No.175589

真・恋姫†無双~江東の白虎~第壱章 第8節~一刀君追われるのち、親友できる~

タンデムさん

ちわっす!
タンデムです!
今回は、一刀君に親友ポジションの人が登場。
ちなみに男です
ちなみにちなみに、

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2010-09-30 19:15:18 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:17809   閲覧ユーザー数:12934

この小説は、北郷一刀(と蓮華)にいろいろな設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。

その点を踏まえて、お読みください。

「はぁ、はぁ、はぁ……! 何でこうなっちまうんだよ!!」

 

一刀は逃げていた。

 

何からかというと……。

 

 

「一刀! 何処に行ったのっ!!!!」

 

虎と、

 

 

「逃げても無駄だっ!! 一刀!」

 

鷹と

 

 

「おにいしゃま~~!! まてぇ~~!!」

 

猫、此処までは問題ない。

 

だが……最後の一人は、

 

 

 

 

 

病華「くスクす……おにイさマ、にがシませンヨ? ぜッた イ みつけ マす かラ! あハは ハ ハハ はっ! (オニイサマハ、ワタシノモノナノヨ。)」

 

魔王だった。

 

 

 

 

何故こうなったかと言う事を説明しよう。

 

それは、一刀が美蓮に拉致られる所まで遡る。

 

その時、美蓮は一刀が一人になるのを見計らって攫ったつもりだった。

 

だが美蓮はしらなかった、一刀の修行の様子を何時も陰乍ら見ている、自分の次女が居た事に。

蓮華は、目の前で起こった事実に、顔を蒼くして、城内の方に戻ると丁度廊下を雪蓮と冥琳が歩いて来た。

 

蓮華は雪蓮に泣きついて、

 

「かあさまが……かあさまが……」

 

と泣きそうに成っていた。 雪蓮は、少し戸惑ったが、

 

「母様なら祭と結羽さんを連れて、賊の討伐に向かったわよ?」

 

その言葉を聞き、蓮華はぴたりと泣き止み、安堵の溜息をついた。

 

そして、帰ってくる頃を見計らって皆で港まで、お兄ちゃん至上主義連合(雪蓮、冥琳、蓮華、小蓮。)の皆で行き、

 

一刀が帰ってきたとき、丁度、港にお兄ちゃん至上主義連合が集まっていた。

 

最初は普通に出迎えに出てきてくれていたのだが、その中で蓮華が

 

「お兄様、“お母様に”攫われてなくてよかった」

 

そう言って一刀に抱きついた。、

 

一見仄々とした感じに見えるが周りは、蓮華の言葉を聞いて雰囲気が一転した。

 

雪蓮は、如何いうことかと、冥琳は何故止めなかったのかと自分の母達に詰め寄った。

 

賊の討伐に連れ出し、一刀が全て討伐したなどと話すと、一刀は雪蓮達にすごく怒られた。

 

その後の説得の結果、話の中心人物が無事だったので、事なきを得るはずだったのだが……。

 

「イツッ!」

 

本当に小さな声だったが、祭が苦しげな声を出したので、雪蓮は如何したのかと問うと、嬉しそうにこう応えた。

 

「いや、昨日一刀様に女にしてもらっての」

 

『!?』

 

紅くなって言う祭のその言葉に、お兄ちゃん至上主義連合のおませちゃんたちが、驚愕の表情に移る。

 

さらにこの時、蓮華から少しづつ黒いオーラが滲み出す。

 

唯そこで終われば良いのだが……何を思ったか祭は

 

「そういえば、儂は、一刀様にしていただきましたが、美蓮殿と、結羽殿は一刀様に‶襲い掛かった″のでしたな」

 

と、態と襲い掛ったを強調し可笑しそうに笑う祭のその言葉に、一同は言葉を失う。

 

それと同時にドス黒いオーラが蓮華を包む。

 

そして、一呼吸おいた後、其々の母親につめより、母達が途中からは一刀がノリノリだったなどと言った物だから、

 

今度は一刀につめより、

 

『一刀(お兄様)! (お母様)母様がいいなら私(蓮華に)もして(にもしてください)っ!』

 

一刀はその言葉を聴いた瞬間、町の方を向いて逃げ出した。

 

