No.967793

それでも太陽は赤く染まる!第21回「春台風美咲!」

自転車の衝突事故でぶつかって相手の先輩の梶谷に死ぬほどの制裁を加えられたひとし。やっとの思いで逃れるように走り回り目的地の書道教室に到着し、心身の落ち着きを取り戻そうと入るもつかの間、そこにはまた新たな精神への障害が待ち受けていて・・・。

2018-09-20 21:26:25 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:559   閲覧ユーザー数:559

トラウマの事故現場から逃げるように走ってきたひとしはある程度の場所まできて再び自転車にまたがりペダルを手あたり次第漕ぎまくった。どこをどうきたのかそれでもいつのまにか通っている書道教室の前にたどり着いた。

 

外の見慣れた塾の看板の荒川塾教室と書かれた太い文字をみてひとしは安心感を覚える。

心臓はばくばくで少し冷静になってひとしは自分の手や足が小刻みに震えているのに初めて気づいた。死ぬものぐるいで走ってきたせいか他事を気にしている暇や感覚がほとんどなかったのだ。

 

塾の入り口の室内にみえる掛け時計がもう11時10分を過ぎていた。完全に遅刻だ。ひとしはため息をつくように眉間にしわを寄せる。

 

ひとし

「どうしようかなあ~!((+_+))」

 

さやかに会うのは少し抵抗があったが、今はそれより、さっきまで追いつめられるようにびびらされた3年の梶谷先輩の怒っていた顔や暴言の方が生々しく脳裏に焼き付いていて勝っていた。

 

ひとしは決心してその記憶を無視してでもかき消そうと呼吸を整えふらつくように手前の自転車置き場に入ろうとした。が、

 

今日はやけに子供よりも大人の自転車の方が多くて、ひとしの自転車はほぼ定員オーバーで自転車の後ろタイヤが半分の道路に、はみ出し駐車になってしまった。

 

ひとし、「仕方ないか!」と心でつぶやきながら前かごからカバンをとるとかごがちょっとぐらぐらでへこんでいるのがわかった。

 

ひとし

「仕方ないや!((+_+))」と再び魂を吐き捨てるような勢いのため息をはきながら塾の入り口のガラス扉を開き入っていった。

 

教室の前の廊下では、見た事もないたくさんの大人たちがにぎやかにざわついていた。男の人もいたけど、お母さんらしき女の人ばかりだ。知らない子供も数人いる。たぶん新入生歓迎とかで授業の様子をみにきた保護者の方達だなと、外の沢山の自転車の数にも納得して、ひとしはぺこぺこ「すみません!」と道をかきわけて通してもらいながら進んで行く。

 

教室に入ると席はすでに小さな子でいっぱいで、5列目の一番前のはししか空いていなかった。先生のすぐ横で気が散ってあまり座る気にはなれなかったがもう仕方がない!

ひとしはおそるおそる机に向かう!

 

と言っても、荒川先生は別に僕が入ってきたことなど気にもとめていない様子で四角い眼鏡を天井の蛍光灯に反射させながら習字を書いてきた生徒たちの字をみて「ここはもう少し、しっかりと抑えて書こうな!」等、だみ声でいつも通りに相手にしていた。

 

その方が楽だとほっとして机にかばんを置いて安堵感を感じていたひとしだったが、いきなり「あ~、にわとりが来た!」と甲高い声にハッとさせられる。

 

保護者よりもこの教室でしゃべっている子よりもだれよりも大きい声だ!耳が痛い!よりによって後ろの席が美咲だなんて!(>_<)

 

美咲はさやかの妹で今年小学校3年になる。女の子にしちゃ破天荒でしょっちゅう走りまわっておしゃべりでそろばん塾の時はよく先生から注意を受けている生徒だ。しかもぶりっこだ。ひとしにもよくちょっかいを出してくる。おっとりとしたさやかと違ってどちらかといえばひとしには苦手なタイプだ。

(服部なのに、だじゃれにかけて、にわとりとか!(-_-))

 

それに今日はさっきまで歯医者やら、先輩やらでいろいろとハプニングがありすぎて頭の中の思考が追い付かず静かにしてほしい気分だったのに、そうはさせてくれなかった。((+_+))

 

美咲はにやにやして座って、足をぶらぶらしている。真面目に字を書いている様子にはとても見えない!唯一のチャームポイントと言えば、ビー玉のように大きな澄んだ黒い瞳ぐらいだ。ロングな髪のさやかとは対象にヤンチャッぽい肩までのショート髪にかけズボンがひとしには、良く似合ってみえる。何を考えているのかわからないからたちが悪い!

