No.95089

魏√風END 翠編

†龍†さん

えーほんとは白蓮親子と一刀のほのぼのーを書いていたのですが、ちょっと手詰ってしまったのでこちらを先に。
前半はまんま白蓮編と同じなのでそちらを読まれたことのある方はスルーして下さってかまいません。
感想、アドバイス、叱咤激励、誤字報告お待ちしております。
それではお楽しみください

2009-09-12 21:55:13 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:5641   閲覧ユーザー数:4582

三国に平和が訪れたその日、最後の戦場となった成都では、将が、兵が、民が皆で平和になった世を喜び大宴会が行われていた。

身分の違いなど関係なく皆が皆さまざまな形ではあるが戦乱が収束したこの日をを心の底より喜んでいた。

 

(・・・これで三国に平和が訪れたか・・・・)

俺はそんな風景を眺めながら1人物思いにふけっていた

(もうちょっとこの世界にとどまって居たかったけどなぁ)

俺には確信があった。

三国に平和が訪れる日が来たら自分はこの世界には居られなくなるだろうと

(それでも・・・この平和のためならば惜しくは無かった・・・かな・・・)

 

「あはは~華琳さ~ん♪」

 

「ちょっ、桃香あなたどこ触ってるのよ」

 

「いーじゃないですかー触って減るもんじゃないんですからー」

 

「ふ~ん・・・それは触って減るほど大きくも無いってことかしら?」

 

「いや~そんなつもりじゃー・・・・・キャー」

 

「待ちなさーい!!!」

 

「まったく、何やってんだか。」

 

「雪蓮さーん、助けてくださーい;;」

 

「無理よ。自分でまいた種なら自分でどうにかしなさい。」

 

「そんなぁ~;;」

 

「さぁーて桃香?覚悟はいいかしら?」

 

「いや~~~~・・・・」

 

 

(3人とも仲良くやってるようだな・・・これなら俺がいなくとも大丈夫そうだ)

三国の王が互いにじゃれあっている?様子を見て俺は安心するように息を吐いた。

 

「? ご主人様?どうかなさいましたか?」

側にいた愛紗がそう訪ねてきた。

「いやなんでもないよ。ただ賑やかだなぁって思ってさ」

「そうですね。もう明日への死に怯えずに生きられるその喜びからでしょう。」

「そうだね。これからは三国でこの平和を維持していかなければいけない、二度と戦乱の世にならぬように」

「ご主人様、それに桃香様、曹操殿、孫策殿がおられれば大丈夫でしょう。」

愛紗は微笑みながらそう答えた。

(俺は、もう無理みたいだけどね・・・・)

 

「ごめん、愛紗ちょっと厠に行ってくるね」

「あっ、はい分かりました」

 

(さようなら、そしてごめん桃香 愛紗 鈴々 朱里 雛里 星 月 詠 恋 音々音 蒲公英

 紫苑 桔梗 焔耶 麗羽 斗詩 猪々子 美以 ミケ トラ シャム 白蓮 そして翠・・・)

 

俺は最後に三国の皆が騒いでいるその宴会場を眺め、皆に心の中で謝って歩き出した。

厠に行くふりをして森の方へ行きしばらく歩いていると不意に小川のほとりに出た。

 

その川を眺めながら

 

「なんで、どうして、ここに残っていられないんだよ・・・・・なんで・・・・」

 

俺は、皆を残していくことの罪悪感と皆といられない未来に涙した。

 

「くそ・・・・ちくしょう・・・・」

 

「ん?そこにいるのはご主人様か?」

 

「え?」

 

振り返るとそこには翠が立っていた。

 

「こんなところでいったい何してんだよご主人様?」

 

「いやちょっと酔いが回ったからそれを醒ましにね・・・翠は?」

 

俺は泣いてるのを悟られぬように言った。

 

「あたしか?あたしはちょっと食べ過ぎちゃったんで散歩さ。」

 

「ははは、翠らしいね。」

 

「うっせ。どーせあたしは大食いでかわいくなんて無いですよーだ。」

 

そういって翠は少し拗ねたようにそっぽを向いた。

 

「いや、翠はとっても魅力的で可愛い女の子だよ。」

 

「どーせ皆にも同じようなこと言ってんだろ?」

 

「あはは・・・・否定はしないよ。」

 

俺がそういうと翠は呆れたようにこっちを向いた。

 

「まぁそれでこそのご主人様だよな・・・ってご主人様!?ど、どうしたんだよその体!?」

 

こちらを向くやいなや翠は慌てたようにそう言った。それもそうだろう俺の体は透けてきているのだから。

 

「ごめんねどうやら俺はもうこれ以上この世界には留まっていられないようなんだ・・・・」

 

「そ、そんな何でだよ。何で・・・・」

 

「俺の使命はこの大陸に平穏をもたらす事だったからねそれが叶った今俺の役目は終わりって事なんだろうとおもう。」

 

