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SAO~黒を冠する戦士たち~ 英雄外伝 第29話 晴れぬ想い、そして、事実を知った時に

グルメ96さん

どうも、グルメです。

最近暑いですね、皆さんも夏バテ、熱中症にはご注意ください。
GGOのアニメも無事終わり、アリシゼーション編のPVも出て興奮している中、最近になって恋姫無双の新作が7月中に出ることに衝撃を受けています。しかも’呉’ときました。今から軍資金を集めて準備しなければ………

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2018-07-17 10:10:24 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1101   閲覧ユーザー数:1061

 

 

第29話 晴れぬ想い、そして、事実を知った時に………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………(ポスッ)。」

 

栗色の髪の少女がクッションを抱きしめ、座っているソファーに横になるように倒れた、血盟騎士団副団長のアスナである。いや、正確には’元’副団長と言えばいいだろうか、何故なら彼女はもう血盟騎士団の役を終えており晴れて自由の身となっているのだ。どういった経緯で副団長の役を降りたか割愛させて頂くとして、彼女は55層グランザムにあるKoB本部の応接室である人物の帰りを待っていた。

 

「(大丈夫かな…キリト君。)」

 

心の中でそう呟くアスナ、ここでも割愛するが色々あって黒の魔剣士ことキリトは血盟騎士団の訓練に参加しており、彼女はその帰りを待っているのだった。この訓練が終わればこのギルドに関わる事はもうない、大切な想い人‘キリト君’とコンビを組み、楽しい日々が待っている……というはずなのにアスナはどうもうかない顔をしており、ギュッとクッションを抱きしめた。

 

「(キリト君は‘’心配するな‘’って言っていたけど………なんだろう、このモヤモヤした気持ち……。」

 

アスナのモヤモヤ感は朝起きた時からずっと続いており、それは次第にキリトの訓練の時間が近づくに連れて大きくなった。そして、キリトを見送る時に一瞬、こんな言葉がアスナの頭によぎった。

 

『行ってはダメ!!』と……。

 

あれはいったい何だったのだろうか…ただ離れたくないから?

それとも本当に危ないから、もう会えなくなるから…こんな事を思ったのだろうか?

 

「(うぅ~、今からでも後をつけてみようかしら…でもでも、今動いたらキリト君を信用してない事になるし、それにこのことがキリト君に知られたら………私、どうしたら…。)」

 

このモヤモヤした気持ちを晴らす為に動くか、それともキリトを信じてここで待つか。彼女は悩んでいた、どちらが最善な方法かと…………そんな時、

 

―――ゴンゴン。

 

誰かが部屋をノックする音が聞こえた。

 

「(誰かしら………あっ。)」

 

自分の今の態勢を思い出し、素早く起き上がって座り直すと手に持っていたクッションを元の位置に戻して、それからノックした人物に声をかけた。

 

「はい、どうぞ。」

 

アスナがそう言うとゆっくりとドアが開かれた、ドアの前に立っていたのは、

 

「ど~も、アスナさん。」

 

ドアの前に立っていたのはアスベルだった、いつものようにのほほんとした顔でそこに立っていたのだった。

 

「あら、アスベルさん。どうかしたのですか?」

 

「いえいえ、その……。」

 

アスナが尋ねるとどこかモジモジしたような、言いにくそうな様子を見せるもすぐに右手のお盆に乗せているポットとマグカップを見せて、

 

「久しぶりにお茶でもどうです?」

 

 

 

 

 

「はい、どうぞ。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

アスベルが入れた紅茶のティーカップを受け取った。少しでもこのモヤモヤした気持ちを落ち着かせようと思い、アスベルと一緒にお茶を取ることにしたアスナ。お互い紅茶を一口飲んでから口をひらいたのはアスベルだった。

 

「それにしても、こうして二人でお茶をするのも随分、久しぶりですね~ それも、今日で最後となると何だか寂しくなりますね。」

 

「ええ…そうね。」

 

