No.175550

真・恋姫†無双~江東の白虎~第壱章 第7節~一刀君戰う、喰べられる?~

タンデムさん

ちわっす!
タンデムです!
今回は、……喰われます……いろんな意味で!

では、どうぞ!

2010-09-30 15:19:14 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:17733   閲覧ユーザー数:12749

この小説は、北郷一刀にいろいろな設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。

その点を踏まえて、お読みください。

宴のあったときより一月、14歳の誕生日を明日に控え、

 

一刀は何時も通り修行をしようと、庭に向かっていた。

 

「さ、行くわよ♪」

 

「は? ちょぐむ~~!!!」

 

だが、行き成り美蓮が目の前に現れ、麻縄で自分を縛って猿轡を噛まされた後、麻袋の中に入れられて

 

攫われてしまった。(義母に)

 

そして、次に一刀が暗い麻袋の中から出たときに見た物は、

 

袋の口から、俺を心配そうに見る祭と、正座をさせられ結羽に怒られている義母の姿だった。

 

「大丈夫か? 一刀様?」

 

「あ、ああ。 割と平気な方うおっ!!」

 

と、立ち上がろうとした一刀だが、何時のまにか船に乗せられており、その船が揺れたのと

 

さらに此処で主人公に良くある『よろめき効果』によって、

 

祭のBIGボインの中に派手にダイビングしてしまった。

 

「あん♡ 一刀様、皆の見ておる所でそのような……」

 

「むぐむぐ……ぷはっ!! ゼイ……ゼイ……それ言うなら、チョットは困った顔してよ、祭姉ちゃん」

 

言葉は、困ってる風に聞こえるが、顔は物凄くニヤニヤして嬉しそうにしている祭に、

 

やっとBIGボインの中から出て来た一刀は肩で息をしながら、そう言った。

 

そんな事をやっていると、美蓮を怒っているはずの結羽の声が聞こえてきて、

 

「こら、そこっ!! 何でウチの嫁を誘惑してるのよっ!!」

 

「何時から俺は、周家の嫁に成ったわけっ!? って言うか嫁っ!? 普通、婿だよ婿っ!!」

 

「あら、そんなに違いないじゃない」

 

「おおありじゃぁぁぁぁ!!!!!」

 

いつの間にか結羽の脳内では、一刀周家の嫁(婿)に成っていた。

 

久しぶりに帰ってきた一刀は、1年以上も森の中にいたので髪を切る事なんか無いわけで―――。

 

当初の一刀は帰ってきてバッサリいくつもりだったのだが、理髪店に行くと「バッサリ何て勿体無いっ!!」と、

 

店主に言われて半ば無理やり整えるだけで終わってしまった。

 

お陰で、お尻まで艶のある黒髪がのび1年半でも中性的な顔立ちは変わらず、

 

そのせいで男女から熱い視線を何時も受けており、

 

時たま来る、旅の行商から声を掛けられ女物を進められる事も少なくない。

 

閑話休題

 

 

そんな結羽の発言が許せないのか、美蓮が声を大にしてこんな事を言う。

 

「そうよ結羽っ! 一刀は雪蓮たちか私の婿に決めてるんだからっ!!」

 

「アンタはアンタで、なに近親相○発言しよるか!! しかも何で母さんまで入ってんだよっ!!」

 

「あら? 私と最後にお風呂入ったとき(ピーーっ!)が(ズキュゥン!)していたくせに?

 

しかも最近屋敷の中で、私の服装見て顔、赤くしているくせに?」

 

「分かってんなら、露出の少ない格好をしてくれぇぇぇ!!!」

 

ちゃっかり自分を入れているところ余計危ないかもしれない。

 

「はぁはぁはぁ……疲れる。 で? 態々俺を拉致って船の上に載せて何? 江賊狩りでもさせようって言うの?」

 

一刀の発言に、美蓮たちは目を丸くして感心したように言う。

 

「流石は、私の息子ね。(本格的に、計画を進めようかしら?)」

 

「鋭いわね。(私も唾つけようかしら……。)」

 

「武と知だけで無く、勘も鋭いとは……ますます良い男になったのう。(儂は、良い男を好いたものよ。)」

 

「マジでぇぇぇぇぇぇっ!?」

「では、正解した一刀は、『敵船』一艘任せましょう!」

 

「嬉しくねぇっ!!!」

 

「あ、貴女、何言ってるよ!?」

 

と、笑顔でとんでもない事を言っちゃう我らが美蓮様に、流石に一刀と共に反対意見をする結羽。

 

