No.942905

機動戦士ガンダム Blue Planet 設定1(世界観)

源・五郎さん

オリジナルガンダムストーリーの舞台設定です。登場勢力や出来事、技術用語等が中心です。

2018-02-25 02:31:45 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:684   閲覧ユーザー数:684

[世界観・歴史・事件]

再世暦(R.W.)

 

 本作品世界における紀年法。R.W.は「Rebuild World」の略であり、西暦に代わり使われている。地球連合が発足した年をR.W.1年としており、物語本編はR.W.112~113年頃の事である。

 

 

災禍の聖戦

 

 西暦末に起こり、地球圏全域を巻き込んだ大戦争。形骸化した新国連に代わる新たな国家連合組織を作ろうという「地球連合構想」を推し進める欧米諸国やインド等の国々と新国連での既得権益が無くなる事を危惧する中華連邦等の国々の対立の煽りを受けて各地の民族・宗教紛争や宇宙開発利権を巡る国家間の摩擦が激化し、武力衝突へと発展した事が戦乱の原因とされている。

 当初この戦乱はごく短期間の内に終わると予想されていたが、初期に投入された「NECTAR粒子」と呼ばれる特殊粒子によりそれまで主流であったレーダーやGPS等の衛星測位システムや電波通信手段、及びそれらと高度にリンクした精密誘導兵器や無人兵器の類が殆ど無力化された。それらに代わり「モビルスーツ(MS)」のような機動兵器が開発・投入され、戦場の主役となったがこの兵器体系の変化は戦乱を長期・泥沼化させる原因ともなった。また人的損失を抑える為に完全なスタンドアローン式の自律兵器や恐るべき破壊能力を持つ超大型機動兵器「モビルフォートレス」、核兵器や生物・化学兵器等の大量破壊兵器も使用され、戦いは凄惨を極めたという。

 10年以上に亘り続いたこの戦乱により地球圏の統治機構は殆ど壊滅状態となり、多くの国々が崩壊・滅亡、同時に既存の文化、秩序、価値観等も殆ど根底から覆され、戦闘が終息してからも「空白の30年」と呼ばれる長い混乱期が続いた。その為正式な終戦は「空白の30年」後の地球連合憲章採択とアデレード条約締結時まで遅れる事となった。終戦から100年以上が経過した現在においてもその爪痕は未だ各地に残っている。

 なお戦乱末期には「ガンダム」と呼ばれる所属不明の謎のMSが現れ、戦乱終結の為に活躍したという伝説が語り継がれている。

 

 

煉獄の七ヶ月

 

「災禍の聖戦」末期の最も悲惨とされる期間。大量破壊兵器の使用や第3世代MS等の強力な機動兵器による中枢や拠点への強襲、そして「モビルフォートレス」による殲滅が繰り返された事で人類文明は壊滅的被害を受け、更にその影響で発生した食糧難や水不足、疫病の蔓延等の二次被害により億単位の人々が命を落としたという。この期間の後、戦乱は急速に終息へと向かう事となった。なお伝説のMS「ガンダム」が最も活躍したのはこの時期だとされている。

 

 

空白の30年

 

 大規模戦闘が終息し、地球連合が発足して「災禍の聖戦」の終結が正式に宣言されるまでの間の30年間に亘る混乱期。大規模戦闘自体は終息したものの地球圏は激しく荒廃し、比較的被害の少なかった地域でも食料や水等の物資不足に悩まされた。またそれらを巡る小規模な衝突や略奪も散発的に起き、統治機構や秩序、価値観の崩壊によって無法地帯と化した地域も少なくなかったという。しかしその一方で復興に向けた取り組みも各地で始まり、終わり頃には地球連合の礎となる六大経済圏が成立して治安状況も徐々に改善されていった。なお本期間中にも「ガンダム」の目撃記録があるという。

 

 

地球連合憲章

 

 地球連合成立時に採択された憲章。前述の「空白の30年」の間に成立した地球の六大経済圏が各々の政体をある程度維持したまま政治・経済・軍事的に協力連合体制を構築する事が定められた。なおこの憲章により各経済圏が持っていた軍事力は地球連合軍として統合・再編される事になった。

 

 

アデレード条約

 

 地球連合憲章採択と同時に結ばれた条約。「災禍の聖戦」の正式な終戦と戦乱において人類文明に大きな被害を与えた核兵器等の大量破壊兵器、完全自律型兵器、戦略機動兵器「モビルフォートレス」の全面廃棄と開発・使用の禁止が定められている。

 

 

4月11日の惨劇

 

 R.W.100年4月11日に起きた同時多発テロ事件。アデレードで開かれていた地球連合発足100周年の記念式典において、当時の地球連合大統領であったメアリー・フローレンス等が暗殺された。更にそのほぼ同時刻、「災禍の聖戦」終結100周年の式典が行われていたエリアL3のスペースコロニー「ニネヴェ」に対して所属不明のMSが戦術融合弾を撃ち込み、それにより夥しい犠牲者を出した。

 アデレード条約により既に存在しない筈の核反応兵器が使用された事、そして「ニネヴェ」に核を撃ち込んだ正体不明のMSが地球軍のものに酷似していた事により以前から地球連合に不満を募らせていたエリアL3のコロニー自治区はこの事件を地球連合の陰謀と一方的に断定。自らを独立国家「共和国カルデア」を名乗り報復戦争を開始した。一方の地球連合側はエリアL3側の発表は全くの事実無根で悪質な言いがかりであると攻撃への関与を全面否定し、更に大統領等を暗殺したテロリストがエリアL3自治政府の関係者だった事からテロの黒幕をエリアL3側と断定、「カルデア」側に宣戦布告した。これにより「4.11戦役」という10年以上に亘る泥沼の戦いが始まったのである。

 

 

4.11戦役

 

 本物語において行われている戦乱。開戦の切っ掛けとなった「4月11日の惨劇」に因み、後世においてこの名で呼ばれている。地球連合と「共和国カルデア」を中心とする反連合同盟間で12年の長きに亘って行われており、未だに終わりが見えない泥沼の状況が続いている。なお完全な全面戦争というよりは地球圏各地で多発する局地的な戦争の集合体という様相だが、その規模は「災禍の世戦」以降の紛争では最大である。停戦の為の交渉も行われてはいるが、平行線を辿っている。なお本編の時系列はこの戦乱末期の1年半余りが舞台となっている。

 

 

コルトナの大虐殺

 

 戦役開戦から2年を経たR.W.102年に中立宙域であるエリアL4のコロニー国家「エトルリア連邦」に属するコロニー「コルトナ」を反連合同盟軍が攻撃した際に起きた惨劇。本コロニーには地球連合の大使館や軍の駐屯地があり、反連合同盟側の攻撃目標となっていた。しかし侵攻部隊の一部が内に溜まった恨みや不満の捌け口を求めて本来攻撃目標ではなかった一般市民の居住地や避難シェルター、更にはコロニーからの脱出船にまで無差別に攻撃を加え、その結果数十万人の民間人が命を落とす結果となった。本事件後、地球連合は中立コロニーを襲い、非戦闘員虐殺を行った反連合同盟側を激しく糾弾したが、一方の反連合同盟側は「コルトナ」には地球連合の大使館や小規模な地球軍部隊がいた事を根拠に本コロニーは中立ではないとして攻撃を正当化し、また戦闘で多数の民間人が巻き込まれて死亡した事は認めつつも虐殺については全面否定した。なおこの事件によって「エトルリア連邦」は反連合同盟側への警戒感を強める結果となり、エトルリア防衛軍の戦力が拡充される事となった。

 この事件で両親を殺害された事を切っ掛けにハルマは復讐の為に地球連合軍のMSパイロットを志し、また当時反連合同盟軍のMSパイロットだったドミニカも作戦行動中に本事件を目撃した事で軍の在り方に不信感を抱き、後の脱走に繋がる事となる等、本物語の登場人物に少なからぬ影響を与えている。

 

 

ネアポリス事変

 

