No.954580

恋姫夢想 白き才姫に仕えし道化

アリアさん

皆さんのおかげで14話目です!

支援、コメント読んで下さったみなさに感謝です!

今回は公孫越多め!

2018-06-01 08:00:05 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1570   閲覧ユーザー数:1393

一刀視点

 

「黄巾の乱、ですか?」

 

「はい、それがこの時代において最大規模の民による暴動です。」

 

「そんな事が・・・」

 

雪音さんが唖然としている。無理もない、むしろよくこの話を信じてくれたと思う。雪音さんの優しさに感謝である。

 

「・・・このことは公孫瓚様には?」

 

「まだ伝えていません。」

 

「でしたらすぐにでも!」

 

「いえ、今はまだ公孫瓚様には伝えません。」

 

「何故ですか!?一刻も早くその集団を取り締まらなければ!」

 

「そこです。」

 

「えっ?」

 

「集団を取り締まらなければならない。確かにその通りです。ですがまだその集団の正確な人数も拠点も大将すら分かっていない状況で軍が動けると思いますか?」

 

「それはっ!・・・」

 

「無理、ですよね。別にそれを責めてるわけではありません。むしろ正しいことだとも思います。慎重さを失っては上に立つものとしていけませんからね。それに俺が未来から来たと言うことも話していないので信じてもらえない可能性がありますので。」

 

「言っていないのですか?」

 

「はい、このことを知っているのは星と雪音さんだけです。他の方は信用してもらえるか怪しいので・・・あの雪音さん?」

 

「は、はい!」

 

「大丈夫ですか?ぼーっとしてましたが?」

 

「だ、大丈夫です!その、趙雲殿と私しか知らないと思うとその、私でいいのかと思いまして。」

 

そう雪音さんは心配そうに言ってきた。・・・そんなこと気にしなくていいんだけどな〜

 

「雪音さんは俺の事を信用してくれるんでしょ?なら俺も信用するのは当たり前じゃないですか。」

 

「一刀殿・・・ありがとうございます。何かありましたら私に何でも申してください。必ず力になりますので。」

 

「はい、頼りにさせていただきます。」

 

「はい、では私からも相談があるのですがよろしいでしょうか?」

 

「はいもちろんです。」

 

その後俺たちは隊のこと等について軽く話し、雪音さんが兵士に呼ばれた事で終わった。黄巾の乱・・・果たしてどれ程のものか分らないが今の内に準備をしておかなければな・・・鍛錬も長い事出来ていないから再開なしなきゃな。

 

「あ、着替えなきゃ」

 

まずは自分の部屋に戻ることにした。

 

——————————————————-

 

北郷一刀視点

 

「着いたっと。」

 

俺は城の端の方にある一室に着いた。俺自身将軍でも何でもないのであまり目立つ所に部屋を持つわけにはいかなかったのでここの部屋を使わせてもらっている。公孫瓚様はもっといい部屋を用意すると言っていたし、冗談だとは思うが星が同じ部屋にするかなど聞いてきたが目立つ訳にはいかないといい断った。

 

ガチャ、中を開けると何故かこの時代にあるベットと机がある程度で他には俺が持ち込んだ服や鞄、そして小太刀がある程度の質素な部屋だ。最初はほこりまみれだったが掃除をし今では綺麗なものだ。

 

改めてそう思いながら着替えるともう一つの職場である厨房に向かって行った。

 

「こんにちは料理長、何かお手伝いすることありますか?」

 

「おぉ一刀殿!丁度良かったです。すみませんが少しお手をお借りしたい!」

 

「はい構いませんよ。何をすれば?」

 

「でしたらまず・・・」

 

俺は公孫瓚様の専属料理人をしている傍、手伝いもしている。元々厨房に人が足りないと言う理由で入ったので特に文句もない。それにここで働くと働いている人たちから今の生活の状況などを聞くことが出来るので一石二鳥である。

 

「・・・よしこれで終わりっと。他に何かありますか?」

 

「いえ、これだけやってもらえれば後は我々だけで大丈夫です。それにあまり手伝っていただいては我々が公孫瓚様に叱られてしまいますよ。」

 

はっはっはっと料理長はそう言い笑った。

 

「はは、分かりました。では自分はこれで失礼します。また何かありましたら何でも声をかけてください。」

 

「はい、その時はよろしくお願いいたします。」

 

そう言うと俺は厨房を出て行った。

 

「・・・時間が空いてしまった。」

 

今の所任されている仕事は料理と副隊長のみなので何かと時間が空いてしまう。空いた時間で鍛錬、といきたいところだがただの使用人が剣を振り回していたら勘繰られてしまうので出来ない。どうするべきか〜・・・・・・あっ!