「え~、何が不満なのよぅ! そんなに数居ないんだから良いでしょう~?」

 

と、年甲斐も無く頬をぷくーっと膨らませる仕草をする美蓮に結羽と一刀は意見を言う。

 

「当たり前じゃ無い!」

 

「不満も糞もあるか! 初陣の俺に『敵船』一艘任すって如何いう神経してんだよ!?」

 

「あら、これは既に決定事項。 祭以上の武を持っているのに出来ないわけ無いでしょう。 それとも怖気づいた?」

 

そう挑発的な笑みを浮かべて、一刀言う。

 

そんな、義母の表情から読みとれたのは期待と自信。

 

はぁと溜息を吐き、一刀は挑戦的な笑みを浮かべる。

 

「分かった。 其処まで言うなら、やってやるよっ!」

 

一刀は自信満々にそう言った後、船内に歩いていった。

 

「一刀君!?」

 

結羽は驚いて一刀に詰め寄ろうとしたが、美蓮に肩を掴まれ止められた。

 

「美蓮! 何で一刀君にあんな無茶なことを!」

 

美蓮の行動を理解できない結羽は掴みかからんばかりに美蓮に言い寄る。

 

そんな結羽を見ながら美蓮は静かにこう応える。

 

「確かめるためよ」

 

「何をよ!」

 

「結羽殿。 一刀様が帰ってくる少し前に、近くに居た山賊が一夜にして壊滅したと言うのを、聞いたことは無いか?」

 

それまで黙っていた祭が、行き成り話を切り出して来た。

 

確かに結羽もそれは聞いたことがあった。

 

「でも、それが如何したのよ」

 

「一刀に帰ってきた道のりを聞いたら、丁度その山賊の居た山を越えていたのよ」

 

「!? ……それは確かなの?」

 

美蓮の言葉に、興奮していた結羽も少し落ち着きを取り戻し、冷静な軍師の顔になった。

 

「其れだけでは無い。 近くの村に、『虎の如き咆哮を上げ、白虎と共に賊を倒す少年』を見たと言うものも居った」

 

確かにその情報が確かなら、美蓮の行動、一刀の自信満々の言動も頷ける。

 

「確かに、それが事実なら確かめる必要があるわね。 すまないわね、大声を上げたりしてしまって。」

 

「良いわよ。 それだけあの子が好かれてるって事が分かって母としては嬉しいわ。(女としては微妙だけど……)」

 

自分の非を謝罪する結羽を、大した事無いと許す美蓮だが、小声でとんでもない事を言っていたりもした。

 

「……(う~む。 この中では一番儂が年近いが……うかうか出来んな。 それにまだ生娘の内に一刀様に抱いてもらわねば。)」

 

とそんな二人の様子を見ながら、考える祭さんが居たとか居ないとか。

それから丁度、二刻河を進んでいると、なにやら怪しい雰囲気を醸し出す船が一艘近づいて来た。

 

「アレが、賊?」

 

「みたいね。 見た目から判断するに、アレだけね」

 

と、話している間に両方の船が平行になるように停止する。

 

後はもう少し近づいて、板を相手方の船に渡らせて白兵戦をするのだが、

 

「あ、祭姉ちゃん。 此処で良いよ」

 

「?」

 

何を思ったか一刀はそんな事を言って、その場にしゃがみ込む。

 

その様子を、不思議そうに見つめる美蓮達に視線を向けると、ニヤリと笑ってこう言った。

 

「じゃ、行ってきまぁぁっすっ!!!」

 

跳んだ。

 

そう相手方の船まで跳んだのだ。

 

目測だが約二十間(距離にして約40m)はあいている場所を―――。

 

是には、流石の美蓮でも呆けて見ているしかなかった。

 

 

ダンッ!

 

 

呆けている内に、一刀は相手方の船の降板に降り立つ。

 

「さて、あいつ居ねえけど、先ずは……」

 

そう言って、胸いっぱいに息を吸い込んで喉に氣をため、そして、

 

「ガァァァァァァァァァァァァォォォォォォォンッ!!!!!」

 

吼えた。

 

遠吠えなんて物ではないまさに咆哮。

 

その咆哮を聞いた周りにいた賊達は、言い知れぬ恐怖に陥ってしまった。

 

そして天に向けていた顔を下げるとその顔は、まるで狩人のような顔をしていた。

 

「さぁ、狩りの始まりだぁッ!!」

美蓮たちは、驚きすぎて声が出なかった。

 

その光景は余りにも一方的過ぎた。

 

一刀は、咆哮をあげた後、美蓮に見せたあの不思議な構えに移った。

 

