No.216584

虚々・恋姫無双 最終回―後日談

TAPEtさん

今まで読んでいただきありがとうございました。

2011-05-14 00:00:24 投稿 / 全14ページ    総閲覧数:6019   閲覧ユーザー数:4629

魏の新しい首都、許昌。

 

「一刀!!一刀ーー!!」

 

大陸は平和になった。

それは確実な事実。

だけど、大陸の幸せ?それはまだ遠い話だ。

少なくとも、今逃げた自分の生徒を探しまわっている先生はちっとも幸せではなかった。

 

ガラッ!

 

「一刀!」

「……バレた」

「バレた、じゃないわよ!」

「うん、じゃあ、今回はボクは鬼になるから、桂花お姉ちゃんは逃げて?」

 

コーン!

 

「いたあぁ゛あ゛ーー!」

「調子に乗るんじゃないわよ。まったく!」

「むぅぅ……」

 

桂花に頭を打たれた一刀と呼ばれた男の子は口を出した。

 

「さ、早く戻るわよ」

「…桂花お姉ちゃんのいけず」

「あなたのせいよ。さ、さ、早く行くわよ」

「はい」

 

隠れていた籠の中から出てきた一刀は金髪に蒼い瞳を輝かせていた。

 

「というか、こんな日も勉強しなきゃいけないの?」

「こんな日って、今日って何かあったのかしら?」

「…………」

「な、何?今日、なんかあったっけ……?」

「…いや、別に何も……」

「何よ、気になるじゃない」

「………今日は…第六回三国合同平和記念日……の100日前」

「……あ」

「まぁ、別に一人ぐらい忘れてたって構わないんだけどね。ボクの誕生日?」

「…い、いや、あのね!ほら…最近忙しかったから……ちょっと、ちょびっと、一瞬だけ……ね?」

「…………」

 

一刀はしばらく桂花を睨みつけるが、直ぐにやめた。

 

「まぁ、別にいいよ。皆忙しいこんな時期に生まれたボクが悪いもんね。オマケにお母様は蜀に行ってるし」

「ちょ、ちょっと待っててね。今日の勉強は休むから…!」

「!本当!じゃあ、ボク街に遊びに行っていい?」

「ええ、行ってきなさい」

「やったー!」

 

一刀は嬉しそうに城の外へと向かった。

 

「……ぁぁあ、完全に忘れてたわ」

 

桂花は国の重大イベントの一つを忘れていた自分(と一緖に忘れていた他の将たち)を恨みながら他の将たちを集めるために走って行った。

 

 

 

 

「皆、お待たせ―!」

「あ、曹丕ちゃんだ!」

「曹丕ちゃん、遅いよー!」

「ごめん、ごめん!」

 

街に出た一刀ちゃんが着いた場所は子供たちが集まる何もない敷地。

許昌に済む子たちは良くここに集まって遊んでいた。

 

「今日は何する?」

「ままごと!」

「女の子たちはいつもそれだよ!戦争遊びしようぜ!」

「あんたたちだっていつもそればっかじゃない」

「しかもいつも負けるくせに」

「何んだよ!」

「何よ!」

「ねぇ、ねぇ、喧嘩はやめてー」

 

男と女の子たちが別れて喧嘩をし始めそうになると一刀がまとめに入った。

 

「楽しく遊ぼうと来たんでしょ?喧嘩は駄目だよ」

「…じゃあ、曹丕はいい方法あるの?」

「そうだ。曹丕ちゃんに決めてもらえばいいよ」

「え、えっと……」

 

喧嘩の的が自分に向けられてきて、一刀は少し心配になってきた。

 

「何かいい遊びないの?曹丕ちゃんはいつも新しい遊びとか良く思い出すじゃない」

「そんな急に言われてもうーん………あ、じゃあね、こんなのはどうかな」

「どんなの?」

「えっと……誰か球もって来てない?」

「俺が持ってるぜ」

「それ貸して。後は……」

 

一刀はそして杖を持ってきて敷地に大きく四角形を描いてその真中に線を書いた。

 

