No.966295

PokemonSM CosmosEpic35:激しい戦いの果てに

フウイさん

このあたりの展開、ウルトラでもすごいシーンだったなぁ。

2018-09-06 16:38:15 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:662   閲覧ユーザー数:662

 

 

 

コスモッグの力によってウルトラホールが開いたのは、エーテルパラダイスの内部だけではない。

アローラの4つの島すべてに、ウルトラホールが開いていた。

 

「・・・妙な予感がして、外にでてみれば・・・」

 

しまキングのハラが、その異変に気づきマハロ山道に現れると、空には大きな穴があいていた。

そこから現れたのは、赤く膨張した筋肉の体を持ち、細長い口を持った何者かだった。

 

「・・・珍しい客、ですな・・・!」

 

それはウルトラホールから現れた、ウルトラビーストだった。

ウルトラビーストの姿を見たハラは眉をつり上げつつボールを手に取り戦おうとしたそのとき、稲妻ととともにメレメレ島の守り神であるカプ・コケコが現れた。

カプ・コケコは吼えるような鳴き声とともに殻の中から姿を現し、戦う体制に入りながら目の前にいるウルトラビーストを見つめた。

 

「・・・守り神のしての使命か・・・はたまた、ただ戦いたいだけか・・・。

他の島でもおそらくは、同じように戦おうとしているもよう・・・」

 

空には守り神の存在を示しているように、光が移動していた。

メレメレ島の人々やポケモンたちのために、万が一に備えてくれという短いメッセージをキャプテンに告げて、ハラはカプ・コケコとともにそのウルトラビーストと向かい合う。

 

「・・・しまキングとして、このハラもお力添えしますぞ!」

「クァッコォォォオ!!」

 

カプ・コケコはそれにたいしうなずくと、ウルトラビーストと戦い始めた。

 

「・・・!」

 

そのころ、自分に襲いかかってきたエーテル職員を相手に戦っていたツキトは何かに感づき、顔つきを厳しくさせていた。

そばにいたポケモンたちも、落ち着きがない。

 

「いやな空気を感じるぜ・・・。

なにかが起きようとしているのか・・・?」

「ツキト!」

「セイル!」

 

異変に気づき動き出したツキトの前にセイルが現れた

 

「ちょうどよかったぜ、今お前達のところに向かおうとしていたんだ。

いやな予感がしてな・・・」

「ああ、お前のそのいやな予感は的中している」

「えっ・・・」

 

セイルはエーテルパラダイスで戦っていたときのことをツキトに打ち明ける。

上空が暗くなり風の動きも怪しくなったと思ったら、島々の空に大きな穴が開いたという話。

それはアローラに古くから伝わるウルトラホールであり、今そこからウルトラビーストが現れているということ。

話でしか聞いたことがないツキトは、その話が真実であり現実になっていることを知り、焦りを感じる。

 

「・・・そんな・・・話を聞くだけでもヤバイやつらだと感じてたのに・・・出てくるなんて!」

「・・・おそらく、守り神とともに・・・しまキングやキャプテンが動いているだろうな・・・」

「・・・姉ちゃん・・・!」

 

今故郷のアーカラ島でなにが起きているのかを悟り、ツキトは今守り神とともにウルトラビーストを相手に戦っているであろう姉の身を案じた。

セイルもまた、ハラに協力しているであろう親友を心配している。

 

 

「うふふふふふっ・・・・このモニターをご覧なさい・・・今アローラの各地に、ビーストちゃん達が現れているわ・・・。

ほら、メレメレ島にも、アーカラ島にも、ウラウラ島にも!

ポニ島も、例外じゃない!」

「・・・アローラが・・・」

 

各地の様子をモニター越しにみていたルザミーネは満足げに笑みを浮かべている。

逆にヨウカ達はこの状況に危機感を感じている。

 

「ピィィイユゥウゥゥウ・・・」

 

かすかにだが、コスモッグの鳴き声がケージが漏れている。

その声は弱々しいもので、いつもの明るい性格は感じられない。

そんなコスモッグに対し、ルザミーネは怒鳴りながらそのケージを蹴り飛ばし壁にたたきつける。

 

「あぁもう、コスモッグはうるさいわね!

