No.974082

がくえんっ! #2

赤城まやさん

梅雨のせいで雨が続く、倉城市。
傘嫌いの生駒は傘をささずに学校に行くが…

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2018-11-18 10:05:48 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:593   閲覧ユーザー数:589

梅雨と風邪

 

梅雨に入り、雨ばかり降っている。

空はどんよりと灰色の雲が広がっている。

「長山、また雨だね…」

「そうだな…これだと体がなまってしまうよ…」

ロングヘアでゆるふわ系の鳥海とショートボブでボーイッシュな長山が話していると、

「おはよう~」

「おはよう~って!生駒!すごい濡れてるんだけど!」

「おはよう、タオルで体拭いて、着替えて来いよ。」

雨で濡れた生駒が着替える。

 

「ていうか、なんで傘ささないの?」

「だって、家出たとき、降ってなかったし…」

「降ってる時に気付くでしょ。」

「うん…」

生駒は鳥海と長山と話しながら、椅子に座る。

「いや、まだささなくていい…まだささなくていい…って思ってたら、すごい降ってて…」

「濡れたと…」

「そうそう…」

「風邪ひくから、これあげる。」

長山は生駒にタオルを渡す。

「ありがとう…」

「あれ、この匂いは…」

鳥海が教室の匂いを嗅ぐ。

「くんかくんか…」

「匂いでわかるのか…?」

「あっ、熊野だぁ!」

「鳥海ちゃん、長山ちゃん、生駒ちゃん、ごきげんよう」

「鳥海。」

長山が肩をとんとんと叩く。

「なぁに、長山?」

「教室のいい匂いって…」

「熊野から出てるよね…?」

「えっ、私…そんなに匂うの…?」

「いい匂いだけどな。」

「そ、そうかしら…」

熊野が恥ずかしそうにスカートの丈を握る。

「うぅ…寒い…」

「大丈夫か?」

「風邪…ひいちゃったかも…」

「私のセーターを貸そうか?」

「ありがとう…優しいね、長山は…」

そう言われると、長山は顔を真っ赤にして、

「あ、あったりまえだろ!友達なんだからよぉ!」

「あれ~長山ってば、照れてる~」

「う、うっせぇ!」

長山は優しく鳥海の背中にチョップする。

「おはよう~外、すっごい雨だね…」

「あっ、おはよう~福田」

「福田ちゃん、ごきげんよう!」

「おはよう、鳥海ちゃん、長山ちゃん、熊野ちゃん、生駒ちゃん!」

「雪見だいふく…モフモフ布団…」

「えっ?」

「えいっ!」

「ひゃぁ!」

生駒は福田の脇腹を揉む。

「生駒ちゃん、くすぐったいよぉ…」

「雪見だいふく!」

「お腹揉まないでよぉぉ!」

翌日、生駒は風邪をひき、福田はお菓子の食べ過ぎでまた太ってしまった…

「へっくしょん!うぅ…寒気がするし、頭痛いよ…」

「体温、何度?」

「さ、37.6℃…」

「今日、学校お休みする?」

「う、うん…」

生駒は風邪薬を飲んだ後、眠ってしまった…

「うぅ…長山ぁ…それは強すぎるよ…」

「鳥海は…エッチだなぁ…」

zzz…

zzz…

雪見だいふく…

夜になると、すこし元気になった。

「体温計る?」

「うん。」

生駒は体温計を脇に挟む。

ピピピ…

ピピピ…

「何℃?」

「37.1℃」

「明日には学校行けそうね。」

「うん。」

その後、生駒は雨が降ったら、傘をさそうと心に誓った。

 

夏祭り

 

太鼓の音が広場に響き渡る。

「夏祭りだー!」

「久しぶりだな~」

鳥海と長山が広場に入ると…

「鳥海ちゃん、長山ちゃん。こんばんは~」

「あっ、福田ちゃん。来てたんだ~」

「うん!」

鳥海は福田が持っている、大盛り焼きそばに目を向ける。

「す、すごい量だね…」

「そうかな…」

「これ、全部食べるの?」

「うん、そうだけど…」

鳥海と話していると福田のお腹が鳴る。

(ぐぅぅぅぅ…)

「お腹なってるよ」

「…食べていい?」

「いいよ~」

福田は椅子に座ると、大盛りの焼きそばを食べる。

「どう、おいしい?」

「うん、美味しい!鳥海ちゃんと長山ちゃんも食べる?」

「うん!」

「いただこう。」

3人は大盛り焼きそばを食べる。

「もぐもぐ…もぐもぐ…」

「おいしいな。鳥海。」

「うん!そうだね。長山。」

大盛りだった焼きそばはすべてなくなり、福田は綿あめを売っている売店へ向かった。

「まだ食べるの?」

「うん、甘いものは別腹だからね!」

そう言うと、福田は綿あめを3つ購入した。

「鳥海ちゃんと長山ちゃんも食べる?」

「うん!長山も食べる?」

「うん、いただこう。」

3人は綿あめを頬張る。

「甘くておいしい…!」

「少しべとべとするなぁ…」

「ほぼ糖分だからね…」

その後、福田はフランクフルトとたこ焼き、りんご飴を食べた。

「あ!」

「盆踊りだな。」

「長山も一緒に踊ろうよ!」

「そうだな、食後の運動にぴったりだ。」

鳥海と長山は盆踊りに参加した。

 

「盆踊り楽しかったね…!」

「そうだな!」

「あれって、福田ちゃん?」

そこにはまんまるに膨らんだ福田がいた。

「うぅ…げっぷ…」

「すっごいお腹だね…大丈夫?」

「うん…ちょっと羽目を外しすぎちゃったかな…」

「立てるか?」

「うん、なんとか…」

福田は妊婦さんのように膨らんだお腹を抱えながら、ゆっくりと歩いた。

 

鳥海と長山は祭りが終わったあと、水着を買った。

鳥海は下着のような水着、長山はブラジャーにボクサーパンツのような水着を買った。

「今日は楽しかったね~」

「そうだなぁ…!」

「これも長山と一緒に行ったからかな…!」

「私も鳥海といっしょに行けて楽しかったぞ。」

2人は手をつないで一緒に帰っていった。


 
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