No.610416

一刀の晋王転生録 第五章十六話

k3さん

劉備と孫権に続き、曹操も司馬昭討伐に失敗。激怒した劉辯は異常な行動に出る。

2013-08-19 23:16:23 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2496   閲覧ユーザー数:2178

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第十六話

   「劉辯の愚」

 

 

「己ぇー! 役立たずが!」

 

 曹操の敗北に、目を血走らせながら激怒する劉辯。

 

「何時になったら母上の仇を討つ事が出来るというのだ! どうやったら司馬家を滅ぼせる!?」

 

 そして、絶叫しながら嘆き、頭を抱えた。

 

「へ、陛下!?」

 

 そんな時、兵の一人が大慌てで劉辯の元に訪れる。

 

「何だ!? 何だというのだ!?」

 

「ま、またしても五胡が接近しているとの報告が!?」

 

「何ぃー!?」

 

 さらなる凶報に劉辯は頭痛がしてくる。

 

「ぬぅ! 司馬昭に行かせろ! くそ! 何故奴を頼らねばならぬ!?」

 

 憎き相手の力無しに打破出来ないという状況に怒り、さらに頭痛が酷くなる。

 

(己ぇ! 己ぇ! どうすればこの理不尽な状況を変えられる!? どうすれば!?)

 

 そう何度も考え続けて時間が経つと、再び先ほどの兵が報告に来る。

 

「陛下、司馬昭へ指示を伝えました。すぐに取り掛かるとの事です」

 

「……そうか」

 

 考え続けていたためか、疲れた様子で返事をした。

 

「して、どんな様子であった?」

 

 深く考えた訳では無かった。それどころか考えて放った言葉でも無かった。ただ何となくそう口に出ただけだったが……。

 

「はっ! これは司馬昭の口から申したことですが、奴等との戦いは油断出来ず、他の事を考える余裕はほとんど無いという事です。

 

よほど五胡との戦いに集中しているようです」

 

 その報告、劉辯は思いついてしまう、皇帝としてどころか人として最悪な策を。

 

「く、くくく、そうか、他の事は考えられんか……」

 

 劉辯の表情が邪悪な笑みで染まってゆく。

 

「ならば、その隙に奴を殺してやるわ! 誰の力もあてに出来ん! 最早誰も信用ならん! 朕自らがやる!」

 劉辯が密かに少ない兵を密かに編成した後、何太后の墓に寄った。

 

(もうすぐです、もうすぐ母上の仇が討てますぞ!)

 

 母へ決意と報告をしていたところに劉協が現れた。

 

「あ、義兄上! 五胡が迫っているというのに司馬昭を討つというのはどういうことです!?」

 

 劉協が来たことに特に驚くこともなく、歪んだ笑みで彼の疑問に答える。

 

「……ふん! 奴は五胡との戦いで必死になっているようで隙だらけのようだからな……奴を討つ絶好の好機という訳だ」

 

「ば、馬鹿な!? ここで司馬昭が死ねば五胡はどうするのです!? 洛陽はどうなるのです!?」

 

「……はっ! 洛陽はどうなる? ……知ったことではないわ!」

 

「なっ!?」

 

「司馬昭を討った後、洛陽は捨てる! 劉備の所に行き、そこに居座ってやるわ! 奴のところではなくとも孫権や曹操も朕を受け入

 

れるであろう! 何故なら朕は皇帝だからな!」

 

「ならば、ならば民は、民はどうなるのです!?」

 

「下民の命などどうでも良い!」

 

「そ、そんな……」

 

 劉辯の異常な計画に劉協は驚愕することしか出来ず、言葉が見つからない。

 

「はーはっはっはっはっは!」

 

 そして劉辯は狂ったように笑って去っていった。その様を劉協はただ悲痛な思いで見つめる事意外出来ない。

 

(何と、何と愚かな事を……そのような事をして誰が貴方についてくるというのです。司馬昭を討った後、貴方に待っているのは今以

 

上に利用され、使い潰され、いずれ志を持つ者に討たれる未来しかない。どうしてそれが分からないのです!? 同じような事をした

 

者の、十常侍の末路を忘れたと言うのですか!?)

 

 劉協は劉辯が去った方向の反対を向き、俯きながら静かに歩く。悲痛な表情のまま。

 

(最早漢は終わりを迎えたも同然……私に出来ることは、一つしかない……)

 

 覚悟を決めた劉協は顔を前をまっすぐに向き、そしてしっかりとした足取りで一人の男の元に向かう。奇妙な友情で結ばれている人

 

物の元へと……。


 
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