 

「字が書けないから練習するか。」

 

うん、いいな。字が書ければまた出来ることが増えるし。そうと決まれば公孫瓚様に許可をとらなければ。

 

そう思い公孫瓚様の部屋に向かおうとすると城から離れていく人影を見た。

 

「あれは・・・公孫越様?護衛も付けずに何故あんな所に?」

 

俺は気になり後をつけてみることにした。

 

———————————————————

 

公孫越視点

 

「ふふ、お姉様喜んでくれるかしら!」

 

私は今とても気分がいい!何故なら私の大好きな南蛮菓子を買いに行くからだ!と言ってもお忍びだけど!1人で出掛けようとするとお姉様に止められるからね。もうお姉様ったら!私の事を心配してくれるのは嬉しいですけど心配しすぎですよ〜!で、も!そこが可愛いんだから!もう!・・・そういえばあの男お姉様にどう取り入ったのかしら。やはり料理の腕?顔はそこそこと言った所だし、いい所のお坊ちゃんと言うわけでもなさそうだし。まぁ料理の腕は認めてあげますけど・・・お姉様に手を出したら地獄を見せてあげます!全く男なんて下らないわね!

 

うふふ〜と笑った。

 

「おっとそうでした。早く戻らないと見つかってしまいます。急がなくては!待ってて下さいお姉様!」

 

そう言うと私は道のりを急いだ。城門を通る訳にはいかないので抜け道を使うので時間がかかってしまう為だ。この道もその内お姉様に報告しなくては、でも今は有難く使わせていただきますけど!

 

しばらく進むと抜け道が見えてきた。それは城壁に少し空いている小さな穴だ。本当はすぐに言わなくてはいけないのだが城の裏の方で街から外れた森の中に穴があるので少しくらい大丈夫だろうと思い使っている。

 

「見えてきた!さぁ急いでっ!」

 

急いで潜ろうと思った瞬間、穴から数人の男達が入ってくるのが見えた。

 

「誰・・・全員黄色い頭巾を被ってるけど」

 

全員が黄色い頭巾を被っている変な集団だった。ただ、腰に剣を持ってるのが怪しすぎるけど。

 

そんな事を考えていると何やら話しているようだ。

 

「・・・聞くだけ、聞くだけだから大丈夫。」

 

そう自分に言い聞かせ近づくと聞き耳を立てた。

 

「・・・しかし兄貴、こんな所に穴があるなんて思いやせんでしたね!」

 

「おう!これであのま、ま、・・・何だっけな?」

 

「まねーじゃーですよ兄貴!あの野郎!ぱっと出のくせにあの3人のまねーじゃーなんかになりやがって!いくら元将軍だからって許せねぇ!」

 

「ああ!だが、この城で何か重要な物だったり、情報が得られれば!」

 

「俺達が一躍まねーじゃーになる可能性もありやすね!」

 

「そ、そうなんだな〜絶対に見つけるんだね〜」

 

「おう!そうだな!ちび!デブ!それじゃあ早速おっ始めるか!」

 

「「おう!」」

 

・・・何です、て。あの3人組そんな事を!急いでお姉様に伝えなきゃ!

 

パキっ!

 

「誰だ!」

 

しまった!逃げなくちゃ!早く!

 

私はそう思うと走り出した。

 

「逃すか!ちび!」

 

「へい兄貴!」

 

後ろからそんな声が聞こえるが今は気にしてなんかいられない!とにかく城に!

 

「きゃっ!」

 

「捕まえたぞ!あ?女じゃねぇか!」

 

「は、離しなさい!私を誰だと思ってるの!」

 

「は!しらねぇな!・・・さてはお前この城の偉い奴の関係者だな!?」

 

「っ!」

 

「おーいちび!どうだ!」

 

「へい!捕まえやした!しかもこの城の関係者のようでっさ!」

 

「何!よくやった!」

 

すると後から残りの2人もやってきた。

 

「おい面見せな嬢ちゃん!」

 

「っ!痛いっ!」

 

この男乱暴に髪を掴んで!・・・やっぱり男なんて!

