No.496026

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百一技 報告

本郷 刃さん

第百一話です。
タイトルのように報告を行うんですが・・・その前が甘いです、はい。

では、どうぞ・・・。

2012-10-14 09:59:31 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:12023   閲覧ユーザー数:11225

 

 

 

 

 

 

 

 

第百一技 報告

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴァルSide

 

宿屋で朝食を取り終えた僕とシリカは部屋に戻ってベッドに並んで座っている。ただ…、

 

「「………」」

 

「きゅぅ?」

 

緊張してしまって何も喋れない。き、きまずいな~。

 

「シ、シリカ…?」

 

「なな、なに?」

 

どもってしまうシリカ。僕も少しどもったけど…。

 

「その…お昼食べてから、キリトさんの家に昨日の事と……あと、結婚のことを報告しに行くんだけど…」

 

「う、うん。あたしも一緒に行けばいいんだね///」

 

「そ、そうだね///」

 

「「………」」

 

再び沈黙。どうしよう…。

 

「ヴァ、ヴァルくん…//////」

 

「なにかな…?」

 

今度はシリカから話しかけてきた。一体なんだろう?

 

「あのね……その、ね…」

 

シリカが言い淀んでいる。言い難いことなのかもしれない。

 

「えっ、と……キ、キ…」

 

「キ…?」

 

あれ? なんかこういう展開を小説とかで読んだことがあるような。たしか……、

 

「キス……してくれないかな…/////////」

 

そうそう、キスだった………え?

 

「……キス?」

 

「(コクっ)…だめ、かな/////////?」

 

「い、いや…だめじゃ……ないよ//////」

 

好きな子に上目遣いにこんなお願いをされたら断れるはずがない。

 

それにシリカも女の子なんだから、好きな人にキスをお願いするとは思う。

 

その好きな人が僕というのには少し優越感があるけど。

 

僕が了承するとシリカは目を瞑って少しだけ唇を尖らせた。

 

「(ゴクッ)……ん//////」

 

「ぅん…//////」

 

重ねるだけの軽いキス。それだけでこの世界に来てからの不安とか全てが吹き飛んだ。

 

唇を離すとシリカが目を開けて自分の唇に指を当て、真っ赤になりながらボ~っとしている。

 

「キス…したんだ/////////」

 

ボ~っとしているというより嬉しくてうっとりしているみたい。かくいう僕もかなり嬉しい気持ちがある。

 

「も、もう一回…いい//////?」

 

「う、うん…//////」

 

可愛らしくそんなお願いをされたら断ることなんてできないし、そもそも僕もしたいと思った。

 

「んん…//////」

 

「ん…//////」

 

「ふぅ……えへへ//////♪」

 

今度は満面の笑顔なシリカ。僕もつられて表情が笑っているのが自分でも分かる。

 

そのあとも僕達は何回もキスをした。

 

 

 

僕達は昼食を取ったのでキリトさんの家に向かっている。

 

「キリトさんとアスナさん…驚くかな///?」

 

「アスナさんは驚くと思うけど、キリトさんは驚かないと思うよ」

 

第22層に着いた僕達はそんな話しをしている。ちなみにシリカは僕と腕を組んでいる。

 

しばらく歩いていくとキリトさんの家に着いた。

 

―――コンコンッ

 

「は~い。あ、ヴァル君、シリカちゃん。こんにちは」

 

「「こんにちは、アスナさん」」

 

ドアを開けてアスナさんと挨拶を交わし、中へと案内された。キリトさんがソファに座って待っていた。

 

ヴァルSide Out

 

 

 

キリトSide

 

「いらっしゃい。ヴァル、シリカ」

 

「お邪魔します、キリトさん」

 

「こ、こんにちは///」

 

俺が声を掛けるとヴァルは普通に返したが、シリカは緊張しているようでガチガチになっている。

 

「わたしお茶淹れるね?」

 

「頼む。二人とも座ってくれ」

 

「「はい」」

 

アスナにお茶を淹れてもらい、二人は揃って並んでソファに座る。それをみてから俺は話しかける。

 

「それで昨日の報告なんだが……シリカはどうする? かなりきつい話しだけど…」

 

「あ、あたしも聞きます!」

 

俺はシリカの瞳をみる。

 

覚悟が無さそうであれば部屋から出ていってもらうつもりだったが、どうやら不要らしい。

 

シリカの眼はしっかりとしていたから。

 

「(ふっ)分かった、それじゃあ俺達の方から…。

 昨日の脱獄の件だが、知っての通り手引きを行ったのは『笑う棺桶(ラフィン・コフィン)』の残党十人だ。

 俺とハクヤとハジメの三人で十人中九人を始末し、信者と思われるグリーン達を捕らえた」

 

「………」

 

シリカは静かに顔を歪ませたが、俺は構わずに続ける。

 

「捕らえた一人から情報を聞き出した結果、PoHの指示だと判明した」

 

「っ!?」

 

ヴァルが驚愕の表情をしている。それはそうだろう。

 

『ラフコフ討伐戦』以来行方を(くら)ましていた奴が脱獄の指示を行っていたのだから。

 

「だが居場所は分かっていない。捕らえた奴も居場所については知らないらしい。

 人的被害は警備を行っていたプレイヤーが二人殺された…。こちらは以上だ」

 

これで俺の報告は終わりだ。

 

そこでアスナがお茶を持ってきてくれた。彼女の顔にも影が掛かっている。

 

ヴァルがお茶を飲んでから口を開いた。

 

「それでは今度は僕の方から………」

 

俺はヴァルから昨日あった事を聞いている。

 

その表情には辛さが現れたりしているが、前ほどのようなものではなかった。

 

おそらくだが、シリカのお陰だと思う。俺はそのまま彼からの報告に耳を傾けた。

 

「……以上が僕からの報告です」

 

「そうか……。すまなかったな、援護にいけなくて」

 

俺は思わず謝罪を口にした。

 

「そんな…キリトさん達だって大変だったんですから。僕の方は……ケリをつけられましたから」

 

「…そうだったな」

 

こいつは見ないうちに少し強くなったみたいだな。弟分の成長に嬉しく思った。

 

だから俺は意地の悪い笑みを浮かべてこう言った。

 

「それじゃあ、もう一つの報告も聞こうか?」

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

前半は甘かったですね~w

 

次回までは「ヴァル&シリカ編」に関する話しですが、それ以降は一話をいれて長編に入るつもりです。

 

ずばり「圏内事件編」になります。

 

是非お楽しみに・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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