No.98758

伝説となった天の御使い6

yoitiさん

この回も遅くなってしまいすいません。

2009-10-03 21:18:39 投稿 / 全16ページ    総閲覧数:11510   閲覧ユーザー数:7796

 

第六話

 

 

 

一刀達が伝令から魏に関する情報を聞いたから二日後、城には呉から使者が到達した。

蜀の軍師達はそれを予測していたため特に慌てることはなかった。しかし、使者として来た人物に驚いた。それは・・・・・・・・・・元蜀軍将軍関羽と、白蓮のところで戦っていた時仲間であった趙雲であった。

 

 

 

趙「久振りでございますな、桃香殿。あれから別れてからあなた様の噂は聞いていますよ。ここまで大きな軍にしたこと心から感服します。」

趙雲は久しぶりに会う友のように話しかけてきた。それに対して桃香は

 

 

桃「久しぶりだね、星ちゃんは呉の武将になったんだね。・・・・・・・・それと愛紗ちゃんも元気にしてたかな?連合軍以来だもんね。」

普通に何もなかったかのように話した。その姿に呉の二人は本当にあの桃香なのかと思った。

 

 

星「・・・・・さすが、今では、大きな国を率いる主の形になったのですな。あの時はまだまだその器でなかったですが。化けましたな。」

星は感心したかのように答えた。

 

 

愛「・・・・・・・・・・・・・はい。」

愛紗は何を答えたらいいのか分からなかった。だから、返事だけは返そうと思い顔を上げぬまま答えた。

 

 

桃「どうしたの?愛紗ちゃん?元気無いようだけど?長旅で疲れたかな?」

桃香は純粋な気持ちで義姉妹である愛紗の心配をしていた。それに対して愛紗は愕然とした。

 

 

星「桃香様、冗談はよしてください。愛紗から聞きましたが、その時のことで「な・・・・・い・・・・・・か?」愛紗?」

星は聞こえてきた声の人物を不思議に思い話しかけた?愛紗は桃香に対して大声で叫んだ。

 

 

愛「な、なぜ!!私を責めないのですか!!!!!!!!私は契りをしたにも関わらずこの軍を抜けて行ったのですぞ!!!!恨まれはすれば、心配などする必要などないのですぞ!!!!!!!」

自分は責められる覚悟でここに来たというのに桃香の対応は真逆のものであった。愛紗にとってそれはもっともつらいものであった。

 

 

桃「・・・・・・・・・愛紗ちゃん、・・・・・私はね、もう怒ってないんだよ?だから気にすること無いんだよ?・・・・・・・むしろ、私の方こそごめんね。なにも愛紗ちゃんのためにできなかった。ただ甘えるだけでね。だから私のもとからいなくなったことは・・・・・・・・・・むしろ感謝してるんだから。ありがとう愛紗ちゃん!!!」

桃香はそれに対して自分の方に責があったと、だから愛紗が出ていくことは当たり前であるとそう桃香は笑顔で言い切った。

 

 

愛「えっ?・・・・・そ・・・・れ・・・じゃ・・私は・・・ど・・・す・・・れ・・・ば・・・い・・い・・ので・・・すか?私は・・・・・・・・私は・・・・・・責められなければ・・・いけないのに?」

ただ、ただうわごとのように呟きながら答えを求めた。

 

 

桃「愛紗ちゃん、顔を上げてよ!!そんなんじゃ愛紗ちゃんの目指すべき道にいけないよ!私はね、一緒に進むことはできなかったけどね、目指すべき所は一緒だから前に進めたのに愛紗ちゃんが立ち止まったらまた一緒に行けなくなっちゃうよ?それは嫌だよ?私」

桃香は今まで何を思って進んできたかを義妹である愛紗に言った。それを星は黙って耳を傾けていた。だからこそ愛紗が立ち直るために叱咤した。

 

 

星「関雲長!!!!!立ち上がれ!!!!お主は何のために桃香殿が頑張ってきたかが分からないのか?お主と再び立てるようにここまで来たというのにお主はそれを無下にする気か?それが関雲長のすることか!?今のお主はただの臆病者だ。ただ自分の自己満足を満たして欲しいのか?違うだろ!」

 

 

愛「・・・・・・・・私が臆病者?・・・・・自己満足を満たすため?・・・・・ハハハハハハハッ!!!なんと愚かしのだ私は!これが関雲長か?これが私か?断じて否!!!!!!!!!・・・・・・・申し訳ありませんでした。桃香殿。無様の姿を晒してしまい。」

愛紗は自分に向けられた言葉を自分に聞き返して自分がいかに無様かが分かった。そして、自分の義姉がここまで強くなっていたのか?と。自分とは進めないけど目指すべき場所は同じだからやってこれたと。それに答えないで何が関雲長か?と自分に言い聞かせた。

 

 

桃「良かった。愛紗ちゃんがいつも通りになってくれて。これで大丈夫だね。じゃあ、本題に入ろうか?」

昔みた愛紗の姿と重なりこれならもう大丈夫だと思い、これからの事に話を傾けた。

 

 

星「そうですな。少し時間がかかってしまいましたが、本題に入りましょう。・・・・もう情報は入っていると思いますが、一応、我ら呉が魏に責められようとしています。兵の数からして我らは不利のため、よって、呉の王、孫策様から同盟を組みたいのことです。蜀としてもここは同盟を組んだ方がいいのではないかと思いますが?どうでしょう?」

 

 

桃「ん~~~~~~~~~~、朱里ちゃん、雛里ちゃんはどうかな。私も蜀の兵数からして全然魏に足りないから同盟しないと私達も負けちゃうよね?」

桃香は今の国の情勢から分かることをまとめ軍師達に声をかけた。

 

 

朱「そうですね。今、呉が魏に負けるとなると圧倒的に兵数が負けてしまい絶体絶命ですね。」

 

 

雛「朱里ちゃんの言う通りです。我ら蜀と呉の軍勢でやっと勝負ができますからこの同盟に乗った方がいいかと?」

二人の軍師も同じような答えであった。桃香は自分の意見が正しいことが分かりこの同盟を了承することにした。

 

 

桃「わかったよ。朱里ちゃん、雛里ちゃん。そういうことだから星ちゃん、愛紗ちゃん孫策さんに伝えてくれるかな?」

 

 

星「はっ!ありがとうございます!!!それでは決戦の場所は赤壁ということなのでできれば急いでお願いたします。」

星は了承したことに礼をとった。そして、場所を伝えた。ここで帰ろうとしたが愛紗が疑問に思っていたことを桃香に聞いた。

 

 

愛「桃香殿、失礼ですが。他の武将達はいないですがどこにいるのですか?それとほ、北郷殿もいませんが?」

 

 

桃「ああ、みんなは中庭で訓練中だよ。この時間帯はご主人様の鍛練の時間帯だから軍議には参加しなかったの。気になるなら中庭に行ってみたら?」

桃香は愛紗に質問に答えた。愛紗もみなに会いたいという気持ちがあるのだと思い正直に答えた。しかし、愛紗はそれを聞き内心ご主人様が鍛練?と疑問に思った。

 

