No.980930

呂北伝~真紅の旗に集う者~ 第016話

どうも皆さんこんにち"は"。
1年近く、待たせたな。

最近鬼武者のリメイク出ましたね。カプコンに勤めるスタッフさん、貴方方は本当に素晴らしい。是非とも「2・3・新」とリメイクを作ってください。
ついでに言うと、映画化の件も早く進めてください。

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2019-01-18 22:09:37 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1423   閲覧ユーザー数:1310

呂北伝~真紅の旗に集う者~ 第016話「歩闇暗(ファンアン) 壱」

 漆黒の闇の中で、一つ屋根の下にて揺らめく光。周りの家々の街灯は既に消えており、そんな住宅が立ち並ぶ中で一際大きな屋敷が目立つ。扶風太守、呂北の自宅である。その家で私は侍女の長『刃照碑』として働いている。しかしそれは私の表の名前に過ぎない。私の姓は曹、名は性。字を遠麓(えんろく)という。それもホントの名前かどうかも怪しい。私は生まれ時から闇に潜み、暗やみで息をしてきた。そんな道を歩いてきた私の真名は歩闇暗。私の主が付けてくれた名だ。そして侍女として生まれた時、刃照碑と名付けてくれたくれたのも私の主だ。名の無い人間は畜生と同じ。つまり私が人として生まれるきっかけを作ってくれた主こそが我が親である。親を越えることは子の勤め。つまり親を殺すことができたとき本当の意味で子としての勤めを果たすことが出来る。それまでは親である主に身も心も捧げるつもりでいる。

現在、奥方である王異・白華(パイファ)様と主である一刀様は夜の営みを終え、既に就寝してしまっている。毎日激務に追われる主を支えるのも奥方様の勤め。公私混同で主を支え奥方様。領主として、甘やかせ過ぎず、尚且つ程よく民の声を聞き届け領内の均衡は保たせる責務を担う主。とても私などにはマネ出来ることではない。それでもこの身が何かの助けになれば......。例えば性行為。この行為は決して小作りの為だけに行なう物でもない。物も金も必要なく、体力さえあれば精神に程よい安らぎを与えてくれる。そしてその行為の主体は主に皆が寝静まった夜に寝具の上にて行われるために、夜の営みとして人々に知れ渡っている。

奥方様の最大の勤めは、主の遺伝子を継承させる為に尽力を尽くすことであるが、しかし性行為とはそれだけの目的に限ったことではない。程よい快楽にて肉体の安らぎを与える行為でもある。なればこそ、この身を捧げることであれば私にも出来る。生憎私は奥方様の様な魅力溢れる肉付きはしていないかもしれない。しかし私には練り上げられた肉体がある。この身をもって主の欲求を満足させてみせる。私の存在は主の為にある。云わばこの肉体は主の性欲処理も行なう肉便器も同然なのだ。夜の夫婦の営みを終えた時、何時も奥方様は体力の底が尽きて静かに寝静まってしまう。それでも絶倫であらせられる主の分身である肉棒はそれでも満足していない。それから私の使命が始まる――

 

 「ふあぁぁぁっ‼一刀さまぁっ‼」

全ての屋敷の灯りが消えている中、私の部屋のみは油を灯している。本日はどういう趣向であるのか、主が私の肉体を求めにいらっしゃった。寝具の上にて、主は後ろから私を抱きしめながら、私の肉壺に、自身の猛りきった摩羅(まら)を挿入しては引き抜く作業を繰り返してくる。ただそれのみの単調な行為に限らず、主は私の体をまさぐり続ける。自分でも何処から出ているのかわからない程、淫質で艶色の声が漏れてくる。最近また少し膨らんできた乳房。古傷のついた腰回りに指を這わせて。尿道部分であり俗語で所謂『豆』と呼称される場所を摘まんでくる。背中に舌を這わせ、この未熟な肉体に主は快楽を与えてくる。特に私の弱点である肉壺の最奥である子宮の入口を、摩羅の先で(こそ)ぐ行為を重点的に行ない、やがて主の摩羅は絶頂の時を迎え、私の未熟ながらも熟れた快楽を覚えた女の聖室(しきゅう)へと注がれる。注がれた瞬間に、私の肉体にも絶頂の波が押し寄せてきて、それが到達を迎えると、自身でも制御で切れない程の筋肉の痙攣に苛まれる。