 

「あ!?おいこいつもしかしたらこの城の主の関係者かもしれねぇぞ!」

 

「ほ、本当ですかい!?」

 

「あぁ、俺は一度この城の主の公孫瓚って奴を見たことあるだけどよ、こいつそいつにそっくりだんだよ!」

 

「おぉ!じゃ、じゃあこの女を本隊に持ち帰りゃあ!」

 

「あぁ!大手柄だぜ俺たち!」

 

「や、やったんだな〜!」

 

っ!こいつらには本隊なんてあるの!?まさか最近聞く暴動を起こしてる奴ら仲間!?くっ!連れていかれてたまるもんですか!

 

「は、離しなさい!」

 

私は地面に倒れながら体を振って抜け出そうとした。

 

「ちっ!暴れんじゃねぇよ!」

 

バンッ!

 

「ぐっ!」

 

この男顔を!男なんて!男なんて!

 

"公孫越様"

 

っ!・・・何で今あの男のことを!・・・でも思えばあの男は出会った時から可笑しな男でしたわね。どんなに貶されようとにこにこ笑っていて、言葉にも裏表を感じない・・・まぁそれも演技だったのかもしれません。ただ、毎日ちゃんと遅れてやってくる私の食事も温かいようにしていた気遣いだけは認めてあげても良かったかも、しれませんわね。

 

私はなぜか今そう考えていた。もっとあの男を認めていれば・・・もしかしたらこの状況を変えられていたかもしれない。でもそれももう遅い・・・

 

「はん!やっとおとなしくなりやがったか!さぁ行くぞ立て!」

 

ぐっと髪を引っ張られる。もはや痛みなどどうでもいい。今はただ絶望感だけが押し寄せ頬に温かいものが流れていた。・・・せめてお姉様に迷惑がかからないように黙っていよう例え慰めものにされたとしても・・・

 

「・・・お姉様、申し訳ありません。」

 

「その言葉は本人に直接言った方がいいと思いますよ公孫越様。」

 

「えっ」

 

そう、そこに立っていたのはさっきまで何故か頭に浮かんでいたあの男だった。

 

———————————————————

 

北郷一刀視点

 

「ほん、ごうどうしてここに?」

 

公孫越様は弱り切っていた。一部始終を見ていたから分かる。本当はすぐに助けに行くべきだったんだが、後々のことを考えるとこのまま本隊の場所を知っておくべきだと思い本隊と合流前に助けようと思ったんだが・・・

 

「えっと後ろをつけてまして・・・」

 

「馬鹿!それならそのままつけていって本隊を見つけるものでしょう!あんたが出てきたところでどうなるっていうのよ!?」

 

「はは、公孫越様が殴られてるのを見たら飛び出してました、本当駄目ですね俺。」

 

「っ!早く逃げなさい!私の事はいいから!」

 

「嫌です。」

 

にこっと笑い返した。

 

「っ!強がってるじゃないわよ!貴方がいても何も出来ないんだからとっとと帰りなさい!邪魔なのよ!」

 

「ったくさっきからうるせぇんだよ!少し黙ってろ!」

 

そう言うと公孫越様を殴ろうと腕を振り上げた。・・・もうさせないよ。

 

サッ!ガシッ!

 

「なっ!てめぇ!」

 

「いつまでも女の子の髪を掴んだり、殴ったりするのはいけないと思いますよ?」

 

ギチギチギチ。気の力も使って掴んでいる両手を思いっきり握った。

 

「痛て!痛ててててて!」

 

すると髪を掴んでいた手が離れた。

 

「これぐらいは許してねっ!」

 

バンッ!

 

「がはぁ!」

 

今度は気を入れてない足で蹴り、仲間の方に吹き飛ばした。

 

「ちび!大丈夫か!?」

 

「くっ痛ってぇ!てめぇ!容赦しねぇぞ!」

 

そういうとちびと言われてた男が腰の剣に手をかけた。・・・

 

「・・・抜くな!」

 

「ひっ」

 

俺はありったけの殺気を込めてそう言った。正直殺し合いはしたくない。このまま矛を収めてくれれば・・・

 

「・・・頼む、俺はお前達を殺したくない。」

 

「ま、丸腰で何言ってやがる!や、やってやる!」

 

そう言うと剣を上に抜き始めた。・・・やるしかないか。

 

「やめろちび!」

 

俺がそう考えていると後ろにいた兄貴と言われていた男が止めた。

 

「あ、兄貴?ですが」

 

「やめとけ、抜きゃあっという間にやられちまうぞ。俺も昔は戦場に出てたから分かる。ありゃ将軍とかその位化け物だ。戦うだけ馬鹿見るぞ。」

 

「ほ、本当ですかい!?」

 

・・・何やら勝手に化け物認定されて少し悲しいんだが。とにかく剣は納めてくれたようだ。

 

「・・・それで降伏していただけるんですか?」

 

「あぁ。・・・それより一つ聞きてぇ、何で俺達を殺そうとしなかった?その気になれば話なんかしなくても殺れたんじゃないか?」

 

「・・・それは分かりませんが、ただ貴方達がこれ以上罪を重ねてほしくなかったのと・・・殺すことが怖かっただけです。」

 

「・・・はっ、そんな強さでもまだ子供ってわけかい!」

 

兄貴と言われていた人は少し鼻で笑うようにそう言った。この人本当は優秀なんじゃ?