ワタクシが興味があるのはあなたの能力だけだという、のに!」

「ほしぐもちゃん!」

 

リーリエはそう叫ぶが、それ以降コスモッグの声はケージからしなくなってしまった。

そこから悪い方向に連想が進み、リーリエの表情は絶望の色に染まる。

 

「・・・けど、その能力は大いに役立ったわ・・・。

研究所に残っていた残り香のガスだけでも、効果があったからもしかしてとは思っていたけど・・・。

本物の力を最大に使えば、こーんなにすごいことができちゃうのよね!」

 

高笑いするルザミーネの後ろでは、ゼリー状の身体を持つポケモンがゆらゆらと揺れていた。

 

「じぇるるっぷ・・・」

「あぁ・・・心配しなくていいわ・・・ビーストちゃん・・・今、このアローラにはたくさんのお友達がいるのよ・・・。

ワタクシと一緒に・・・いきましょう?」

「じぇるるるっぷ・・・」

「ッだめだ・・・!?」

 

そのウルトラビーストに手を伸ばそうとするルザミーネを止めようとしたとき、アリアドスが出てきてその行く手を阻んだ。

 

「作戦は成功したな、代表!」

「グズマッ!?」

 

そこに現れたのはグズマだった。

予想していなかった人物の登場に誰もが驚くが、グズマはそんな彼らのリアクションなど気にせず、狂った笑い声をあげ続けた。

 

「ウルトラビーストがここに現れて・・・このまま、こいつらもぶっ壊していいんだよな!?」

「・・・そうね、もう用済みだもの。

グズマ、そこに集まっている子供達を始末してちょうだい」

「おうよっ!」

 

グズマはヌケニンを出してシャドーボールで攻撃したが、それはグラジオのすべてのポケモンが放ったによって相殺された。

 

「グラジオくん・・・!?」

「俺が、そいつを止める!

ビーストキラーとして生まれた存在、それがヌルだからだ!」

「グゥゥゥ・・・!」

「ゴルバット、ニューラ、リオル、ブラッキーはヌルをサポートするんだ!」

 

グラジオの指示にポケモン達は従い、鳴き声をあげて答えた。

 

「ハウはグズマを、ヨウカは代表を止めろ!」

「わかった!」

「お、おーらい!」

 

ハウは急にふられたので驚くがそう返事をすると、ライライを出してグズマと向かい合う。

グズマはハウの顔を見てにやりと笑い、ヨウカもボールからポケモンを出すとルザミーネと向かい合う。

 

「子供のくせに、大人に逆らうなんて・・・醜いわよ」

「たとえなにを言われても、あたしはあなたに挑みます!」

「・・・いいでしょう・・・あなた自身の醜さを、その身に知らしめてあげます!」

 

そう言ってルザミーネもまた、ポケモンを出してきた。

 

 

「ピクシー、ムーンフォース!」

「カリちゃん、リーフブレードで切り捨てて!

ミミちゃんはキテルグマにじゃれつく攻撃!」

「ドレディア、はなびらのまい!」

 

ヨウカとルザミーネ、双方のポケモン達がトレーナーの指示に従って戦い始める。

ミミちゃんとムウマージのシャドーボールが衝突し大爆発を起こし、そこにキテルグマが突撃をしかけてくるが、それはタツくんがつばめがえしで迎え撃った。

 

「あなた・・・どこまでもワタクシにたてつくのね・・・なんでこんなことをするんです?」

「あなたに母親である資格がないから、戦うんだ!」

「はぁ?」

 

ルザミーネはヨウカを蔑みの意味を込めて見下すが、ヨウカは怯まず訴える。

 

「今のあなたには、リーリエちゃんやグラジオくんだけじゃなく・・・全部のポケモンの母親である資格なんかない!

あんなことを平気で言うなんて・・・あなたこそ醜くて美しさがないよ!」

「生意気を言うんじゃないわよ!

ムウマージ、サイコキネシス!」

 

ムウマージのサイコキネシスが、タツくんとサンくんの動きを同時に止めてそのままふっとばす。

さらにミロカロスのうずしおがニャーくんの動きを封じると同時にダメージを与える。

 

「ホンット・・・アナタの母親はいったい、どんな教育をしたのかしら?」

「あたしのお母さんは少なくとも、あなたよりずっと・・・美しい心の持ち主だよ!

お母さんがあたしを思ってくれて、愛してくれるからこそ・・・あたしは自分の意志のままに動いて、冒険もできるんだ!