主の摩羅より精の放出が止まると、主の肉体が離れる。......何時もこの瞬間が嫌いだ。行為の間中、それまで確かに満たされていた場所に空白が出来てしまうのだから。それに伴い、私の体の筋線維は既に私の意思ではどうしよも無い程に一時的な衰弱を期している。主の精が出ていかない様、手で肉壺に蓋をしたいが、力を込めて敷物を握っていたせいで、腕の健も弱まって動かすことも困難になっていた。

注がれた精が収まり切れずに放出されてしまう。おそらく私の顔は他では魅せれない程だらしがない表情をしているのだろう。それでも私の様な肉便器に主の子種を注いでくれることは名誉なことだ。

「主」

お礼を言わなければと思いそう呟くが、声が出てこない。肺の空気も無くなってしまったのか。しかしそんな一言聞いた瞬間、主の摩羅はまた(いき)り勃った。主は私を正面より組み伏せると、私の肉体を再び引き寄せ摩羅をあてがってくる。

「お、お待ちを主。わ、私は、も......んうぅ――」

これ以上の絶頂は本当に蕩けてしまう。必死に主に静止を呼びかけようとするが、主の肉棒の先は、徐々に私の肉壺に埋もれていく為、その快楽で言葉を失ってしまう。

「......大丈夫だ。奉仕はもういい。これより動くのは俺だけだからな」

暗闇の中、油の灯を元に照らし出された主の笑う表情に、顔から火が出そうになってしまう。主のこの表情は何時も私をダメにする。やがて主の肉棒の先が、私の膣内(なか)の最奥である、子宮の入口まで達した時、私は改めて早すぎる絶頂を迎えた。絶頂を迎えている間も主は動作を始め、弱点である奥を(こそ)いでくる度に、私は声に出来ない程の絶頂を何度も迎えてしまう。

 

朝の空気が部屋の中を満たす。目覚めた頃には、主は消えており、肉体には気怠さと共に、何処か晴れた開放感が染み渡ってくる。股をまさぐると、昨晩主に与えられた精があふれ出てくる。もったいない。幸い肉体の痙攣は収まっているから膣を締め上げる。地面にも主の精が落ちてしまった。私は全てを掬い上げて、それを味わう。苦い。だけどこの苦みが愛おしい。私は草である為、主の子を産むことは出来ない。しかし女であるからには自らの身を捧げた主の子をこの身に宿す夢を見てもいいじゃないか。夢を見ることだけはどうせただなのだから。

さて今日も仕事だ。下着は何を付けよう。確か今日の予定では奥方様はお出かけになられる。ということは今夜も伽の相手は私ということであろうか......気合を入れなければならない。昨夜は黒を付けていたから、今日は白でいきましょう。桃色や藍色も良いのだけれども、たまには穢れ泣き純白で攻めましょう。......っと言っても、いつも責められるのは私であるが。

私は何時もの様に侍女服に着替え、主に頂いた彼女の姿見で全身を映し、おかしな所が無いか確認する作り笑いも問題なく出来ている。それにしても、この主が開発したこの侍女服は素晴らしい。長袖にこのスカートと呼ばれる長い脚裾布。これならば暗具を隠しやすくなる。何より主人より目立たないように、かといって存在感も忘れさせない黒と白の調和もいいものだ。