 新型MSであるRGシリーズ開発計画の情報を掴んだ反連合同盟軍が機体の奪取(若しくは破壊)、及びその研究・製造施設の破壊を目論んでエリアL5のコロニー「ネアポリス」を襲撃した事件。同盟側はコロニー内部への突入に成功はしたものの、駐留部隊の激しい抵抗や事前に察知して警戒していた地球軍特殊部隊「SCAVENGERS」第211部隊の迅速な対応、そしてハルマが起動させたRGシリーズの一機ガンダムα-1[センチュリオン]の思わぬ活躍により撃退され、作戦は失敗に終わった。

 同盟側はコロニー駐留部隊を誘い出す陽動部隊と民間船に偽装した貨物船でコロニーに侵入する突入部隊を別に編成する等の大掛かりな準備をして作戦に臨んだが、目標であった研究開発施設に与えられた損害は設備の軽微な損傷のみであり、代わりに自らは特殊工作部隊全員と両部隊合わせて7機のMSを失う大損害を被った。しかし迎え撃った連合側の損害も決して少なくはなく、戦闘でMS5機を全損した他に装甲車両や軍用MWを多数失い、また人的被害も大きく、駐留部隊のMSパイロットや基地所属の軍関係者を中心に多くの死傷者が出た。また当時ネアポリスに入港していた機動強襲艦「アルカディア」も戦闘の影響でMSパイロットを含む配属予定の人員を複数失い、結果その補充を迅速に行うべくネアポリス士官学校や附属のMSパイロット養成アカデミアの候補生達の卒業と任官が早められる事になった。なお戦闘が宇宙港や一般市民の居住区にも及んだ事で民間人にも死傷者が多数出ている。

 

 

タルキニア騒乱

 

 エリアL4のコロニー国家「エトルリア連邦」に属するコロニー「タルキニア」において、同盟側に内通していたエトルリア防衛軍将校や政治家によるクーデターに端を発した騒乱。同時に同盟側の工作員に煽動された反体制活動家等による暴動も発生し、これらを鎮圧すべくエトルリア防衛軍と地球軍アルカディア隊から成る連合艦隊が出撃した。更に反乱勢力支援の為に反連合同盟軍ヘルマン艦隊までもがエリアL4に現れ、連合艦隊と戦闘を行った。連合艦隊の奮戦と連邦に属する他のコロニーや独立第13機動部隊から増援が到着した事によりヘルマン艦隊は撃退され、またクーデター勢力や暴徒も鎮圧された事で騒乱は終息した。

 

 

オペレーション・スエズ

 

 同盟側の支配下にあるスエズ運河の奪還を目的に計画・実行された地球連合軍の大規模攻略作戦。本作戦にあたり中東方面軍は200機近くのMSと多数の航空機、装甲戦闘車両を結集した他、西ユーラシア方面軍も陽動のため師団規模の地上部隊を派遣した。また大型空母3隻を中核とするインド洋・大西洋艦隊が紅海と地中海に其々展開して作戦を支援し、宇宙軍から派遣されたアルカディア隊が特務遊撃隊として活動した。

 

 

スエズ攻防戦

 

 上述の作戦の発動によって地球連合軍と反連合同盟軍の間で行われた一連の攻防戦。戦闘はナイル川流域やスエズ運河周辺、シナイ半島方面で主に行われたが、同盟側の戦力集中を避ける為に欧州方面軍が陽動攻撃を行った事でシリア方面でも戦闘が行われた。双方が投入した戦力の規模や戦闘の激しさから戦役中で最も大規模な戦闘の一つとされている。

 反連合同盟側は中東方面にあった戦力のほぼ全てを投入して激しい抵抗を行ったが、戦いは物量で圧倒的に優位に立つ地球連合側優勢に進み、その結果地球連合はスエズ運河とその周辺地域の奪還と地中海~紅海~インド洋に至る航路の復活という当初の戦略目標を達成した。その一方で反連合同盟はシナイ半島を含むスエズ運河周辺の勢力圏全てと投入戦力の大半を喪失する大打撃を被り、以後中東においてその勢力を著しく縮小する事となった。なお民間人の避難が間に合わないまま戦闘が行われた為、民間人にも万単位の犠牲者が出ている。

 

 

[勢力・組織]

地球連合

 

 本作における国家連合組織。「災禍の聖戦」前より練られていた「地球連合構想」を基にいくつかの修正を加えた「地球連合憲章」の下で発足した。地球連合本部と議会がアデレードに、地球司法裁判所がハーグに置かれている他、月面都市「ティコ・シティ」には宇宙方面総務局が置かれている。「4月11日の惨劇」までは中立国であるエトルリア連邦を除いた地球圏の全ての国家組織が加盟していた。

 この地球連合の発足により世界は安定をみたが、R.W.50年代に復興が一段落した後にそれまで見て見ぬふりされていた旧地球連合推進派と反対派間の問題や確執が再燃し、それが後の「4.11戦役」の勃発を招く遠因となった。

 なお地球連合は宇宙の各コロニー群や月面都市「ティコ・シティ」、そして次に挙げる地球の国家群が連合して出来た六大経済圏から成っている。

 

・環太平洋・インド州連合

 

 アメリカ合衆国、カナダ、日本、台湾、東南アジア、オセアニアといった環太平洋地域からインドに亘る経済圏。その規模は六大経済圏中最大を誇る。また「災禍の世戦」による被害から一早く復興を遂げた事で現在、地球連合内で最も大きな力を持っている。

 

・WEC(West Eurasia Comunity)

 

 ヨーロッパ諸国、ウラル山脈以西のロシア、コーカサス地域から成る共同体。環太平洋・インド州連合と共に地球連合の中心勢力となっている。

 

・ラテンアメリカ・ユニオン

 

 メキシコ以南の中南米諸国で構成されている経済圏。圏内のギアナ沖合にある軌道エレベーター施設「ギアナ・タワー」の管理・運営の中心的存在となった事で莫大な利益を得ている。その為、地球連合内でも大きな発言力を持つ。

 

・大アジア連盟

 

 ウラル山脈以東のロシアやモンゴル、台湾以外の中国、及び中央アジア諸国等を中心とする経済圏。構成地域の多くが旧地球連合構想反対派だった為、旧推進派が主導する地球連合の現体制への不満が年々高まっていた。その為「4.11戦役」時には反連合同盟側に合流しており、地上における最大の反連合勢力となっている。

 

・アラブ・マグリブ共同体

 

 中東から北アフリカの国々で構成された共同体。R.W.70年頃から宗教が絡んだ内部対立が再燃し、不安定な状況が続いていた。「4.11戦役」でこの対立に更に拍車がかかり、以来激しい戦闘が続いている。

 

・汎アフリカ連邦

 

 大陸中南部のアフリカ諸国から成る共同体。地球連合を構成する六大勢力の中で一番発展が遅れているが、「災禍の聖戦」による被害は比較的少なかった。部族同士の諍いが絶えず、不安定な状況にある。

 

 

地球連合軍

 

 地球連合が常設している世界規模の正規軍事組織。略称は地球軍。地球連合を構成する各経済圏の軍事組織を統合して設立された。一部に例外はあるが基本的に将兵の制服からMS、軍用機や軍艦、銃火器といった大小の装備に至るまで共通規格化されている。地球連合陸軍、地球連合海軍、地球連合宇宙軍の三軍で構成されており、このうち陸軍と海軍は各々航空部隊を保有している。北米にある旧アメリカ合衆国国防総省跡に地球連合軍総司令部が置かれており、アデレード、サンディエゴ、ダーウィン、ディエゴガルシア島、ハワイ、横須賀、ナポリ、ジブラルタル、アスワン、地球の静止衛星軌道上、月等に主要基地が置かれている。

 なお地球圏に存在する正規軍といえる軍事組織は地球連合軍だけだが、エリアL4の自治国家群「エトルリア連邦」のように自衛の為の独自の軍事力を保有する勢力も存在する。

 

 

独立第13機動部隊

 