 

はあ~っと軽蔑な視線を向けながらため息をもらすひとし!

でも、教室内を見渡してさやかの姿が見えなかったのはやはり、少しほっとした。

(ひとし、でもひょっとしたら、彼氏である梶谷先輩のハンドボールの試合の応援に行ってるのかもしれない!)

 

また暗い思考に考えがむき出したのを察知してひとしは頭から追い出すように首をふると美咲にあたるようにそれでも後ろの廊下にいる保護者の人達も意識し過ぎてか小声で・・・。

 

ひとし

「なんで美咲が後ろなんだよ!もっとさがれよ!僕が前に座れないだろ!」

 

美咲、いたずらっぽく・・・。

 

美咲

「だってこれ以上、さがれないもん!遅刻してきたにわとりが悪い!身体ねじればはいれるよ!こんなふうに!」

 

美咲は面白がって身体をくねらせてみる!

 

ひとし

「それでもさがんなきゃ座れないよ!美咲とちがって身体大きいし、これだとトイレットペーパーが入る隙間しかないじゃんか!」

 

美咲

「( ̄∇ ̄;)ハハハ・・・。トイレットペーパーって・・・。じゃ、にわとりがトイレットペーパーになればいいじゃん。ていうかトイレで書いてくれば!コケコッコーって変身して・・・。てか、にわとり後ろ寝ぐせたってるよ。トサカみたいに!今ならすぐ変身できるかも!!(^^)!」

 

(ひとし、むきになって・・・。)

 

ひとし

「なれるかそんなの!朝なおす時間がなかっただけだよ!しかもにわとりじゃないし!鳥の羽で筆が持てるかっての!\(`〇´)/」

 

(美咲、からかって・・・。)

 

美咲

「口でくわえて書けばいいじゃん!( ̄▽ ̄)」

 

(いらつくひとし!)

 

ひとし

「くたびれて、あご外れるわ!(#`〇´)」

 

そこにようやく先生がひとしの存在に気づいて・・・。

 

先生

「ひとし!遅れてきて喋ってないで!お手本の紙取りに来て!美咲もふざけとらんと少し後ろにさがりなさい!( ̄д ̄)」

 

生徒たちの習字をみながらもまわりの様子はいつも目を通してみてるのはさすが先生で70才まじかな風格がある。

 

美咲は、「は~い!」と口を膨らませて、しぶしぶ窮屈そうにわずかにうしろにさがったが、それでもぎりぎりで、ひとしはお手本を手に不満そうな顔で仕方なしにそろそろと机の間の隙間に身体を通すように座る。

 

だがいきなり・・・。ガシャーン!

 

背中にふいに痛みがはしり

 

ひとし

「痛あああ~~~!Σ(☆Д☆)」

 

情けない悲鳴が教室中に響いた!

 

美咲がふざけて再び机を前にひきだしたのだ。しかも靴うらもあわせて、背中とおしりのダブルであたっている!

 

美咲

「きゃははは!( ̄▽ ̄)」

 

先生

「美咲!いいかげんにしなさい!(#⊳Д⊲)」

 

笑いをこらえるように黙り込む美咲。すると、先生が怒るかと思いきや急に顔をほころばせて・・・。

 

先生

「かまぼこじゃないんだから!( ̄д ̄)」

 

何を言い出すのか!とひとし

 

ひとし(はい?(-_-))

 

笑みをこぼす美咲

 

美咲(えっ?(゚∀゚))

 

先生

「かまぼこは作る時、身がくずれんように木の板の上に張り付けて焼くやろ!別にひとしはちゃんと骨や筋肉があるんだから、わざわざ後ろから板挟みにせんでもくずれる心配なんかないんやで!(^ω^)」

 

美咲

「(≧▽≦)キャハハ・・・。にわとり丸焼きになっちゃう!から揚げチキンだよ。コケコッコー!」

(ひとし、はずかしそうに・・・。)