「ここに二つに別れて立って。四角の場所から出ちゃ駄目で、球を投げて相手側の人に当てるの。当たった人は死んで、相手側の外側に出て中の相手の人たちに球を当てる。中に生きている人が先に無くなった方が負け」

「…それって楽しいの?」

「要は球を良ければいいんだな」

「当たったら痛いじゃない」

「顔とかに当てるのは危険だから禁止……後、ちょっと特別な規則で、女の子たちが中に居なくなると、男の子たちは残っていても負けってことで」

「ええ!」

「だから、女の子たちは守りながら戦わなきゃいけないわけ。分かった?」

「……よし、分かったぜ」

「そうだったら…多分大丈夫かな」

 

男女両側納得して、チームを分けてドッジボールが始める。

 

「よし、行くぞー!」

 

四角の中のボールを持った男の子一人が女の子に向けてボールを投げた。

 

「え、あ、あたし!きゃー!」

「何の!」

 

パン!

 

「なっ!

 

が、一刀がそのボールを見事にキャッチしていた。

 

「あ、言ってなかったけど、手で掴んだら死んだわけじゃないからね」

「先に言えよ!」

「とっ!」

 

トン!

 

「あ」

「はい、アウト!」

「くぅっ!」

「おい、曹丕ちゃん要注意だぞ。あいつにボール掴ませるな」

「応!」

 

犠牲者が出た向こうのチームの男たちに意気が入る。

 

「曹丕ちゃん、かっこいい」

「かっこいいよね。女の子が当たらないように自分で飛び込むなんて」

 

と、女の子たちは自分たちを守った一刀に惚れていた。

 

「よし、行くぞ!まず一刀に火力集中させろ!」

「よし、来い!」

 

 

 

全員「「「「「「…………」」」」」」」

 

桂花「どうして誰も覚えてなかったのよ!」

 

春蘭「…しゅ、秋蘭」

 

秋蘭「なんということだ…」

 

季衣「る、流琉どうしよ!」

 

流琉「一刀君、怒ってますか?」

 

桂花「なんというか……ね………顔が笑ってなかった」

 

風「後で華琳さまがこれを知ったら私たちにどんな雷が落ちるでしょうかね」

 

稟「人のことように言ってる場合ではありませんよ、風!」

 

宝譿「いや、いや、一言だろ」

 

風以外「へっ?」

 

風「だって、ほら、風はこうしてお誕生日にあげる贈り物も用意しておいたのです」

 

風以外「「「「「「「「「なーっ!!」」」」」」」」

 

 

 

風「ほら、宝譿とおそろいの人形さんですよ。どう思いますか?」

 

稟「どうしてあなた一人だけ知っていたのですか!」

 

風「逆にどうして稟ちゃんたちは忘れていたのやら……風はとても心配なのです」

 

稟「くぅっ!」

 

秋蘭「とにかく、今からでも早くお祝いの準備をしよう、流琉、桂花、手伝ってくれ」

 

流琉「はい」桂花「分かったわ」

 

秋蘭「姉者、季衣と一緖に凪たちにもこの状況を伝えてくれ」

 

春蘭「分かった」

 

稟「私は贈り物の手配とかしておきましょう。間に合うかわかりませんが」

 

・・・

 

・・

 

 

一方、蜀の南蛮の地

 

華琳「本当に私をここまで連れてこなくちゃいけなかったの?」

桃香「ごめんなさい、何か美似ちゃんたちが凄く大事なことだと言って、どうしても華琳さんに来てもらいたいと言ってたんです」

華琳「あの娘がね……南蛮の野獣のようだった娘がすっかり自分の姉みたいな美人になって……前に会ったときはつい閨に呼びそうになってたわ」

桃香「あはは……まだそんなこと言うんですね」

華琳「当然でしょう。で、まだかしら」

桃香「もうそろそろだと思いますけど」

 

「にゃーー!」

「桃香が来たにゃー!」

「桃香ー!」

桃香「皆!久しぶり」

 

ムニュッ!

 

桃香「ひゃっ!」

「いつ触ってもふかふかなのにゃー」

「桃香にゃんの胸さいこーにゃ」

 

ムニュッ!