だんだん視界が悪くなっていく。

 

「ふざけんなよ!!約束したじゃないか。居なくならないって、運命も変えてみせるって。」

 

「ご・めん・でも・・どうにも・・出来なかった・・みたいだ・・・」

 

「ご主人様を好きになったこの気持ち・・グスッ・ご主人様が居なくなったら・・ヒック・どうしたらいいんだよ・・グスッ。」

 

「ほんとに・・ごめんね・・皆と・・・この平和を・・・これから・・も守って・・いって・くれ」

 

「あぁ・・約束する・・約束するから!!・・だから・グスッ・・行かないで・グスッ・くれよ・・・ヒック」

 

「す・・い・泣か・・ないで・・」

 

言葉を紡ぐのも段々と難しくなっていく

 

「無理だよ・・グスッ・・無理に決まってんだろ!!・・ヒック」

 

「さ・・いご・に笑顔・・を・・みせて・・?」

 

もはやほとんど見えはしないが最後に翠の笑顔を焼き付けておきたかった。

 

「わかった・・よ・・グスッ こ・れでいい・・だろ?ヒック」

 

そういって翠は笑顔を見せてくれた。涙でぐちゃぐちゃの笑顔だったがそれはとても美しかった。

 

「あ・・りが・とう・・愛して・・い・・・る・・・・よ・・・・・す・・い」

 

そう言い終えると同時に俺の存在は完全に消えた。

 

「ご主人様?・・おい・・・ご主人様?」

 

「っふざけんなよ!!・・なんで・・なんで・・行っちゃったりするんだよ・・・!!」

 

「グスッ・・ご主人様の・・・グスッ・・・嘘つき・・・ヒック」

 

「うっく・・うわぁぁぁぁ・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

河原で泣き崩れる少女を月と星だけがただ冷たく照らしていた。

 

それから数時間その河原から泣き声が途絶えることは無かったという。

~1年後~

 

「お姉さまー、準備は出来たー?」

 

「あぁ!!今行く」

 

蜀のとある城の中に2人の少女の声が響く。

 

「もう、いつまで準備してんのー?」

 

「悪い悪い。色々と思い出していてな。」

 

翠が北郷一刀は天に帰ったと伝えた後、蜀は大きな悲しみに包まれた。

 

その場に泣き崩れるもの、茫然自失となるもの、受け入れられぬものなど様々な者が居た。

 

その悲しみのせいで主だった蜀の将の仕事が滞ってしまい一時期は大変なことにもなった。

 

だがそんな中翠が人よりも仕事をこなし、皆を元気付け、何とか今は通常状態にまで戻っている。

 

そして今日は皆で北郷一刀が消えたあの場所へお参りに行くところだ。

 

「まったくー皆はもうさきにいっちゃったんだからねー?」

 

「よっしゃ、んじゃ急ぐぞ蒲公英!!」

 

「あーん、待ってよーお姉さまー!!」

 

2人の姉妹が森の中を駆けて行く。

 

「やっと来たか翠。まったくいつまで待たせる気だ。」

 

「そんなに怒んなくったっていいじゃねーかよー愛紗」

 

「まあそれは良いとしてでは主に挨拶をするとしようか。」

 

星がそう言うと皆石碑に向かって手を合わせた。

 

(ご主人様。そっちの世界では元気にやってるか?こっちはちょっと大変なこともあったけど今では元通りうまくいってるよ。

 三国間の関係も良好だしな。だからいつでも帰って来いよ?)

 

「よし。では主への挨拶も終わったことだし宴と行きますか。」

 

「よっしゃー鈴々おなか減ったのだー」

 

「これ鈴々、ご主人様の前だぞもうちょっと大人しくせぬか。」

 

穏やかな日差しの中蜀のみなの笑い声だけが響き渡る。

 

(あたしはいつまでも待ってるからな。だから必ず帰って来いよ。ご主人様)

 

FIN

 

どうもこんばんは†龍†です。

とりあえず課題は全部終わらせるもしくはもう開き直ることにしたので時間が出来ました(笑)

英語苦手なくせに留学した私を笑ってくださいorz

 

さて今回は翠編ということでしたがいかがでしたでしょうか?

一応これを書く前に一度ゲームで口調などを確認はしたのですが間違っていたらご指摘ください。

 

前書きにも書きましたがほんとは白蓮親子と一刀のほのぼのな日々を投稿したかったのですが

やはりそういう系統の話は少々書くのが苦手でして(^^ゞアセアセ

さきにこちらを投稿という形と相成りました。

このお話のアフターも書こうと思っていますので、白蓮親子の話と共にお待ちいただけると幸いです。

 

また今後も魏√風END蜀のメンバーで短編として書いていこうと思います。

この人のが見たい等言ってくだされば書きたいと思いますので、皆さんそちらもお願いします。

 

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
49
4

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択