 

星「桃香殿、北郷殿が鍛練ですか?北郷殿は武に優れていないのでは無かっではありませんか?」

愛紗が思ったように星もごく当たり前に思ったことを聞いた。

 

 

桃「あ~~~~、そっか、二人は知らなかったね。ご主人様は、本当は自分の剣をもってたんだけどあの時は使う決心がつかなかったんだって。・・・・・それと、ご主人様は強いよ!興味があるなら見てみなよ。」

桃香は不思議に思っている二人に少し情報を付け加えて答えた。けど、一番大事な所はなにも言わなかった。そこは二人には関係はないと思い答えることはしなかった。

 

 

二人は多少桃香の言葉に気になり、中庭に向かった。しかし、二人は一刀をこの時点で見余っていた。無理もないことだった。二人は相良という人物の武に魅せられた人物であったため、そこまで本気で信じていなかった。

 

 

 

 

中庭に二人がついたとき、一刀達は休憩をしながら華陀の治療を受けていた。中庭にいたのは、鈴々、翠、薫、巴、恋、華陀、桔梗、紫苑、璃々、霞、猪々子、斗詩、麗羽、詠、月、白蓮、北郷隊、のほぼ全員だった。

華陀「よし、これぐらいなら包帯で十分だな。一刀だいぶ怪我しなくなってきたな。これも氣のおかげだな。」

 

 

一「そうだな、華陀に教えてもらって良かったよ。こういう使い方もあることを。これでだいぶ楽になった。いつもありがとな。」

一刀は蜀を治めてから華陀に氣の使い方をくわしく教えてもらった。それがやっと完ぺきに使えるようになったのだ。例えば、今までは一か所にしか氣を集められなかったが今では全身に膜のようにはることができる、そして、氣の斬撃も使えるようになった。

 

 

鈴「おにいちゃんの氣はいつ見てもきれいなのだ。なんかね、温かいし守られてるいるように思うのだ!」

 

 

翠「そうだな、ご主人様の氣は不思議だな~~~~。」

 

 

巴「一刀様の氣はまさしく天の御遣いと言われるような氣ですな」

 

 

紫「そうですね。ご主人様の守るっていう気持ちが良く伝わります。」

 

 

桔「確かに、ですが御屋形様?またあのような無茶をなさっていつもいってるではないですか。本当に御屋形様はひどいお方ですな。」

 

 

一「ごめん、ごめん。けど、ああしないと避けられなかったんだよ。」

一刀は苦笑いしながら、みんな心配していることから謝った。そこに薫は

 

 

薫「まったく、どうしてこの子はね。母さんの言うことが聞けないのかい?一刀?」

あきれながら、しかし、顔は笑顔にしながら言っていた。

 

 

一「母さん、ごめんってば。あれはしょうがないって、もとはといえば母さんがあんな攻撃してくるからこっちはああやって避けるしかなかったんだよ!」

こちらもいつも通りなのか決まったような会話をした。

 

 

薫「なにいってるんだい。一刀は母親のせいにするっていうのかい?まったく、今日は説教だね。」

 

 

一「げっ、勘弁してくれよ。あの説教長すぎて足がしびれちゃうんだよ。今回は許して母さん!」

 

 

薫「ダメ!」

 

 

一「え~~~~~~~~~~~そりゃないよ」

 

 

全「あはははははははは!!!!!!!!!」

みんないつものことなのか親子の会話を聞きながら笑っていた。

蜀を平定してから一刀の訓練は前のときと同じようにしていたが、それを薫が止めさせた。

それに対して一刀は反対したがみんなからの反対がありやむをえず出来なくなってしまった。

 

 

しかし、それを見た桔梗と紫苑は一刀に提案した。少しの兵隊と私達武将と戦ってみればいいのではないかと提案した。一刀はそれを聞き、そちらの方が実のある実践訓練ができるということで納得した。よって、一刀対武将全員という形になった。

それにより一刀の怪我の度合いが減ることにより訓練ができるようになった。理由は武将なら手加減する時がそれなりにわかることから一刀の怪我が減っていったというわけだ。それでも時々本気の攻撃を食らうときもある。

 

 

しかし、今の一刀はその武将達全員達全員と戦えるほどの互角以上の力がつき、いまでは北郷隊もつかうほどであった。最初は一刀が負けることが多くて武将達から負けたら夜一緒に寝るということを言い渡されていた。一刀は夜は自分の理性を保つか不安ではあったがそんな心配はなかった。極度の疲れのためにすぐ眠ってしまい武将達の策は失敗することが多かった。

しかし、薫、紫苑、桔梗という経験豊かな三人は朝駆けで一刀とにゃんにゃんしたのだ。それを聞いた他のみんなも同じようにしてすることとなった。

 

 

みんな、一刀の心に触れて惚れてしまったというわけだ。武だけではなく種馬としての力もついたらしい。

 

 

そんな感じにいつも一刀の周りは賑やかであった。訓練が終わるといつも通り璃々と遊ぶようにしている。これはみんな息抜きをかねているため璃々にとってもうれしく一刀達にもいつも張り詰めてる空気がなくなることは喜ばしいことだった。

 

 

璃「お父さん、今日は何して遊ぶ~~~~~?璃々はね、だるまさんが転んだがいいよ!」

璃々は一刀の事をお父さんと呼ぶようになっていた。璃々と紫苑と桔梗と街に出かけた時に璃々が思わず言ってしまってからこうなった。

 

 

一「そうだね~~。璃々ちゃんがやりたいことで良いよ。」

一刀も自分がお父さんと呼ばれることに対してとてもうれしいので顔がほころんでいた。

そんな平和な空気の中、桃香が二人を連れてやってきた。

一刀は何しにきたかを理解したため、紫苑と月に璃々を連れていくよう目で合図した。

 

 

一「璃々ちゃん、ごめんね。なんか用事がはいちゃったみたい。終わったらすぐ行くから少し月と先に行ってくれないかな?」

 

 

璃「え~~~~~~~~!!」

 

 

紫「璃々、わがままはダメよ。すぐご主人様は来てくれるんだから少し我慢しなさい。」

紫苑は娘をすぐになだめた。それを見計らい月は

 

 

月「璃々ちゃん、先にいって待ってようか?ね!」

璃々の手を取り優しい顔をして連れて行った。

 

 

璃「すぐきてよ。お父さん!!!!お母さん!!!!!」

 

 

紫・一「はいはい(分かったよ)」

二人とも月と同じ優しい顔をして璃々に返事した。

 

 

 

 

桃「ごめんね。ご主人様。今ね呉から同盟の件で来た人達が会いたいらしいから。ここまで連れてきたんだ。ご主人様が知ってる人だよ。」

桃香は璃々が連れて行かれるのを見て事情を理解した。そして、一刀に来た理由を簡略して話した。

 

 

一「俺が知っている人?誰かな?呉には知り合いがいないんだけど俺?」

一刀は本当にわからないような顔をしながら答えた。それに対して周りのみんなは不思議に思った。あの一刀が愛紗のことを知らないことに。それに気づき桃香は

 

 

桃「なにいってるの?ご「桃香殿ここから私から自己紹介しましょう。」えっ、」

桃香は一刀と話しがかみ合わないことで聞こうとしたが後ろから星の声が聞こえ話しが止まってしまった。

 

 

星「久しぶりですな。北郷殿。あなたとお会いした時から長い時がすぎましたな。今私は

呉に降りました。」

一刀に対して一応事情を知っている星はまず私から話をしようと話しかけた。

 

 

一「えっ!?趙雲だったのか。あの時以来だな?どうだ元気にしているか?呉に降りたのか。一緒に戦えないことは悲しいが今は同盟を組んだことだしな。これからよろしくな!