 

ひとし

「(うるさいなあ~。(-_-メ)」

 

他の周りにいる子達もこらえるように笑っている。後ろの数人の保護者たちの声も・・・。

(先生、そんな事などお構いなしに話を戻してきて・・・。)

 

先生

「まあ、赤ちゃんの頃はふにゃふにゃで板についとったかも知れんけどな。笑っとる美咲達もそうやて!赤ちゃんの時はみんな骨も柔らかくて歩かれへんかったで板に張り付けられ取ったんや!お母さんに聞いてみ!(^ω^)」

 

美咲、ぶりっ子になって・・・。

 

美咲

「ないわ!そんな事、絶対ない!先生だけだよ、そんなの~!(≧◇≦)」

 

(先生、さらに突っ込んで・・・!)

 

先生

「本当だて!美咲が忘れとるだけやわ!家に帰って押し入れの中よ~く探してごらん。赤ちゃんの時使ってた背骨ようの板が記念にしまってあるかもしれんで!(^ω^)」

 

再び教室中の子達がどっと笑い、保護者の方も笑みを浮かべている!

 

美咲、顔を少しあからめて・・・。

 

美咲

「ないってば、そんなもん。あったらまじ怖いし!(≧◇≦)」

 

そこまで来ると、先生もようやく真顔に戻って・・・。

 

先生

「さあ、もういいからさっさとやりなさい!帰れんぞしゃべってばっかおると!( ̄д ̄)」

 

教室の空気が自然とおさまりを迎える。先生はよく、こうやって教室の雰囲気を和ませようとする。一番多いのが「先生はまだ若いけどチョークの粉がついて頭が白くなってまったんや!(^ω^)」とかそろばんでも、よくみんなを笑わせてくるのだ!

 

「いやだ、やだ(≧◇≦)」と怒られて駄々をこねてる美咲を後ろに、ひとしは、いつのまにかもくもくと硯や筆、お徳用100枚入りの習字紙を取り出して、水の液体で墨汁を薄めていた。お手本の赤字は、「春の桜吹雪!」春らしいといえば春らしいとひとりで納得しながら!炭をつけた筆をゆっくりと紙の上に走らせて行く。

それでも、後ろの席の美咲が嫌がらせのようにイスの裏を両足でぶらぶら叩いてくるのはきになったが・・・。

少したって、習字を見せる生徒たちの列がなくなると先生がふいに思い出したように。

 

先生

「ひとし、それともうひとつこれ大事なお手紙な!きのうおまえそろばん来んかったで、今日も遅れてきて、どうしたのか知らんけど。忘れんうちに渡しとくわ!(・ω・)」

 

ひとし

「(素直に)はい・・・!(-_-)」

 

(先生、そう言ってひとしに一枚封筒を渡すと後ろに行きかけて再び振り向くと)

 

先生

「それから今日は最初から清書でやってな。先生新しい保護者の方達と話しがあって一字ずつ見とれんかもしれんで!まさかこんなに沢山くると思わなんだでな・・・。(^ω^)」

 

先生が皮肉に笑いながらそのまま後ろの生徒たちに個別に字の書き方を教えに席をはずすやいなや、またいたずら心で美咲が後ろから絡んできた!

 

美咲

「にわとり、昨日そろばんずる休みしたの!('ω')」

 

ひとし

「違うよ!ただちょっと気分が乗らなかっただけだよ!体調不良みたいなもんだよ!\(`〇´)/」

 

美咲

「ずる休みだ~、いけないんだあ~。\(^o^)/」

 

(ひとし、いちいちうるさいと思いながら、さやかが頭によぎる。こんな時さやかがいたら妹に注意してすぐにだまらせられるのに・・・。なので話題を変えるように習字の手は休めず美咲に・・・。)

 

ひとし

「そういえば、さやかと一緒じゃないんだ今日は・・・。( ̄д ̄)」

 

美咲、マイペースに・・・。

 

美咲

「お姉ちゃん今日、バレエの発表会だから朝からお母さんと栄に行ってるよ。会えなくて残念でした。にわとりお姉ちゃんの事好きだもんね。(≧▽≦)」

 