 地球連合宇宙軍の新興独立部隊。特定の管轄宙域を持たず、様々な宙域や時には大気圏内といったあらゆる地域で活動し、各地で遊撃戦を展開する反連合同盟軍に臨機応変に対応する即応部隊として地球軌道方面艦隊司令であるガルフ・ダーダネルス中将やレイナルド・バートレイ准将の提唱により創設された。エリアL5にあるコロニー「ネアポリス」に拠点を置いており、艦隊司令には提唱者の一人であるレイナルド・バートレイ准将が就任している。

 独立部隊としてある程度の独自裁量権と独自行動権を持っている為他隊に比べて迅速に行動でき、また最新鋭のアルカディア級機動揚陸艦を始め、アレクサンダー級戦闘艦や主力MSであるカットラスの最新生産型であるType-R、上級パイロット用MSであるグラディウス等の高性能な装備を保有している。また「RGシリーズ」や「δ-0」等の試作機の実戦テストも担当しており、その為か下士官や一般兵卒達からは「精鋭部隊」として憧れの的となっている。

 しかしその一方で任務に比べてその部隊規模は小さいうえ、艦隊司令であるバートレイ准将が軍上層部から疎んじられているために機材や人員の補充が不十分だったり、面倒事を押し付けられたりと扱いは悪い。その為運用しづらい試作MSをわざわざ使用せねばならない程戦力や人員の不足に悩まされている。しかしその一方で人格高潔・正義感が強い・派閥に左右されない・柔軟な思考が出来る軍人が集まっている為に部隊の士気自体は高く、不祥事も殆ど無い為コロニーの一般市民からの評価も高い。

 なお「ネアポリス事変」において拠点であるコロニー「ネアポリス」を同盟軍に襲撃されたが、幸い「アルカディア」以外の所属艦は全て不在だった為大きな損害は受けなかった。

 

・アルカディア隊

 

 正式名称は独立第13機動部隊第1遊撃隊。アルカディア級機動強襲艦の1番艦「アルカディア」を母艦とする部隊でハルマ達が所属する。指揮官は「アルカディア」艦長のヴィンセント・アンダーセン大佐。

 

 

SCAVENGERs

 

 地球連合軍特殊作戦群に属する特殊部隊の一つ。反体制テロリスト等の摘発と制圧、及び敵対勢力や危険分子の要人の誘拐・暗殺等の各種工作を主任務としており、軍上層部からは緊急時における独自行動権や警察権の行使を認められている。またその任務内容は基本的に秘匿されている為、公にはなっていないが時にかなり「汚れた」任務にも関わる事がある模様。それ故に他の部隊からの評判は良くない。

 隊員は皆射撃、白兵戦、潜入、破壊工作、更には車両やMSの操縦までこなせるスペシャリスト揃いであり、対MS戦に備えてアトラスR型(SCAVENGERs仕様)や小型MSのウィーゼルといった戦闘用MSも保有している。本編では所属の第211部隊が主に物語に関わってくる。

 

 

ゲシュペンスト

 

 地球連合軍の特殊機動部隊。正式名称は「独立第101特務機動群」だが「ゲシュペンスト」のコードネームの方がよく知られる。特殊作戦群にすら属していない完全に独立した指揮系統を持つ部隊で、その規模や任務等の詳細は友軍にさえ一切公開されていない。最新装備を持ち、更には人材や資材の徴用における破格の優先権や独自行動権を持っている事から背後に地球連合の重鎮や軍産複合体の存在が噂されている。地球軍の中で最も謎に包まれた組織である為、軍内には独立第13機動部隊のようにその存在に不信感を抱く部隊もある。

 物語では後半より本格的に登場する。

 

 

地球軌道方面艦隊

 

 地球の静止軌道周辺や軌道エレベーター「ギアナ・タワー」の警備任務を管轄する地球連合軍の宇宙艦隊。司令官はガルフ・ダーダネルス中将。衛星軌道上にあるサテライトベース「アースガルド・ベース」に拠点を置いている。

 

 

月方面連合艦隊

 

 月を中心に地球連合直轄のエリアL1・L5も管轄する地球連合軍の宇宙艦隊。コペルニクス基地を始めとする月面基地群を拠点とする月面艦隊と各コロニー群を拠点とするコロニー駐留艦隊から成り、管轄範囲が広い故に総戦力は地球連合宇宙軍の中でも最大規模を誇る。総司令部は月のコペルニクス・クレーターにあるコペルニクス基地に置かれている。

 

 

太平洋艦隊

 

 太平洋全域とその周辺海域を管轄する地球連合海軍の艦隊。主要基地はアデレード、ハワイ、横須賀、サンディエゴ等。

 

 

インド洋艦隊

 

 インド洋全域から紅海等を管轄する地球連合海軍の艦隊。隷下には紅海艦隊等がある。主要基地はダーウィン、ディエゴガルシア島等。「オペレーション・スエズ」では所属の主力空母2隻を中心とする大規模な艦隊を作戦支援のため派遣した。

 

 

大西洋艦隊

 

 大西洋全域や地中海方面を管轄する地球連合海軍の艦隊。隷下に北海艦隊、地中海艦隊、黒海艦隊がある。主要基地はジブラルタル、ナポリ、ポーツマス、ノーフォーク等。「オペレーション・スエズ」では所属の主力空母1隻を中心とする艦隊を地中海に派遣し、作戦を支援した。

 

 

中東方面軍

 

 アラブ・マグリブ共同体圏内の安全保障を管轄する地球連合軍の部隊。「オペレーション・スエズ」における地球軍の陸上戦力の中核となった。主要基地はアスワン等。

 

 

西ユーラシア方面軍

 

 WEC圏内の安全保障を管轄する地球連合軍の部隊。「オペレーション・スエズ」では陽動のためにアナトリア方面に師団規模の地上部隊を派遣した他、同盟の勢力圏内への空爆も実施した。

 

 

反連合同盟(反連合同盟軍)

 

 本物語において地球連合を相手に戦いを仕掛けている反抗諸勢力及びその軍隊。エリアL3のコロニー自治区が自称する独立国家「共和国カルデア」や大アジア連盟を中心にアラブ・マグリブ共同体のシリア派等の反連合勢力が参加しており、「4月11日の惨劇」以来、地球圏各地で地球軍と熾烈な戦闘を繰り広げている。

 

 

共和国カルデア

 

 エリアL3のコロニー群が「4月11日の惨劇」を機に自称している独立国家。反連合同盟の中心勢力として主に宇宙において地球連合と武力衝突を繰り広げている。現在は都市コロニー4基と産業コロニー2基、及び農業コロニー1基の計7基のコロニーから成っており、特に2つの産業コロニーを抱えている為に工業力が高く、自前でMSを設計・製造出来る程の技術力を持つ。

 コロニー群が成立したのは「災禍の聖戦」以前と歴史は古く、当時はコロニー建設に関わったロシアや中華人民連邦側の立場を取っていた。その為、歴史的に地球連合への不信感が根強かった上に他の構成地域と違って地球連合主流派から冷遇された事で地球連合に不満を募らせ続けていた。地球連合軍との武力衝突を想定して自前のMSや航宙艦等を密かに開発して独自の軍事力を増強しており、「4月11日の惨劇」を機に地球連合を脱退して武装蜂起した。反連合同盟側の宇宙部隊は多くが本国家の軍である「共和国カルデア国防軍」で占められており、また地上の同盟側勢力にはMSを始めとする兵器の供給や軍事顧問団を送る等の支援を行っている。

 

 

ヘルマン艦隊

 

 反連合同盟軍の宇宙艦隊の一つ。司令官はローゼル・ヘルマン少将。艦隊戦力は旗艦「ネブカドネザルⅡ世」を含むハンムラビ級5隻と武装輸送艦1隻の計6隻で構成され、重MS「ネルガル」を始め数十機のMSを有している。エトルリア連邦に属するコロニー「タルキニア」で起きた反乱を支援する為にエリアL4に出撃し、アルカディア隊とエトルリア防衛軍から成る連合艦隊との交戦の末撃退された。