それと、後ろにいるもう一人は誰なんだ?呉の武将か?桃香?」

一刀は昔一緒に戦った星と会えたことで再会を喜んだ。そして、違う国になってしまったがそんなこと気にしないでやっていこうと言った。

ここまでは普通であった。ここから周りの空気が一変してしまった。一刀の発言で

 

 

桃「えっ、何言ってるの?ご主人様、愛紗ちゃんだよ?連合まで一緒に戦ったじゃない。まだ怒ってるの?それとも冗談なら笑えないよ?」

桃香は一刀が何を言ったのか理解できなかった。多分冗談なのだろうと思った、いや思いたかった。一刀がそんなことをするわけないと。私と同じようにもう怒ってないし、悲しんでいないと。そう思いたかった。

 

 

一「えっ、そうなのか?それなら覚えているはずなんだけど、もしかして俺の部隊じゃなかったのかもしれないな。それなら悪いことをした。え~~~~~と、ごめんな。なぜか俺の所には情報が入っていなかったらしいからあなたの名前を教えてください?」

一刀は桃香から言われたことを思い出そうとしたがそこらへんの記憶は靄がかかったかのように思い出すことができなかった。

 

 

鈴「お兄ちゃん?何言ってるのだ。愛紗だよ。忘れちゃったのか?」

鈴々も一刀が何を言ってるのか分からず当たり前のことを言った。

 

 

一「ん?鈴々はもう真名を許されたのか?ならすごい人なんだろうけど俺は覚えてないな。」

誰もが同じようなことを言うが一刀は本当に分からないらしく不思議そうな顔をしてみんなを眺めた。

 

 

一「え~~~~~と、本当にごめんね?なんか俺だけ分からないから名前教えてもらえないかな?俺は姓は北郷、名は一刀で字と真名はないんだ。だから好きなように呼んでくれていいよ。」

自分だけ知らないことで相手に悪いことをしたと思い顔を悲しみに染めて謝った。

 

 

愛「・・・・・姓・・・・は関・・・・・名は・・・・・」

愛紗は一刀に言われた言葉でもうなにを言ったらいいか分からなくなってしまった。自分だけ覚えていないという事実が信じられなかった。そして後悔した。あの時自分が去っていってしまったことに。だから答える途中で涙がこぼれてしまいしゃべれなくなってしまった。そして、その場を逃げだしていってしまった。

 

 

一「えっ!!!!!どうしたの?君?」

一刀はいきなり泣いてその場を去ってしまった女の子をみて驚いてしまった。

みんなに振りかえり理由を聞こうとしたが誰もが顔をそらしてしまい自分がどうしたらいいのか分からなくなってしまった。

 

 

星「北郷殿・・・・・本当に覚えが無いのか?」

星は一刀がウソを付いているようには思えなかったが確認のためもう一度聞いてみた。

 

 

一「うん、なんか俺は覚えてないな。ごめんな。」

ほんとうに申し訳ないような顔で謝った。それを見た華陀はあの時一刀が崖から落ちて帰ってきたとき治療で違和感を感じたのはこれかと思い、

 

 

陀「一刀!!!!あとで部屋で少し治療を行う、一応調べてみよう。お前は記憶をなくしてしまったのかもしれない!!!!!!」

 

 

一「そ、そうなのか?けど、俺はみんな事を覚えているのにか?・・・・・・・・まあしょうがない。華陀がいうなら本当かもしれないしな。少しみてもらおうか。」

 

 

 

その場はそういうことで解散することになった。桃香と星は逃げてしまった愛紗を探すために二人して探した。他の人は一刀の事が心配ということでみんな華陀の治療を見ることになった。

 

 

 

 

 

みんなが一刀の部屋に集まり様子をみていた。一刀はその中で薫に膝枕されながら寝ていた。華陀がちょうど一刀の体を触ろうとした瞬間後ろから声がかかった。

 

 

?「止めたほうがいいわよ~。ご主人様の記憶をもとにもどそうとしたらそのまま起きないかもしれないわよ。」

オカマ口調でパンツ一丁の大男がいきなり話しかけた。

 

 

巴「どういうことだ。・・というよりどこから入ってきた!?」

気になることを言われたがその前にこの巨漢がいつ現れたのかの方が疑問が大きかった。

 

 

?「あら~~~~~、そんなの決まってるじゃない。門からよ。兵の人達は眠ってもらったわ。」

当たり前のように言われた。

 

 

巴「なに!お前ここに何をしにきた!!!答え次第では捕まえるぞ!!!!」

自分達の知らぬまに近くに来られたことで間違いなく自分より強いと分かり、周りのみんなに目先を送った。

 

 

?「そんなに殺気だたないの。ご主人様の事だから聞きなさい。それと私の名前は貂蝉よ。しがいない踊り子よ。」

 

 

薫「貂蝉よ、さっきいったことはどういうことだ。一刀の記憶を取り戻そうとすると目覚めなくなるとは?返答次第ではここで殺す。」

愛しい我が子を抱きしめながらさっき言ったことをくわしく聞こうとした。

 

 

貂「言った通りよ。無理やり思い出そうとするとご主人様の脳が爆発しちゃうの。」

周りのみんなはそれを聞き、息をのんだ。

 

 

陀「どういうことだ。一から説明してくれ。貂蝉とやら。」

華陀は自分の治療が無駄であることからせめて事情を聞こうとした。

 

 

貂「いいわよ~~~。まずこれはねご主人様が望んだことなのよ。」

その言葉から自分が一刀と話したことを話して言った。

 

 

 

 

一刀が崖から落ちて霞から助けてもらい、霞が気を失いすぐに一刀は目を覚ました。

 

 

一「俺は生きているのか。・・・・・そうか、張遼が助けてくれたのか。まったく俺もしぶといもんだぜ。それより、いつまでそこに隠れてるんだ。」

一刀は隣に眠っている霞を抱きあげ、火を焚き霞を温めはじめた。そしてさっきから見られているような感覚に気付き、話しかけた。

 

 

貂「あら~~~今回のご主人様はこんなにも強いのね。」

本当にびっくりしたのか、驚きの声をあげた。

 