私は身支度を整えると、厨房にての主と奥方様の朝食作りから始まる。こういってはなんだが、一般的な手返し鍋(フライパン)の使い方もすっかり慣れた物である。かつての私には、人を殺せぬ道具などは全て無用の物と認識してしまう習慣が染みついていた。鍋なども人を気絶させる物、もしくは尋問の際に熱して人肌を妬く道具(もの)だと思っていたのだから、思い返すだけでも具合が悪くなる。壊すことが生業であった私が、現在こうして人の為の物を作ることが出来るのも悪い気分ではない。そうこうしていると、後ろから奥方様の気を感じる。

「おはようファンちゃん」

私が振り向くと、やはりそこにはこの館の女主である白華(パイファ)様がおり、私は屈託なく笑みを浮かべて腰を落としてお辞儀をする。

「今日の朝食は何かしら?」

「白米に目玉焼き、そして以前ご主人様にご教授頂きました『べーこんえっぐ』でございます」

そう、今日は以前主にご教授頂いた『べーこんえっぐ』なるものを作っている。最初は薄く切った塩漬けにした豚肉焼きと、潰した玉子焼きにの良さがわからなかったが、食べてみれば流石主。塩の僅かな辛さと豚肉の焼き加減でこれほどまでのうまい料理を創りだすとは。また、焼くことによりほんのり甘くなった玉子焼きと絡めて食べるとなお最高である。

「う~んいい匂いね」

「摘まみ食いはお止めくださいね」

「わかっているわ。ほぼ準備は終わったような状態ね。相変わらず手際がいいわ。それなら私は今から汁物を準備するから、ファンちゃんはあの人を起こしてきて」

「かしこまりました」

私は焼きあがったベーコンエッグと目玉焼きを皿に盛りつけ、熱が逃げないよう(またつまみ食いがないよう)蓋をつけると、奥方様に料理を任せ、厨房を後にする。主の朝食作りは主に奥方様か私が担当している。奥方様がこの主の下に輿入れされてからは、ある日を境に主の口に入るものを作っている。奥方様曰く「夫の体調管理を行なうのも妻の務め」だそうだ。私が任せられているのは、うぬぼれているわけでは無いが、私が奥方様に全面の信頼を置かれているからである。思い返してみれば、私以外の侍女が、主の朝食を作っている光景を見たことが無かった。他にも、奥方様宛の仕事が無いときは、私や屋敷の侍女達を率いて炊事・洗濯を行なってくださる。下の立場からすれば、隣に雇用主がいればなんとなくやりにくい気がするのだが、奥方様は炊事も洗濯も効率よくこなす為に、下働きの者が雇い主に負けるわけもいかなく、それはそれとして仕事に張り合いが出てくる。

そんな思いはさておき、私は主を起こしに向かう。一度扉を二三度鳴らして軽く拳で叩く。

「ご主人様。朝でございますので起きて下さい」

私は扉の前で同じ行動と言葉を二三度繰り返し、部屋よりなんの反応もないことを確認して、ご夫妻の部屋に足を踏み入れる。部屋の寝具にて、主は一定の呼吸音で寝息を点てている。国の統治者は、その人物が強ければ強い程敵が多い。善政者であれば、その者が納める肥えた土地を狙って。優れた指導者であれば、後の禍根を絶つ為という名目を狙って。その度に敵は暗殺者を雇っては相手を屠ろうと考える。主がそんなことも関係なく安心して睡眠出来るのは、一重に私達下々の者を信頼してくれているお陰であろう。無論今殺気を試しにここで向けてみれば、主は飛び起きるであろうが、そんな無粋な起こし方は辞めておこう。

私は主まで近づき、体を揺すると、主は寝返りを打って、仰向け状態になる。一向に起きない主に、私は腰に手を当て呆れていると、不意に視線を主の足先に向けると、布団が山の様に盛り上がっているではないか。昨晩奥方様と私の膣肉の奥の部屋にあれだけの精を吐き出して、改めて元気を取り戻しているその豪棍につい顔が赤らまってしまい、雌陰が疼いてしまう。主もこのままでは苦しいであろう。いや苦しい筈だ......。そうだ苦しい。起きた時にこのような成りでは、もし朝に来訪者が来ればとても姿を見せれる姿ではない。ここは侍女として主の苦しみを緩和しなければ。

