No.455863

世界を越えし男と数の子たち 第45訓 いつも心に一本のドライバー

俺はこの日、掛け替えの無い奴らに出会った。
俺は車に跳ねられて死んだと思ったら、なんかよく分からんが別世界に行ってしまったみたいだ。
気が付けば、マッドな科学者や12人の姉妹と暮らしていたり、組織にケンカ売って犯罪者になっちまったり。平凡な日々を送っていたり
そして--俺は戦う。ナンバーズ達を、世界を守るために。

2012-07-19 21:21:48 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1481   閲覧ユーザー数:1431

前回までのあらすじ

 

謎の宇宙人にキャトルミューティレーションされ、身体の一部をドライバーに改造された優斗達。優斗達は元の身体を取り戻すべく、宇宙人の唯一の手がかりである『ギアハンター』というネットゲームを開始した。途中同じ目的をもつプレイヤー(スカリエッティ、はやて、シグナム、ドゥーエ)をパーティーに加え、ついに件の宇宙人らしきプレイヤーを発見。しかし、彼らの正体は宇宙人によってドライバーに改造された、なのはとフェイトだった。

 

ーーーーーーーーーー

 

クラナガンにある焼肉店『シスターバーベキュー』

 

そこは、連日沢山の客で賑わう人気の焼肉店である。

 

 

 

客「すいません、タン塩二人前に生ビール四つ!!」

 

店員「はい、ただいま!!」

 

店員が客に注文を運んだ後、店員は店の中にある、団体客専用の部屋の扉を開けて、中に入る。

 

店員「お客様、ご注文の方はお決まりになられたでしょうか」

 

店員は中に居る団体客に言った。

 

そして、店員は思わず固まってしまった。

 

何故なら、部屋の中には…

 

 

 

ユウト「…………」

 

チンク「…………」

 

ディード「…………」

 

ウェンディ「…………」

 

なのは「…………」

 

フェイト「…………」

 

はやて「…………」

 

 

 

全員『カルビ焼肉G15人前で』

 

 

店員「…はい」

 

 

何故なら、部屋の中には身体をドライバーに改造された者達が集まっているという、異様な光景があったからだ。

ちなみに、部屋の外に『ギアハンドライバーパーティオフ会御一行様』と書かれた紙を貼った看板が立っていた。

 

ーーーーーーーーーー

 

数分後、肉を無言で焼き始める優斗達。

 

 

 

ディード「…あの、皆さん。せっかくのオフ会なんですから、何か喋ってくださいよ」

 

無言で圧迫感のある空気に耐えきれず、ディードがみんなに何か喋るように促す。

 

ユウト「…オフ会っつーか、…ほとんど知ってる奴なんだけど」

 

優斗は周りを見回しながら言う。

 

ユウト「見知った面しかねーんだけど。…つーかさァ…

 

 

 

オフ会なんてやってる場合じゃねーだろ!! もう4話目に突入してんだよ!!」

 

優斗は手に持った皿をテーブルの上にぶちまける、そのせいで肉やご飯がひっくり返り散らかったが気にせずに続けて言った。

 

ユウト「4話だぞ4話!! なんでこんなくだらねえ事を4話もやってんだよ!! つーかこれ、全く事態が好転してねーよ、むしろ悪化してんじゃねえか!!」

 

チンク「お、落ち着け、優斗」

 

ユウト「俺達がやってた狩りは何だったの!? 3話に亘(わた)る狩りで俺達は一体何を得たの!?」

 

優斗は半分キレ気味に言った。

 

それに対してはやては優斗に言った。

 

はやて「…まあ、確かにゲーマー星人の情報はほとんど得られんかった。せやけどギアハンはこうして私達、同じ目的を持った仲間を引き合わせてくれた。これこそ、どんなレア素材よりも貴重な狩りの収穫や」

ユウト「仲間ってお前、こんなバカばっか集まったって何の役にもたたねーんだよ!!」

フェイト「私はバカじゃない!!」

ユウト「フェイト君、今の自分の姿見てみ! バカが映ってるから見てみ!」

 

それから優斗とフェイトはしばらく言い争いをしていたが、ディードが落ち着くように言い、2人の言い争いを止めた。

 