ひとし

「聞いただけだよ!やかましいから、美咲も一緒について行って踊ってこりゃよかったのに!(`〇´)」

 

美咲

「美咲は発表会まだだいぶ先だもん!ついて行こうかと思ったけど、昨日夕方まで一緒にバレエ教室のリハーサルに付き合って疲れちゃったもん。だから昨日そろばんきてもお姉ちゃん誘拐できなかったから、にわとりずる休みしてよかったねって!」

 

ひとし

「なんで僕が誘拐なんかするんだよ!好きとか勝手に決めつけて!面白がるなよ!\(`〇´)/」

 

美咲、からかうように・・・。

 

美咲

「なんで~。だってこの間、お姉ちゃん連れまわして誘拐しようとしてたじゃん!美咲も一緒に!\(^o^)/」

 

ひとし

「勝手についてきたんだろ!面白がって!僕は買い物行って家帰るだけだったのに、どこからきたかわからんとか途中で言い出してふざけて結局自分らで帰ってったんじゃんか!\(`〇´)/」

 

美咲、ひとしの言葉なんかまるで無視して後ろで字を書いてる少女に・・・。

 

美咲

「この人、こないだお姉ちゃん誘拐したんだよ!好きだからって家まで連れまわして!( ̄▽ ̄)」

 

話しかけられた少女はうっすらとひにくわらいを浮かべている。

 

ひとし

「だからしてないって!えっ!(゜o゜)」

 

いつのまにか、ひとしの横に眼鏡の小柄な少年が書いてる字を冷めて視線で眺めていた。

 

(ひとし、少し、たじたじして・・・。)

 

ひとし

「な、何かな!Σ(;^ω^)」

 

(美咲、それに気づいて、すでに知り合いらしく・・・。)

 

美咲

「その子、あんましゃべんないよ!美咲と同じ町内に引っ越してきたばかりだから。同じクラスだけど!なんか学校嫌いで来れないみたい!('ω')」

 

ひとし

「不登校なの!じゃ習字には来るんだこれから!(-_-)」

 

美咲、得意なおしゃべりで両足のぶらぶらはやめずに筆を硯に浸して・・・。

 

美咲

「まだ、入るか分かんないし、この子のお母さんも来てたけどすぐに帰っちゃった・・・!美咲のお母さんと同じ仕事場のパートだからどこか良い塾紹介してって!お母さんここ教えたの!離婚してお父さんいないから忙しいんだって!あと中一のお兄ちゃんがいるみたいだけどお父さんと近くに住んでるみたい。お姉ちゃんと同じ学校だって!(^_^)」

 

ひとし、ぺらぺらとおしゃべりな美咲の話しと横にいる眼鏡の子の視線の交互でどこかやりにくそうに筆を動かしながら!

 

ひとし

「昨日始業式だったけど、会ってないなあ~。その前に名前知らないし!離婚してるなら苗字違うよね!( ̄д ̄)」

 

美咲

「わっかんない!けど、にわとりみたいな不細工なんかよりかっこよかったらたぶん、お姉ちゃんとられちゃうかもね!\(^o^)/」

 

ひとし

「なんかよりってなんだよいちいち!!\(`〇´)/かっこよくたって性格悪かったら意味ないだろ!てか、その前にさやかって梶谷ってやつが好きなんでしょ!同じ近所ついでに聞くけど、って言っても美咲は知らないか、そんな人!( ̄д ̄)」

咲、わりとすぐ、すんなりと・・・。

 

美咲

「知ってるよ。同じマンションだもん!髪の毛茶色に染めてる人でしょ!(#^^#)」

 

(ひとし、ああ染めてたね、ヤンキーみたいに凶暴だったし!(-_-))

 

美咲

「なんでいきなり梶谷君の話しが出てくるの!(・ω・)」

 

ひとし、どこか皮肉まじりな声で・・・。

 

ひとし

「別に!昨日、朝校庭でさやかと仲良さげに話してるの見たからつき合ってるのかなあ~~って!(-_-)」

 

(なかなか字がきれいにまとまらず次々と新しい紙にかえて筆を走らせて行くひとし。)

 

美咲

「美咲はよくわかんないけど、仲はすっごくいいよ、お姉ちゃんが小学校の時から同じ分断で一緒に登校もしてたから!それとめっちゃかっこいいし。バスケ部の部長とかもしてたって!('ω')」