 

「・・・頭も切れ、感も鋭く、おまけに部下にも人望がある・・・何故盗賊なんかに?」

 

「お前さんには分かんないだろうよ!生まれが底辺ってだけで差別され、今日生きるのも精一杯な奴のことなんかよ!」

 

「では何故その底辺の者達から奪っている!?あんた達がしたかった事は自分達がされた事のやり返しか!?女の子を捕まえてら殴って黙らせることか!?違うだろ!あんたが本当にしたかった事は何なんだよ!?」

 

「っ!・・・さぁ、な。何だったけな。」

 

俺が素直な気持ちでそう聞くと兄貴と言われていた男は一瞬顔が引きつるとそう言った。

 

「・・・降伏していただけるのは分かりました。でも、公孫越様の手当てが先です。お待ちを。」

 

そう言うと俺は公孫越様抱き抱えた。少し声を荒げすぎたな。

 

「ほん、ごう?」

 

さっきまで元気だったがどうやら緊張の糸が切れ疲れているようだ。

 

「もう大丈夫ですからね。すぐに城まで連れて行きますから。」

 

俺は公孫越様が心配しないように笑顔でそう言った。

 

「・・・貴方たちにはここで待ってもらいます。逃げても構いません。でも、逃げるなら相応の覚悟はしていてください。」

 

俺はそう言うと城に向かって走り出した。

 

———————————————————

 

「兄貴、今の内に逃げた方が。」

 

「馬鹿、さっきの兄ちゃんの速さ見ただろう?俺達が逃げた所であっさり捕まっちまうよ。・・・だが1人残れば話が変わってくる。デブ!ちび!お前達は逃げろ!俺がここに残る。」

 

「そ、そんな!兄貴も一緒に!」

 

「いや、いいんだ。俺は生まれが底辺だからよ生活が苦しかったんだ。だから天和ちゃん達を応援しているのが俺にとっての何よりの娯楽だった。・・・だけど最近天和ちゃん達と同じ色の布をつけてる賊が増えてきてそいつらはみんないい生活をしてた。だから俺も天和ちゃん達の為になるからって言い訳して賊になってよ、目先の利益に目が眩んじまって女子供を何人も殺しちまった。好きなものを言い訳にして、底辺の奴らから金品を奪っていく。・・・それは俺らが一番憎んでいた賊そのものじゃねぇか。今になって・・・あの兄ちゃんの一言でようやく自分が犯してきた罪ってやつが分かったんだよちび。だから俺は潔く罪を償うぜ。」

 

「兄貴・・・俺も残りやす!元々餓死を待つしかなかった命を救ってくれたのは兄貴です!その兄貴が残るって言うんなら俺も残りやす!」

 

「ちび・・・」

 

「お、おらも付き合うんだな〜。ど、どうせ行くあてもないし〜」

 

「デブも・・・よっしゃ、全員で仲良く罰をつけるか!」

 

「何処までも付き合いますぜ兄貴!」

 

「お、おらも!」

 

こうして3人は己の罪を償う為に軍に捕まることを選んだ。このことが3人の運命を大きく変えることになるとは・・・本人達はまだ知らない。

 

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北郷一刀視点

 

公孫越様を救護の人達に預けて元の場所に戻ると3人がそのままいた。

 

「逃げなかったんですね。」

 

「はっ、言ったろ投降するって。・・・覚悟はできてる早く連れて行きな。」

 

「分かりました。では付いてきてください。」

 

俺はそういうと3人を城まで案内した。そして・・・

 

「・・・お前達が公孫越を連れ去ろうとした3人組か。」

 

「へい、そうです。」

 

今公孫瓚様の前に出した。普通賊の処理は将軍などが代行することが多いのだが今回は事が事なだけにこうなった。ただ急な事だったのでここにいるのは雪音さんと俺、公孫瓚様、そして公孫瓚様の近くに控えている星のみだ。

 