 

一「????どういうことだ。それよりお前は何者だ?それにご主人様ってお前にいわれる筋合いはないぞ。」

相手がいっている意味がわからなく、とにかく今分かることだけを纏めようとその女とはとても言えないオカマに先をお願いした。

 

 

貂「もう、つれないわね~~~~~~。まあ、そんなご主人様も好きよ!?まあ聞きたいことはすべて教えあげる。」

 

 

そして、一刀は貂蝉から聞かされたことに驚いた。しかし、ある意味納得する部分があり貂蝉が言ったことを信じた。

 

 

貂「それでね、ご主人様にはこれからやってもらいたいことがあるの。この外史の天下統一をしてもらいたいの。それとね、この外史は少し崩れてるの。理由はね、呉にいるあの男の子相良クンがいるもんでその修正がかかっているの。だからご主人様のもとから超雲と関羽が離れていった。それと、相良クンの魅力もあるんでしょうけど。」

 

 

一「なに!?本当なのか?・・・・・・・・・・・それなら俺が出来ることはやろう。その代わり・・・・・・俺の愛紗の記憶を封印してくれ。頼む!」

一刀は話しを受ける代わりに自分の記憶を封印してほしいと願った。一刀にとって愛紗との記憶はとても大切であった。だからこそ、これから戦うためには自分にとって戸惑うものは排除しようと考えた。

 

 

貂「できないことはないわ。本当にいいのね?「ああ!」じゃあ、ご主人様の関羽ちゃんの記憶を封印するわ。」

貂蝉はそれをつらい顔をしながら一刀を見てもう一度確認をした。前の外史であんなにも愛し合った二人なのに今回の外史はこんなにも正反対になろうとは。

 

 

 

一「最後にみんながこの事に気付いたら説明してやってくれ。そして愛紗には・・・・・・・・・・・・・・・・俺と戦うように言ってくれ。多分少なからず愛紗は責任を負うだろうから。それは俺にも愛紗にもよくない。だから俺が強くなったことが分かれば愛紗もなにも責任を負わなくていいと思うんだ。」

一刀は最後まで愛紗のことを心配した。

 

 

 

貂「わかったわ。これは私からのプレゼントよ。ご主人様が強くなろうとした決意はみんなを守るためという思いが強くなると思うから。これぐらいしかできないけど頑張ってね。」

どの外史の一刀も自分が愛した人を自分のことよりも心配するのは変わらないなぁ~~~~と思った。だからそんな人が少しでも幸せになるようにと少しのプレゼントを贈った。

 

 

 

一「ああ、ありがとう。じゃあ、また会えたらいいな。その時はもっと良いところでお礼を言うよ。」

自分の願いをかなえてくれた貂蝉にそういいそこで意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

貂「っていうわけなの。わかったかしら?」

貂蝉はあの時あったことを分かるように話した。

 

 

薫「まったく、この子はどうして周りのことばかり心配して自分の心配をしないのかねぇ~~~~。まあそれがこの子の良いところだね。」

 

 

紫「そうですね。だからこそみんなご主人様を慕い、ついて行くのですよ。」

 

 

桔「そうじゃな。御屋形様もどれだけワシらを惚れさせるのかの~~~~~~」

 

年配者達はその話を聞き、本当にこの人を主として良かったと思った。その顔は三人とも慈愛に満ち、まるで聖母のような雰囲気を帯びていた。

 

 

巴「一刀様は、馬鹿なお方だ。いなくなった女のことまで心配して。それを自分にまわしてもいいぐらいだろうに。」

巴は軽い嫉妬が入っていてそれでいてあきれたかのような雰囲気だが顔は笑っていた。

 

 

恋「・・ご主人様、恋のことも、もっと考えてほしい。」

愛しい人がまだ自分をあまりみてくれないのがつらいのか少し顔をうつむきながら答えた。

 

 

鈴「そうなのだ~~~~~~。鈴々のことをもっと考えてもいいのだ。それにお兄ちゃんはもっと鈴々達の事を頼ってもいいのだ。」

自分よりも義姉の方を心配してる一刀に不満を述べながらも、鈴々も心の奥には愛紗のことを考えていたため、一刀が前にすすんだのを聞き自分もお兄ちゃんのように前に進もうと決めた。

 

 

陀「そういうことだったのか。一刀が決めたことならしょうがないか。全てが終われば記憶を戻すことができるか。それならそこまで待つとしよう。」

華陀は少し周りのみんなとは違うことを言っていた。

 

 

朱「むぅ~~~~~~~~(ご主人様はいつも違う女の人ばかりです)」

と頬を膨らませながら嫉妬していた。

 

 

雛「あわわ~~~~~~(いいな~ご主人様にそんなに思われているなんて)」

雛里も自分がそうなって欲しいと思っていた。

 

 

麗「我が君、そうやっていつも自分で抱え込んで少しぐらい私にも弱さを見せてくれてもいいのに。」

 

 

みんな思いは一人ずつ違うが、やっぱり最後に思うのは自分の主がこの人で良かったと。そしてどこまでも付いていこうと思った。

 

 

貂「うふふ、みんなそんなにもご主人様のことが好きなのね、やっぱりご主人様は素敵なのね。・・・・・・それよりも愛紗ちゃんもいるけどどうするの?ご主人様は戦うって言っていたけど~~~~~~~やめた方がいいのかしら~~~~~~?」

 

 

みんながどうしようか思っていたら、いつもあまり意見を言わない人が答えた。

 

 

鈴「戦わせてもいいと思うのだ。それと貂蝉、お兄ちゃんの記憶を戻して欲しいのだ。記憶のないお兄ちゃんとの戦いはあまり意味がないのだ。だからお願いなのだ。」

鈴々は強い瞳で貂蝉を見て、懇願した。こんな状態のまま愛紗とうまくいかなかったら一刀が愛紗を心配した意味がないと本能的に感じたのだ。

 

 

貂「ん~~~~~~~~~、わかったわ。いつもならご主人様の言うことは聞かないけど、今回は特別ね。たしかにご主人様が愛紗ちゃんを心配した意味がないわね。

じゃあ戻しましょうか。いくわよ~~~~~~~~~ハッ!!!!!!!!」

鈴々の目をみてこの子が真剣に頼んでいるのを感じて貂蝉も戻すことにきめたのだ。

 

 

一「ん~~~~~~~~~、母さん?みんな?って貂蝉か!久しぶりだな。元気にしてたか?あの時は助かっ・・・・・・・・あれ、記憶が戻ってる!!!!!!!どうしてだ!?貂蝉?あの時確か約束したはずだぞ?」

自分が目を覚まして情報確認したら覚えていないはずの記憶があり貂蝉に問いただした。

 

 

貂「ごめんなさいね~~~~~~~~~どうしても鈴々ちゃんが戻して欲しいというもんで。」

 

 

一「えっ、鈴々が?どういうことだ?鈴々?」

一刀はよく分からず鈴々に聞いてみた。

 