とても寂しそうに聞こえない、のんびりした口調で話すも、どこかうわのそらな感じで相づちをうつアスナ。だが改めて思えばアスベルとは同時期にKoBに入ったなと思い返すのだった。

KoBというギルドがまだ小さかった頃、たまにだがアスベルに誘われて二人でお茶をすることがあった。他のプレイヤーから誘われる事はあったが、結局は最後の方で「付き合ってください。」や結婚の申し込みという下心ありありの落ちがついてくるのだがアスベルだけは違った。話す内容はいつも何気ない日常やクエストについて、結婚の申し込みに持っていかせるような会話や雰囲気作りもなく、歳も近かったこともあり会話が弾むことも多かった。やがてギルドが大きくなり、副団長の立場に立ってから多忙の日々が続いてお茶をすることも誘われることも無くなったが、同期で馴染み深いこともあり、また、アスベル本人も‘副団長アスナ‘ではなく、’アスナ本人’として見て接してくれるためアスナにとってギルドでは数少ない信頼できる人物となっていた。

 

「(そういえば、私が副団長を務め始めた時にはもう、こんな感じだったわよね………)」

 

昔はもっとテキパキした言動が目立っていたのに今では大分スローな感じになっていた。

 

「(何か変わるようなことでもあったのかしら?)」

 

と、そんなことをふと思ったが、やはり直ぐに、

 

「(キリト君、大丈夫かな…)」

 

ふとキリト君のことを考えてしまうのだった。そして、無意識に悩んでいる顔が出ていたのか、

 

「何か、悩み事でもあるのですか?」

 

アスベルに問われ、ハッとしたアスナは顔を戻して

 

「な、なんでもありませんわ。」

 

そう言って紛らわすため紅茶を飲むのだった。何か変にお嬢様口調だったようなと思いながら。

 

「………………。」

 

ジィーとアスナの顔を見るアスベル。そして、「あっ」と言いたそうな、何かひらめいた顔をして

 

「もしかして、キリトさんの事を心配しているのですか?」

 

核心をつかれて紅茶を飲む手が止まるアスナ、ここで話すべきか、話さないべきか、と悩んだが…観念したのか紅茶が入ったマグカップを置いた。

 

「ええ、そうなの…さっきからそのことばかり考えてしまって…。」

 

ギルドの付き合いも長く信頼もしていたので、ここは思い切って話すことにした。彼なら大丈夫だろうと思い、

 

「なるほど、そうでしたか~」

 

アスナの言葉に納得を示すアスベル、二人の仲が良いということは前から知っており二人で過ごしている所も何度か見ている。ただ、馬が合うだけなのか、はたまたまそれ以上の関係かは分からないが、お互い大切なパートナーということはアスベルにもよく分かっていた。だからこそ心配何だろうと、ふと思った。

 

「でも大丈夫ですよ。今回の訓練場所は…確か聞くところによると第50層の迷宮区、キリトさんなら余裕ですよ。」

 

ここは一つ元気づけるためにアスベルが話し始めた。何となく耳を傾けていたアスナだったが、この後、とんでもない事実を知らされることとなった。

 

「ええっと確かメンバーは……ゴトブリー、キリト、クラディール、あと、見ない子が一人いたかな? まぁ、うちのギルドはレベル高い連中そこそこいますし、誰がいても問題はないかな~ってアスナさん?」

 

夢中になって話していたが、ふと、アスナの顔を見た。すると「えっ?」と言いたそうな、はたまた、驚愕の事実を今、知ったかのような顔でポツンと言った。

 

「今、何て……?」

 

「えっ、いや~うちのギルドはレベル高い連中はそこそこいますし誰がいても「そこでは、ありません!!」へっ?」

 

不安そうな様子から一変して、鬼のような形相、またはかつて攻略の指揮を取っていた副団長を思わせるような顔つきのアスナが目の前にいるのだった。そして、その状態でアスベルに迫るように問いかけてきた。

 

「いったい、誰と誰がいると言ったのですか!!」

 

「え?…ええっと、あの、その…ゴトブリー、キリト、それとグラディールに………」

 