「聞けば逃げられたにも関わらず逃げなかったようだが・・・何故だ?」

 

「へい、あっしら3人は元々ある方の為に義賊のつもりで始めやした。しかし気がつけば自分達の利益の為に盗みや殺しをする毎日、今までまだ気付かずにいましたがそこの兄・・・男のおかげで目が覚めやした。だから罪を償って終わりにしたいんです。」

 

「・・・そうか。ならばお前らに裁きを下す。・・・今度は傷つけた者達の為に働け。それが罰だ。」

 

公孫瓚様は一度考え込むような表情をすると立ち上がりそう言った。兄貴達は驚いたような顔をしていた。

 

「な!そ、それだけですかい!?俺達は今まで!」

 

「分かっている。罪もない者達を殺し、奪ってきたのだろう。それを理由に死罪にするのは簡単だ。だがそれではただの作業だ。我々がしなければならないのはその罪を償わせることだ。ならば死罪で殺すよりも人の為民の為に働かせた方がいいだろう。」

 

「太守様・・・は!心を入れ替え必死に働かせていただきやす!」

 

「ああ、雪音後のことは任せていいか?」

 

「お任せを。・・・お前達ついてこい。今後のことについて指示を出す。」

 

「「「へい!」」」

 

そう言うと雪音さんが3人を連れて行った。

 

「・・・随分寛大な処置ですね。」

 

「ああ、確かに普通に考えれば死罪が適当だ。・・・だがな北郷、大陸ではこんな事が日常茶飯事なんだ。勿論今回のように太守や県令の身内が被害に遭うことは滅多にない。だが民や兵達にとっては奪い、殺される事は当たり前になっている。むしろ今回のあの3人は自分の罪に気づいただけまだましさ。だからこそ更生の機会も与えた。そのような者達まで死罪にしていたら民を全員殺してしまうかもしれないからな・・・全てが全てうまくいけば良いのだがな・・・」

 

「公孫瓚様・・・」

 

「っと、まだ終わってなかったな。北郷、何か欲しいものなどあるか?陽を助け出してくれた礼をさせてくれ。」

「いえ・・・お礼は受け取れません。俺は公孫越様が殴られるまで動かなかったのですから。」

 

「・・・確かに危害が加わってから助けたのは遅いと思うが、後をつけて本隊を見つけようと考えていたんだろう?それは軍の為に正しい行動だしそれを咎める気は無い。そして結果的に陽を助けている。ならば文句など出るわけないだろう。だから何か礼をさせてくれ。」

 

・・・う〜んどうやら公孫瓚様は引く気はないようだぞ。そう考えていると

 

「・・・お姉様、公孫越参りました。」

 

「公孫越様!大丈夫なんですか?」

 

公孫越様がやってきた。どうやら顔が少し腫れている程度で他は大丈夫のようだ。

 

「北郷・・・ふん!貴方に心配される程ではありません!」

 

「・・・陽、静かにしろ。」

 

「っ!ご、ごめんなさいお姉様。」

 

公孫瓚様は冷たい声でそう言った。

 

「陽、私が何を言いたいか分かるな?」

 

「はい・・・勝手に城を抜け出そうとした事ですね。」

 

「そうだ。お前は自分の立場も考えずあまつさえ私にも無断で行こうとした。それが今回の事態を引き起こす原因となった。」

 

「・・・」

 

「よってお前に罰を与えねばならない。」

 

公孫越様は下を俯いたまま顔を上げない。・・・ここは助け舟を出したほうがいいか?

 

「・・・公孫瓚様、話を遮り申し訳ありません。」

 

「・・・なんだ」

 

「先程の私へのお礼の件ですが、公孫越様への罰の減刑でもよろしいでしょうか。」

 

「えっ」

 

「・・・それはならん。ただ許してしまえば他の者達に示しがつかない。」

 

よし言質はとれた。

 

「ただ、でなければよろしいのですね?でしたら公孫越様が私に字を教えるというのはどうでしょうか?自分の時間を削り自分よりも地位が下の者、それも従者に教えるとなれば精神的苦痛になり罰になると思われます。私も元々字を学ぼうとしていたので私自身への褒美ともなります。・・・如何でしょうか?」

 

「・・・陽、お前はどうしたい。」

 

「わ、私はお姉様の考えに・・・」

 

「どうしたいか聞いているんだが?」

 

「ひっ!・・・で、ですがそれでは少し罰が軽すぎるのでは」

 

「何、お前の男嫌いは私も知っている。お前にとっては北郷と2人っきりで授業するのは苦痛だろう。よし!ではそれを持ってお前への罰としよう!」

 

