相手であろう!!

 

 

孫伯符の件は言うまでもない。 

 

袁公路の治世に民から怨嗟の声が挙がっていると聞いている。 それに孫伯符の母、孫文台は長沙の太守していたはずだ。 

 

人脈、配下の活躍、本人の器量からして、周辺を任せ、折をみて地位を授けて頂くように、陛下に進上しよう!」

 

 

颯馬「…それと、私からの意見ですが…北郷一刀以下劉備軍は、今回の争乱の思惑に積極的に乗った形跡があります。 

 

それでなくても、曹孟徳の下で『 北郷一刀こそが真の御遣いだ 』と公言していたと報告が入っています!

 

ですので、私なりに忠告を行い、後日、処罰の案件を伝えたいと思います。 もし、お気に触りましたら却下して下さい!」

 

 

★☆★   ★☆★   ★☆★ 

 

《 颯馬視点 》

 

俺は、関雲長に顔を向ける。 

 

主の命が助かり、安心していたのであろう………。 涙で濡れながら無表情な顔を………俺に向けている。 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あの関羽が、一存が興味を持つ《おなご》なんだよ………な。 

 

長慶殿と俺は、本人から直接聞いた時………顔を見合わせて、溜め息を吐いたよ……。

 

綺麗な黒髪、武に秀で謀略を嫌う、おなごらしい体型。 

頑固で融通が利かなくて……一直線の猪………ん?

 

 

あぁ、考えれば……犬猿の久秀殿と正反対だからか…成る程…。

 

だが………どう考えても拒絶されると思い、一存を傷付け無いよう言ったつもりだったのだが……………

 

 

《 一存……どうみても、将来……尻に敷かれるぞ…… 》

 

《 ば、馬鹿野郎! そんな事、成ってみないと分からないだろう……が! 》

 

《 姉の私が敷いているのだ! 説得力など皆無だぞ!! 》

 

《 いやいや! 姉さんは別格! 関羽は……!! 》

 

 

……結局、納得しなかったんだよな……………。 

 

北郷一刀と言う思い人もいるのに……やれやれだ……。

 

まぁ、身内の話は置いといて……だ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ここで言っておかないと、同じ結果を齎す! だから、わざと厳しい顔を取り、大声で話をしだした!!

 

 

『 関雲長! 覚えがあろう! 汜水関での挑発の言葉を!

 

私だけで足りず、主君『董仲穎』様や仲間達を誹謗した罪は大きいが、お前の制裁は足利義輝の対峙で終了している!!

 

だが、これに懲りず、『 天の御遣い 』を御旗に立て、戦乱を進む事は、金輪際、許可しない!! その時の処罰は重き事と知るがいい! 』

 

 

 

……目を見開いて、怒っているな!! 隣の劉備も宥めながら、険しい顔を向けている! やれやれ……しっかり聞いて自覚してくれ!!

 

 

 

『 自分達の力が足りない事を自覚して、精進するならまだしも、《 天の知識を持つ若者 》を《 天の御遣い 》と飾り立て、さも奇跡を起こすような錯覚を齎す行為を考えてみろ!!

 

お前達の行為は、《 黄巾賊と変わりが無い事 》を!!

 

《 北郷一刀 》は、我らと時代が違う同じ人。 ただでさえ平和な時代より降りてきた身だ。 本人の意志を確認してから、同じ人として、対等な付き合いをしてくれ!! 』 

 

 

分かったな分からないような、呆然とした姿をしていたが、北郷一刀に目を向けた時、北郷殿は、両手で拝むように礼をしてくれた。

 

その真意………二人に届かせるには……まだ遠いのか?

 

 

★☆★   ★☆★   ★☆★ 

 

 

颯馬「何進大将軍! 以上で御座います!」

 

 

何進「うむ、その申し出は『天の御遣い』と言われる者にしか、分からない悩みだろう。 天城の言い分、筋が通っている! 

 

曹孟徳! 北郷一刀! 両人、しかと心得よ!! 

 

そして、後日、処罰の件を協議の上で通知する!」

 

 

華琳、一刀「「 はっ!! 」」

 

 

何進「では、これで……全部詮議は終了致しました。 皇帝陛下! これで承諾いただけますかな?」

 

 

金糸「コクッ、コクッ!」

 

 

何進「これで、詮議は終了した! 各将達は、案内人の付いて部屋に待機。 勅命とそれぞれ署名を求む物があるので、記載を頼む。 

 

後、各々の陣営に、洛陽の民達に施しの準備を行うように、申し渡すように!!!」

 

 

何進「以上持って詮議閉会とする! 皇帝陛下! 何か問いただす事はありませんか!? 」

 

 

金糸「………………………」ボソッ

 

 

銀糸「お、お姉……コホン! 皇帝陛下! その御言葉通りに…!?」

 

 

金糸「 コクッ! 」

 

 

銀糸「『朕が、国を導く事が出来ぬ《船頭》ならば、直接、朕に申し出るがいい! 多くの民草を巻き込み、土地を荒廃させてまで…玉座に固執する気なぞ有らず! 協皇女に禅譲しようぞ!!』 …と、申されて……おる! これで、良いのですね!?」

 

 

金糸「 ────コクリ!! 」

 

 

一同『 御意!! 』ザッ!

 

 

何進「 以上をもち────解散!! 」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

連合諸侯としての罰は、こんな風になりました。

 

 

後、一刀が………どうして、このような策が出来たのか? 

 

何進からのペナルティーとは、何が送り届けられるのか? 

 

と言うのは、次回の話で説明したいと思います。

 

 

洛陽の話が終われば、諸侯のその後の話を入れてから、五、六話で終わる予定の『義輝記 別伝 』青州黄巾賊の攻略を始めたいな、と考えています。

 

ちなみに、別伝では……桃香には、頑張ってもらうつもりですよ…筵(むしろ)作りに…………。

 

一刀の策に、とても『必要』且つ『重要』な物になりますので。 

 

 

外伝になると、天城達……戦極姫のキャラは、お休みになる予定ですので、御承知下さい。

 

また、よろしければ、読んで下さい。

 

 


 
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