 

(ひとし、今はハンドボールの部長とかしてるみたいだけど、やっぱり荒れ系のスポーツマンなのかな!(-_-;))

ひとしはなんだか面白くろくなくて嫌味混じり言葉が頭にどんどんあふれてくる・・・。

 

ひとし

「そうなんだ?でもあの人怒ると怖くない!ヤンキーっぽいし、めっちゃぐれてる感じがするから!(`〇´)」

 

美咲

「そんな事ないよ!お姉ちゃんに怒ってるとこ見た事ないもん、美咲にも!(*´ω`*)」

 

(ひとし、そりゃ女の子にいきなりはキレないだろう!(-_-メ))

 

美咲の言い方にさらに不満を感じて・・・。

 

ひとし

「けど、やばいよ。髪なんか染めて!頭いかれてるよ絶対!( ̄д ̄)」

 

美咲、急にいたずらっぱくにやついて・・・。

 

美咲

「ああ~、言ったろ~!梶谷君に美咲の塾にいるにわとりが頭のいかれた不良だって馬鹿にしてたって、そう言っとくわ!\(^o^)/」

 

(ひとし、ハッと言いすぎたと思い動揺を隠すようにむきになって・・・。)

 

ひとし

「いいよ、よけいな事言わなくて、誤解されたら、僕が殴られるだろ。学校行けなくなったらどうすんだよ!実際さっきも殺されそうになったし!\(`〇´)/」

 

また、字が上手くかけなくていらいらして紙を丸めるひとし・・・。

 

美咲

「へえ~、そうだったの?なんで!(゚∀゚)」

 

面白がる美咲!

 

ひとし

「自転車ぶつかったんだよ、向こうもスマホでよそ見して悪いくせに、変ないんねんつけてきてさ!野獣みたいな顔して!逃げなかったら死ぬ所だったよまじで!(#`〇´)」

 

美咲

「にわとり自転車ごとコケたの~!コケ~って走って逃げてきて!だっさ~~~!\(^o^)/」

 

ひとし

「うるさいよ!とにかく余計なこと言わなくていいから、くちチャックしとけよ!(#`〇´)」

 

美咲

「どうしよっかな~。あ~、でもお姉ちゃんの顔みたら言っちゃいそう。にわとりがお姉ちゃんの事好きで、家までついてきて梶谷君にぼこぼこにされてたよって!( ̄▽ ̄)」

 

ひとし

「ぜんぜん話しが違うじゃんか!完全に僕が悪者になってるし。ストーカーじゃないぞ僕は!\(`〇´)/」

 

美咲

「んふふ・・!じゃあこれは!今日お姉ちゃん来てなくて、にわとりさびしそうにしてバレエ一緒に踊りたがってたって・・・!(*´ω`*)」

 

ひとし、(それもぜんぜん違うけど!だいちバレエと聞いてもあまり興味ないからぴんとこないし、習っているのは聞いてたけど。でも、くつでつま先立ちを見せてくれた時はちょっと感動したな!(-_-))

 

ひとし

「まあ・・・。それなら別にしゃべってもいいかな!じゃっかん違和感あるけど!(-_-)」

 

と、突然ひとしの首筋にひやりとした感触がして手元がくるい字がゆがんでしまう。

 

ひとし

「ひやあああ~~~!Σ(゚Д゚)」

 

情けない裏返った声が教室中に響き渡った。

 

そして反射的に机も傾き墨汁を薄める水をこぼして用紙をおさえる文鎮もおとしてしまい床でキーンと鈍い金属音が走った。

 

ざわざわしてた教室内や廊下が一瞬完全に静まり返る

 

美咲

「(\(^o^)/ニャハハ、そんな事言わないよ~~~だ!」

 

おかまいなしにからかってはしゃぐ美咲!

 

(ひとし、不機嫌顔で怒って!)