そして、この瞬間黒いオーラが限界点に達して、蓮華は病華(ヤンファ)へと進化した。

 

勿論逃げたら、人間追いかけるのが本能。

 

シャオは、追いかけっこして遊んでいる程度の感覚でしかないが、他3人得に、何故か黒いオーラを噴出しているように見える蓮華には掴まってはなら無い。

 

「(もし掴まれば、ドナドナド~ナ~ド~ナ~の曲の様に連れて行かれて、干物になる!)」

 

と言う感じで、追いかけっこが始まり、冒頭に戻るわけである。

幸いにして、昔から彼女達が勉強をしている間は大体町にでて居たため、町の中は正に庭。

 

自分に追いつけるわけが無いと思っていたが、甘かった。

 

「雪蓮! そっちだ! 蓮華様はそっちへ! 小蓮様は私と此方に!」

 

「うん! おにいしゃま~まてぇ!」

 

後の天才軍師周瑜公瑾と孫呉の天使孫尚香が、あちらにおり、

 

「りょーかいっ!! 待ちなさぁい! 一刀!」

 

江東の小覇王となる彼女がおり、

 

「くスクす……ぜッタイ にガシ ませンっ! おニイ さ マッ!!!(モウハナシマセンヨ?)」

 

何故か、魔王化した蓮華(一刀は彼女がシャオと共にリタイアすると思っていた。)が、艶の消えた瞳で暗い笑みを浮かべて追いかけてくる。

 

もうかれこれ、半刻ほどはリアル鬼ごっこを続けているのだが、

 

一向に諦めてくれる気配が無いので仕方なく一刀は高く飛んで、

 

町の家の屋根から屋根に移ると言う卑怯な技をやってのけた。

 

「此処まで来れば……ってうそぉ!!」

 

「これも計算済みだ! 一刀!」

 

「へっへ~ん! 捕まえたわよ!」

 

「み~っけた!」

 

「くすくス……おにイ さ マ……も ウにゲ られ マ せン ワッ!!(オニイサマハ、ワタシノモノナノヨ。)」

 

何と着地した目の前に4人が陣取っているではないか。

 

「(うっわ~流石天才周公瑾、仕方ないか。)皆やるじゃねえか。 でも、相手が悪かったな。」

 

そう言って、一刀は今の四人には到底目で追えない速度で雪蓮と冥琳と蓮華の前に移動し、一人づつの眉間に手を持っていき、思いっきり指を

 

バチィンッ!

 

バチィンッ!!

 

バチィンッ!!!

 

弾いた。

 

通称デコピンと呼ばれるその技は、普通の物がやれば少し痛い程度で終わるが、一刀は氣で強化して眉間と言う脳に直接響く場所を打ったのである。

 

たとえ手加減していたとしてもくらえば、脳震盪を起こしてその場に倒れるのは必然と言えた。

 

「およぉ~? お姉ちゃんたち寝ちゃったぁ?」

 

「みたいだな。 シャオは、先に帰ってな、もうオヤツの時間だろ? 是だけやるから好きなの買って帰んな。」

 

「わぁい! ありがとぉおにいちゃん!」

 

少しばかりのお金をシャオに握らせて、商店街の方に走らせた。

 

そうすれば、街の人か警備隊の誰かが城まで送ってくれることだろう。

 

問題は、彼女達だ。

 

「さてどうやって帰ろうか……。 もういっその事、引きずって帰ろうかな。」

 

「おい、どうかしたのか?」

 

どうやって、彼女達を連れて帰ろうか迷っていると後ろから声が聞こえた。

振り返ると、赤い髪の18~9と言った感じの青年が立っていた。

 

「ああ、俺の妹達が寝てしまってな。 3人は流石に一人では無理だなぁと思っていたんだ。」

 

「ふむ。 見たところ、彼女達は其々とんでもない力で、額へ一撃の下に昏倒されたようだな?」

 

「ああ。 少し、兄弟喧嘩をしてな。 それにしてもすごいな、見ただけで分かるってことは医者か?」

 

一刀は驚いていた。 こんなの医者でもなければ、ただ寝ている程度にしか見ないだろう。

 

「ああ、まだ卵だが医者の端くれだから分かるさ。 じゃあ起きたとき痛くないように、治療をするが構わないか?」

 