ディード「とにかく、このオフ会は今後の事も相談するために設けたんですから、冷静に話し合いましょう」

 

ウェンディ「…モグモグ…そうっスよ…モグモグ…ディードの言うとおりっス…」

 

チンク「ウェンディ、食べながら喋るな」

 

ディード「…とりあえず、私達のパーティーは結局、ゲーマー星人の情報は得られませんでした。 なのはさん達の方はどうでしたか?」

ユウト「つーか、何でテメェ等あんな紛らわしい格好してたんだよ。 テメェ等のせいでな、完全に1話無駄にしちまったよ」

 

優斗は、ゲーム内で紛らわしい格好をしていたなのは達に文句を言う。

 

2人が言うには、同じ格好をしていたのは、ゲーマー星人をおびき寄せるためであったらしい。

 

フェイト「…だけど、釣れたのがはやて達だったなんて…」

はやて「あ〜…」

 

はやてはどこかバツの悪そうな顔をする。

 

そこで、なのはがフェイトに言った。

 

なのは「フェイトちゃん。確かにゲーマー星人は釣れなかったけど、もしかしたらもっと凄いのが釣れたかも『ガラッ』…」

 

なのはが言い切る前に、部屋の扉が開く音がした。

 

そして、1人の男が部屋に入って来た。

 

 

スカリエッティ「あっ、遅れてすみません。どうも、Dr.(ドクター)メルティブラッドで〜す」

 

ガチャン!←手錠をかけた音

 

フェイト「ジェイル・スカリエッティ、牢屋の外での最後の食事は何がいい?」

 

スカリエッティ「それでは…上ミノをもらおうか」

 

はやて「すみませ〜ん、この人に痺れ生肉追加お願いします」

 

 

数分後、注文した肉を食べながら

 

 

スカリエッティ「し…しまった!! オフ会が罠だったなんて!?」

 

ユウト「しまったじゃねーよ。何でアンタがオフ会に参加してんだよ」

 

優斗はスカリエッティに『バカか?』というような表情をして言った。

 

スカリエッティ「犯罪者だって、たまにはオフになりたい時もあるんだよ! たまには全て忘れてはしゃぎたい時もあるんだ!」

ユウト「もうそれオフどころかコンセントがアダプタから外れてるだろ」

はやて「まあ…そのはしゃぎたくなる気持ちはよう分かるけど…」

フェイト「それよりもスカリエッティ、そろそろ管理局に連行するぞ」

 

そう言って立ち上がろうとするフェイト。しかし、スカリエッティは立ち上がろうとせず、みんなに向けて言った。

 

スカリエッティ「私を逮捕するのは構わないが、事態は何も好転しないよ。君達がドライバーであるという事実は何も変わらない」

なのは「そういうあなたもドライバーでしょ」

スカリエッティ「それどころか、君達は貴重な情報を得る機会を失う事になる」

 

スカリエッティの言葉にはやては驚いた。

 

はやて「スカリエッティ…まさか、何か新しい情報を!?」

 

スカリエッティ「さあね…、人にものを訪ねる時はそれなりの礼儀があるのではないかい?」

 

スカリエッティの言葉に、フェイトははやてに気をつけるように注意する。それを聞いたスカリエッティは服の袖から一枚の紙を取り出した。

 

スカリエッティ「疑うならまずはコレを見てくれないか。見たら同じ口は聞けなくなるだろう」

 

はやて「こっ…これは…!!」

 

スカリエッティがはやて達に紙を見せる。

其処には

 

 

 

『ドライバー急募!!』と書かれた運送会社のチラシだった。

 

 

スカリエッティ「おっと、見せられるのは此処までだ。連絡先、面接会場が知りたいなら、私に上ミノを出して『上ミノ一丁!!』グハァッ!!」

 

スカリエッティが最後まで言い切る前に、優斗がスカリエッティの腹を蹴り飛ばした。

 

ディード「兄様、何してるんですか!! それにドクターも何ドライバーとして生きる決意固めてんですか!!」

 

ディードが優斗とスカリエッティにツッコム。

 

ディードは続けて言った。

 

ディード「というかそれ、完全にドライバー違いでしょ!! ゲーマー星人の情報はどうしたんですか!!」

 