 

鈴「お兄ちゃん、逃げちゃだめなのだ!!!愛紗と戦うためでも記憶をなくしたら本当のお兄ちゃんの気持ちは伝わらないのだ。戦うならしっかりと愛紗と向き合うのだ。」

鈴々は難しいことは分からないけど、このままでは愛紗も一刀も何もうまくいくことはできないと本能的に感じた。

だからこそ、逃げるなと一刀に言った。

 

 

一「鈴々、・・・・・・・・・少し考えさせてくれ。・・・・・母さんと紫苑と桔梗だけ残ってくれ。」

一刀は鈴々の目を見て、自分が間違っているのではないのか?とだけど・・・・・・・・・愛紗の顔を見て自分は普通に接する事は出来るだろうか?という不安が大きく後一歩踏み出すことができなかった。

 

 

 

三人以外を外に出した。

 

 

 

薫「一刀、鈴々の言ってることで自分が間違ってることを理解してるんだろ?」

一刀が何を悩んでいるかは分かっているため、あまり強くは言えなかった。

 

 

紫「ご主人様、あなたがどうしようとそれに従うのが私達です。しかし、・・・・ご主人様の顔は辛そうですよ?」

一刀の顔に手を廻し、なでながら言葉を言った。

 

 

桔「御屋形様、あなたさまはどうしたいのですか?関羽のことを忘れたいのですか?確かに関羽はあなた様のもとから離れて行きました。それをいつまで引きずっているのですか?武は成長しても心はまだ子供ですな。そんな男だから関羽は離れていったのですぞ?私達の主なら、全てを許せる心の広い男になりなさい。」

厳しいことを言うが、周りのみんなは優しくしてしまい、一刀が成長しないと思い、ここで私が厳しく言おうと思った。そして、この人ならきっと分かってくれると思ったからこそ言うことができた。

 

 

一「・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺だけが・・・・・・愛紗のことを引きずっている?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

いきなり笑いだした一刀に三人は不思議に思った。

 

 

薫「一刀、大丈夫かい?少し休むかい?」

 

 

紫「ご主人様、あまり深く考えない方がよろしいかと。お気を確かに?」

 

 

桔「御屋形様?」

 

 

一「アハ、ハハハハ、いや、ハハハ、大丈夫だよ。本当に俺は馬鹿だよ。周りにはこんなにも俺のことを思ってくれる人がいるのに、一人しか目にはいっていないなんて。・・・・俺は幸せ者だな。誰もこんな情けない俺から離れていかないんだから。・・・・・・・・・・

母さん、紫苑、桔梗、今まで迷惑をかけたな。俺は今守るものが本当に分かったよ。

それは、」

 

 

三人「それは?」

三人は一刀の憑き物が落ちた顔から、今まで見たことのないような生き生きとした顔から言葉を紡ぐ一刀が本当に気付いたものは何んなのか聞き返した。

 

 

一「それは、俺の周りにいるすべての人の笑顔だ。」

一刀にとって本当の守るという心が変わった。祖父に言われてから今まで考えてきたこと、今までの気持ちは間違いではないが、一刀が刀を振るうために必要な心にはそぐわなかった。守るという気持ちは確かにあったが、そこには誰も自分のもとから去ってほしくないという気持ちからだったためだ。しかし、今一刀の心は純粋たる守るという、それも今自分の周りにいる人々の笑顔を守るという気持ちだった。

 

 

薫「一刀、もう大丈夫らしいね。これで、一刀の剣は誰にも折れることはないよ!さあ、みんなが心配してるから顔を見せてあげな!」

一刀の顔からもう大丈夫だということが分かり、息子が一人立ちした気持ちになった。

 

 

 

一「ああ、そうだな。みんなにも心配かけたな。

俺はもう二度と同じ失敗はしない!」

 

 

 

 

一刀の部屋の周りで待たされたみんなは、一刀のことが心配であり、黙って出てくるのを待っていた。

 

 

ギィ~~~~~~~

全「ご主人様(お兄ちゃん)(わが君)!」

 

 

 

一「みんな、今まで迷惑かけたな。本当にすまなかった。みんなに目をむけることをしなくて。だけど、今度こそ、大丈夫だ。・・・鈴々、ありがとな。確かに自分の本当の気持ちをぶつけないとな。」

 

 

鈴「お兄ちゃん!もう大丈夫なのだな?」

 

 

一「ああ、だから、鈴々は愛紗を呼んで来てくれ!今から戦おうと思うから。頼むな?」

 

 

鈴「任せろなのだ!!!!!!」

鈴々は最初は不安そうな顔をしながら一刀の顔を見たが、一刀の笑顔を見てぱあっと顔を変えて元気よく駆けだしていった。

 

 

 

鈴々が駆けだしていくのを見送りみんなに振りかえった一刀は

一「みんな、俺達も中庭に向かおうか?」

 

 

その姿をみたみんなは、すべて包みこみ、そして広い心をもった、まるですべて照らす太陽、いや天空の覇者とでも言った方がいいと思う姿であった。

これまでの一刀の存在は虚ろ過ぎていたが、今の姿はここにいるという存在感を抑えることができないほどの氣が出ていた。曹操と相良の覇王氣とは違う・・・・・・・・・・・一刀の氣は、向こうの世界では誰もこれから身につける事ができないと言われた聖光氣と言われるものであった。

 

 

 

薫「紫苑、桔梗、私達はとんでもない子に惚れてしまったね。この子は本当に天の子だよ。」

一刀の姿を見た薫はいつも驚かされているがこの時の一刀の姿に驚かされた事は無かった。

 

 

紫「ええ、そうですわね。いままでの存在感が嘘かのようですね。今まで見てきた人達の中であんなにも氣を出している人はいなかったです。」

紫苑の経験の中でこの大陸いや、これからこの人以上は出てこないだろうと思った。この時、一刀には悪いが関羽と趙雲に感謝した。この人のもとにつかえている自分がなんて幸せなのだろうと。

 

 

桔「まったく、御屋形様人が悪い。わし達をこれだけ待たせておいて、そしてここでまた、わし達をほれさせおって。どこまで人を溺れさせれば気がすむのやら。」

言葉はからかいが入っているが、本音は嬉しさでいっぱいであった。自分をみてくれない一刀にいら立ちがあった分今はそんなことがない。そして、それを乗り越えた一刀の姿が自分にとって理想ともいえる男になったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

愛「私は、なんてことをしてしまったのだろうか。これでは相良様のもとに行った意味がないではないか。私はあの人のもとを去ったと言うのに、あの人が忘れているだけでこんなにも心が痛むなんて。」

愛紗の気持ちは迷っているかのように思えるが、実際それはただ自分がこの軍を去って行ってしまった自分の罪悪感から来るものであった。

 

 

星「愛紗よ。大丈夫か、北郷殿が忘れてしまったのはしょうがあるまい。貴殿が気にする必要はないであろう。あの人に何があったか分からないが貴殿がつかえている相良様であろう。何を迷う必要があろう?」

