No.610657

一刀の晋王転生録 第五章十七話

k3さん

劉協は奇妙な友情で結ばれた人物の元に向かう。考えうる最悪の事態を避けるために、それがどういう事かを理解しながらも……。

2013-08-20 20:08:40 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2297   閲覧ユーザー数:1984

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第十七話

   「劉協の涙、一刀の覚悟」

 

 

 一刀は、劉辯に報告した兵の言うように五胡に対しての対策を立てていた。

 

(どうするか、いい加減あいつとは決着を付けたいんだが、そうするには主力全てを出撃しないとまず無理だ。だがそうすると国を空

 

けるのに等しい。まるで侵略どうぞと言っているようだし、国内の反対勢力に何をされるか分からない)

 

 そう何度も迷い、考えていた時である。彼の傍に美華が寄ってきた。

 

「ねぇ、一君……客が来てるんだけど……」

 

「……すまないが後にしてくれと伝えてくれ。こう見えても忙しいんだ」

 

 一刀は再び先ほどの事を考える。だが、美華は一向に動こうとはしない。

 

(? どうしたんだ?)

 

 一刀は美華を見る。彼女はどうするべきかと迷っている表情をしていた。

 

 それを見た一刀は、此処に訪れた客が特別で片付けることが出来ない人物であると悟る。

 

「一体、誰が来た?」

 

「……劉協様」

 

「はぁ!?」

 

 あまりに予想外な人物に一刀は仰天しそうになる。

 

「分かった。すぐに向かう」

 一刀は劉協の元まで走って迎えに行った。その為、少し息が上がりながらも言葉を放つ。

 

「り、劉協様、一体何用で此処まで?」

 

「よく来てくれたな司馬昭。話したいことがあるのだが、此処では話せん。走らせてすまんが人のいないところまで連れて行ってはく

 

れぬか?」

 

「……分かりました」

 

 一刀は劉協を、自分達が大事な話をするための部屋に案内した。

 

「それで、お話とは?」

 

「……」

 

 劉協は少し沈黙した後、ガバっと土下座をした。

 

「なっ!?」

 

「頼む! 義兄上を止めてくれ!」

 

 皇室の血を引く者が自分に対して土下座をしたという異常な状況に、流石に一刀は動揺し、思考が定まらない。

 

「ちょ、一体何があったのですか!?」

 

 劉協は顔を上げ、涙を流しながら必死に説明する。劉辯が今の隙に一刀を殺そうと暗躍していて、それが成功した後、五胡から逃げ

 

るために民を見捨て洛陽を去る算段を立てている事を。

 

「……そんな事を」

 

「漢王室の血を引く者として、そのような事を許す訳にはいかぬ! 頼む! 何としても義兄上を止めてくれ! 例え!」

 

「!? なりません!」

 

 殺してでも、と言おうとするが一刀がそれを止めた。

 

「貴方の口からこれ以上言わせる訳には参りません!」

 

 劉協はその言葉の意味を理解しきれず、部屋から出て行こうとする司馬昭を呼び止めた。

 

「し、司馬昭? お前は一体?」

 

「此処からは、俺が勝手にやります……今から起こる事に貴方は責任を感じる必要はありません」

 

「!? そ、そなた……」

 

 劉協は一刀が何をしたいのかに気付く。

 

 彼は今からする事を自分の独断という事にするつもりなのだ。

 

(司馬昭、そなたは……)

 

 一刀は部屋から出て行く、その様子を劉協はただ見つめていた。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
24
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択