 

華琳「!ちょっと!放しなさい!」

「うーん、シャムはこっちのおっぱいの方がいいにゃー」

 

桃香「あ、あのね、三人とも歓迎してくれるのは嬉しいけど、美似はどこに居るの?」

「あ、そうだったにゃ」

「こっちに来るにゃ、大王さまが待ってるにゃ」

 

 

 

 

桃香「美似ちゃん!」

 

美似「桃香、待ってたにゃ」

 

華琳「……なんなの、これは?」

 

桃香と華琳、二人が連れてこられた場所には、美似と他の南蛮兵たちが集まってお供えを集めて結以、もとい彼女と似ている南蛮の炎の神、祝融の姿をした石像をめぐって踊ったり歌ったりしていた。

 

美似「儀式にゃ。儀式をしてるにゃ」

 

華琳「…なんのための」

 

美似「姉さまが戻ってくるにゃ」

 

桃香「お姉さまって……結以ちゃんが?」

 

華琳「結以は六年前に左慈と一緖に消えたわ。あなたにもそう言ったはずよ」

 

美似「分かってるにゃ。でも、美似も一ヶ月前に姉さまを見たにゃ」

 

華琳「何ですって?」

 

美似「姉さまが帰ってくるにゃ」

 

くぐぐぐぐぅ!

 

桃香「ひゃっ!!地面が揺れる!」

 

華琳「桃香、美似!伏せなさい!」

 

くぐぐぐーーー!

 

 

地面の揺れがどんどんひどくなって行く。

 

そして最後に、南蛮の兵たちが踊っていた石像が爆発した。

 

ドカー――ん!!!

 

そして、石像が壊れて誇りが立っている中に二つの人の影があった。

 

??「けほ!けほ!!」

 

??「くほっ、けほっ!!はぁ…はぁ……ちょっと揺れたわね」

 

??「ちょっとじゃないですよ…うぅ……吐きそう……」

 

桃香「な、何?」

 

美似「姉さまにゃー!」

 

「「「お姉さまにゃー!」」」

 

結以「!美似!!皆!」

 

美似「姉さまーー!!」

 

「「「にゃーー!」」」

 

南蛮王美似と、他の南蛮兵たちが一斉に結以に向かって掛かってきた。

 

美似「お姉さま!」

 

結以「美似……大きくなったわね」

 

美似「お姉さまは全然変わったないにゃ」

 

結以「……ふふっ、そう見えるのかしら」

 

姉妹が久しぶりに出会った一方、もう一つの影は、

 

??「結以、じゃあ、僕は行ってくるわ」

 

結以「あ、はい」

 

美似「にゃ?」

 

スッ

 

華琳「なっ!」

 

突然、地震で倒れていた華琳の前に彼女は立った。

 

??「大丈夫ですか?立てますか?」

 

華琳「え、ええ……」

 

??「よし、じゃあ、行きましょう」

 

華琳「へっ?ちょっ、ちょっと!」

 

スッ

 

華琳が止める暇もなく、女は華琳と一緖にその場から消え去った。

 

桃香「へっ!か、華琳さん!?」

 

結以「大丈夫です。ちょっと戻っただけですから」

 

桃香「もどったって……というより、先の人って誰なの?」

 

結以「……この世界に最も念を入れてきた方です」

 

桃香「へ?」

 

 

 

スッ

 

華琳「なっ!」

 

さっ「ごめんなさい、ちょっと急いでいたもので」

 

華琳「ここって……許昌の街じゃないの」

 

さっ「はい、六年ぶりの瞬間移動ですからちょっと吐き気があるかもしれませんけど、大丈夫です。直ぐ慣れますから」

 

華琳「どうして私をここに連れてきたの?いや、というか遅かったじゃない、あなた」

 

さっ「早く来た方ですわよ。僕は十年はかかるだろうと思ってましたのに。思ったより早く終わりました。まぁ、負けましたけど」

 

華琳「………あなたは全然変わってないわね。あの日から」

 

さっ「華琳さまが随分と成長なさいましたね。主に……胸部のところが」

 

華琳「…あの子産んであれは本当に喜んでたわね」

 

さっ「子供の事は?」

 