そして、降板の上を飛びはねながら、次々に賊たちの身体に拳、手刀、掌打、蹴撃を放つ。

 

時たま、落ちる動きを利用して賊の頭を掴んで降板に叩きつけたり、投げ飛ばされたり、

 

中には、頭上を通り過ぎられただけで、降板に叩き付けられた者だって居る。

 

その様子を見ていた祭が、不意にポツリと言う。

 

「今やっと、あの技の原理が分かったわい」

 

「あの技?」

 

「一刀が上を通り過ぎただけで、叩きつけられた者達がいるでしょう? アレよ。」

 

と、分からないという感じの結羽に美蓮が説明を行い、祭に技の説明を促す。

 

「うむ。 たぶんじゃが、あれは空中からの遠当じゃな」

 

「と、遠当!? そんなの格闘技の達人でも出来る人が少ないのに!?」

 

「でも一刀は、氣の天才。 その位出来ても可笑しくは無いわね」

 

祭の説明に両者両用の反応が返ってくる。

 

と、そんな話をしているうちに向こうの船の中から八尺はある大男が現れた。

 

恐らくその江賊の頭だろう。

 

「随分な真似してくれんじゃねえかぁ! 糞餓鬼ぃっ!」

 

そう言いながら行き成り、一刀に持っていた剣で切りかかって来た。

 

「おっとぉ! まだまだだなッ!」

 

それを跳んでかわし、脳天に踵落としをお見舞いする。

 

ゴギュッ!!

 

嫌に響く音と共に男は崩れ落ち、その船に残ったのは一刀のみと成った。

戦という名の、一方的な戦いが終わった後、一刀は敵の乗っていた船に火を放ち、

 

その船に向かって、両手を合わせて祈っていた。

 

「何をしておるのじゃ?」

 

「俺は、帰って来る前にもう人を殺してるから、戦で怯えたりはしない。

 

でも、命を奪ったのは同じだし、あいつ等に奪われた命もある。 

 

だからこうして、来世では幸せになれますようにって、祈るんだ。

 

俺の自己満足かも知れないけどね」

 

そんな一刀の言葉に思う。

 

どうしてこんなに優しい人物に戦などさせなければならないのだろうと。

 

だから、美蓮は一刀を抱きしめ、彼の頭を撫でる。

 

少しでも、彼が苦しくないように―――。

と、此処で終わればよかったのだが、そうはさせてくれなかった。

 

「……はぁ……はぁ……ん! あぁ……」

 

「か、母さん?」

 

美蓮の様子が明らかにおかしい。

 

顔を紅く染め、瞳はトロンと溶けていて、吐息にも熱が混じっている。

 

一刀は、脳裏にやつれた父の顔を思い出した。

 

「が、我慢していたけど……もう無理っ!!」

 

「え!? ちょ、あ~~~~~~っ!!!!」

 

美蓮は一刀を抱きしめたまま船室に入っていこうとする。

 

「け、堅殿! 抑えられよ!」

 

「そうよ! その子あなたの息子でしょう!?」

 

「大丈夫! 血は繋がってないから! なんなら二人も一緒にする?」

 

止めようとする二人だが、逆に引き込もうとする美蓮の言葉に一瞬動きが止まる。

 

祭は、昔は弟程度にしか思っていなかったが、段々と男としてみるようになり、

 

そして一刀の事を愛しいと思うようになってしまい、現段階まで生娘のまま。

 

結羽は、冥琳を身ごもって直ぐに夫に先立たれ、毎夜寂しい思いをしていたし、

 

一刀の事を、優しかった亡き夫と重ねて、一人慰めた事もある。

 

そんな、二人に我慢が出来ようか?

 

数瞬考えた後、二人は一刀を両脇から抱え込んだ。

 

「ちょ!? 止めるんじゃなかったの!? 二人とも!?」

 

「すまぬ、一刀様。 儂は年甲斐も無く御主を……その……慕っておるでな」

 

「ゴメンね、一刀君。 でも、私も我慢出来ないの」

 

顔を紅く染めて言う二人のその言葉に一刀は、もう固まるしかなかった。

 

「さ、二人の意見も決まった事だし、行くわよ♪ 最初は、私だからね♪」

 

「むぅ、では儂は、その……次で……」

 

「仕方ないわねぇ。 じゃあ私は最後にしてあげる」

 

そして一刀は思った。

 

逃げれないなら徹底的に、この状況を楽しもうと。

 

そんな一刀を連れて、3人は船室に消えた。

 

ただ、一晩中艶っぽい声が響き渡ったとか……。


 
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