No.99865

連載小説30

水希さん

第30回

2009-10-09 15:58:03 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:624   閲覧ユーザー数:607

とりあえず、とりあえずで終らせる目標を作って、文章を再開した私。

 

 

『学校に着いた私は、教室に入って友人に挨拶をした。

「おはよう」

「おはよう」

友人も同様に挨拶を返してくれた。

私は椅子に座りながら、なんだか楽しくなった』

 おうおう、いい感じじゃん。

「さて、次はどんなシーンにしようかな…」

 よし、授業中のシーンだ!

『「えー、ここはノートに記録しておくように」

先生は無機質に言った。

「ねえ、あの先生言い方が機械的だよね」

私は友人に話しかける。もちろん、小声で。

「そうね。でも、あれで普通なんでしょ」

友人の言葉も、どことなく無機質だった。

もちろん、友人である以上、私は気にしないのだが。

「あれで普通かぁ。だとすると、人生損してそうだよね」

「そうかしら。あの先生なりに楽しんでるんじゃないかしら」

友人の言葉は、どこか先生の肩を持ってるように聴こえた。

「なるほどね」

 それは、自分の話し方が似てるからなのかな。

「その辺りは、本人に聞いてみるしかないんじゃない?」

「げ」

 それは困る。困りすぎる。

「嫌だよ、そんなの」

「じゃあ、気にしない事ね」

 そんなこんなで私達の無駄話は終った』

「ふぅ…こんな感じかな」

「ん、できたの?」

 おわっ!

「なんだ、木谷さんか。そうじゃないけど、一段落着いたから…」

 びっくりしたって事は、それだけ没頭してたって事か。

「うんうん、熱中してるね? いい傾向いい傾向」

「そうなの…かなぁ」

 

 

これが本当にいい傾向なのか、私にはまだ分からない。

 

 

~つづく~


 
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