「ああ。 お願いするよ。」

 

「わかった……おぉぉっ!! げ・ん・き・に・なれぇ~~っ!!」

 

治療をお願いした後、行き成り叫び出した彼に少し戸惑ったが、取り出した針に氣がたまっていくのを感じた一刀は黙ってそれを見届けた。

 

やがて三人に、針を打ち込むと

 

「うむ。 是でいい。」

 

彼は満足そうにそう言った。

 

「そうか、ありがとう。 あ、そう言えば自己紹介がまだだったな。 俺は孫王虎って言うんだ。 よろしく。」

 

「王虎か、よろしく。 俺は華元化って言う此方こそよろしくな。」

 

爽やかな笑みを浮かべる彼を見て、一刀は内心驚いていた。

 

「(うっそぉ!!! 華陀っておじいさんじゃなかったの!? まぁ、良いか、あの宿将の祭姉ちゃんがあんなに若いんだし、もう今更だな。)」

 

だが、1度経験して体制がついたのかその程度に済ましていた。

 

流石にもう慣れたらしい。

 

「よろしくな元化。 そう言えば、見たことないけど元化は旅でもしてるのか? よっと!」

 

「ああ。 最近になってやっと師匠から許可が出てな。 でもまだまだ修行中といったところだ。 見た目より力持ちなんだなよっと」

 

そう会話しながら、一刀は雪蓮と冥琳を、華陀は蓮華をその背に背負う。

 

そして二人が城の方に歩きながら他愛も無い会話をしながら、両者は思っていた。

 

「(……あの医者王華陀なら、居てもらって悪い話じゃねえしどうにかして話し取り付けてえな。)」

 

「(その人物は、雑談に出ると師匠は言っていたが、こいつ本物だ。 この人なら俺は自分の針をかけられる。 どうにかして城においてもらえないだろうか……。)」

 

と、そんな事を考えていたら城につき、華陀はそこでおさらばする筈だったのだが、

 

「そういや、三人の治療代まだだったな。」

 

「え? いや、俺はまだ卵だって、お、おい!」

 

そう言って、一刀は強引に華陀を夕食に誘い、城に泊まらせた。

その夜。

 

「お前って、結構強引なんだんだな。」

 

「おいおい、まるで閨に誘い込まれたような生娘見てえな事言うなよ。 それに俺は、華陀に大事な話があるから。」

 

そう言って真剣な顔になり、華陀の方を向いて

 

「元化。 俺は、もう直ぐ一軍の将として戦場に赴く事になる。 当然怪我をする可能性もあるわけだ。」

 

「だから?」

 

彼の言いたいことが分かりながらも、やはり確かめたい。

 

「どうだ。 俺の掛かりつけの医者になる気はねえか? もちろんこの城で働いてくれて構わない」

 

「ああ! いいぜ。 俺もアンタならこの針を預けてもいいと思ってたからな」

 

にやりと笑う一刀の言葉に、華陀も爽やかに笑って返す。

 

その答えが聞こえると、何処から出したのか酒と杯を二つ取り出した。

 

それを見て、華陀は苦笑を浮かべる。

 

「まったく容易がいいことだな?」

 

「備え有れば憂いなしってな?」

 

そう言って、二つの杯に注ぐと、一つは華陀に渡し、もう片方は自分で持ってこう言う。

 

「我が名、姓は孫! 名は江! 字は王虎! 真名は一刀! 此処に貴殿と鋼の友情ができん事を願う!」

 

そう言って、杯を前に出す。

 

それに呼応するように今度は

 

「我が名、姓は華! 名は陀! 字は元化! 真名は凱! 此処に貴殿との鋼の友情を願う!」

 

そう言って、一刀に応える様に杯をずいと前にだした。

 

「汝、その身武によって脅かされん時、我が武をもって守ろう!」

 

「汝、その身病魔によって脅かされん時、我が医をまって守ろう!」

 

『我ら二人、此処に鋼の友情を誓わん!』

 

二人一緒に酒をあおる。

 

「よろしくな、凱!」

 

「ああ! 此方こそ、一刀!」

 

是が後に語られる、鋼友(こうゆう)という、断金の契と同じくらいに世に広まる有名な話となるのだった。


 
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