華琳「無論、ソッチの方がうれしいけど」

 

さっ「じゃあ、なんであの子の誕生日に他国へ仕事に来てたんですか?」

 

華琳「あなたの嫁の妹に呼ばれてきてたのよ!」

 

さっ「仕方ないじゃありませんか。神社を壊したせいで繋がる道があそこにしかなかったんですよ。しかも一方通行で」

 

華琳「……え?」

 

さっ「……。とにかく生きましょうか」

 

華琳「待ちなさい、どこに……」

 

さっ「子供の誕生日ですよ。それにほら、華琳さまは既に最高のプレゼントが用意出来てますし」

 

華琳「………はぁ」

 

さっ「気に食わない反応ですね。せっかく来たのに……あ、そうだ」

 

華琳「!何処行くの!」

 

さっ「後で城でお会いしましょう!一刀ちゃんをお願いしますわ」

 

華琳「待ちなさい!……まったく…

 

 

 

 

「いくぞー!」

 

パン!

 

「そんな直球なんか当たるものですか!」

「くっそー、うますぎだろ!曹丕、お前!」

「不平言うのはいいけど、行くぞー!」

「避けろ!」

 

サッ!

 

トン!

 

男の人が避けて地面にぶつかってまた飛び上がった球はそこに通り過ぎていた女の人の顔に向かって飛んでいった。

 

「あ、危ない!」

 

「!」

 

シャキッ!!

 

が、

 

女の顔に当たる前に、空中で真っ二つに割れてしまう。

 

「………一刀」

「…お母様!?」

 

絶を持った華琳を見て、一刀は走っていった。

 

「お母様!<<にぱぁ>>」

 

華琳は絶を下ろして抱きついてくる息子を抱いて口付けをする。

 

「どうしてここに…」

「あなたの誕生日を見過ごすわけには行かないじゃない?……球はごめんなさいね」

「あ……」

 

ふと、一刀は球の持ち主だった子に行った。

 

「ごめんね、ちょっと…実はボク今日誕生日なんだけど…誕生日の贈り物だと思って許して、ね?」

「……え?曹丕ちゃん今日誕生日だったの?」

「知らなかった!」

「わー、おめでとう、曹丕ちゃん!」

「ありがとう」

「球はいいよ。早く行けよ。後は俺たちだけでなんとかするから」

「うん…じゃあね。また遊ぼ」

「「「またねー!」」」

 

子供たちに挨拶をして、一刀は華琳の元に戻ってくる。

 

「早く帰ろう。皆今頃忙しいだろうから」

「………あの娘たちまたあなたの誕生日忘れたわね」

「まぁ、毎年同じだし…華琳おねえちゃんぐらいだよ、ボクの誕生日覚えてくれるの」

「!?」

「……?どうしたの、お母様?」

「………いいえ、なんでもないわ。行きましょう」

「うん♡」

 

 

 

 

「準備はいい?」

「…多分、中は準備できてないと思うけど」

「大丈夫よ。お母さんを信じなさい」

 

扉の前、華琳と一刀は一緖に門を掴んで立っていた。

 

「せー」

「のっ!」

 

ガラッ!

 

パン!

 

「「「「「「「お誕生日おめでとう、一刀ちゃん!!!」」」」」」」」」

 

「…………わぁ…」

 

一刀の前にはすごい光景が広がっていた。

御殿の真ん中には誕生日祝いの食べ物が広がっていて、

片側には誕生日プレゼントが用意されていて、魏の将たちが皆集まって一刀と華琳を迎えていた。

 

「去年の時とは大違い」

「去年はひどかったわね…あれはお母さんのせいだったけど…」

「そんなことはいいよ。すごい!!」

「華琳さま」

 

桂花が前に出て二人を迎えた。

 

「申し訳ありません。華琳さまに一刀のことを任されていましたのに…」

「構わないわ。あなたたちが忙しいというのは分かってるから……ただ、」

「……」

「あの時一刀と一緖に行かなくてよかったわ。あなたたち私が居なかったら本当に何もできないのね」

「…申し訳ありません」

「そう言わないでよ、お母様。こんなに立派なパーティ場用意できたんだから」

「…一刀、今なんて言ったの?」

「ふえ?…何?」

「………いえ、何でも」

「…変なお母様」

 

