No.460014

IS<白き天使と赤の騎士>

十河さん

2012-07-26 23:17:08 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:3748   閲覧ユーザー数:3495

芽衣は一夏、シャルと共に歩いていた。

 

「そういえばシャルのお父さんはデュノア社社長を辞任したんだっけ。」

「うん、この前の一件で責任を取るっていう意味も込めて辞任するって。」

 

そう、デュノア社社長は本妻にデュノア社の経営権を全て渡した。

それも全て自分が計画したと言って。

これを機に社長は経営権は全て渡す変わりに離婚を切り出した。

 

「お父さん、お母さんがいるアラブへ行くって。自分を慕っている人たち何人か連れて工房を開くってさ。」

「へぇ。」

 

社長はシャルのお母さんがいるアラブへと引っ越した。

BSAA所属のアラブ政府は事情を知っているので歓迎してくれた。

そして国の援助を受け、工房を開く事になった。

今は開店前に愛娘のためにサンドロックの強化パーツを制作。

お母さんはBSAAが経営している病院で治療を受けている。

経過は順調で芽衣も何度か会ったことがある。

お母さんも芽衣を実の息子(娘?)のように可愛がっていて二人が結婚するのを心待ちにしている。

そこへアリーナから爆音が響いてきた。

一夏は走ってきた女子を捕まえて話をきく。

 

「どうした、何が起こっている?」

「お、織斑くん!実は鳳さん、オルコットさんが模擬戦をしていたんだけどボーデヴィッヒさんが乱入してきたの・・!」

 

三人は急いでアリーナへと向かう。

アリーナ

 

そこはとんでもない光景だった。

セシリアはボロボロで倒れており、鈴はシェンロンを纏っているがドラゴンハングとシールドはボロボロでビームグレイブはエネルギーが無くなり、膝をついていた。

ラウラが展開した第3世代型ISシュヴァルツェア・レーゲンにやられていた。

 

「くう、あんたの能力・・やっかいね。私のシェンロンとは相性最悪だわ・・。」

 

そう言って鈴は気絶、ISも解除される。

ラウラは鈴の頭を掴み、地面に叩きつける。

 

「ふん、ガンダムというのも大した事はないな。まあ操者が未熟なだけか。・・・!?」

 

アラートが響き、見てみると一夏がツインバスターライフルを持っていた。

 

「一夏!手はず通りに!」

「ああ・・!」

 

一夏はビームサーベルの突きで作ったバリアの穴にツインバスターライフルを突き刺し、銃口がバリアの向こうに出たところでトリガーを引く。

 

「撃つ!」

 

大出力のビームがラウラに襲いかかる。

ラウラはそれを避けるが芽衣はラウラの首筋にビームソードを当てる。

 

(バカな・・!いつの間に・・!)

 

芽衣は一夏がバリアを切り裂いたあと、シャルから手鏡を借り、龍騎に変身。

ミラーワールド経由で通路に出たあと再びエピオンを展開してラウラの背後に回り込み現在に至る。

 

「はぁ、こんな事態になっても動かない教師も教師だけど・・君は何でこんなことをしたのかな?」

「戦う覚悟も無い奴がISを使っているからだ!」

 

芽衣の言葉に即答したラウラに頭を抱える芽衣。

 

「そっか・・。でもそれが君や国の立場を悪くしているのに気付かない?」

「ど、どういう事だ!?」

「ここが治外法権とはいえ、ドイツの代表候補生がイギリスの代表候補生だけじゃなく、BSAA関係者を半殺しにしたというのは大問題だよ。君の行動は国やドイツ軍の意思であり、僕らBSAAに対しての宣戦布告と取られても仕方ないんだよ。」

 

ラウラはそこまで言ったところで顔色を青くする。

BSAAの軍事力、従来のISを大きく上回っているガンダムタイプIS、元STARS隊員のクリス・レッドフィールド、同じくジル・バレンタイン、BSAA所属ではないがかのラクーンシティの数少ない生存者の一人であり、BSAAとの繋がりも持っているレオン・S・ケネディといった歴戦の猛者、そして各国の支部を繋いでいる強力なネットワーク・・。

全てに置いて一つの国でしかないドイツが勝てる要素は全くない。

ラウラがそう考えていると芽衣はビームソードを解除。

 

「ま、僕らも鬼じゃないから今回の事は黙っておいてあげるよ。僕らを倒したいのなら今度のトーナメントで決着を着けよう。」

「・・いいだろう。」

「ん、賢明だね。僕らは怪我人を運ばないといけないからここで失礼するよ。」

 

