No.1193999

蓮が咲き行く道へ十九話

BLEACHの二次創作です。
浦原喜助の娘で、成長物語です。
※とある魔術の禁書目録のクロスオーバーです。

2026-10-01 05:33:41 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:13   閲覧ユーザー数:13

十九話「迷いの終止符」

 

 急に、この世界で。

 そして、てて様が一護の修行に付きっきりで浦原商店ががら空きになった“今”、

 一方通行(アクセラレータ)は現れた。

 

 「お茶ぐらい出せや」と言われ、私は慌ててペットボトルのお茶を出し、

 お茶請けのお菓子も見繕って、奥の居間で向かい合う。

 

「アー、喉が渇いてたまんねーよ。こっちも暑いンだな……俺の居た人口島もメッチャ暑かったぜ」

「なんか年々暑くなってきてんの。外出るのもアラーム鳴るよ」

「どっこの世界も暑くなるのは暑いのな。まァ、そんな前置きは置いておいて――ミツケ。テメェ、後継の見習い神になるか迷ってンな?」

 

 心臓が跳ねて、肩がビクつく。

 

「えっ?! なんで分かるの? だって夜一さんとその話したばっかだよ?」

「俺はミツケが居た世界から出て、もう別の世界で生きてる。オマエが来てくれなきゃ、当麻も織も救われず精神ぶっ壊して死ぬ。俺も駒にされて絶望して終わりだ。オマエが見習い神にならなきゃ成り立たねェ世界が、もうひとつある」

「そ、そんな事言われても……」

「あンな、オマエが思ってるよりオマエの存在はデケェの。アンタの天才的な父親でさえ、オマエの世界渡りを前提に動いてるだろ? あの野郎は能力無しでも辿り着いたろうが……何十年もかかるならオマエを使う。オマエは本物の神みてェなもんだ。いや、これから神になるんだっけな」

 

 言葉のひとつひとつが胸の奥で重く沈む。

 

「つまり、私は……未来で、かか様とてて様と一方通行(アクセラレータ)達と世界を渡り歩いて存在しているってこと?」

「そう言ってンだろ。ここで両親に守られ過ぎて、研究者だった頃の理解力錆びついてねェか?」

「かもしれない……。私、一方通行(アクセラレータ)を作品扱いしてたし、倫理観まともじゃなかったし……」

 

 一方通行(アクセラレータ)は、ほんとに呆れた顔で私を見た。

 

「あァ? そんな些細な事で迷ってンか?」

「え?」

「倫理観とかどうでもいい。俺は酷い扱いされた覚えがねェ。問題ねェよ。本当に問題だったのはオマエの研究。あれが俺の世界で大事になった。だから皆オマエの研究についてきたんだ。オマエは一番まともだった。自信持て。否定すンな。オマエを否定したら俺の存在まで否定されるだろうが」

「……そんなの、ズルいよ」

 

 一方通行(アクセラレータ)は肩を竦め、指先でペットボトルを軽く弾いた。

 

「ズルくねェ。オマエが俺をこう作ったんだ。最後まで責任持て」

 

 胸の奥に刺さっていた迷いの棘が、すとんと抜け落ちていく気がした。

 

「……うん。ありがとう、一方通行(アクセラレータ)。私――まずは、かか様を探すね」

「あァ。家族で来いよ。オマエだけじゃダメだ。当麻と織を分離できねェからな」

 

 そう言い残し、彼は茶請けを半分ほど摘まむと、さっさと商店を出ていった。

 

 ハッと気づけば、風鈴がまた、やわらかく鳴っていた。

 

 ――本当に、会話していたのだろうか。

 幻のように思えるのに。

 けれど胸の奥が、確かに“肯定”されたと知っている。

 

 私はもう――迷わない。


 
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