星は愛紗の事情を知っているが、北郷の実力を知っているため武人として仕える身としては相良の方が正しいと思っている。確かに、一度仕えようと思った人から去ったのは罪悪感があるだろうがここは愛紗のいた場所ではなくなっているため悩んでもしょうがないと言っている。

 

 

愛「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かっている。しかし、」

 

 

桃「愛紗ちゃ~~~~~~~~ん、ハア、ハア、大丈夫?ご主人様が記憶無くなっていたことは驚いたけど愛紗ちゃんの所為じゃないからね。私達がご主人様に無理させてしまったからだよ。」

桃香は自分達が元気が無い分、そこを補ってくれた一刀に無理をさせてしまったと思い自分達に責があると言った。

 

 

 

愛「桃、桃香様、・・・・・・・・しかし、元はと言えばわt「お~~~~~~~い、お姉ちゃん、愛紗!お兄ちゃんの記憶は戻ったのだ!もう大丈夫なのだ。」

愛紗が自分の方に責があると言おうとしたが、鈴々の声に遮られてしまった。

 

 

桃「本当に!!!!よかったよ~~~~~~~。愛紗ちゃん良かったね?ご主人様やっぱり思い出してくれたよ!」

 

 

愛「・・・・・・・・そうですか。」

愛紗はそう言われたが素直に喜ぶことができなかった。それは一刀がどのように思っているかという事で不安があったからだ。

 

 

鈴「愛紗、お兄ちゃんが呼んでるのだ!なんだか、愛紗と戦いたいらしいのだ!」

 

 

愛「な、なに!?あの方自らだと!・・・・・・・・・・何を考えているのだ?」

あの一刀が戦うという事が信じられなかった。あのときは動揺してしまい一刀の力量を観察していなかったため、分からなかった。

 

 

星「ふむ、鈴々、北郷殿は武をもっていなかっただろ?愛紗とでは力が違いすぎて意味がなにも無いぞ?」

星も愛紗とおなじ事を思い、確認した。

 

 

鈴「うんうん、お兄ちゃんは強いのだ。たぶん、鈴々達の中で一番強いのだ!」

 

 

愛「何だと!鈴々、それは本当か?とてもしんじられないぞ!」

 

 

星「・・・・・・・・それなら、北郷殿の言う通り戦ってみればよい。そしたら分かるであろうよ。愛紗よ。

星は鈴々が嘘を言っているようには見えないが、信じることができないためそれならと愛紗に戦ってみたらと言った。

 

 

 

 

 

 

 

中庭にて

一刀達は全員集合していて、北郷隊のみんなも集まっていた。

一「北郷隊のみんな。いまから愛紗と戦う。俺の成長を見てもらうためだ。そして、君達にもう一度選択させる。この戦いをみてからどちらについても良い。自分の認めた方を行け!俺は全てを受け入れる。その覚悟はできた。そして、みんなの笑顔が見たい、俺の元で笑えないのならば、俺は君達の笑顔を守るために君達を愛紗に任せる。だから、しかっり、答えを見つけてくれ!」

 

 

それを聞いた兵達は笑いながら言った。

兵全「北郷様!私達はあなたに忠誠をあの時誓いました。私達が今ここまでいられるのはすべてあなたのおかげです!この命尽きるまであなた様のもとに!」

兵達は、一刀のいままでの行動を見、そしてその心を感じてきた。自分が死にそうになった時一刀に命を救ってもらった事が何回あることか。感謝してもしきれないほどであった。

だからこそ、一刀の言ってることは昔の自分達ならいざ知れず、今の自分達にはいらないものであった。

 

 

 

一「そうか、みんなありがとう。俺の下に残るもの達よ、俺はお前達の笑顔をけして無くしたりしない。約束しよう!!」

一刀からは聖光氣が発せられ、まさしく天の御遣いとしての姿が現れた。

それを見た兵達は涙を流し始めた。この人こそこの大陸を真の平和に導く人であったと。

 

 

 

桃「ご主人様!記憶戻ったんだってね!心配したんだよ!」

一刀達が話し終わった直後、桃香が嬉しそうな顔をしながら後ろに二人を連れながら駆けよって来た。

 

 

一「ああ!迷惑かけて悪かったな、桃香。もう大丈夫だよ。」

桃香の頭をなでながら笑いかけた。

 

 

桃「////////ご、ご主人様!!・・・・・・・?ちょっと変わった?」

頭をなでられたのがうれしく赤面してしまったが、一刀の様子が変わったことに気付き尋ねた。

 

 

一「ん?まあね。やっと自分の求めていたものが分かったかな。」

それに対して微笑みながら余裕があるように答えた。

 

 

鈴「お兄ちゃん!!!!鈴々愛紗呼んできたのにほめてくれないのか?」

と頬を膨らませながら文句を言ってきた。

 

 

一「あはは、ごめんな。鈴々ありがとな!」

桃香と同じように頭を撫で、抱きしめた。

 

 

鈴「/////////////お、お兄ちゃん!!!!!」

いきなりの事でびっくりしたがそのまま一刀の温かさに身を任せた。

 

 

薫「こら!一刀っ、そういうことは後でやりなさい!まったく記憶が戻ったと思ったらこれなんだから。」

呆れながら溜息をつきながら、本当は内心嫉妬でいっぱいであった。

 

 

一「母さん、悪かったよ。後でみんなにもするからやきもちやかないの。まあ母さんの言う通りだし。鈴々ごめんな。」

記憶が戻ったことで余裕がある分、鈍感は治ってしまった。その分、感情に鋭くなり種馬としても成長してしまい、女性達は

 

 

全「///////////////////(大人ぽっい一刀(様)(ご主人様)(わが君)(お兄ちゃん)もいいかもしれない)」

と自分の考えていることがばれてしまい赤面した。

 

 

一「じゃあ、本題に入ろうか。・・・・・愛紗、ひさしぶりだな。元気にしてたか?まあ積もる話もあるが、武人は試合で語ろうじゃないか?どうだ?」

一刀もそろそろ真面目の話しに入ろうかと久しぶりにあった愛紗に話しかけた。

 

 

愛「久しぶりです、北郷殿。・・・・・・・・本当に私と戦うのですか?」

愛紗はやはり元主と戦うのは気がひけていた。

 

 

一「???何か都合が悪いのか?あっ、もしかして大怪我の心配か?それなら気にしなくていいよ。俺の仲間に大陸一の医者がいるから、なぁ華陀!」

愛紗が何を迷ってるのかがわからなく検討はずれのことを言った一刀に対して星は

 

 

星「北郷殿、愛紗はあなた様の心配をしているのです。多少強くなっていても私達も、我が主、相良様のもとで鍛練していますからあのころとは違いますぞ?」

一刀のことを舐めきっている星は止めるよう進言した。

それに対して、薫が

 

 