 

 

ナビーユ旅団

 

 「砂漠の英雄」アブドル・ナビーユ中佐率いる反連合同盟軍の部隊。主にエジプト方面で活動している。アブドルを中心とした団結力と連携で数に勝る地球連合軍を長きに亘り翻弄して来た。それ故に地球連合側から「オペレーション・スエズ」最大の障害の一つとして警戒され、アルカディア隊等による掃討戦が行われる事になる。総戦力はMS十数機(機種はディザート・マルドゥーク、マルドゥーク陸戦型、ムシュフシュ)、武装MW20機程、他に若干数の装甲車と輸送用トラック、MSトレーラー数台、ヘリコプター2機。

 

 

エトルリア連邦

 

 エリアL4に所在する4つのスペースコロニーから成る連邦国家。嘗ては5つであったが、その内の「コルトナ」は同盟軍の攻撃で滅ぼされた。連合発足時における取引によって自治権を与えられており、自衛の為に独自の軍事組織「エトルリア防衛軍」を組織している。所属する各コロニーが自治政府を持っており、内政はコロニー毎にある程度独立して行われるが、外交や防衛等の重要案件に関しては原則的に各コロニー政府の代表団による合議制で決められる。なお外交姿勢は原則的に中立を掲げているが、「コルトナの虐殺」を引き起こし、その後もエリアL4を自身の影響下に置こうと揺さぶりをかけてくる反連合同盟には警戒感を抱いており、軍備の増強と地球連合との協力によってこれに対処しようという動きが所属コロニーの一つである「アレティウム」を中心に強くなっている。

 

 

エトルリア防衛軍

 

 自治国家「エトルリア連邦」が自国防衛の為に独自に組織した軍事組織。宇宙戦闘艦や戦闘用MS、治安維持用の装甲車や武装MWを多数有しており、それなりの戦力を揃えている。「コルトナの大虐殺」以降は同盟側の再侵攻を警戒して戦闘艦の武装強化やアトラスA型の購入等の戦力拡充・更新を行っているが、MS戦力は依然としてジェニウスの改修型やシャヘルといった旧式機が大半を占めている為、同盟軍を相手取るに十分な戦力とは言い難い状況にある。

 

 

モビル・スタンダード・エレクトロニクス(MSE)社

 

 本作に登場する企業の一つ。比較的新興の企業で元々はMW等を中心に製造する企業だったが、将来的に独自のMSを開発してMS市場に参入する計画を立てており、ユナイテッド・インダストリー(UI)社がMSの新規研究開発部門を縮小したのを機に解雇された技術者達を次々に雇い、更にはUI社が売却したネアポリスのMS工場とその設備を買収したりと準備を進めていた。それらを用いて戦役直前には試作MS「XM-00 パイオニアス」の研究開発に成功している。戦役開始に伴うMSの需要の高まりと地球軍からの要請を受けてUI社からアトラスのライセンス生産権を取得し、また前述のパイオニアスの研究データとも合わせて、R.W.104年に初の自社製実用MS「UM-06 グラディウス」を開発した。この機体が地球軍に制式採用された事でMS市場に本格参入し、以来UI社にとってMS市場における大きなライバルとなっている。また新技術や新機体の開発に積極的に投資しており、プロジェクトRGにも積極的に関わっている。

 

 

ユナイテッド・インダストリー(UI)社

 

 本作に登場する企業の一つ。巨大グループ企業「ゼネラル・サイエンス・テクノロジー社」の傘下にあり、主にMSやそのインターフェース等の開発や製造を行っている。歴史は古く、前身となる企業は「災禍の聖戦」以前から存在しており、数機種のMSを開発・製造していた。戦後もその技術を保持しており、それを買われて代々地球軍向けの軍用MSの開発・製造を担当した。また障碍者用インターフェースを基に開発された「BFS(ブレイン・フィードバック・システム)」をMSに実装した事で大量動員用機体である第4世代MSの開発に成功し、以来大手MSメーカーとして長年市場に君臨し続けていた。しかし「4月11日の惨劇」まで大規模紛争が起こらなかった事による軍用MSの需要減退と過信から新規MSの研究開発を軽視して研究・開発部門を縮小してしまい、それによる技術者の流出と彼等を吸収したMSE社等の台頭を招いた。更に同じく流出した技術者の一部を吸収したバビロン・メカニクス社の予想外の躍進もあり、今までほぼ独占状態だったMS市場におけるその地位を脅かされている。

 

 

バビロン・メカニクス社

 

 共和国カルデアに属するコロニー「バビロン」に本社を置く半官半民の複合企業。「災禍の聖戦」当時に第2・3世代MSを製造していた過去があるが、その後暫くはMSの製造から手を引いていた。しかしエリアL3のコロニー自治区政府(後の共和国カルデア政府)からの秘密の要請でMS開発を再始動させ、また前述のUI社から雇い入れた技術者の力を得て自社オリジナルの第4世代MS「シャヘル」を完成させた。現在はシャヘルを発展させた「マルドゥーク」を始めとするMS群や「ハンムラビ級戦闘艦」等の装備を反連合同盟軍に供給している。

 

 

ジャンク屋連盟

 

 遺棄されたMSや宇宙船の残骸等のスペースデブリの回収・解体・再生業務を生業とする業者達の組織。「災禍の聖戦」時に出た大量のデブリや廃品の回収を効率化する為、発足間もない地球連合の要請の下当時の有力なジャンク業者達によって設立された。R.W.112年現在は地球圏の全ての業者がこの組合に所属しており大きな組織となっている。業務も従来のデブリや廃品の回収・解体・再生に止まらず、運送会社等の民間組織の宇宙船やMS、モビルワーカーの修理・改造の委託業務やジャンク屋向けの作業用機器の製造・販売も行っている。

 地球連合との交渉によって自治権を獲得しており、拠点である移動式大型宇宙ステーション「ホーム・リング」を所有している他、地上においても移動式メガフロート施設「ニライカナイ」の共同管理権を得ている。またまた宇宙海賊やテロリストへの対処の為に独自の警備隊を組織しており、小規模だが武装MS部隊も保有している。なお政治的に如何なる勢力にも加担しないとして原則的に中立の立場を取っている。

 

 

宇宙(スペース)万事屋

 

 反連合同盟軍を脱走したドミニカが脱走後に身を寄せた「ホームリング」で出会ったジョニー、アンソンの二人と共に立ち上げた団体。宇宙艇「キングフィッシャー号」を移動拠点としている。用心棒、人探し、運送、機器の修理等の様々な依頼を金で請け負う何でも屋で、時には戦闘を伴う依頼も受ける事から戦力としてMS「マルドゥーク・ルベウス」や小型モビルワーカーを保有している。なおMSの予備パーツ等の補給や援助はジャンク屋業連から受けているが経営は火の車な為、時には遺棄されたMSの残骸から使える部品や装備を回収して補っている。

 モデルは「タイムボカンシリーズ」における三悪。

 

 

[技術・メカニック関連]

モビルスーツ(MS)

 

 作中世界で使用されている人型機動兵器。頭頂高は17~8m級の物が主流だが、それより大型ないし小型の機種も存在する。大型パワードスーツや作業用MWを基に開発されたとされ、西暦末の「災禍の聖戦」で初めて実戦投入された。R.W.年代以降、広く普及してからは軍用だけでなく民間用モデルも開発されている。

 作中に登場する機種の殆どは「NECTジェネレーター」と呼ばれる機関を動力源としており、本機関から生み出される「NECTAR粒子」によって慣性制御やパイロットにかかるGの軽減、強力なビーム兵器の使用を可能にしている。また内部フレームは堅牢な特殊合金である「アダマント・チタニウム」で構成され、装甲には軽量かつ強靭な「超硬セラミック複合装甲」が使用されている。また前述のNECTAR粒子を制御する事で形成される「NECTARフィールド」及び「Npアーマー」は非常に強力な防御機構であり、歩兵の携帯火器はおろか戦車や航空機が搭載する通常の砲・ミサイルですら有効な打撃を与える事は非常に難しい。このように他の既存兵器に対し攻撃・防御面で大きなアドバンテージを持つ為、作中世界では戦車や戦闘機といった既存の兵器群を脇役に追いやり戦場の主役となっている。

