No.963957

XFA-02c[Scavenger Corvus]

主任さん

CC213年1月、EXプロジェクトにより各地に配給されたEXUユニットがその汎用性でもって徐々に戦果を上げつつある中、前線基地ではある奇妙な事態が発生していた。戦闘前の偵察によって想定される敵戦力と実際に交戦した敵性FAの数に大きな差が生じていたのである。当初は長引く消耗戦によって兵士達の疲労が蓄積し、情報精度が低下している為であると考えられていた。しかし、この現象と酷似した事例を“XFA-01 ウェアウルフ・スペクター”の出現において経験していた防衛機構は事態を軽視する事は出来ず、調査隊を編成し真相究明に乗り出した。事例が発生した地域の中でも特に戦力差が激しかった西アジア戦線に赴いた調査隊は、戦闘終了から次の敵侵攻までの間で交戦地点の監視を行っていた。すると、敵侵攻の予測時間が迫り撤収作業を開始しようとしていた52時間後の明け方、監視班からステルス装備型アント接近の報告が上がった。付近の前線基地・戦闘部隊との協力の元、そのアントの動向を戦闘終了まで記録していた調査隊は今回の事件の真相を知る事となる。
確認されたアント(以後、ベーリングと呼称)には武装が一切無く、代わりにフレームアーキテクトの核となるT結晶炉が格納されていた。ベーリングは戦闘開始前に交戦予測地に放置されているフレームアーキテクトの残骸に向かい、T結晶と自身のパーツを使い修理を行っていたのだ。修理されたフレームアーキテクトは戦闘で負傷したFAが一定数以上になると再起動し、敵味方関係なくパーツを寄せ集め即席のFAとして戦闘を開始する。これが戦力差が生じる仕組みであった。
報告を受けた防衛機構は激戦区の監視強化やフォーメーションの組み直しなど、幾つかの対策を講じたがその全てが根本的な解決とは至らなかった。降下艇から無尽蔵に生産されるベーリングと日に日に戦場に蓄積されていくFAの残骸。最早、月面にあるプラントを停止させT結晶炉の生産を止める以外手段は残されていなかった。後に“XFA-02 スカヴェンジャー”と命名されたこの機体の存在は“NSG-X1 フレズヴェルク”の出現と同様に反攻作戦の嚆矢となったのだった。
XFA-02はその特性上、外見や装備が同一となる事はありえない。また、機体の再起動が後年になるほどその性能は増していく。本項に記録する機体が確認されたのはCC213年12月という反攻作戦後であった為に、戦力の殆どを宇宙に上げた地上部隊にとっては荷が重い相手であった。機体は南米戦線サンタクルス基地に現れ甚大な被害をもたらした後、同地域にある補給基地を襲撃し“SX-25 カトラス”の予備パーツを奪取。帰還した降下艇基地にて改修とリペイントを施された本機は、非常に高い運動性能を有する機体へと調整された。その性能から専用の識別番号“02c”と名称“Corvus”が与えられ、後に幾度も防衛機構基地を強襲し地上部隊の大きな障害となっていく。

2018-08-17 16:29:36 投稿 / 768×1024ピクセル

 
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