私は寝具の足元より布団に潜り主の股をまさぐる。既に陽の光も出そうで空も明るくなりそうだが、流石に布団の中まで光が差し込むことは無い。それでも主の体の大きさは十分に把握しており、今では陰茎と睾丸袋の黒子の数まで熟知している。主のズボンを脱がせると、主の陰茎(ムスコ)が飛び出してくる。ムスコ様は「待っていた」と言わんばかりに私に視線を向けてくる。しかし今は朝である。生憎私の膣でお慰めするには時間が無いと伝えると、ムスコ様は憤怒して訴えて来るが、口にて奉仕させてもらう条件にて怒りを鎮めてもらうと、私は口内へ主のムスコ様を迎える。最初は尿道に残った尿を吸い出し、そして陰茎の裏筋、側面などを舐めて、溜まった垢を取り除くと、睾丸袋を刺激して、射精の触発を促す。やがてムスコ様の先より塩味混じりの透明な液体が漏れ始めてくる。どうやらもうすぐ吐き出でる直前であるので、私は再びその陰茎を口に含み尿道から吸い上げる。

「......何しているのだ。お前は?」

次に聞こえてきた声は、ムスコ様の淫靡に満ちた誘い声ではなく、青い空の様に透き通りながらも、しかし何処か曇り気味交じりの主の声であった。布団の中の光が差し込んでくる先に視線を向けると、主の困惑気味な顔が見えた。

「......ふぁ?ふぉひゅひんひゃま、ひょひゃひょうひょひゃいひゃふ(ご主人様、おはようございます)」

ふふふ可愛い。いつもあらゆる万物の全てを見据えているかのような瞳が困惑している。本当にぞくぞくしますわ。あら、ムスコ様も限界みたいね。すると主の摩羅は予想通り、白い子種を放出した。この苦みと、どれだけ唾液を飲み込んでも喉に絡んでくる感覚が溜まらない。これで今日の私は全ての仕事を完全完璧にこなせることが出来る。

「おはようございます。ご主人様」

主も答えて笑顔になっている。どうやら満足してくれたようだ。体を起こし、寝具より出ると、私は主の着替えを手伝う。黒い着物を用意して、それまで着ていた寝間着を畳んで厨房に向かう主に付き従う。主と奥方様の匂いが染みついた寝間着は、今日の洗濯の際に存分に堪能させてもらおう。主が厨房の食事台に到着すると、着席に着いた主と奥方様は揃って合掌をして、本日の朝食に手を付け始める。話は本日の仕事の話題や、世間話、国の情勢など多岐にわたる。情勢といえば、近頃「黄巾党」と呼ばれる集団の一部が、うちの配下の人達を勧誘していたけど、鼻で笑われていたわね。然るべき処置は取ったからとりあえずは問題ないわね。あ、奥様のお茶が切れそう。主の声からしても本日は朝から喉の渇きが早いから、早めにお注ぎしなくてはね。少し(茶を)多めに作っておきましょう。私はお二方の空いた皿を下げ、食後の一服の際も、茶に合う一品を添える。そういえば以前白隊の子達が、私達に奥方様が私(刃照碑)の様な一流の侍女を目指しなさいとおっしゃったっていたけれども、私もまだまだだわ。主と褥を共にするにあたって、主より先に気を落としてしまうなんて、二流も過ぎて三流よ。それでもこんな私を一流とおっしゃってくれるのであれば、その期待に答えなくてはね。

 

 食事を終えお二方は登城まで一息つき、仲睦まじく腕を組んで出勤していき、私はお辞儀をしもって見送った。

さて、今日もきな臭い気配が少ししているわね。『闇蜘蛛』に任せて”表の”仕事にとりかかりましょう。

耳たぶに触れ、気配が動き出したことを確認して、私は屋敷の玄関の扉を閉めた。

 


 
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