No.952514

ビーストテイマー・ナタ25

リュートさん

昔、書いていたオリジナル小説の第25話です。

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2018-05-15 06:06:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:89   閲覧ユーザー数:89

見張りが誰もいなくなると、ピーターがどこからともなく現れて、ナタの手首を縛っている縄を噛み切りました。フラウの手首の縄も噛み切ります。

 

「ありがとう、ピーター」

 

ナタにお願いされてピーターは、守衛の腰にかけてあった牢屋の鍵を取って来ました。地下牢の階段を昇った出入口には守衛が立っていますが、フラウが背後から首を締め上げて気絶させました。

 

「お姉さんってものすごく強いのに、どうしておじさんとモンスター討伐行く時は、弱いフリしてたの?」

 

「男の人ってプライドが高いから、女が強過ぎると嫌われてしまうのよ…」

 

「おじさんはお姉さんが強くても嫌いになったりしないと思うよー?」

 

「そうね…。ゲイザー様なら私の全てを受け入れてくれるかもしれないわ」

 

ピーターが床をクンクンしながら、ナタの方を見上げます。

 

「おじさんはあっちにいるみたい!」

 

「早くしないと!拷問を受けて殺されてしまうかもしれないわ」

 

お屋敷の一番奥の部屋まで来ました。途中で守衛が何人か襲いかかって来ましたが、フラウが一瞬で倒してしまうので、すんなり辿り着いたのです。ピーターが扉を爪でガリガリしています。

 

「ピーター、ゲイザー様がこの部屋の中にいるのね?」

 

「もしかしてお姉さんっておじさんより強いんじゃ…」

 

フラウが扉を開けると、鎧の天使と鎧の獣人が立っていました。その後ろにローブを着たヒゲの男が立っています。

 

「来たな、侵入者?お前たち、あの二人を殺してしまえ!」

 

「申し訳ありませんが、私にはあのような婦女子を手篭めにする事は出来ません。こちらへ攻めて参りましたら、防衛します」

 

「ええい、口答えするとは…。役立たずめ!ゲイザー、お前の手で仲間を葬るが良い?」

 

「かしこまりました。ご主人様」

 

ゲイザーが剣を構えたので、フラウは突然、戦意喪失して身体から力が抜けてしまいました。

 

「そんな!ゲイザー様を傷付けるなんて私には出来ない…」

 

「お姉さん、心を鬼にして戦うんじゃなかったの?ジョルジュとは戦ってたじゃない!」

 

「無理よ!この世で一番愛する人を攻撃するなんて…」

 

「じゃあナタが心を鬼にしておじさんと戦う!最強の魔法を使って…」

 

ナタは呪文の詠唱を始めました。ゲイザーは剣を大きく振りかざして、ナタに一太刀を浴びせかけます。フラウは思わず、目を覆い隠しました。

 

…つづく


 
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