でも、一刀は直ぐに華琳と桂花の手を引っ張って中をはいらせた。

 

「皆、ありがとう。最高の誕生日だよ」

「そう思ってくれるなんて急いで準備した甲斐があるな」

「すごかったんだよ、一刀ちゃん。ボクあんなにすごい勢いでお料理作る流琉って初めて見た」

「真っ白に燃やした………」

「流琉お姉ちゃん、ありがとう」

 

ギューっ

 

「ひゃっ!か、一刀ちゃん!」

「いいな、一刀ちゃん、ボクも抱っこして」

「いいよ」

 

ギューーーーーッ

 

「ちょっと季衣!あまり強くすると……」

「いたいいたい!!」

「あ、御免」

 

季衣から解放されて一刀ちゃんは他の皆も見回す。

 

「一刀ちゃん、誕生日おめでとうなの」

「おめでとーな、一刀ちゃん」

「おめでとう、一刀」

 

「凪お姉ちゃん、真桜、沙和お姉ちゃん……って沙和お姉ちゃんその髪飾り新しいのだね」

「あ、分かる?これ実は一刀ちゃんのプレゼント選ぶ時にいいなと思って買ったのー」

「…沙和…」

「何快く自慢してるんだか……このアホは」

「あ、あはは…」

「…いいよ、別に。その代わりにボクのも良い物用意してあるんだよね」

「あ、うん、任せてなのー。一刀ちゃんにぴったりなお洋服で選んできたの」

「楽しみだね<<にっこり>>」

「ウチのはもっとすごいでー。一刀ちゃんそっくりのからくり人形!これでお勉強サボってウチのところに来る時も桂花にバレずに

「真桜!」

「うわっ!桂花、何をする!それウチのからくりを入れた箱ー!持っていくなって!」

 

「あ、あはは……」

 

プレゼント枠からからくりを強制撤去させようとする桂花とそれを止めに真桜が行ってしまう。

 

「一刀君、一刀君」

「うん、あ、風お姉ちゃん」

「はい、これは、風からのプレゼントなのです」

「いいの?今もらっちゃって?」

「風のは最初の刺激が重要でしたので、最初にとってもらえるようにです」

「ありがとう。でも、開けるのはちょっと後でね」

「はいー」

 

 

 

 

「ところで桂花」

「はい」

「ここに誰か来ていなかったかしら」

「誰か、とおっしゃいますと?」

「……実はここに左慈が来たはずなんだけど…見てなかった?」

「左慈が……いえ、来てませんが……もしや」

「何か心当たりが?」

「実は…先ごろ怪しげなものが贈られてきまして……」

「怪しげなもの?」

「アレです」

 

桂花が指したのは祝い場からちょっと離れたところにある、凄く存在感主張している超巨大ケーキ。

 

「……あれって…」

「すごい、大きい!!」

 

と、思ったら、一刀がなんとなくアレに興味を持って近づいています。

 

「何これ?すごいよ!こんなに大きいのどうやって作ったの?」

「あ、あれは…私たちが作ったものでなく…」

「なんでこんなすごいものこんな隅っこに置いてあるの?こういうのは真ん中に置かないと…」

「待て、北郷!そいつは危険な物件かも知れないぞ!」

 

春蘭が止めるも、一刀はその大きいケーキに近づいて見る。

 

「なんだろう。食べ物っぽいけど、どうやってこんなに大きいもの作ったの?」

「一刀」

「ふえ?」

「ソレから放れなさい」

「?」

 

ドカーン!

