No.977360

新ビーストテイマー・ナタ【おまけ5】

リュートさん

おまけの最終話です。おまけ2から5は149話と150話の間に挿入して読みましょう。

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2018-12-20 23:52:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:123   閲覧ユーザー数:123

アークはベランダから一歩も中に入れず、立ち尽くしています。パントマイムのように手を、その境目に置きました。

 

「まるでここに、見えない壁があるようだ…」

 

「アークがいなくなってから、おじさんも寂しそうだよ?」

 

「自分が追い出した癖に…」

 

「アークの方が先に、この家を出て行くって言ったんでしょ?」

 

「ナタが僕と一緒に来てくれないから…。アラヴェスタに借りてる家はずっと空き家のままだよ」

 

「アラヴェスタの誰もいない家なんか、行くわけないでしょ!」

 

「僕がいるだろう?僕もナタがいない家には帰る気になれない」

 

「私、ここが好きなの。この家でみんなずっと一緒に暮らせると思ってた」

 

「ずっと一緒にはいられないよ。ゲイザーに実の子供が出来たら追い出されるさ?」

 

「おじさんはそんな事しないよ!赤ちゃんが生まれたら、遊んであげてって言われてるもん」

 

「血の繋がらない娘と血の繋がった我が子、どちらを大切にするかわからないか?」

 

「アークは血の繋がってない子供は可愛がらないの?」

 

「そうだな、リリムが別の男の子供だったら、可愛がれる自信はない」

 

「おじさんは今までずっと私を可愛がってくれたから大丈夫だもん!」

 

「そこまで言うのなら…。これをあげるよ?」

 

アークは掌から魔力を放出して太くて大きなヘビの尻尾がポトリと落ちました。

 

「ラミアの尻尾と同じものだ。これをフラウに渡せば、すぐに子供ができるだろう」

 

「本当に?エッチな事しなくてもくれるの?ベランダでそう言う事はしたくないよ」

 

「欲しければいくらでもくれてやる」

 

「アーク、ありがとう」

 

「交換条件なんて卑怯なやり方はせず、正々堂々と決着をつけるよ」

 

アークは第一試合でゲイザーと当たっている事を知っていました。明日がトーナメント開幕です。

 

ここから150話に続く…


 
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