 

ひとし

「ああ~も~、何してんだよ~~~!(#`〇´)字がいがんじゃったじゃんか~!首にすみなんかつけるなよ~。お前も頭おかしんじゃないのか!本当に~!」

 

美咲

「きゃはは(≧▽≦)、やっぱり梶谷君にボロクソ言ってたって言よ~~~!」

 

その時いきなり後方から爆弾が落ちるような怒った先生の大声が・・・。

 

先生

「やっかましい~って、さっきからお前たちは~~~!(#⊳Д⊲)くっだらない事、ベラベラ、ベラベラといっっまでも!手も動かさんと!美咲はふざけてばっかでぜんぜん書いとらんし!ひとしも中二で一番お兄さんなのに一緒になって騒いどってどうするの!他の小さい子たちの方がおとなしいでしょ!」

 

(不意をつかれて教室中も一瞬びくついて書いてた字が歪んじゃった子も何人かいた・・・。)

 

ひとし

「(僕は手は動かしていたけど・・・。巻き込まれた。(-_-)」

 

何気にひとしが隣りで書いてる子をチラ見すると習字紙に落書きして下に隠しているのが見えたがひとしたちを意識して見てる先生の目には入らない。

 

(ひとし、席を立って床にこぼれた水しぶきを前にあったバケツの雑巾でもくもくとふきだし。先生がこっちにせまってくるのと同時に眼鏡の少年も何気に空気を読んだように後ろの廊下の保護者達の方に戻っていった。)

 

(美咲、怖い顔で睨んで近づいてくる先生に、得意のぶりっ子で足ぶらぶらと弁解するように・・・。)

 

美咲

「違うよ、だって、美咲はあと名前だけだったのに、にわとりが変な事言って笑わしてくるから間違えちゃったんだよ。(´;ω;`)」

 

ひとし

「(僕のせいかよ!(-_-メ)」

 

先生、もう聞く耳持たない感じでさらに雷のような大声で・・・!

 

先生

「だっても、ヘチマもあるか!(#⊳Д⊲)ほか事しゃべって、脳みそよそに散歩に行っちゃっとるからそうなるの!集中して書いとればそんなもん間違えせんて!」

 

(美咲、面白がってまたぶりっこに・・・。)

 

美咲

「ちがう~!(≧◇≦)のうみそだけで勝手に歩けないよ~!」

 

先生

「いいから、無駄口叩いとらんと次の紙だして早くやりなさいって事、美咲は!もう12時過ぎとるだろ針が!明日の朝まで残ってやってくか先生と!(⊳Д⊲)」

 

美咲

「いやあああ~~~、魔法の城のサニーが始まっちゃう!(≧◇≦)」

 

(先生またもやいたずらの声色に変わって・・・。)

 

先生

「ええて!そんなものは!魔法のほうきに乗って、先生が替わりに美咲の家に行って最後まで観といたるで!(⊳Д⊲)」

 

(美咲、駄々っ子で甲高い声でさけんで・・・。)

 

美咲

「いやだあ~、そんなの!自分で観なきゃ続きわかんないじゃん!(≧◇≦)」

 

(先生、さらにからかうように・・・。)

 

先生

「ついでに美咲の分のご飯とおやつも全部食べてったるでな!お母さんにも伝えとくで、美咲は今日から先生んちの子になるから塾で必死で勉強しますってそう言ってましたって!なんならいっそのこと結婚するか先生と!(*´ω`*)」

 

(美咲、必死に笑ってるのか動揺してるのか机をバンバンして・・・。)

 

美咲

「な~~んで!なんでそうなるの!絶対嫌だし!なんで美咲が白髪の生えたお爺さんなんかと結婚しなきゃなんないの~!\(≧◇≦)/」

 

(先生、吹き出しそうに眼鏡の奥の目が笑って・・・。)

 

先生

「失礼な事言うやっちゃなあ~お前も、先生まだ28歳だて、\(◎o◎)/!チョークの粉が飛んで髪が白く見えとるだけ!気づかんかった?」

 

美咲を含め、教室中が爆笑に近い渦に、他の子たちも口々に大声で「風呂入って頭洗わんの~、( ̄▽ ̄)」「いやあだあああ~(≧◇≦)」「ありえんし~!(≧▽≦)」繰り返しさけび出し・・・。

 

先生・・・もついに完全に爆発してありったけの大声で・・・。

 

先生

「やかましいいいいいいいい~~~~~~~~い!(#⊳Д⊲)」

 

最後まで御茶の葉をにごして習字が終わった。


 
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