ディードがスカリエッティに言う。

スカリエッティ蹴られた後、床に倒れたまま言った。

 

スカリエッティ「…残念だが、ゲーマー星人の情報は何も無いんだ。…いや、得られないといった方がいい」

 

チンク「…どういう事ですか」

 

スカリエッティ「みんなも薄々だが分かっているはずだ。最早何の情報も手段も無い、ゲーマー星人を捕まえるのは不可能だと」

 

なのは「管理局なら…!!」

 

『捜し出せる』

 

しかし、なのはは言えなかった。

何かしら情報があればゲーマー星人を捜す事ができる。だが、それは情報が無ければ捜せないという事でもあった。

そして、優斗達は誰もゲーマー星人の情報を持っていないに等しい。つまり、捜そうにも捜せない…『詰み』であった。

 

 

スカリエッティ「…私達に今必要なのは、ギアハンをやることでも、焼き肉屋で無駄に策を論ずることでも無い」

 

 

ドライバーとして生きる覚悟だ

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

sideディード

 

 

…それから、誰一人として口を開くものはなく、鬱々とした雰囲気の中、ギアハンパーティは解散した。

 

私達はただ現実から逃げていたのかも知れない。

 

ゲームでしか奴らを捕まえられない、そう言いながら。

 

私達はゲームという世界に気づかないうちに逃げ込んでいただけなのかも知れない。

 

だけど、コントローラーを手放し、狩りを終えた今

 

私達はこのつらい現実と向き合わなければならなかった。

 

 

そして1ヶ月後、私達はそれぞれの道を歩き出した。

 

なのはさんは工場の職人の下で働いているらしい。

 

職人「オイ高町、ドライバー」

なのは「はい」

 

なのはは自分の頭を差し出す。

 

職人「いや、そんな大きいのじゃなくて普通の」

なのは「はい」

 

 

フェイトさんはゴルフ場でキャディをしているらしい。

 

客「ドライバー」

フェイト「はい」

 

フェイトは自分の頭を差し出す。

 

客「いや、そのドライバーじゃなくて、一番ウッド(ドライバー)」

フェイト「はい」

 

 

はやてさんは…管理外世界の螺旋(ねじ)星の王子との見合いの話があるとかないとか…

 

 

そして、私達は…

 

 

ーーーーーーーーー

 

アナウンサー『先日、衛星軌道拘置所からジェイル・スカリエッティが脱獄しました。果たして彼は如何なる手段を持ってして堅牢な牢獄から脱出を…』

 

 

ウェンディ「読了時間にして数分で脱獄っスか。ドクターもやるっスね」

 

ディード「…でも、衛星軌道拘置所って脱獄出来ない位厳重じゃありませんでした?」

 

チンク「まあ、ドクターの事だ。何かしら方法があったのだろう」

 

チンク姉様がそう言うと、兄様が声をかけてきた。

 

ユウト「おめーら、そろそろ行くぞ」

 

ウ・チ・デ『はい(ああ・分かったっス)!!』

 

 

私達は今、運送屋を営んでる。ドライバーとしての生活は、以前よりも充実していて、兄様も以前と格好も変わり、ランニングシャツにサングラスという格好になった。

 

ディード「…ギアハンパーティのみんな、元気にしてますかね?」

 

ユウト「さあな…

 

 

みんな元気にドライバーやってんじゃねーの?」

 

 

兄様はそう言うけど…どこか寂しそうな感じがして見えた。

 

 

…本当にこれで良かったのかな?

 

ドライバーとして生きていくこと、それは本当に現実を見てるって事なのかな?

 

こんなんじゃ私達、ゲームやってた頃の方が…

 

 

チンク「? 道路の真ん中に誰か立ってるな」

 

ディード「ヒッチハイカーみたいですね。兄様、乗せてあげ……アレ?」

 

ディードが道路に立っているヒッチハイカーを見ると、誰かに似ていた。

 

そのヒッチハイカーはディードも知っている人…シグナムだった。

 

シグナムは『乗せてくれ』とアピールしているが優斗は無視して通り過ぎる。

 

 

ディード「…兄様、知ってる人だったんですけど」

ユウト「仕事中だ、知るか」

 

そう言って優斗はトラックのスピードを上げる。

 