 なお本作のMSは大きく分けて次の6つの世代カテゴリーに分類されている。

 

・第1世代MS

 

 初めて「モビルスーツ」の名で呼ばれた機体群。西暦の時代に資源衛星の採掘やスペースコロニーの建造等で使用する大型重機として作業用パワードスーツやMWを基に開発されたとされる。あくまで作業用の機体であり、形態も完全な人型ではなかったらしい。

 

・第2世代MS

 

 完全な人型且つ史上初の本格的な実用機体群。上述の第1世代機に「NECTジェネレーター」を搭載した物をベースに発展・誕生したと考えられている。内部フレームや装甲には当時実用化されてまだ間もなかった高硬度特殊合金「アダマント・チタニウム」や「超硬セラミック複合装甲」が使用され、また粒子特性の研究により発見された「NECTARフィールド」を形成するための粒子整波機構が実装された。操縦システムとしては機体コンピュータと搭乗者の脳を直接繋ぐマンマシーンインターフェースが使用され、搭乗者は機体をまるで自分の体のように扱えたという。その一方で機体からの脳へと送られる情報量が膨大である事から搭乗者はその負荷に耐える必要があり、また搭載されたインターフェースシステムを使用するには接続端末とナノマシンを搭乗者の脊髄にインプラントし、尚且つそれが適合する必要があった。その為本機体群を操作出来るのは機体からの情報負荷への耐性が高く、且つナノマシンが体に適合した者に限定され、MSパイロットの人数も現在と比べて非常に少なかったとされている。

 NECTAR粒子の登場でレーダーや精密誘導兵器等が無力化した戦場に対応する新兵器として本機体群は「災禍の聖戦」中期頃から実戦に投入され、その高い機動性と汎用性、強力な攻撃・防御力により戦車等の既存兵器を圧倒していった。特にL5宙域付近において少数のMS部隊による奇襲で多数の艦艇が沈められた「第三次ラグランジュ5攻防戦」や50両以上の戦車・装甲車や戦闘ヘリコプターがたった数機のMSによって一方的に撃破された「アナトリア高原の戦い」はMSの性能と有用性を世界に知らしめた戦いとして有名である。なお「災禍の聖戦」後、第4世代MSが開発されるまでは第一線で使用されていた。

 

・第3世代MS

 

 長引く戦乱により人員・資源を消耗した各陣営が戦争の決着を狙って開発した機体群。「単機または極少数機で戦いの趨勢を決められる決戦機」を開発コンセプトとしており、2基のNECTジェネレーターを並列同調稼働させる「ツインジェネレーターシステム」を動力とした事で理論上は無制限の稼働時間と第2世代機を遥かに上回るパワー、極大出力ビーム兵器等の電力消費の激しい強力な特殊兵装の使用を可能とした。その戦闘能力は第4世代を始めとする後世の機体群ですら比較にならない水準にあると考えられている。

 しかし決戦機として性能を追求し過ぎたあまり搭乗者への負担は第2世代機のそれとは比較にならない程激しくなっており、高適性者であっても長時間の搭乗による脳障害等の危険性が極めて高く、廃人化や最悪命を落とす恐れもあった。故に搭乗者の確保が一番の問題とされ、一部の陣営ではこれを解決する為に薬物投与やサイボーグ化等の人体改造措置、遺伝子操作・クローン技術によるパイロットとしての適性を持った人間の培養といった倫理から外れた所業が横行した。

 本機体群は「災禍の聖戦」後期より主に敵陣営の生産・軍事拠点や都市等の中枢への強攻作戦に投入され、既存兵器群はおろか第2世代MSをも圧倒した。また末期には「モビルフォートレス」や「ガンダム」とも交戦したという。しかしながら、このように非常に酷使された事と生産機数が30機前後と非常に少なかった為、殆どの機体が失われた。また戦後の混乱でツインジェネレーターシステム等の基幹技術の多くがロストテクノロジー化した事により新規製造も不可能とされている。

 なお伝説のMS「ガンダム」もこの第3世代相当の機体だったと考えられている。

 

・第4世代MS

 

 地球圏の復興が一段落したR.W.50~60年頃から開発が始まった機体群。第2世代MSをベースに搭乗者への負担が従来より大幅に軽い新型インターフェースシステム「ブレイン・フィードバック・システム(BFS)」が実装されている。これによりそれまでパイロットになれなかった適性の低い人々でも訓練さえすればMSを操れるようになり、MSの大幅な普及を促した。また大量生産を想定して内部フレームの構造が簡略化された事で腕や頭部等のパーツ毎の分割が容易になり、生産性や整備性が大きく向上している。

 本機体群の登場によって軍関係者の悲願だったMSの大量配備が実現し、従来の大量動員用機動兵器「モビルプレーン」を全て置き換えた。なお「災禍の聖戦」時の機体群に比べると性能はやや低めに抑えられているが、それでも戦車や航空機といった既存兵器に対する十分な優位性は保持している。また前述の改良によって兵器としての完成度では寧ろ第2・3世代を凌駕している。地球連合のジェニウスやアトラス、反連合同盟のマルドゥークとその系列機等といった物語中に登場する機体の多くは本カテゴリーに該当しており、またグラディウスやイシュタール等は第4.5世代機に含める見方もある。

 

・第5世代MS

 

 第4世代機をベースに「災禍の聖戦」当時の資料を解析して開発した可変機構を導入した機体群。長距離侵攻・強襲作戦やMS輸送機として味方MS支援、及び潜入等の特殊作戦で運用される。第4世代機に比べると機体構造が複雑化している為、操作難易度は高く、生産・整備性にもやや難がある。その為制式採用された機体は少ない。地球連合のδシリーズやウィーゼル、反連合同盟のティアマトやシームルグが本カテゴリーに該当する。

 

・第6世代MS

 

 第4.5世代MSをベースに高出力の新型ジェネレーター、新素材であるアダマント・チタニウムα製フレーム、リアルタイム型BFSといった最新技術を導入して開発された最新の機体群。従来の第4世代機を上回るパワーと搭乗者と機体を高度に相互リンクさせた事による高い反応性を誇り、第2世代後期の機体と同等の性能を持つとされる。ガンダムα-1[センチュリオン]を始めとするRGシリーズの機体群が本カテゴリーに属する。

 

 

モビルアーマー(MA)

 

 MSとは異なる系譜を持つ機動兵器。後述の簡易機動兵器「モビルプレーン」から発展した兵器で、従来のモビルプレーンと区別する為に本名称が使われている。汎用兵器であった従来のモビルプレーンとは異なり、拠点防衛等に特化した特殊攻撃機として重武装・重装甲化され、機体サイズもMSを上回る程に大型化している。しかし高い攻撃・防御力を得た反面、非常に大型な上に特定の任務に特化した事で汎用性や小回り、生産・運用のコスト面でMSに大きく劣る為、実際に開発・製造された数は少数に止まる。なお同名の機動兵器の存在が「災禍の聖戦」当時に確認されているが、直接的な繋がりは無いとされている。

 

 

モビルプレーン

 

 「災禍の世戦」後のR.W.年代にMSパイロット適性が低い一般兵士向けに開発された簡易機動兵器。大量動員用の第4世代MSが開発されるまで数の上で地球連合軍の主力となっていたが、第4世代MSが実用化されると急速に置き換えられた。しかしその系譜は前述のMAに受け継がれた。

 

 

モビルワーカー(MW)

 