「し、し、し、しかしお姉様!」

 

「文句あるか?」

 

「ひっ!・・・あ、ありません...」

 

「ならば明日より早速始めろ。場所は・・・北郷の部屋でよかろう。」

 

「「へっ!?」」

 

俺と公孫越様の声が重なった。それもそうだ罰とはいえ自分の妹を男の部屋で2人っきりにするなんて。

 

「こ、公孫瓚様それはいいあまりにもやり過ぎなのでは?」

 

「何、北郷なら心配あるまい。それに定期的に趙雲にも見に行かせるからな。」

 

た、確かに多少マシになったがそれても・・・

 

「・・・分かりました。それで構いません。」

 

「こ、公孫越様!?」

 

公孫越様が了承した。な、なんで!?

 

「あ、貴方には助けられた恩がありますので特別に特・別・に!貴方の部屋で構いませんわ!・・・それにお姉様の命ですもの。」

 

「本人もこう言ってるのだしいいだろう?」

 

「うっ、・・・はい。」

 

もうどうやっても無理そうなので諦めてそう言った。

 

「ではこれで終わりとする!2人とも持ち場に戻れ!」

 

そういうと俺と公孫越様は部屋を出て行こうとした。

 

「・・・陽。」

 

「っ!・・・はい。」

 

公孫瓚様が呼び止めた。まだ何か・・・

 

「・・・あんまり心配させないでくれ。お前に何かあると私はどうしたらいいかわからなくなってしまうからな。」

 

「っ!・・・う、うう、うぁぁぁぁぁん!ごめんなさいお姉様!!」

 

そういうと公孫越様は公孫瓚様に飛びついた。

 

「全く、しょうがない妹だ。ほら今日は一緒にいてやるからもう泣き止め。」

 

「お、ねぇ、べ、さま〜〜!!ずずっ〜!」

 

「わ!馬鹿!鼻水がついたぞ!いいから鼻をふけ!」

 

「お、ね、べさま〜!ご、べ、ん、な、さ、い〜!」

 

・・・良かった、どうやらもう大丈夫そうだ。

 

「一刀、」

 

そう思うと星が肩を叩いてきた。

 

「そうだな、行くか。」

 

俺らはその場を後にした。仲のいい姉妹を残して。

 

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北郷一刀視点

 

あの事件から数日が経った。捕まえた兄貴さん?でいいのか?まぁとにかくあの3人に黄色い布の賊について聞いたが、規模は正確な数字は掴めていないがかなりのもので数万はいるそうだ。そして頭領の居場所は分からないようで頭領についての情報だが聞き出せなかった。無理に聞けば舌を噛み切ると言ってきたので聞くことができなかったからだ。

 

だが兵数が予想以上に多いことが分かったのでこれから軍議にも出し話し合っていくことになったのは大きな一歩だ。これでこの地域に出たとしても素早い対応ができるだろう。

 

一方で俺は・・・

 

「「「いっち、に!いっち、に!」」」

 

「・・・雪音さん、もっと声出させて。」

 

「はい、もっと声を出せ!」

 

特殊百人隊の隊員達に集団行動をさせていた。1度演習を見せてもらったのだが1人ひとりの動きがバラバラで隊として機能していなかった。この隊は性質上、補給や救護などの後方支援しかしてこなかったので騎馬の操作や連携が疎かになっている。なので現代の知識を使い集団行動を教えている。

 

「・・・そろそろ休憩にしますか雪音さん?」

 

「そうですね・・・よし全体止まれ!」

 

「「「いっち、に!」」」

 

「よし今より休憩をとる!各自体を休めよ!」

 

雪音さんがそう言うと隊員達は一斉に座り始めた。

 

「はぁ、はぁ、南壁様。この調練に一体何の意味が?」

 

そう質問してきたのはこの前俺に 戦いを挑んできた張瀾だ。あの後隊員全員の名前を確認したので間違いないはずだ。

 

「・・・これは近接する仲間との連携をとる調練だ。その効果は・・・まぁその内分かるだろう。」

 

「今教えてください!」

 

「・・・知りたかったら聞くだけでなく自分でどうにかするんだな。」

 

「ぬっ!・・・ふん!」

 

張瀾はそういうとそっぽを向いた。俺的には自分の意見を真っ直ぐに言ういい子なんだが他の将にしたら生意気に思われるかもしれないからどうにかできればいいのだが。

 

「・・・調練を再開する全員立て。」

 

「全員起立!」

 

ざっ!雪音さんの声で全員立ち上がった。う〜む南壁というキャラ作りのため声を小さく低くしたが、もっと声を張った方がいいだろうか?