あなたみたいに自分の言うとおりにしようだなんて絶対にしない・・・そんな人が親だからあたしは、その人をお母さんって呼べるんだよ!

それが・・・あたし達の家族愛ってものだっ!」

 

自分の母親への思い、その全てを叫んだヨウカはここで勝負を終わらせようとZワザを放つ体制に入る。

 

「ニャーくん、いくよ!」

「グァァオッ!」

 

ヨウカは素早くZワザの動きに入り、ニャーくんの力を与えた。

 

「これは・・・」

「あたしと、ポケモン達のゼンリョク!

このZワザにすべてかける!」

 

その声とともに動き、ニャーくんは自分にしか出せないZワザを繰り出す。

 

「ハイパーダーク・クラッシャーッ!」

 

リングの上から最大の破壊力を込めて打ち込むそのZワザは、ガオガエンにしか出せないものだった。

実はヨウカは、ククイ博士からガオガエンZというZクリスタルを、ニャーくんがニャビーだった頃にもらっていたのだ。

ガオガエンに進化したら使ってくれと言われて。

 

「どうだっ!」

「グァァァオォォオォッ!!」

 

その一撃はルザミーネのポケモン全員に響きわたり、一気に戦闘不能にした。

 

「・・・クッ!」

 

ルザミーネは怒りに任せて地面を蹴りハイヒールを高くならした。

 

 

ハウはグラジオに言われたとおり、グズマを相手に戦っていた。

その中でハウはグズマにたいし抱いていた違和感のようなものの正体に気づく。

 

「今思い出したよー・・・グズマさん・・・じーちゃんのとこにいたでしょ」

「ハンッ・・・やっぱりてめぇは、しまキングの孫か!

てめぇもさんざんだよな、あんなやつの孫に生まれて比べられて、孫なんて言われてよぉ!」

「・・・しまキングの孫でも、いいよ!」

 

今まで言われていたことを聞いてもハウは怯んだり臆したりせず、グズマにたいし大きな声で言った。

 

「おれはもう、じーちゃんのスゴさにびびったり、違いをいいわけになんかしないって決めたんだ!

おれは自分で、強くなる意味と理由を決めたんだよー!」

「・・・甘ったれ坊主が、ふざけた戯れ言をいうんじゃねーよっ!

グソクムシャ、シェルブレード!」

「ライライ、かわしてかみなりーっ!」

 

ハウはグズマに一歩も引かず、ポケモンとともに戦い続けた。

そしてグラジオも、ウルトラビーストの攻撃を阻止しつつ攻撃を試みるが、ウツロイドはつかみ所のない動きで回避しつつ攻撃を仕掛けてくる。

 

「ジェルゥゥゥゥゥウッ!」

「ーっ!」

 

そのウルトラビーストが放った技が、ゴルバット達に大ダメージを与え動きを鈍らせる。

そこでウルトラビーストは今までより強い力で、今度はグラジオ自身を攻撃しようとした。

 

「なっ・・・!?」

「ガァゥゥゥ!!」

 

そのウルトラビーストが放った技がグラジオに命中する直前、タイプ:ヌルがグラジオの前にでてその攻撃からグラジオを守った。

だがそれにより、タイプ:ヌルは致命的なダメージを受けてしまい、倒れてしまった。

仮面にはさらに大きなヒビが入っている。

 

「あっ!?」

「・・・ッ!」

「ヌルーッ!」

 

グラジオは迷わずタイプ:ヌルにかけよりその身体にふれ、そのダメージの大きさを知る。

自分が未熟だった、と悔しげな顔をする横でそのポケモンは力を振り絞り立ち上がろうとする。

 

「・・・ヌル・・・?」

「グォォォォォオ!!」

 

痛みをこらえて立ち上がったそのときタイプ:ヌルの身体が光り輝き、灰色の体毛が白銀に変わっていった。

同時に、仮面にさらにひびが入っていき、それは音を立てて割れていった。

 

「・・・!」

「これって・・・どういうこと・・・?」

「なんで・・・すって・・・」

 

仮面の下から現れた銀色の体毛を持つポケモンに、全員驚いていた。

美しいとさかに大きな口、体毛と同じ銀色の瞳を持つポケモンがそこに現れた。

 

「・・・仮面が・・・装甲が・・・はずれた・・・」

「ウォォォォオォオオッ!」

 