 作中世界で広く使われている機動マシン。略称は「MW」。西暦の時代に作業機械として開発された。多くは数m級の小型機がだが10mを超える大型機も存在しており、また形態も車両型の物から「アーマード・コア」シリーズに登場する「MT(マッスルトレーサー)」や宇宙世紀シリーズの「プチモビ」のように手足を備えた物まで幅広い。手足を備えた機種はMSの祖先の一つとなったとされている。コロニーの修繕等の各種工事、資材運搬や各種調査から施設警備、パトロール、戦闘まで幅広い用途に合わせて多様な機種が使用されており、MSに比べると開発・製造が簡単なので製造している企業は多い。また安価で数を揃えやすい事から資金力に乏しい武装勢力やテロリストが運用する場合もある。操作方式は人が乗り込む有人式が多いが、有線・レーザー通信を介した遠隔操作式やAI搭載の半自律式も少なくない。

 

 

NECTAR粒子

 

 西暦後期において当時の天才物理学者であるダニエル・イオネス博士によって発見された特殊粒子。後述の様々な性質を持つ事から、ギリシャ神話に登場する神々の霊薬「ネクタル」に因んで命名された。生物には基本的に無害であり、また時間が経てば徐々に崩壊してニュートリノ分子のような素粒子へと変化していくがその速度は遅い。本粒子が一定以上の濃度で存在すると強力な電波妨害を引き起こし、電波を使用した無線通信やレーダー、及びそれらとの連携を前提とした巡航ミサイル等の精密誘導兵器は一切の使用が不可能になる。更に濃度や圧縮率を変える事で他に慣性制御・重力軽減・超伝導機能等の様々な性質を発揮する事が後の研究によって判明し、低コストのビーム兵器や人型機動兵器「モビルスーツ」等といった技術革新の源となった。

 

 

NECTジェネレーター

 

 作中のMSを始めとする機動兵器や宇宙艦艇等の動力源、及びコロニーの発電システムに使われている機関。新たな高出力・高効率の発電機関として西暦後期にダニエル・イオネス博士等のチームによって発明され、前述のNECTAR粒子を生成すると共に莫大なエネルギーを生み出す。「発電・粒子生成機構」と「超伝導コンデンサ」の二つの部分で構成され、定期的なメンテナンスを欠かさなければ100年以上を経ても問題無く稼働する程に機械的寿命が長い。但し20年に一度は粒子生成に必要な中枢部品を交換する必要がある。また起動や粒子生成環境の維持には電力が必要なため、起動前には予めコンデンサを充電する必要がある。しかし一方でコンデンサに少しでも電力が残っていれば、ジェネレーターを稼働させて生み出される電力を全てコンデンサに回す事で自己充電する事も可能(その場合、MS等の本ジェネレーターを動力源とする機械は搭乗者の生命維持等の一部システム以外殆ど動けなくなる)。

 発明・実用化当初はサイズが非常に大型であった事、そして生み出されるNECTAR粒子が持つ強力な電波妨害性により発電所等の限られた施設でのみ運用されていたが、次第に大型宇宙船やスペースコロニー用の動力源として注目され、「災禍の聖戦」時にはMSに搭載可能なまでに小型化された。現在ではMSや宇宙船用の動力源として広く普及しており、より出力が大きく高効率な物の開発も進んでいる。

 

 

ツインジェネレーターシステム

 

  2基のジェネレーターを並列に繋ぎ同調稼働させるシステム。1基のみの場合を上回る巨大なパワーと莫大な粒子生成量を誇り、またジェネレーター同士で電力を融通し合う事で理論上は稼働中のパワーダウンが起こらないとされる。しかし一方で本システムには専用に作られたジェネレーター2基とそれらを同調させるための非常に綿密な調整技術が必要とされている。本システムは「災禍の聖戦」時に主に第3世代MSの動力源として使用されたが、これらの技術は戦後の混乱による技術の断絶により一旦は失われてしまった。しかしR.W.年代に入って以降、残された資料を基に本システムを復元するための研究が秘密裏に進められており、一部では既に実用レベルに達しつつあると噂されている。なお宇宙艦艇やコロニーの動力源として複数基のジェネレーターが使用されているが、此方はあくまでただ同時に稼働させているだけであり同調させている訳ではない。

 

 

NECTARフィールド

 

 NECTAR粒子を周囲に停滞させる事で形成される特殊な力場。物理衝撃や熱エネルギーに対する吸収・拡散性能が非常に高く、実弾兵器はおろか粒子密度によっては並みのビーム兵器すら有効に防ぐ事が可能。そのためMSを始めとする機動兵器や宇宙艦艇の防御兵装として利用されている。他のガンダムシリーズにおける「ビームシールド」のように局所、または全周囲に展開するタイプと後述の「Npアーマー」のように装甲表面に皮膜状に形成されるタイプがある。なおアルカディア級やδシリーズ等では前者が大気圏突入時の耐熱フィールドとして応用されている。

 

 

Npアーマー

 

 別名「粒子装甲」。「Np」は「NECTAR particle」の略。NECTAR粒子を装甲表面に定着させる事で形成される皮膜状のNECTARフィールドで、作中世界のMSを始めとする機動兵器や宇宙艦艇等の防御機構として広く使われている。並みの火砲やミサイルでこれを破る事は極めて困難であり、また短時間ならばビームにもある程度耐えられる。なお被弾する度に膜を形成する粒子が剥がれる為次第に減衰するが、粒子が供給され続ける限りは時間と共に回復させる事が可能。

 これを確実に突破するには威力や貫徹力の高い大口径砲や高出力レールガン、高出力ビーム兵器、長時間粒子膜に干渉出来るビームソード等の近接兵器を使用する必要がある。

 

 

NECTAR爆発

 

 高密度に圧縮したNECTAR粒子中にある種の刺激を与えた際に起きる爆発的な粒子拡散現象。MSや宇宙艦艇の装甲にもダメージを与えられる程の威力を持つ為、対艦ミサイルやMS用ロケットバズーカの対艦弾頭等に応用されている。

 

 

アダマント・チタニウム

 

 チタンやその他数種類のレアメタルを合成して作られる特殊合金で無重力条件下で製造される。軽量且つ極めて頑強である為、MSの内部フレームや武装の素材として使用されている。またR.W.100年代にはNECTAR粒子の存在に反応して強度が増す「アダマント・チタニウムα」が開発され、第6世代MSであるRGシリーズのフレームや一部の武装に使用されている。

 

 

超硬セラミック複合装甲

 

 MS等の機動兵器に使用される装甲。従来のセラミックを遥かに上回る強度と耐衝撃・熱・腐食性を持つ「超硬セラミック」と「高硬度結晶マテリアル」を積層して作られ、軽量でありながら従来の装甲を上回る強度を持つ。この装甲とNECTARフィールドから成る二重の防壁を並みの銃火器で破る事は不可能に近く、MSを戦場の主役たらしめた要因の一つとされている。

 

 

硬化スチール合金

 

  従来から使用されている合金素材。アダマント・チタニウムには劣るが強度はそれなりに高く安価に大量生産が可能な為、装甲車両等の装甲資材として広く使用されている。また宇宙艦艇等の構造・装甲材には強度と耐熱性を向上させた改良型、若しくはそれらと宇宙用セラミック等の他素材を合わせた複合資材が使用されている。

 

 

ブレイン・フィードバック・システム(BFS)

 

 本物語において第4世代以降のMSに実装されているマンマシーンインターフェース。略称は「BFS」。車やMW等を扱う運転・作業員や身体障碍者向けに開発されたマンマシーン・インターフェースシステムを発展させた物であり、原理は人間の行動や思考毎の脳波パターンを機体のAIに予め覚え込ませ、その情報を基にパイロットの脳波を常時読み取りながらプリセットされた歩行・回避・攻撃動作といったMSの挙動にフィードバックするというもの。また膨大な情報を搭乗者の脳で直接やり取りしていた「災禍の聖戦」時代とは異なり、本システムでは機体から伝達される情報は搭乗者の負担にならないレベルに処理・最適化された上で伝達される為搭乗者の負担は殆ど無くなっている。なお脳波の読み取りはヘルメットや専用ヘッドギア内に設けられた外部電極で行われるので、嘗てのように接続端末やナノマシンを身体に直接埋め込む必要は無い。