 

その後も俺と雪音さんは隊員の調練続けた。

 

・・・

 

「全体、とまれ!」

 

「「「い、いっちっに。」」」

 

「今日の調練はこれまでとする!各自身体を休め明日に備えよ!解散!」

 

「「「は、はい!」」」

 

その一言でへたり込む者、一目散に帰る者、そして・・・

 

「・・・南壁副隊長今日もよろしくお願いします!」

 

「・・・いいだろう。」

 

調練後に更に鍛錬を積む者など様々である。もっともそんな者好きは張瀾くらいだろうが。

 

「・・・今日も同じだ。俺が書いた円の中からどんな方法でもいい俺を外に出してみろ。」

 

自分の周りに円を描く。

 

「はい!行きます!・・・っはぁ!」

 

武器は無しの腕試しのようなもので前にやった円から出すといったものだ。最近張瀾とはよくこれをしている。

 

掌底打ちが飛んでくる。確かに受け止めたりすれば外に出?かもしれないが

 

ガシッ!掌底打ちの始まりとなる肘を抑えれば済む話だ。

 

「っ!はぁっ!」

 

張瀾は掴まれると俺の方に体当たりをしてきた。前の蹴りから比べるとかなり進歩してるな。だけど

 

「よっと。」

 

「ぐっ!」

 

ざざっ、張瀾が地面を滑って行く。

 

俺は張瀾の肘を掴んでいる手を左下に引きながら腰を支点に張瀾を投げ飛ばした。

 

「・・・今のは中々良かったぞ。」

 

「投げ飛ばしておいてよくそんなことが言えますね!」

 

「本音だからな。・・・まだ時間はあるどんどんこい。」

 

「言われなくても!」

 

バシッ!ガシッ!ザッ!

 

その後も張瀾が攻撃を仕掛けてくるが俺を押し出すことは出来なかった。そして・・・

 

「がぁは!」

 

「・・・今日はここまでだな。」

 

「わ、私はまだ!」

 

「・・・この後予定があるからだ。」

 

「?私はありませんよ?」

 

「・・・はぁ〜俺にだ。」

 

「あぁなるほど。・・・悔しいですがここまでですね。まだよろしくお願いします!」

 

「・・・気が向いたらな。」

 

「なっ!約束してくださいよ!」

 

後ろから声が聞こえるが気にせず歩いて行った。

 

次の予定は公孫越様の授業だがその前に空き部屋で着替えを済ませる。まだ言ってないからね。その内言うかもしれないけど。

 

空き部屋に入ると置いてある使用人の服に着替えて自分の部屋に向かった。

 

「お待たせしました公孫越様!」

 

「遅いわよ!私を待たせるなんていい度胸ね!」

 

部屋に入ると公孫越様が机の上に大量の本を置き待っていた。約束の時間より早めなのだがいつ来ても公孫越様の方が先に来ている。・・・何故だ?

 

「す、すみません。仕事の方が忙しくて遅れてしまいました。」

 

「ふんまぁいいわ!・・・じゃあ昨日の続きから始めるわよ。」

 

「はい。」

公孫越さまはあの罰が決まってから毎日来てくれている。それ自体は有難いのだが他の仕事に支障がないか心配である。でも本人に聞くと「あんたが気にしなくていいの!」と怒鳴られてしまうので一回聞いてから聞けていない。まぁもしそれで公孫瓚様に怒られたら自分も謝ろう。

 

「・・・・・・っとこれでいいですか?」

 

「・・・」

 

「あの、公孫越様?」

 

「あんた、本当に文字書けなかったのよね?」

 

「はい、正確には基礎の基礎しか知らないと言ったところですが。」

 

「・・・じゃあなんでこの数日で持ってきた本が読めたり、言ったことを書き出せたり出来るのよ?」

 

「えっと、それは覚えたからで。」

 

「普通の人はこんな数日で文字は覚えられないのよ!」

 

あ、いやそう言われましても・・・

 

「お、覚えられたから覚えたとしか・・・」

 

「っ!・・・いい度胸ね!なら今度はこの兵法書を読みなさい!そしてその内容と自分の考察も言うのよ!」

 

「んな!?それって文字の勉強関係あります!?」

 

「いいから!・・・ふふ安心しなさい!お姉様からはた〜っぷりと時間は貰ってるからね!」

 

「うぅ〜・・・はい。」

 

何故か兵法書を読むことになった。公孫越様と話せるようになって嬉しいような理不尽なようなよくわからない感情が渦巻いてるぞ〜!

