No.611052

一刀の晋王転生録 第五章十八話

k3さん

劉辯はついに一刀を殺害するために動いた。だが事前に劉協からその事を聞いていた一刀は彼を待ち構えていた。

2013-08-21 22:18:43 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2403   閲覧ユーザー数:2066

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

 劉協が司馬家を訪れたその日の夜。一刀と瑠理を討つ準備を終えた劉辯はすぐに彼の居る屋敷へ、僅かな手勢と共に向かう。

 

(もうすぐだ……もうすぐ!)

 

 もう少しで復讐を果たせる。そう思うと彼は心が高揚する。

 

(ん?)

 

 そんな彼の目に何者かの影が映る。その影はじょじょに此方に近づいてくる。

 

(な!?)

 

 その影がはっきり見えるようになると、先ほどの高揚は一気に冷める。

 

「何故……何故分かった司馬昭!?」

 

 その影の正体は一刀だった。彼は表情を変えず、劉辯に問う。

 

「そんなことよりお聞かせ願いたい。陛下……何故、今の時期に私を討とうとするのです?」

 

「無論、母上の仇を取るためじゃ!」

 

 辺りが騒がしくなって来る。大きな声での問答のため、民達が建物から出てきてのだ。

 

「それがどういう事か分かっているのですか!?」

 

「ふん! 洛陽が落ちるとでも言うつもりか!? そうなっても問題ないわ!」

 

 劉辯の答えに民達は驚愕し、ざわついてくる。

 

「劉備に匿ってもらえば良い! 朕は皇帝! 朕を受け入れるのは必然!」

 

 劉辯は心の底からそう思っていた。そうすれば自身に危険は無いと信じきっている。

 

「民はどうなるのです!?」

 

「知ったことでは無い! 朕の願いに比べれば塵芥よ! ならば朕の為に死ぬのは当たり前! 朕のためにならぬなら塵芥以下よ! 

 

劉備も同じ事! 朕のために死ねば良い!」

 

 さも当然のように叫ぶ劉辯に一刀は怒りで叫び返す。

 

「自身が利用され、殺されると分かって受け入れる人間が誰も居る訳が無い! 受け入れたとしてもただあんたを利用するという思惑

 

があってこそだ! 劉備軍もそうだ!」

 

「ふん! それなら孫権や曹操に匿ってもらうだけよ! 朕は皇帝! 朕は天! 朕は絶対なのだ!」

 

 最早めちゃくちゃだった。劉備軍が一番利用される可能性が少ないから、匿まわれる先として選んだというのに、彼女達より信じら

 

れないところに行くと言っている。

 

 孫権、曹操も受け入れないか、利用するだけなのは一刀は分かっていた。いや、分かっていないのは当の本人だけだろう。

 

 そしてそうなれば、逆恨みで彼女達の領土に大問題を起こす。一刀にはその未来が手にとるように分かった。

 

(何なんだ! ただ大陸に問題を起こすだけのこの男は!)

 

 一刀には、劉辯に対する敬意は露ほどにも無くなっていた。

 

(この男は、ただ大陸に害をなすだけじゃないか! まるで!)

 

 一刀に迷いはかけらも無かった。彼は腰の剣を抜き、劉辯に突きつける。

 

「陛下……いや! 劉辯! お前は最早、この大陸を住まうものたちを陥れ、さらなる混乱を招くだけの害虫だ!」

 

「き、貴様!」

 

「害虫は……駆除しなければならない!」

 

 一刀がそう宣言したと同時に、瑠理、江里香、闇那、澪羅、理奈、綺羅が後ろから現れた。

 

「己ぇ! 無礼者が! 奴等を殺せぇ!」

 

 劉辯は怒りの形相で兵達を指示を出す。だが兵隊は動かなかった。

 

「き、貴様等! 何故従わん!?」

 

「言ったはずだぞ! 自身が利用され、殺されると分かって受け入れる人間が誰も居る訳が無いとな! もう誰もお前を助けようとす

 

る人間は居ない! 漢の人間ですらお前が漢に害を成す存在だと思っているんだ!」

 

「な!?」

 

 仰天する劉辯に、一刀は静かに近づいた。そして剣を振りかぶる。

 

「ひっ! どうしてだ! どうして朕の思いどうりにならないんだ! 世はどうなっているのだ!? 世は狂っている!? 何故

 

だ!? 何故!?」

 

 泣き喚く劉辯に一刀はためらうこともせず。

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!」

 

 斬った。

  第十八話

   「司馬昭、漢帝を弑する」

 居合わせた者達によって洛陽中で噂になる。劉辯の理不尽な暴言と共に。

 

 この事件により、司馬家が支配する領内の、漢の権威は完全に地に落ちることになった。


 
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