 本システムの発明によってそれまでMSパイロットに必要とされていたナノマシンとの適合性や脳内での膨大な情報処理能力、そしてその負荷への耐性といった適性が必要で無くなり、適性の低い人間でも訓練さえ行えばMSを操れるようになった。

 物語中では他に機体側が搭乗者固有の性格や癖を学びながらより最適な動作プログラムをリアルタイムで構築し、より感覚的な操作を可能とした「リアルタイム型BFS」や、I・ヒューマンの発する特殊な脳波を使用した思考操作により「災禍の聖戦」当時並みの機体反応速度を実現したI・ヒューマン専用の「シャーマニックシステム」といった発展型も登場する。

 

 

ファントムアンブレラ・システム

 

 本作に登場する光学迷彩システム。特殊なメタマテリアルの粒子膜を周囲に展開する事で光を屈折させ、自機をほぼ完全に背景に同化させる事が出来る。またこの粒子膜には自機から発する赤外線やNECTAR粒子の反応をある程度遮断する機能があり、赤外線センサーやNECTARセンサーにも発見されにくくなるという利点もある他、展開範囲を広げる事で自機だけでなく随伴する味方機も覆い隠す事が可能である。ただしシステムの維持には大電力が必要であり、またメタマテリアル粒子膜とビーム兵器に使用される圧縮NECTAR粒子が干渉し合う事でステルス機能が減退してしまう為、システム稼働中はビーム兵器の使用を制限されるという欠点がある。またシステム自体の製造・運用コストも高い為、現在本システムを搭載しているのはグレイ・エンゼル級特殊諜報艦やRGシリーズのγタイプのような一部の特殊兵器に限られている。

 

 

プロジェクトRG(リヴァイヴ・ガンダム)

 

 地球連合軍の新型MS開発計画。RGは「Revive Gundam」の略。R.W.106年に地球連合軍先端兵器研究開発部と新進気鋭のMS開発メーカー「モビル・スタンダード・エレクトロニクス(MSE)」社の合同開発チームによってスタートした。なお本計画には「災禍の聖戦」を終結に導いた伝説のMS「ガンダム」を復活させる事で戦役の早期終結と戦役における地球連合の正義を世界に示すというプロパガンダ的な意味も含まれている。

 本プロジェクトではMSE社製の軍用MS「グラディウス」を基礎に、次期主力機のベースになる汎用型(αタイプ)・対艦・対拠点攻撃用の砲撃支援型(βタイプ)・隠密偵察や奇襲といった特殊任務用の特殊作戦型(γタイプ)の3種類の機体の開発が並行して進められた。途中でβタイプの計画中止とαタイプへの統合というアクシデントがあったものの、プロジェクト自体は順調に進み、R.W.112年において第6世代MS「RGシリーズ」として完成を見た。

 

 

ガンダム

 

 「災禍の聖戦」末期に現れた伝説のMS。超大型機動兵器「モビルフォートレス」等の特殊兵器群や過激な主戦派勢力を殲滅・無力化し、戦乱を終結へと導いたと伝えられ、作中世界では「戦乱を終わらせ、人類文明を救った英雄」として「平和」・「正義」の象徴とされている。地球連合発足直前に忽然とその姿を消した為、搭乗者や開発・運用した組織についての一切が謎に包まれており、その姿を見た人々が残した僅かな記録や映像から少なくとも複数の機体が存在していた事、その全てが2本のブレードアンテナとデュアルタイプのカメラアイを有していた事のみが分かっている。

 なお「プロジェクトRG」において開発されたRGシリーズの外見は本機の特徴を基にデザインされており、それには戦役における地球連合側の正義を示すプロパガンダ的な意味が込められている。

 

 

モビルフォートレス

 

 「災禍の聖戦」末期に投入されたとされる超大型機動兵器。都市一つを丸ごと焦土と変える程の大量のミサイル、島を一撃で消滅させる程の超高出力エネルギー兵器、多数の無人攻撃端末等といった単機で国を滅ぼせる程の強力な武装と物によっては戦術核兵器にすら耐え得る強力な防御機構を有していた。

 終わりの見えない戦乱の「最終的な解決」の切り札とされたが、その過剰過ぎる武装により多くの国、都市、コロニーを蹂躙・壊滅させ、人類文明を崩壊の瀬戸際に追い込んだ。その為、終戦後のR.W.の世界では人類文明を滅しかけた「禁忌の存在」の一つとして本兵器の開発や研究の一切が「アデレード条約」によって禁止されている。なお前述の「ガンダム」によって全てのモビルフォートレスは最終的に全て駆逐されたと語り継がれている。

 

 

[地名・施設]

エリア

 

 地球周辺宙域を5つのラグランジュ・ポイント毎に区分した物。各エリアにはスペースコロニー等の宇宙施設が存在している。また月と火星圏は其々「エリア・ムーン」、「エリア・マーズ」として別に区分されている。

 

 

エリアL1

 

 L1ポイントとその周辺宙域。人類史上、初めてスペースコロニーが作られたエリアで地球と月の中継地として重要視されている。なお所在するコロニーには古代ギリシアの都市国家の名が付けられている。

 

・アテナイ

 

 本エリアの政治・経済の中心となるコロニーで「L1コロニー区行政府」が置かれている他、地球軍の艦船を建造している造船所がある。

 

 

エリアL2

 

 月の裏側のL2ポイントとその周辺宙域。地球連合の直轄宙域であり、許可を受けた船以外の立ち入りが禁止され、月方面艦隊による厳重な警備が敷かれている。何らかの研究施設があるようだがほんの一部の人間にしか詳細は知らされておらず、警備を担当する月方面艦隊にすら正確な情報は伏せられている。

 

 

エリアL3

 

 L3ポイントとその周辺宙域。反連合同盟の中心勢力であるコロニー国家「共和国カルデア」がある。エリアL1に次いで世界で2番目にコロニー建設が行われたエリアで「災禍の聖戦」以前には既に成立していた。なおこのコロニー群の建設は旧地球連合構想反対派の国家群の主導で行われた。

 

・バビロン

 

 「共和国カルデア」の首都の役割を持つコロニー。中央政府政庁や軍関連施設、主要企業である「バビロン・メカニクス社」の本社が置かれている。

 

・ウル

 

 産業コロニー。MSの開発・製造を行う工廠や宇宙艦艇を建造する大規模な造船所がある。

 

・ニネヴェ

 

 居住コロニーの一つで「災禍の聖戦」の戦没者を慰霊する記念公園があった。「4月11日の惨劇」で戦術融合弾による攻撃を受けて多くの被害者を出し、現在は攻撃による放射能汚染により立入禁止となっている。

 

 

エリアL4

 

 L4ポイントとその周辺宙域。永世中立を掲げるコロニー連邦国家「エトルリア連邦」が所在している。現在稼働しているコロニーは「タルキニア」、「アレティウム」、「ウェイイ」、「ペルーシア」の4基。なお嘗ては「コルトナ」が存在したが、反連合同盟軍の攻撃で大きな被害を受け放棄された。歴史上3番目にコロニー建設が行われたエリアで「災禍の聖戦」では宇宙用モビルフォートレスの攻撃で3基のコロニーを破壊される大きな被害を受けており、その為周辺には当時破壊された戦艦やコロニー等の残骸が依然残っている。

 

・タルキニア

 

 エトルリア連邦に属する自治コロニーの一つ。各コロニー政府の代表団が集まって議会が開かれる議事堂があり、連邦の纏め役的な存在となっている。その為エリアL4の確保を目論む反連合同盟による官民への裏工作が行われており、R.W.112年には同盟側と通じる議員や軍将校の一部等がクーデターを計画しているという噂が囁かれている。

 

・アレティウム

 