 

と、ケーキが爆発した。

 

「お誕生日おめでとう!!」

「!!」

「なっ!」

「……はぁ…」

 

と共に、中に居た左慈が姿を顕せた。

 

「貴様、何奴だ!」

「姉者、落ち着け。彼女は…」

「僕ですか?」

 

左慈は微笑みながら一刀の方を見た。

 

「その金髪……蒼い瞳……でも分かります。あなたが一刀です」

「……どうやってそんなところに入っていたの?」

「びっくりさせるためですよ。あなたを…」

「ボクを?……ボクを知ってるの?」

「……はい、知ってますよ。あなたのことを…あなたが生まれる前から…」

「?」

「自己紹介をしましょう」

 

 

「ボクはさっちゃんです。あなたは覚えてないでしょうけれど<<にこっ>>」

 

 

「………さっちゃん?」

 

 

「さっちゃんですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………さっちゃん♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物語を終えながら……

 

 

はい、というわけで終わりました。

 

黙々に続いて来た虚々・恋姫無双。

外国人によって書かれたこの長くてダサイしわけわからん文章を今まで読んでくださったみなさん本当にありがとうございました。

 

この外史を書き始める前に、自分は華琳さんは恋姫たちの中から一番嫌いでした。

 

実はこの外史のメインヒロインを華琳さんにしようと思ったのは、主にあの時の流れのせいでした。

 

今でもそうですけど、魏は三国の中でも一番いいストーリーラインをしていて、恋姫ファンたちの中でも一番人気がよかったですね。

それに、前作から続き一番パワーアップしたとも思える人が、曹操孟徳彼女ですから。魏の物語が外史を作る我々にとって一番昂くされることは必然なのでしょう。

 

自分は無印の前に真を先にやっていて、その中でも魏の物語は一番最後にやっていました。

 

もちろん、北郷一刀が消えて涙を流す覇王でない曹孟徳の姿を同情しなかったといえば嘘になるでしょう。

 

ですが、自分にとっては華琳さんはすごい悪い人です。

 

華琳は成都での戦いで桃香に言いました

 

「王になるべきではなかったのよ。あなたは」

 

そのセリフが自分の中に凄く痛く刺さって、その次にゲームを進めて北郷一刀が消えることを見たのは三日後だった記憶があります。

 

ゲームの中にある人に怒りを感じたところで何になるのかと言われたらそれはまぁ……仰せのとおりですが…

 

とにかく、それで思ったわけですよ。

 

あなたにそんな言葉をいう資格はない、と。

 

それが言いたくてこの外史を書き始めました。

 

元はですね。この物語の始める時に思った最後は、

 

華琳さんが天下を統一すると、一刀が消えると知った上でも、赤壁で勝ち、孫呉を破り、桃香との戦いで、あの自分が一番嫌いな場面で、

そこで覇道を進むことを諦めてしまう、

たった一人の子供の死を恐れて覇道を捨ててしまう、弱い華琳さんの姿を描きたいと思ってました。

 

まあ、途中でいろいろごちゃごちゃになって結局こうなってしまいましたけどね。

 

問題は自分の筆力でしたね。

うまく戦のあれが表現できなくてほぼ放棄していました。

とはいえ、ほぼ子供の時点から話を進めていたため、戦略とはそんなややこしいこと子供に聞かせたところで何の意味もありませんし、結局そういう一線の話から外れて、一刀なりに戦を見て、そこから感じたものを華琳さんにぶつける、的な話をしようと頑張りました。

主に孫呉軍との戦いでは、あれは元なら赤壁でやるべきだったのですけどね。今考えると一刀が黙々から虚々に来る時に、孫呉との戦いでなく、赤壁にしてもよかった気がしますが、言ってた通りあの時では華琳さんを悪く見せるのが目的でもあったので、わざと魏√でもないあの戦いを引っ張ってきたのかと思います。

 

後は、一刀の時点で大体の話を進めようとしたため、人個別の心理状況とかはあまりうまく表現できませんでした。一人称をとっていた自分のせいです。才もないのに無茶しやがって…

途中からは一刀に加えて話者だったさっちゃん自ら登場人物になって補足説明やらしてましたけど、いつの間にか主人公たちより周りに心配されるキャラになっていました。どうしてこうなった。

 

 

 

 

話を終盤に移動させようと思ってふと振り向いてみると、ああ、自分って本当一刀ちゃんに酷いことたくさんさせたなぁって思ってました。もっと酷いのは、これをこのまま進めてしまってはこの子は永遠にその傷を背負って行かなければいかないというわけです。

