No.981616

ダーリンはてのひらサイズ17

リュートさん

昔、初投稿して落選した黒歴史の作品、第17話。

登録タグはありません

2019-01-25 05:53:11 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:186   閲覧ユーザー数:186

ところがアレクスは怒ってアプリィの体を鷲掴みにしてしまいました。

 

「そんな事を言って!逃げて二度と戻って来ない気だろ?」

 

「私は嘘はつかないわ!約束は守るから手を離してちょうだい」

 

「俺はお前を嫁さんにするって決めたんだ!」

 

「そんな事、勝手に決めないで」

 

アレクスはアプリィを洞窟の中に投げ込むと入り口を大きな岩で塞いでしまいました。アプリィは中から岩を動かそうと体当たりしたり、叩いたりしましたがビクともしません。

 

「ここから出してちょうだい!アレクス」

 

アレクスは洞窟の前でまた昼寝を始めてしまいました。夕方になってもアプリィが帰って来ないので、ショーンは心配になって来て家具の裏の抜け穴から外に出ました。アプリィの足跡を辿って行くと、大きな岩の前に着いたので、岩の隙間から中に入るとアプリィを見つけたのです。

 

「アプリィ!どうしてこんなところに閉じ込められているの?」

 

「ショーン!助けに来てくれたのね。ありがとう」

 

「でもこの岩を動かせないと、アプリィは外に出られないね…」

 

アプリィはこうなった経緯を、なるべく詳細にショーンに話して聞かせました。

 

「アレクスの奴!許せない」

 

「悪い人ではないと思うの」

 

「こんな酷い事するなんて悪い奴に決まってるだろ?」

 

「きっと人間から酷い事をされ過ぎて人を信じられなくなってるだけよ?」

 

「アプリィは優し過ぎるんだよ?普通こんな酷い事をされたら許す事なんて出来ないはずだ」

 

「私も過去に人間に虐められて泣いていたからアレクスの気持ちがわかるのよ」

 

「それってもしかして、エルフの涙を狙って人間は君を虐めてたんじゃないかな?」

 

「エルフの涙が欲しくてあんな酷い事をされたの?焼けた鉄を体に押し当てられた事もあったわ。私よりお母さんの方がもっと酷い事をされて、ある人が逃してくれたから助かったけど」

 

「やっぱりそうだったんだね。なんとなくそんな気はしていたんだよ」

 

「ショーンは一を聞いて十を知る事が出来るのね」

 

…つづく


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択