とりあえず、とりあえずで終らせる目標を作って、文章を再開した私。
『学校に着いた私は、教室に入って友人に挨拶をした。
「おはよう」
「おはよう」
友人も同様に挨拶を返してくれた。
私は椅子に座りながら、なんだか楽しくなった』
おうおう、いい感じじゃん。
「さて、次はどんなシーンにしようかな…」
よし、授業中のシーンだ!
『「えー、ここはノートに記録しておくように」
先生は無機質に言った。
「ねえ、あの先生言い方が機械的だよね」
私は友人に話しかける。もちろん、小声で。
「そうね。でも、あれで普通なんでしょ」
友人の言葉も、どことなく無機質だった。
もちろん、友人である以上、私は気にしないのだが。
「あれで普通かぁ。だとすると、人生損してそうだよね」
「そうかしら。あの先生なりに楽しんでるんじゃないかしら」
友人の言葉は、どこか先生の肩を持ってるように聴こえた。
「なるほどね」
それは、自分の話し方が似てるからなのかな。
「その辺りは、本人に聞いてみるしかないんじゃない?」
「げ」
それは困る。困りすぎる。
「嫌だよ、そんなの」
「じゃあ、気にしない事ね」
そんなこんなで私達の無駄話は終った』
「ふぅ…こんな感じかな」
「ん、できたの?」
おわっ!
「なんだ、木谷さんか。そうじゃないけど、一段落着いたから…」
びっくりしたって事は、それだけ没頭してたって事か。
「うんうん、熱中してるね? いい傾向いい傾向」
「そうなの…かなぁ」
これが本当にいい傾向なのか、私にはまだ分からない。
~つづく~
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第30回