だから途中から話が甘くなってます。だから自分が桃香のことを好きなのかもしれません。彼女のその甘ったるい考えが好きです。他の将たちがそうみたいに、自分もその夢を、不可能そうな夢を支えたくなるのです。

それは、一人で私無双している華琳さんを支えることよりずっと気持よさそうでした。

 

と、話がズレましたね。

 

とにかく、一刀を幸せにするために頑張ったものの、結局更なる絶望が重なるだけで…結局全てを自分の手で消して、華琳さんと最初からやり直すという終わり方をとってみました。

もちろんさっちゃんは半歩後に立ってもらいます。

最初からそのためのキャラです。表に出るためのキャラではないのです。

まぁ、左慈のために途中で結以というキャラを作ったりもしましたけどね……アレは今考えるとちょっと失敗でした。あそこから左慈がストーリーにあまりにも関わりすぎてます。

 

 

 

 

最後の貂蝉とのアレはあまり気にしない方がいいです。それっぽくしようと思っただけの中二病設定です。黒幕は貂蝉だったって。

まぁ、あの変態を貶めることを反対する人はないと思いますから問題ないでしょうけど。

 

あの最後の話書いてる時にちょっとイギリスのドラマ「ドクター・フー」を見ていたのでアレに影響されてああなりました。サーセンw

 

 

はい、というわけで半端な終わりです。

 

終わり!

 

何日前に続けてくださいという応援メッセージをもらいました。

 

終わりです!

 

終わらせちゃいます!

 

これ以上物語進めたところで自分には一刀ちゃんを傷つけることしかできません。

 

だから、ここで終わらせて、後80%ぐらいは華琳さんに託そうと思います。

後10%ぐらいはさっちゃんにも任せておきます。

残りの10%は……みなさんにお任せします。

 

 

ショタの一刀ちゃんは昔かなりブームでしたが、今は……ないですよね。ゼニガメさんの以外は…

でも、自分の一刀はショタというよりはもうちょっと純粋な母性愛を誘うようなキャラにしたかったです。みなさんにどううけ入れられたかはわかりませんが。

最後もあれですしね。

 

というわけで、もしこの外史の中にあったちょっとアレだった場面(華琳さんとのお風呂シーンとか初夜とか一緖に水遊びするのとか)で変なこと考えた人は反省してください。特にそこの変態犬です。

………え?水浴びありませんでしたっけ?……あ、それ没にしてたわ。

 

ーーなんでそんな貴重なシーンを没にしやがる!

 

いえ、だってほら、他にも没にしたのってたくさんありますよ

桂花さんに罠を仕掛けて落とすとか、桂花さんがちゃんと勉強して料理を披露するとか、流琉ちゃんとのお料理教室とか、秋蘭に弓術を教わったり、風呂に入ったりとか、華琳さんと二人で遠くの村に行って親子に誤解されて……

 

ーー続き書け!!!

 

痛い!

痛いです!石投げないで!これ久しぶりに当たったら凄く痛いです!

 

 

痛いですってぱー!

 

もう書きませんよ!没は没です!第三期とか書いていたら自分が死んでしまいます!リアルも忙しいというのに。

しかも次回作はもう準備出来てるんですよ。

 

雛里√。

 

………

 

ーー両方書け!

 

無茶言う無し!

 

雛里√自分がどれだけ書こうと待っていたのか知ってる人は知ってるはずです。

 

……大体知らないでしょうけどね。

自分の応援メッセージボード行くと分かりますよ。

 

背景が雛里ちゃんです。

 

ーーどうでもいいから続き書け!

 

曹丕ちゃんてもうオリキャラじゃないですか!オリキャラで書いて皆に無視されるのもう嫌ですからね!

 

兎に角!この後はみなさんのご想像にお任せします。

 

それでは!ノシ

 

 

 

 

 

次回作発表

 

 

真・恋姫無双 雛里√ 鳳凰一双舞い上がるまで

 

 

お楽しみに……

 

 

ノシ

 

 

 

てくてくてく

 

 

 

 

………

 

ノシノシ

 

 

 

 

・・・

 

 

 

楽々・恋姫無双(未定)

 


 
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