ずっと守っていたポケモンが本当の姿を見せ、真の力を解放した姿にグラジオは見とれていた。

そのポケモンはグラジオをみて頷くと、ウルトラビーストに向かい合い、その身体に力をこめてその鋭い爪でウルトラビーストを攻撃した。

 

「ガァァァ!!」

 

その一撃を受けたウルトラビーストは、一気に戦闘不能直前まで追いつめられた。

 

「・・・ヌル、だよ・・・な?」

「グゥゥゥ」

 

そしてそのポケモンは、グラジオにすり寄ってきた。

ようやく見えた本当の姿に、グラジオは静かに微笑みかけるのだった。

 

 

ヌルだったポケモンの一撃を受けたウルトラビーストは、この世界に怖じ気ついたかのように、ウルトラホールの中に消えようとしていた。

 

「あぁぁ・・・ビーストちゃんが、消えちゃう・・・!」

 

ヌルだったポケモンの技がきまりウルトラホールの中に消えていこうとしたウルトラビーストをみて、ルザミーネはあわて出す。

彼女のポケモン達は全員ヨウカによって戦闘不能、グズマもハウに止められ、ウルトラビーストはグラジオによってここから消えようとする。

 

「なんで邪魔するのよぉぉぉ!!

ワタクシはあの子が、ビーストが、ウツロイドが!

欲しいだけなの、邪魔をしないで!!!

あなた達は必要じゃないのです!」

「か・・・あさま・・・!」

 

ヒステリックに叫ぶルザミーネに、リーリエも戸惑ってしまった。

彼女達に激しく怒りをぶちまけ、叫んだルザミーネははぁはぁと荒い呼吸をして肩を上下させてから振り返り、ウルトラホールを見つめた。

 

「こうしちゃあいられないわ・・・ウツロイドとともに、あそこにいかなくちゃ・・・」

「そんなっ・・・ダメッ!」

「とめんじゃないわよっ!」

 

ウルトラホールに向かおうとする母を止めようとするリーリエだったが、ルザミーネはそれを冷たくあしらい、リーリエを突き飛ばす。

 

「きゃぁ!」

「リーリエ!」

 

ハウがリーリエを受け止めると、ウルトラホールの前にたったルザミーネは今度はグズマに向かって叫ぶ。

 

「さぁグズマ、なにをちんたらしてるの!

あなたもついてらっしゃい、ウツロイドをワタクシのものにするために!

あのボールの力を、ここで使うのよ!」

「お・・・おう・・・!」

 

グズマも流石に戸惑っていたようだが、ルザミーネに従い彼女とともにウルトラホールに足を踏み入れた。

徐々に消えていくルザミーネは不気味なほほえみを浮かべながら、彼女達に対しゆったりと手を振る。

二人の姿が完全に見えなくなったとき、その部屋全体が大きくふるえた。

 

「ヨウカッ!」

「わっ」

「リーリエッ!」

「きゃ」

 

グラジオはヨウカを、ハウはリーリエを庇うように動き、衝撃に備えた。

一瞬の衝撃波のあと、そこには静寂が訪れてから、全員は顔を上げた。

 

「・・・いなく、なっちゃったー・・・グズマもルザミーネさんもー・・・」

「・・・」

「リーリエー?」

 

リーリエはゆっくり動き出し、コスモッグが閉じこめられていたケージに手をかける。

 

「・・・ほしぐもちゃん・・・元気、です・・・か・・・」

「・・・どうした?」

 

だが、ケージを開けたリーリエは無表情になった。

そんな妹の様子が気になったグラジオが同じようにケージをのぞき込むと、そこにはコスモッグに似てはいるが違うポケモンがいた。

そのポケモンはエスパーの力で浮遊しており、さわるとかすかに暖かいことから、死んではいないようだ。

 

「どーゆーことー・・・?」

「わかりません・・・ほしぐもちゃんに、なにが起きているのでしょう・・・?

ほしぐもちゃん、全然動かないです・・・」

「どうすればいいのかなぁ・・・?」

「・・・」

 

グラジオは周囲をみて、眉間にしわを寄せつつ背を向ける。

 

「・・・とりあえず、今はここをでよう。

ここは・・・好きになれん・・・」

「・・・そ、そうだね」

「うんー・・・」

「はい・・・」

 

4人は主のいない部屋を、出て行った。

動かないコスモッグとともに。

 


 
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