薫「あはははははは、ずいぶんと冗談がうまいもんだね?趙子龍というのはそんなものかい?そうだろ、紫苑、桔梗?」

星を馬鹿にするように笑いだした。

 

 

 

紫「無理もありませんわ。あの二人は呉の人間なのですからそういうのも当たり前です。」

紫苑も、薫と同じく口に手をもちながら軽く笑った。

 

 

桔「薫殿、そう笑ってやるな。しょうがあるまい。わし達とてつい最近まで知らなかったのですよ。」

桔梗はそんな二人を見て、あまり責めてやるなと自分も笑いをこらえながら二人を諌めた。

 

 

星「何が、おかしい!!我らの武を侮辱するつもりか!!!!この武を侮辱するなら我が主を侮辱すると同然であるぞ!!!!」

星は三人が笑ったことで怒った。星は自分の主から武を成長されたのでそれを笑われたことが気に食わなかった。

 

 

愛「馬騰殿、厳顔殿、黄忠殿、撤回していただきたい。相良様侮辱することは誰でも容赦することはできないぞ。」

愛紗も自分の本当の力を出せる人を侮辱され、引くことはできなかった。

 

 

五人が武器を構えようとした直後、

 

 

一「母さん、紫苑、桔梗、俺のことはいいから武器を下しな。俺は俺の周りにいる人の笑顔が守られば、何を言われたって気にしない。三人が納得できないなら、俺がそれを納得させる。それを信じろ。」

静かな声、それでいて温かい声が五人の下に届き、蜀三人はすぐに武器をおろした。そして、一刀に頭を下げた。

 

 

三人「申し訳ありませんでした。」

臣下の礼をとり深く謝った。そんな三人に二人は驚いた。

 

 

一「愛紗、星、俺の仲間が君達の主を侮辱してしまいすまない。しかし、彼女達も君達と同様、俺のことを思って言ってくれたんだ。分かってやってくれ。」

深く頭を下げた。それに対して二人は毒気が抜かれたかのように武器をおろした。

 

 

 

一「ありがとう。・・・・・・さて、まあ俺としてみんなが納得するように試合がしたいのだけど?どちらでも構わないが?それとも二人いっぺんでもいいよ?」

一刀はただ事実を述べただけだった。それに対して二人は激怒した。

 

 

星「いささか、現実を教えてあげた方がよろしいか?と思うが、どうだ愛紗?」

 

 

愛「ああ、私も今そう思った所だ。北郷殿のことを思って確認したがそれは無用らしいからな!・・・・・北郷殿、勘違いしないように?私の主は今相良様です。手加減すると思ったら思い違いですが?」

愛紗の中で一刀にたいする感情は今はすべて相良に向いていた。一刀がまだ自分に何か思っているならと忠告した。

 

 

 

一「ん?何当たり前のことを言ってるんだ?愛紗、あの時、俺は君はいらないと言ったじゃないか?まさか、君はまだあれが嘘だとでも思っていたのか?それなら、君には失望したよ。それに俺には俺の愛するものがいるから。君には君が愛する人がいるんだろ?」

一刀にとって、決意するまで愛紗のことを思っていたが、今は違う。それを教えてくれた仲間がいる、そして、そんな情けない俺を見捨てなかった仲間がいる。そう思えば今までの自分がいかに滑稽であったことかが分かり、愛紗に向かって挑発していた。

 

 

 

愛「~~~~~~~~~~っ!!!!!言葉はもういりませんな!星、私が相手をする。けして手をだすな!!!!!」

愛紗はここにくるまでいろんなものを感じていたが、一刀に会って、やっぱり相良が私が仕える人であったと確信した。

 

 

 

愛「(私はこんな奴のことを、すくなからず罪悪感を感じていたのか!!!あの時、相良様が来てくれてよかった。今の私は真の相良様の家臣!!!!!!!!)」

 

 

 

薫「では両者!準備はいいか?」

 

 

一「じゃあ、みんないってくるよ。君達との訓練は無駄にはしない。」

一刀はみんなに一声かけてから集中し始めた。

 

 

愛「星、私が倒すから貴様の出番はあり得んぞ!?」

愛紗は星に自分が勝つと言って、場と向かった。

 

 

薫「試合・開始!」

 

 

愛紗「相良軍、一の家臣、関雲長の一撃を受けよ!!!!!!!!」

愛紗は一刀に向かって青龍堰月刀を一刀の上から振り下ろした。

 

 

それに対して、一刀は刀を正眼に構え、

一「飛天御剣流、龍翔閃!!!!!」

愛紗の下に素早く入り、鳩尾に向かって刃を突きたてて斬り上げた。

 

ふたりの刃が交わりすさまじい衝撃波が周りに散った。

 

ガキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!!!!!

 

 

愛「クッ、(なんて衝撃だ。たしかに強くなっている。)」

と愛紗が考えていると一刀の姿は無かった。

 

 

愛「なに、どこに!?はっ!!!!!!!!」

自分の影が暗くなり上を向くと一刀の姿があり、堰月刀を上にかざした。

 

 

一「(飛天御剣流、龍鎚閃)ウオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」

一刀は吹き飛ばされた直後、空中へ飛び上がり、剣の威力に重力を加え脳天に向かって刀を振りおろした。

 

ガガガガガガガガガガガガガガガ、ギギギギギギギギギギギギギギ!!!!!

 

 

愛「ウオオオオオオ!!!!!(押し返される!!!このままでは)」

 

 

愛紗は堰月刀を離し、その場を退いた。

 

ドゴ―――――――――――――――――ン!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

愛紗がいた場所は巨大なクレータができていた。

それをみた二人は目を大きく見開いた。

愛紗は自分の武器がないのでどのようにして手に入れるかを考えていたが、一刀の方から投げ出された。

 

 

愛「なッ!!!!!!!!貴様!なめているのか!!!!!!」

自分が舐められていることにキレてしまった。

 

 

一「違う、武器を持っていない愛紗とは戦っても意味がない。君の全力を俺が倒す事に意味がるからな。そして、貴様こそ!俺を舐めているのか!!!!!!!!武器を持たないでこの俺に勝てると思ったか!舐めるなよ!!!!!!!!」

一刀が激怒した直後、一刀からは巨大な氣が現れた。その氣は黄金の氣、聖光氣。一刀は愛紗を本気で倒そうと思った。

 

 

一「愛紗、これが俺の成長だ。さあ、武器をとれ!そして、今度こそ、本気で来い!さもないと死ぬぞ。」

一刀は自分の奥義を出すつもりであった。この技は一刀の心によって力が変わる。今の一刀は奥義を完ぺきにおさめた。そして氣によって強化された奥義は間違いなく天の一撃となるだろう。

 

 

 

愛「・・・・・・・・・・・・・・ッ、(なんだ!これは!これがあの方の本気。この氣は間違いなく相良様を超えている!!)」

愛紗は武器をとることはできたが、その場から動くことはできなかった。

聖光氣は大地や天までに影響をあたえるものである。味方にとってこれほど素晴らしいものは無いが、今の愛紗にとってみれば間違いなく最強のものであった。

 