 

「・・・と、ところで北郷。」

 

「はい、何か御用でしょうか?」

 

「た、助けて貰ったお礼をしてなかったわね!あ、あ、あ、・・・ありがとう。」

 

「・・・ふふ」

 

「な、何笑ってるのよ!」

 

「い、いえすみません。その、言い淀んでいる公孫越様が可愛らしかったもので。」

 

「なっ!」

 

ボンっ!そんな音が鳴りそうなほど一瞬で顔が真っ赤になった。

 

「ちょ!顔が赤いですよ!?大丈夫ですか?」

 

「な、な、な、な、な、ななななんでもないわよ!い、いいから続きやりなさい!」

「は、はい。」

 

そう言うのでもう一度兵法書に目を移した。

 

「・・・・・・白陽よ。」

 

「へ?」

 

今、真名を言わなかったか?

 

「へ?じゃないわよ。・・・白陽、お姉様が真名をお教えになるまで外じゃ言ってはいけないけど・・・ここで2人っきりの時くらいは特別に許してあげる。」

 

「え、いや、でも」

 

「何、いやなの?」

 

「そ、そう言うわけではなく何故いきなり?」

 

「それは、この前のお礼よ。」

 

「いや!お礼で真名なんて!そんな簡単に預けちゃっていいんですか!?」

 

俺はあまりのことに驚き声を荒げて言った。

 

「命の恩人に預けないで誰に預けるのよ。全く頭はいいくせにそういうところは駄目ね。」

 

「うぐっ!・・・分かりました。ここの部屋で2人っきりの時のみですね?」

 

「ええ、でもお姉様があんたに真名を預けたら外で私の真名も言っていいわよ。」

 

「なんで公孫瓚さんが預けたらなんですか?」

 

「それは・・・お姉様より先に預けるのはちょっと気が引けちゃうし。」

 

・・・つまり公孫瓚様に先に預けてほしいって訳か。なんだかよく分からないがつまりは公孫瓚様に対して気を使ってるってことかな?全くこの人はどこまでも姉命だな。

 

俺は持っていた兵法書を話すと右手で公孫越様の頭を撫でた。

 

「な、なにして!」

 

「白陽」

 

「ぴゃ!」

 

頭を撫でながら真名を呼ぶと公孫越様が変な声をあげた。

 

「ふふごめんなさい白陽様。いやでしたか?」

 

「・・・じゃない。」

 

「はい?」

 

「嫌じゃなかったわよ!それにここでは白陽でいいわよ!ええぃもう北郷のくせに生意気なことして!早くその兵法書読み切りなさい!!」

 

「ふふ、分かりました・・・白陽。」

 

「っ!全く・・・」

 

・・・どうやら距離は縮まったようだな。おまけに条件付きで真名まで預けて貰って・・・なんだか恵まれすぎて後が怖いな。嵐の前の静けさってやつなのかな?

 

———————————————————

???視点

 

「報告です!また食糧を奪ってきたそうです!」

 

「そうか・・・くっくっく!ったく、楽だな。座って指示出すだけで飯が食えるんだからよ。」

 

「ちょっとマネージャー!いつまで待たせるのよ!早く来なさい!」

 

「おっと、ったく毎日毎日うるせぇな。まぁそれも後少しの我慢だけどな。」

 

「兄貴、顔が怖いですぜ。」

 

「くっく、まぁ時期が来たらお前も混ぜてやるよ。」

 

「よろしくおねげぇします!王門さん!」

 

「おう任せとけ!がーはっはっは!」

 

黒い影を徐々に、だが確実に一刀達に近づいていたのであった。

 

こんにちはこんばんはアリアです!

 

恋姫夢想 白き才姫に仕えし道化14話を読んでいただきありがとうございます!

 

さてと今回は公孫越が中心の回なりました。高飛車だけどもお姉様一筋でデレた相手にはちょっと優しさを見せるそんなキャラ・・・キャラ盛りすぎたかな〜。

 

まぁ今思っても何にもならないので気にしない方向でいきましょう!そして公孫越に勉強を教わり始めました!これもある事に繋げていきたいと思っているのでお楽しみに!

 

次回はそろそろ一刀君も実戦に出る・・・のかな?

 

それでは今回はここまでまた次回お会いしましょう!それでは再見!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連合までかなりある・・・ちょっと長く書きすぎかな?意見ありましたらコメントお願いします!


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