「グラディール!? どうして彼が訓練に参加しているのですか!!?」

 

「えっーー!? いや、その…ですね。それは…流石の私にも分からないです…ただ、ここに来る前に見かけたのは確かでして、後は何も…。」

 

アスナの剣幕に押され、あたふたしながら答えるアスベル。

アスナはテーブルに身を乗り出していた事に気づき、身体を元に戻して考えた。

 

「(どうしてグラディールが訓練に…誰かの命令? ゴドフリー? それとも団長の指示で?…ううん、今はそんなことよりも…)」

 

アスナは気づいたのだった。朝から続いているモヤモヤ感が大きくなっていることを、それもグラディールという名が出てきた時からだ。

アスナは思った…「このまま待っていてよいの?」「本当に大丈夫なの?」そんなことを頭で自問自答していた時にふと、こんな言葉を思い出した。

 

『もし………もし、キリトと友情以上…いや、彼に惚れているのなら、覚悟はもったほうがいいだろう………でないと、お互い傷つき…後悔し…身を滅ぼすかもしれないぜ。』

 

あるプレイヤーから言われた言葉だった。いつもチャランポランでつかみどころないイメージしか持ってなかったが、その時だけはいつもと違う雰囲気を持っており妙に印象に残っていたのだった。

 

「(どうして、彼の言葉が出てくるの…………いえ、今はそんなことよりも、)」

 

アスナはある決心をした、それが今、一番最適だと思って。

 

「あのアスナ「すみません、少し行って来ます。」えっ? 行くってどこに?」

 

さっきから難しい顔をしていたアスナを見かねてアスベルは声をかけようとした矢先に、彼女は立ち上がり場所を告げることなく部屋を飛び出していった。アスベルは立ち上がり、開けっ放しのドアから顔だけ覗くと既に彼女の姿はなかった。

「あれーま~………。」

 

直ぐに窓により外を覗き込むと、勢いよく門から走り去る姿を捉えるのだった。

 

「………………。」

 

アスナが走り去った後も窓の外を見続けるアスベル。

もし、もしだ、ここにもう一人KoBの隊員がいたら驚くことになるだろう。何故ならそこには……。

 

「ご武運を…。」

 

両面を開いて、どこか勇ましくも不安な表情が残るアスベルが立っているからだ。そして、彼は窓の外を見るのを止めてソファーに座り、テーブルに置いていた紅茶を飲みながら右手で操作した。そして、メールの受信一覧を開いて、昼前に届いた最新のメールを開けた。そこには……。

 

『アスナちゃんにキリトが参加している訓練にグラディールがいるって事をさりげなく伝えておいて      byゼウス』   

 

「(まさかグラディールが参加しているとは………私も知らなかった情報、何故貴方が知っているかは、おいとくとして……何もなければ良いのですが。)」

 

そう願うアスベルだったが、その願いは虚しく終わり、その3時間後にグラディールが起こした事件を知ることとなった。

 

 

 

 

Tobecontnued…

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

第29話いかがだったでしょうか? アスナがキリトの危機を察知しそこに向かうまでのお話しでした。本郷さんの本編では書かれていなかったので許可を得て書かせていただきました。理由としましてはアスナの心情を書きたかった事とアスナとアスベルとの絡み、またKoBの頃どんな様子だったか、それが書きたくてこの話しが出来上がりました。

あらためて、この場をお借りしてお礼申し上げます。本郷さん、ありがとうございました。

 

 

ゼウス「おい、主人公を差し置いて本郷さんの主要キャラと絡む何てずるくないか!?」

 

 

あとがき書いている時に気づきました、彼もゲーム本編は主人公ですがここではモブに近いので出せる時には出したいですね。

さて、最初に書きましたが真・恋姫無双革命の新作が出ます。改めて、気づくのが遅い自分に痛感を感じます………推しはもちろん孫権です。

 

 

次回、ゼウス視点に戻り謎の集団と遭遇します。

 

 

それではこの辺で、ではまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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