ISを解除した芽衣はセシリアを背負い、同じく解除した一夏は鈴を背負ってその場を後にする。

シャルは保健室へと向かい、怪我人が運ばれて来ることを養護教諭に説明。

ラウラもその場を後にするが通路に差し掛かった時にカブトに酷似した黒のライダーがゼクトクナイガン・アックスを首に当てる。

 

「・・・!」

「お前さぁ、千冬姉の名前に泥を塗る気なのか?」

「仮面ライダー・・!?なぜここに・・!?」

 

ラウラはそのライダー・・ダークカブトを見て目を見開く。

まさか都市伝説と化している仮面ライダーとここで会うとは思っていなかったようだ。

ダークカブトはゼクトクナイガンを当てたままラウラに話しかける。

 

「フフフ、これ以上織斑先生の名前を汚すな・・。汚したら・・わかってるよな?」

「・・・。」

 

ダークカブトの威圧感に充てられたラウラは何も言えずただ頷く事しか出来なかった。

ダークカブトは敬愛すべき教官の名前をこれ以上汚せば本気で自分を殺そうとしている。

ラウラの姿が見えなくなった所で変身を解除、そこにいたのは歪んだ笑みを浮かべた一夏(ワーム)だった。

 

「フフフ、お前には踊ってもらうよ・・。オリジナルの織斑一夏を殺せば俺は完全なる織斑一夏になる事ができる・・!そして千冬姉を一人占め出来るんだ・・!」

保健室

 

あのあとセシリアと鈴は目を覚まし、治療を受けた。

そして何があったのかを聞くことにした。

トーナメントに向けて特訓しようとしていたらラウラが現れ、戦えと挑発。

鈴とセシリアは交戦の意思はないとアピールしたが国の事を言われて応戦してしまい、結果セシリアと鈴のISはダメージレベルがCに到達、鈴に至ってはほぼDに近かった。

 

「冷たい言い方ですが、今回のトーナメント出場は諦めてください。今は修理に専念しないと後々重大な欠陥が発生してしまいますから。」

「わかりましたわ・・。」

「・・・。」

 

セシリアは声を落として返事をするが鈴は何かを考えていた。

 

(確か中国支部ではシェンロンの強化パーツを作っているって聞いたわ。この機会にパワーアップを計ろうかな。)

 

どうやら中国支部ではシェンロンの強化パーツを制作しているらしい。

社長の工房もサンドロック、北欧支部でもデスサイズ、倉持はヘビーアームズの強化パーツを制作。

五人で雑談をしていると突然ドアを破壊しながら軍勢が雪崩れ込んできた。

 

「織斑くん!」

「天海くん!」

 

女子の軍勢が手を伸ばしてきた。

 

「え、何?」

「「「これ!」」」

 

すると、女子の軍勢が出したのは学内の緊急告知文が書かれた申込書だった。

 

「えっと・・『今月開催する学年別トーナメントでは、より実戦的な模擬戦闘を行なうため、2人1組での参加を必須とする・・』つまり、タッグマッチ?」

「そうだよ、とにかくっ!」

 

そう言うと、再び女子達は一夏達に手を伸ばした。

 

「「「私と組もう!」」」

「悪いな、俺はアリスと組む。」

「僕はシャルと組むから諦めてくれないかな?」

 

その言葉に女子はショックを受けた。

 

「ガーン!もう遅かった!」

 

女子はトボトボと力なく保健室を後にする。

寮監室

 

同じ頃、千冬は一夏(ワーム)の背中から抱きつきながら甘えていた。

 

「千冬姉、近いよ。」

「ふふ、いいだろ。このくらい。」

「そういえばボーデヴィッヒがさ、セシリアと鈴にケンカを売っていたよ。」

「何?明日ボーデヴィッヒに注意しないといけないな・・。」

 

千冬は一夏(本物)が保健室にいることを知らず、一夏(ワーム)と話をしていた。

そして幸せそうな顔をしていた。

 

様々な思いを抱え、タッグマッチの幕が上がる・・。

鈴完敗。

 

ラウラの能力と鈴のシェンロンの相性はよくない話でした。

 

ラウラはダークカブトが一夏(ワーム)であることに気づいていません。

 

ゼロシステム搭載機以外のガンダムパワーアップフラグ。

 

千冬は一夏(ワーム)に気づいていません。

 

正体を知ったとき、千冬はどうなるのか。

 

感想待ってます!


 
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