 

星「愛紗、誇りを掲げてる場合ではないぞ。この際、二人でいくしか道はきりひかれない。北郷殿は間違いなく相良様を超えている。まさしく天の御遣いだ。」

固まっている愛紗の隣に話しかけながら自分の槍をもちながらやってきた。

星もこれほどの氣をあてられすさまじいほどの汗をかいていた。

 

 

愛「ああ、いくぞ、星!!!!!我が主のために!!!!」

 

 

星「ああ!!!!!!!!」

 

 

二人「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

二人にとって最高である一撃が一刀に向かって繰り出された。

 

 

一刀はそれを見て、刀を鞘に納め、構えた。

 

 

一「飛天御剣流、奥義天翔龍閃!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

一刀の黄金の氣が混じり、一刀の後ろには黄龍が舞い降りたかのように思えた。

 

二人の攻撃が一刀に届く瞬間、

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

すさまじい氣の残留で周りが金色に満たされた。そして、一刀は刀を鞘にしまい、いつも通りに立っていた。その後ろに二人は倒れていた。武器は粉々に砕かれていた。

そして、あたり一面、地面は日々が入り、木は倒れ、無残のものであった。一刀の氣があまりのすごさを示していた。

 

 

 

一「華陀、二人をみてやってくれ。外傷はないはずだが一応のためだ。そして、兵のみんなはここの修復を頼む。後は武・・・・・しょ・・・・・・う・・・の・・バタン!!!!」

一刀は倒れてしまった。

 

 

全「一刀様(お兄ちゃん)(わが君)!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

一刀が倒れてしまいみんなは一刀の下に集まった。

 

 

一「わ、悪・・・・・い・・・・、ちょっと、・・・・・む・・・・り・・・・し・・・す・・・ぎ・・・・た・・・か・・な。少し・・・・ね・・・・む・・・ら・・・せ・・・・て・・・・くれ・・・。」

無理もない、さっき聖光氣を身につけてばかりなのに、それをすぐに使ってしまえば体がもつわけがなかった。そのため、強制的に眠りについてしまった。

 

 

 

桃「ご主人様、・・・・・・今はゆっくり休んでくれていいからね。みんなは言われたとおりにして。ご主人様は薫さん、恋ちゃん、鈴々ちゃんがお願い!!!!」

桃香は穏やかな一刀の寝顔をみて、一安心し、そしてみんなに指示をだした。

 

 

 

 

薫「一刀、よく頑張ったね。あんたは、もう立派な主だよ。そして、この天下を治める人物はお前しかいないよ。あともうちょっとだから頑張りなさい。」

寝てる顔をみながら、頬をなでながらこの子が少しでも安からに眠れるようにと願った。

 

 

恋「ご主人様、・・・・・恋も頑張るから早く眼を覚まして。」

恋はいつも通り笑ってくれる一刀の笑顔が好きであった。だから早く笑顔になってほしいと願った。

 

 

鈴「お兄ちゃん、鈴々、頭よくないけど、お兄ちゃんの力になるのだ。だから鍛練にこれから付き合ってほしいのだ。」

鈴々は少なからず自分が一刀に迷惑をかけたことに責任を感じていた。さっきの戦いを見て、一刀が強くなった理由が分かった鈴々であった。しかし、頭がよくない鈴々は最初はわからなかった。一刀の心に触れて自分も一刀みたくなろうと、そこから自分は変われると思ったから一刀にこれから自分の成長を見てもらおうと思った。

 

 

 

薫はそんな二人を見て、笑みをこぼした。これから一刀はもう無理をすることはないだろう。この子はきっと幸せになるだろうと思い、その場を去った。

 

 

 

紫「薫さん、ご主人様の様子はどうですか?」

外に出てみれば、みんが部屋の前で待っていた。

 

 

薫「ああ、心配しなくていいよ。急激な疲労だから怪我とかじゃないからね。そっちこそ、あの二人は目を覚ましたのかい?」

みんなが心配してる様子を見て、安心させようと一刀の様態を伝えた。そして、あの二人がどうなっているか聞いてみた。

 

 

 

桔「あの二人なら先ほど、華陀に治療してもらい目をさましたわい。まあ、何が起こったかわからないようでしたな。呆然としていましたからな。」

薫にその後どうなったかを伝えた。

 

 

薫「そうかい、まあ良い薬になったかい、あの二人には。普通に考えれば一刀に勝てるわけないのにね。力量の差がわからないなんてあの二人よっぽど自分の武に自信があったみたいだね。」

薫はあの二人が負けることは当たり前であると語った。一刀とあの二人には埋めることができないほどの差ができてしまったし、一刀と精神力との差、そしてみんなの笑顔を守るという心の差から負けている。ただ主のための武と、自分の周りにいるすべての人を守るという心の重さが違うのは当然だ。

 

 

 

桃「けど、やっぱりご主人様は優しいね。二人が本気でやれるように自分が悪い人のようにふるまって。それに愛紗ちゃんが罪悪感持たないように、あそこまで嫌われようとするなんてね。本当にご主人様は優しいよ、優しすぎるよ。」

桃香は一刀が試合する前、なぜあんなに挑発するのかと思ったがそれは愛紗のことを思っての事だと理解した。自分の下にいないのにそこまで優しくするのはやっぱり一刀なのだと思った。

 

 

みんなは一応に同じく桃香が言ったことに納得した。この人はどこまでも優しく、そして私達を包み込んでくれる人なのだと。

 

 

 

 

そして、愛紗と星の二人は正気を取り戻し、桃香のもとへとあいさつしに来た。

 

 

桃「あっ、元気になったんだね。良かったよ。二人はどうする?もう帰る?それとも今日は泊っていくのかな?」

桃香は二人がやってきたのでこれからどうするのかと聞いた。

 

 

星「いえ、今日はもう帰らせていただきます。あいにく外傷はありませんでしたから。」

 

 

愛「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

二人はいまだ一刀に負けたことを引きずっていた。そんな二人に

 

 

薫「関羽、趙雲よ、気にすることはないよ。一刀に負ける事は誇りに思いな。一刀はこの魏との戦いで、この大陸の人間誰もが知る男になるのだからな。」

一応、これからの戦いで仲間になるのだからとフォローした。

 

 

桃「そうだよ二人とも、元気だしなよ。ご主人様は天の御遣いなんだから私達じゃ手に届かない人なんだよ。それに、これから仲間なんだから暗い顔してたら兵のみんなに迷惑がかかるよ?」

薫の言っていることを付け足すかのように言った。

 

 

それを聞いた二人は何も言えなくなってしまった。

愛、星「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

そして、二人は無言で蜀を去っていった。二人は気持ちの整理がなにも出来なくなってしまった。いままで、自分が支えていたものが無くなってしまった二人はただの人になってしまった。

 

 

この戦いには蜀、呉に何を残したのだろうか。今は誰も分からなかった。

 

 

 
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