No.450300

地球戦士 ハーメラス  第4話

BLACKさん

この話のコンセプトは『「侵略! イカ娘」を昭和の特撮風にしたら『というものです。(話の内容的には「宇宙刑事ギャバン」など昭和の特撮を基にしています。ちなみにタイトルは「イナズマン」がモデルです)
それを踏まえてご閲覧ください。

今回の話からはこの作品の時系列は作者が以前に投稿した「仮面ライダー×真・恋姫†無双  featそらのおとしもの+  SS大戦MEGAMAX」の後となります。

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2012-07-10 08:22:13 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:667   閲覧ユーザー数:660

 

 

 

場面

 

 

 

 

 

山から街へとジャンプして降り立つ青年、人防正司。

 

 

 

場面が変わりある住宅に住む家族。

 

 

 

人防家の母、人防友紀(もりさき ゆき)とその小学4年生くらいの男の子の人防良士(もりさき りょうじ)。

 

 

 

さらに場面が変わり、宇宙空間になり、そこには一つの要塞、ゲリュート要塞が地球に迫って来る。

 

 

 

要塞の中には宇宙犯罪結社「ゲリュート」に所属する様々な宇宙人。

 

 

 

ゲリュート要塞から発進される小型戦闘機が地球へと飛来。それを迎え撃つは地球から生まれし戦士、ハーメラス。

 

 

 

ハーメラスはジャンプし、小型戦闘機を素手で破壊する。

 

 

 

小型戦闘機を破壊した後、地上に降り立ち、新たな変身をする。

 

 

 

そして地球の戦士ハーメラスは赤き怒りの戦士レアガーラに変身する。

 

 

 

国際秘密組織「TLE」の長官であり、最高責任者であると同時に人防家の家長、人防誠(もりさき まこと)がTLE基地にて部下達に指示を出す。

 

 

 

そしてレアガーラは誰もいない山奥で空の方を眺める。

 

 

 

 

 

 

第4話  少女邂逅

 

 

 

 

 

宇宙犯罪結社「ゲリュート」が地球にやって来て2ヶ月が経とうとしていた。

ゲリュートは未だにハーメラス、そして怒りの力で変身するレアガーラに手を焼いており、地球を侵略できずにいた。

 

『ここまで阻まれるとはな……』

 

首領は怒っていた。

 

『既に30人もの幹部に3人もの大幹部を失った。

戦闘員はまだいるとはいえ、そろそろ限界だな』

 

実はゲリュートの構成員は戦闘員を除き、首領や非戦闘員の科学者などを入れて45人。

既に半分以上がハーメラス(レアガーラ)に倒されてしまったのだ。

 

『残っている幹部はもはや6人。これ以上の犠牲は出したくないものだな。

サイスト、何か手はないか?』

 

サイストと呼ばれた科学者が首領の声が発せられる場所の前に立つ。

 

「首領自ら出て行かれる……わけにはいきますまい。

首領は我々ゲリュートのボスにして切り札。万が一切り札を失えばゲリュートは完全崩壊します」

『それはいかんな。儂あってのゲリュート、儂がいなくなればゲリュートをまとめ上げられる者もいなくなると言うわけか』

「そう言うことです。ですが……」

『なんだ?』

「最近になって地球であるものがあることが分かりました」

『あるもの?』

「はい。それは我々と違って地球で生まれたものです。うまくいけばハーメラスもといレアガーラを始末できると思います」

『それは生き物なのか?』

「正確には組織や国家ですね。1週間ほど前から何とかその国の座標を割り出し、通信を入れていました」

『儂に秘密とは本来許されないことだが、致し方あるまい。それで通信は繋がったのか?』

「座標からして我々の通信は届いているはずです。返答はまだ………」

 

サイストが首領に答えていると科学者の一人がやって来る。

 

「首領、サイスト様、申し上げます。たった今このゲリュート要塞に通信が入りました」

『む?』

「来たか! それで返事は?」

「はい………」

 

 

 

正司は人防家の人々に連れられて山を登っていた。

 

「正司兄ちゃん、早いよ」

「別にお前達を待つ義理はないからな」

「そんなこと言わないの」

「助け合いも必要だぞ」

「俺は人間の助けを求める必要はない」

 

正司はそう言うが、実際今の正司の生活は人間の力を頼っている。(もっとも正司は何も食べず飲まずでも生きられる体ではある)

 