その時、トラックの窓から声が聞こえてきた。

 

???「ゲーマーズクラナガン支店駐車場まで」

 

ディード「ギャァァァ!?」

 

トラックの窓からシグナムが顔を覗かせてきた。

 

優斗はドアを開けてシグナムを振りほどこうとする。

 

シグナム「ずいぶんと仕事熱心だな、優斗」

 

ユウト「…んだよ」

 

シグナム「貴様、リアリストでも気取っているのか。それで現実を生きているつもりか?」

 

シグナムは優斗に叫ぶ。

 

シグナム「本当に現実を生きるなら、…現実と戦え!! 自分で運命を切り開いて、自分で現実を作れ!! それが本当の意味での『生きる』ではないのか!!」

 

シグナムは優斗に言った。

 

しかし、優斗はシグナムをトラックから振りほどいた。

 

しばらくして、優斗はディード達に言った。

 

ユウト「…ディード、地図を出せ、案内頼む。こっからが本当の…

 

 

 

 

狩りの始まりだァァァ!!」

ーーーーーーーーーー

 

ゲーマーズクラナガン支店

 

店の前に船があり、中には二人組の男…ゲーマー星人の先輩と後輩がいた。

 

2人が船を発進しようとしたその時、一台のトラックが船に突っ込もうとしていた。

 

そして、そのトラックには優斗達が乗っている。

 

ゲーマー星人は船を浮上させようとするが、なかなか浮上しない。

 

後輩「先輩! 第4動力室に侵入者が…」

先輩「何!? …あっ、アレは!?」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

第4動力室

 

其処では、スカリエッティとはやてが動力部のネジを外していた。

 

はやて「スカリエッティ!!」

スカリエッティ「止めてくれ、今はその名で呼ぶな、八神はやて!!」はやて「止めや!! 今はその名で呼ぶなや!!」

 

はやて・スカリエッティ『今の私はただのハンター…

 

 

 

Dr.(ドクター)メルティブラッド(ステイナイト魔術師)だ(や)!!』

 

2人は次々とネジを外していく。

 

トラックはもう少しで船に突っ込んでくる、ゲーマー星人はトラックを迎撃するため、砲門を開く

 

しかし

 

 

ドオォォォン!!

 

 

砲門が出した途端にバラバラになった。

 

 

なのは「後は頼みます」

 

砲門がバラバラになったのは、なのはとフェイトの仕業だった。

 

そして、トラックは船に突っ込み、優斗達は船に乗り込む。

 

ユウト「船を止めろ、俺のチ●コを返せ」

 

先輩「ふん…。止められるものなら止めてみろ。あのメインブレインを分解しない限り、この船は飛び続ける」

 

先輩は自分の後ろにある機械を指して言った。

 

しかし、メインブレインを分解するには、特殊なドライバーが必要だと先輩は言う。

 

先輩「あれを分解出来ない以上、お前たちの負けっ…『そうかよ、どこで使えばいいかと思ったが、…こんな所に』」

 

優斗はズボンのチャックを下げる。

 

先輩は優斗の股間を見て驚いた。

 

先輩「なっ…何だと!? 貴様!!そ、そのドライバーは…!!」

 

優斗は素早く機械に近づき、そして…

 

 

ユウト「くたばりやがれェェェェェ!!」

 

優斗が股間のボックスドライバーを機械に入れると、船の中が光、光は次第に船全体に広がる。

 

 

先輩・後輩『うわァァァァァァ!!』

 

 

ドオォォォン!!

 

 

そして、船は爆発した。

 

こうして、優斗はゲーマー星人を倒す事が出来た。

 

 

 

フェイト「…あれ?私達の身体は?」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

一方、ドゥーエはバルムンクスと対峙していた。

 

バルムンクス『よくぞ此処まで来た。我が名はバルムンクス、我が貴様を狩るか、貴様が我を狩るか、最後の勝負といこう』

 

バルムンクスがそう言うと、ドゥーエはバルムンクスに向けて武器を振りかぶる。

 

ドゥーエ『…待っててね、みんな!! 今すぐにいくわ!!』

 

そして、ドゥーエとバルムンクスの戦いが始まった。

 

 

GEARハンターオンライン編

 

    完

 


 
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