エトルリア連邦に属する自治コロニーの一つ。反連合同盟による侵略工作に最も危機感を募らせており、同盟側に対する強硬派の中心となっている。「タルキニア」においてクーデターと暴動を画策する親同盟勢力等の鎮圧への協力を極秘に地球連合軍に要請する。

 

・コルトナ

 

 かつて存在した自治コロニー。ハルマの生まれ故郷。エトルリア連邦に属するコロニーだが地球連合との関係が特に深く、地球連合の大使館を置いていた他にそれを守る地球連合軍の駐留部隊を受け入れていた。しかしそれ故に開戦の2年後に起こった反連合同盟軍の攻撃で壊滅し、現在は無人のまま放置されている。なおこの攻撃の際に反連合同盟軍による一般市民の虐殺事件「コルトナの大虐殺」が起こり、ハルマの母であるソフィーを含む多くの住民がその犠牲となった。

 

 

エリアL5

 

 L5ポイントとその周辺宙域。R.W.年代に入りコロニー建設が活発化した新興のエリアで近傍には資源採掘用の衛星等もある。

 

・タレントゥム

 

 エリアL5の中心的コロニー。L5コロニー区行政府が置かれている。

 

・ネアポリス

 

 エリアL5に在るコロニー。「学研コロニー」として研究・教育機関が集まっている他、軍の先端兵器研究開発部やMSE社のMS工場及び新型機研究開発所、ハルマ達が訓練を行っていた地球連合軍ネアポリス士官学校といった軍関連の重要な施設も所在しており、また独立第13機動部隊が拠点としている。RGシリーズの内「αタイプ」の開発・製造は此処で行われていた。ハルマとフィアナが出会った場所であり、物語の始まりの地でもある。

 

・ネアポリス士官学校附属MSパイロット養成アカデミア

 

 呑み込みの速い青少年をMSパイロットとして短期間で育成する目的でネアポリス士官学校内に開校した青少年向けのMSパイロット養成機関。中等教育機関を卒業した15~6歳の少年少女の中から選抜された者のみが入学を許される。全寮制。入学した者は通常3年に亘って座学やMS操縦を含む各種軍事訓練を受ける。指導や訓練は厳しいが休暇も設けられており、事前に申請書を出しておけば基地の外への外出も認められる。ハルマ達は此処で訓練を受けていた。本機関の卒業者には少尉の階級が与えられ、通常は練習部隊で更なる訓練を受けるが、戦役の長期化による前線でのMSパイロット需要の逼迫により成績上位者がいきなり実戦部隊に配属される例も多くなっている。

 

 

エリア・ムーン

 

 月面とその周辺宙域。月面都市「ティコ・シティ」を始め、コペルニクス基地やアームストロング基地、コンプトン基地等の地球連合軍月面基地群、そしてレアメタル採掘基地等の重要施設がある。

 

・ティコ・シティ

 

 月面のティコ・クレーターに建設された月面都市。歴史は古く、西暦の時代に建設された。「災禍の聖戦」による被害が比較的少なかった為に復興も早く、また地球連合主流派との結び付きが強かった事もあり、実質的に宇宙における地球連合の政治・経済的拠点となっている。近傍には地球連合軍のティコ基地と先端兵器研究開発部の研究所があり、RGシリーズの「γタイプ」等の新型兵器のテストが盛んに行われている。

 

・コペルニクス基地

 

 月面のコペルニクス・クレーターに建設された地球連合宇宙軍の基地。基地の規模は宇宙最大を誇り、月方面連合艦隊の司令部が置かれている他、月面艦隊の主力が母港としている。

 

・アームストロング基地

 

 月面の「静かの海」に建設された地球連合宇宙軍の基地。西暦時代にアポロ11号が着陸したとされる地点に所在している。

 

・コンプトン基地

 

 月の裏側に建設された地球連合軍の基地。

 

 

エリア・マーズ

 

 火星圏。西暦の時代から開発が行われており、小規模な居留地が設営されるまで開発が進んでいたが、地球圏の情勢悪化により開発は休止に追い込まれ居留民は全員引き揚げられた。その直後「災禍の聖戦」が開戦した事により永らく放置されていたが、復興が一段落したR.W.50年代後半より開発が再開されている。現在は火星上に資源採掘基地や小規模な居留地、ラグランジュ・ポイントにはスペースコロニーが2基置かれており、火星開拓公社や資源採掘会社の社員とその関係者、その他の開拓移民達が居住している。行政は地球連合傘下の火星行政庁が行っており、地球連合軍の火星駐屯部隊が治安維持を行っている。地球との間は定期航路で結ばれており、火星で採掘された資源や地球からの物資の輸送が行われている。なお同盟側との資源の裏取引きが疑われている。

 

 

ギアナ・タワー

 

 南米ギアナ沖に存在する軌道エレベーター。「災禍の聖戦」で破壊・放置されていた物を数十年かけて修復・再建した。現在はマスドライバー施設と共に地球と宇宙を結ぶ重要な輸送路となっている。なおこのギアナ・タワー周辺での戦闘行為は禁止されており、また万が一に備えて地球軌道方面艦隊が厳重な警備体制を敷いている。

 

 

アースガルド・ベース

 

 地球の衛星軌道上にある地球連合軍のサテライトベース。地球軌道方面艦隊の司令部が置かれている。

 

 

アデレード基地

 

 オーストラリアのアデレードにある地球連合軍の基地。

 

 

ディエゴガルシア基地

 

 インド洋に浮かぶディエゴガルシア島にある地球連合軍の基地。インド洋艦隊の拠点の一つで大規模な泊地の他に超大型輸送機や爆撃機が発着出来る飛行場が設営されている。

 

 

ダーウィン基地

 

 オーストラリアのダーウィンにある地球連合軍の基地。軍港が整備され、インド洋艦隊の重要拠点の一つとなっている。

 

 

アスワン基地

 

 エジプト南部のナイル川河畔にある都市アスワン近傍にある地球連合軍の基地。「オペレーション・スエズ」において作戦部隊の拠点の一つとして機能した。

 

 

ジブラルタル基地

 

 スペインのジブラルタルにある地球連合軍の基地。大西洋艦隊の主要拠点であり、大規模な軍港の他にマスドライバー施設が建設されている。

 

 

アシュート基地

 

 「災禍の聖戦」で廃墟となったエジプトの旧アシュート市街跡近くにある反連合同盟軍の前哨基地。かつての空港跡地を利用して設営されており、飛行場が整備されている。「オペレーション・スエズ」開始直後にアルカディア隊の攻撃を受けて陥落した。

 

 

アレキサンドリア基地

 

 エジプト北部の港湾都市アレキサンドリアにある反連合同盟軍の基地。艦艇が多数停泊出来る大規模な軍港を有しており、同盟側にとって地中海方面における一大拠点として機能している。その為基地を守るべく、周辺のアレクサンドリア市街を含めて要塞化されており、大隊クラスの有力なMS部隊が防衛の為に配置されている。

 

 

[アイテム・その他の用語]

ブルー・アース

 

 フィアナが持つ青い宝石のような形をした謎の端末。用途は不明で普段はペンダントとして首から下げている。フィアナ自身の身柄と共にミカイルの確保対象になっている。

 

 

プロジェクト・ブループラネット

 

 マティウスが極秘に進めている計画。「争いの無い、青く美しい世界」を創造する事が目的らしいが具体的な詳細の一切が謎に包まれている。

 

 

プログレス

 

 作中世界においてその存在が噂されている人々。これに覚醒した者の脳からは一般の人々では殆ど観測されない特殊脳波「シャーマンウェーブ」が強く観測され、他者の敵意や気配を鋭敏に感じ取る、常人を上回る空間認識力や情報処理力を発揮する等の種々の特殊能力に目覚めると言われている。自らの生存に関わる極限状態に晒された人間の中から生まれるとされ、若い人間程覚醒し易いといわれているが、その実態は殆ど解明されておらず、世間一般からは実在の疑わしい「オカルト」として認識されている。しかしその存在を信じて研究を続けている研究者も複数いるようだ。

 

 

 

 


 
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