「人間はなんでこんなに考えもなしに山や海に行くんだ?」

「それは楽しみたいからだよ」

「楽しみたい? むやみに動物を殺すのにか?」

「それはごく一部の人間だ。人間もこうやって自然に溶け込んで色々癒されたりしたいのさ」

「自然と共にありたいのは良い考えだが、自分達が自然を壊してるのに癒されたいとは傲慢だな」

「それは……」

 

そんな時であった。

突然あらぬ方向から何かが落ちてきた音が聞こえる。

 

「あっちだ」

「なんだ?」

「正司お兄ちゃん、反応はなかったの?」

「地球外のものじゃないのは確かだ。地球外のものなら反応できるからな。

とりあえず行ってみるか」

 

正司達は何かが落ちたところに行った。

 

「この辺りだな」

 

正司が周りの木を見て回る。

 

「なんで木を見てるの?」

「落ちてきた時に木の枝が折れる音が聞こえた。つまりは何かが落ちてきたせいで折れてるところが落下地点だ」

 

正司達が歩いてみるとやたら枝が折れている木を見つける。

 

「見つけた」

「…と言うことは……」

 

その木の下を見てみる。

するとそこには……。

 

「女の子!?」

 

その木の下には青紫色の短髪をした女の子が倒れていた。

 

「大丈夫?」

 

友紀が倒れている女の子に声をかける。

 

「う、ううん……」

 

女の子は意識を取り戻す。

 

「あ、気が付いたみたいだよ」

「君、大丈夫か?」

「ここは一体…」

「伊知地山(いちじやま)の登山道から少し外れた森の中だよ。

君は一体どうしてここにいるんだ?」

「私は一体……」

 

女の子は思い出そうとするが思い出せなかった。

 

「思い出せない? なんで?」

「もしや君は記憶喪失なのか?」

「記憶喪失? なんですか、それは?」

「そこまで分からないなんて、本物かもしれないね」

「………」

 

正司はその場から去ろうとする。

 

「正司、どこに行くの?」

「別に俺には関係ないことだ」

 

正司はそう言って立ち去った。

 

「本当に人間には冷たいわね」

「………」

 

女の子は正司を黙って見ていた。

 

 

 

正司は一人、いつのまにか山頂に来ており、ただ黙って空を眺めていた。

 

(あの女……地上の人間とは違うな。まったく別のものを感じた)

 

正司は倒れていた女の子が人間とは全く別のものと感じた。

 

(人間とは別のもの……そうだ………前に似たようなものを感じたことあるな。

確か大分前に隕石のせいで異世界に飛ばされてた時だ。異世界で会ったあの女だな)

 

正司はピンク色の髪をし、背中に羽を生やした女性を思い出す。

 

(だがあの女とは違ったな。あの女は人間ではなかった。だがあの倒れていた女は人間じゃないわけじゃない。

つまりは人間だ。だが地上の人間ではない。地球の存在のはずだが、俺もきちんと知らない存在がいるのか?)

 

正司がそんなことを考えていたら、突然自分から少し離れたところに何かが飛来してくる。

 

「!!」

 

正司は思わず隠れる。

 

「この辺りに奴がいるはずだ。どこだ?」

 

飛来してきたものはゲリュートに所属する宇宙人と少し似ており、怪人的な姿であるが、正司は違和感を感じていた。

 

(反応できなかった…。奴は地球の存在だと言うのか?)

 

もしもゲリュートの宇宙人だったら正司は地球外のものとして反応できた。

しかし飛来してきた怪人に何も反応しなかった。それは地球外のものではないと言うことを意味していた。

 

(地球のもの………)

「仕方ない、おびき出すとするか」

 

飛来してきた怪人は指先からミサイルのようなものを撃ちだし、山の木々を燃やし始める。

 

「ほらほら! 出てこい!」

(あいつめ……)

 

正司にとって地球外のものだろうがそうでなかろうが、自然を壊そうとする者は何であろうと許せなかった。

 

「地力転身」

 

正司はハーメラスへと姿を変え、飛来してきた怪人の前に立つ。

 

「やめろ!」

「出てきたな、ハーメラス」

「やはり俺をおびき出すためのことか、なおさら許せんな!」

「ふん、地球の存在であるこの俺を地球を守るお前が殺すと言うのか?」

「地球を汚す奴はなんであろうと関係ない! 怒力転身!!」

 

ハーメラスはレアガーラへと変身する。

 

「それがレアガーラか。面白い、この俺、コンデと勝負だ!」

 

コンデと名乗った怪人が飛び回り、レアガーラはコンデの後を追うように飛ぶ。

 

「はあああああ!!」

 

コンデは指ミサイルでレアガーラを撃つ。

レアガーラはその攻撃をよけようとするが……。

 

(ダメだ、このままじゃ町はともかく、森が焼かれる)

 

レアガーラは町の被害は考えていなかったが、森の被害は考えていた。

 

「ぐあっ!」

 

レアガーラは指ミサイルの直撃を受けた。

 

「ほぅ、やはり受けたか。ならこれも受けてもらおうか!」

 

コンデは高速で飛び回り、鋭い手の爪でレアガーラを切り裂く。

 

「ぐう!」

「まだ倒れないとは頑丈だな。だが、それは悲しいな。楽に死ねないからな!」

 

コンデは何度目かの爪攻撃でレアガーラを攻撃しようとした時であった。

レアガーラは飛び回るコンデの腕をつかんだ。

 

「何!?」

「素直に遠距離攻撃だけをしておけば勝てたのにな……」

 

レアガーラは掴んだコンデの腕を粉砕する。

 

「ぎゃああああああ!!」

「消えてろ、怒滅拳!」

 

レアガーラは全長10メートルくらいの巨大な拳の闘気を繰り出し、コンデは吹き飛ばされる。

 

「ぐおおおおおおあああああああああ!!」

 

コンデは空中で爆発した。

 

「ふん」

 

レアガーラはひとまず山へと下りた。

 

 

 

『お前達の送った刺客はやられてしまったようだな』

『だが奴はお前達の組織の宇宙人とは違い、反応は出来なかったようだぞ』

『うむ、そうだな。どうやら奴は本当に反応できるのは地球外のものだけのようだな』

「首領、やはり手を組めてよかったですね」

『そうだな、感謝するぞサイスト。そして地球にある組織「プロテスト」』

『ふむ。言っておくが私の名前は「ナシュラー」だ。貴様の名を聞こう』

『我が名は「レイド」。ゲリュートの首領だ』

 

こうして二つの組織の二人の首領が会話を終えた。

 

「首領、奴はああ言ってますが?」

『まあ奴ら「プロテスト」を利用するだけ利用し、最後は我々が地球を奪えばいい』

 

 

「……とは言っても奴らはそう考えているだろう」

 

プロテストの首領ナシュラーが部下にそんなことを話している。

 

「でしたら、何故組むのですか?」

「そうでない限り、ハーメラスにレアガーラを倒す事はできん。

奴はこの地球が生み出した最強の地球の戦士だ。

いくら同じ地球出身である我々『プロテスト』では手も足もでんだろう。奴に感知されないのがせめてもの救いとでもいうべきか……。

そして勝つためには地球の技術以外を使うしかないだろ」

「ですが、それで我々まで滅ぼされたら元も子も……」

「仮に我々が奴ら『ゲリュート』に負けたとしても奴らに地球は渡さんよ。そのための準備も進めているだろう?」

「もちろんです」

「その時の奴らの顔が目に浮かぶ。ふふふふふ、はははははははは!!」

 

笑うナシュラー。

 

 

 

レアガーラは正司の姿へと戻り、既に山を下りていた人防家の人々と合流した。

 

「そんでそいつはどうするんだ?」

「君はどうしたいんだ?」

 

正司が聞いてきたのは助けた謎の少女のことであった。

誠が正司に尋ねる。

 

「はっきり言っておく。その女はお前達と同じ人間じゃない」

「え?」

「いや、言い方が少し悪いな。そいつは地球の人間だが地上の人間じゃない」

「地上の人間じゃない?」

「さっきな、そいつと似てるようで少し違うような反応があった。そいつはもろに怪人の姿だったがな」

「このお姉ちゃんもそいつらの仲間だって言うの?」

「お前達から見れば確証はない。だが俺は確信している。

仲間じゃないにしても関係は必ずあるはずだ。そいつを家に置いてくのは得策じゃないな」

「ふむ…、そうなるとTLEの拠点に置くのも危険だな」

「俺がそいつを見張ってやる」

「だったらその場所の提供くらいはさせてくれ」

「……本当は嫌だが、いいだろう。それくらいはさせてやる。とりあえずお前は俺と来い」

「………」

 

少女は正司に引っ張られ、何処かへと立ち去っていく。

この少女とは一体何者だろうか? そして現れた謎の組織「プロテスト」。

正司はこの先も地球を守ることが出来るのだろうか?

だがそれでも正司は戦い続ける。負けるな、正司! 戦え! 地球の戦士、ハーメラス!! 地球の為に! レアガーラ!!

 

 

 

 

続く


 
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