No.92883

恋姫無双 袁術ルート 第二十五話 絆

こんばんわ、ファンネルです。

相変わらず展開は遅いです。

今回の本編は、少し七乃さんの有能さが上がってしまっているかもしれません。ですが、自分的には結構好きです。

続きを表示

2009-09-01 19:36:21 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:21622   閲覧ユーザー数:17191

第二十五話 絆

 

 

「雪蓮……本当に俺たちを裏切ったのか?」

 

一刀は信じられなかった。信じたくなかった。そんな事はあってはならない事だからだ。雪蓮が裏切るなんてことは。

 

「一刀。あんたの気持ちは分らないでもないけど………これは現実よ。」

 

あまりにも一刀が取り乱しているもんだから、詠は現実をはっきりと理解させようとした。

 

「だ、だけどさ……」

「一刀殿、孫策殿が華雄殿を討ったことは間違いないようです。ですから、彼女は我々を裏切ったと見たほうが………」

 

稟も何か申し訳なさそうに話す。彼女たち軍師はもう雪蓮たちを信じてなどはいなかった。

 

彼女たちだって雪蓮を信じたくないわけじゃない。だが、彼女たちは軍師だ。軍師はまず人を疑うことから始まる。仕事上の性格ゆえ仕方がないのだ。

 

それでも一刀は二人の話を聞きたくなかった。雪蓮を裏切り者扱いにしたくない。いや、裏切られたと信じたくないからだ。

 

「お兄さん、大丈夫ですか~?」

 

風が一刀に訪ねてくる。一刀は少しばかり青い顔をしていたようだ。

 

「ああ、大丈夫だよ。」

「本当ですか~?」

「本当だよ。少し横になれば治るからさ。」

 

一刀が気分が悪いというのは本当だった。だが、大したことのない症状だったために我慢していた。しかし雪蓮と華雄の事をしって余計に気分が悪くなってしまった。

 

「少し、横になってくるよ。」

 

一刀はその場を離れた。そして自分の部屋に戻って横になった。だが、一人になると頭痛は治るどころか、余計に考え込むものだからさらに痛くなっていった。

 

 

「…………ちくしょう。」

 

 

なんでそう思ったのかは一刀自身知らない。ただ、自然と口に出てしまったのだ。

 

一刀は考えていた。雪蓮たちのことだけじゃない。連合の事。虎牢関の事。そこを守る恋やねねたちの事。

 

(ちくしょう。どうしてこんな事になっちまったんだよ。)

 

そんな風にふけっていたら誰かが部屋の戸を叩く音が聞こえてきた。

 

 

トントン

 

 

「あ、はい。………誰だろう?」

 

一刀は扉を開けてあげた。

 

「一刀、元気かや?」

「一刀さん、元気ですか?お見舞いに来ましたよ♪」

 

扉の前には美羽と七乃さんがいた。二人は気分が悪くなっている一刀を心配してお見舞いに来てくれたようだ。

 

「詠さんから聞いたんです。お体は大丈夫ですか?」

「う、うん。大したことないよ。」

 

一刀の言葉は本当だった。二人に会ったら少し気が紛れたからだ。詠もそれを見越してこの二人を連れてきてくれたのだろう。

 

「………孫策さんの事、詠さんたちから聞きました。」

「………そうですか。」

 

七乃さんはどうして一刀が頭を抱えているのか理解していた。その上で一刀の事を慰めている。

 

「うん?雪蓮の奴がどうかしたのか?」

「………え?」

 

一刀は七乃さんのほうを見た。七乃さんはただ静かに頷くだけだった。どうやら美羽は雪蓮たちの事を何も知らないようだ。

 

「雪蓮たちがどうかしたのかや?」

 

美羽はおもむろに聞いてくる。一刀はどうしようと悩んだ。美羽に雪蓮が裏切ったなんて言いたくはなかった。美羽は雪蓮の事を仲間だと思っている。どういうように誤魔化そうと考えている時だった。七乃さんが口を開いた。

 

「実はですね~、孫策さんたちは私たちの事を裏切ったかもしれないんですよ~。」

「………ほえ?」

「ちょっ!七乃さん!?」

 

いきなり七乃さんが核心を話してきた。一刀はとっさに美羽のほうを見た。どんな反応をするのか気になったからだ。

 

「そんなはずなかろう。雪蓮は妾たちに大きな恩義があるのじゃぞ。そんな奴が妾たちを裏切るわけなかろう。」

 

やはり、信じられないようだった。誰だってそう思うはずだ。だけど現に雪蓮たちは華雄を討ち果してしまっている。

 

(やはりここで言うべきだろうか?)

 

一刀は少し悩んだ。雪蓮たちの事は黙っていてもすぐに分かる。ならば今ここで本当の事だと伝えてやったほうが美羽のためにもなるのではないか?一刀はそう思い、美羽に正直に話そうとしたのだ。

 

「なあ、美羽。雪蓮の事は「やはりそうですよね。♪孫策さんたちがお嬢様を裏切るわけありませんよね。」……え?」

 

一刀の声に重なるように七乃さんが雪蓮の弁明をしていた。

 

「何を当り前なことを言っておるのじゃ?雪蓮が妾たちの事を裏切るわけないじゃろうが♪」

 

美羽は自信満々に答える。美羽なら分かる。だけど分らないのは七乃さんだ。一体どういうつもりなのだろうか?

 

「七乃さん、どういうつもりですか?」

 

一刀は少し怒っていた。七乃さんは雪蓮の事は詠たちに聞いたと言った。だから、雪蓮たちが裏切ったことは冗談なんかじゃないと分かっているはずだ。なのにどうしてそんな風に笑って冗談のように振舞うんだ?

 

「だって、お嬢様が孫策さんたちの事を信じているんですもの。」

「……え?」

「お嬢様が信じると言ったら私も信じなきゃいけないじゃないですか。」

 

信じる?雪蓮たちの事を?いったい何の根拠があるというのだ。まだ裏切りが決定したことじゃないがこれほどの要素が集まっているのだ。雪蓮たちが裏切ったと考えるのが普通ではないのだろうか?

 

だが、美羽は何の根拠もなく雪蓮たちの事を信じていると言っている。これは根拠や証拠といったようなものでは無くただの勘だ。

 

 

「………美羽?」

「うん?なんじゃ?」

 

一刀は美羽のほうを見た。その顔は雪蓮の裏切りを心から信じていない。いや、疑うという事さえ考えていない顔だった。

 

「どうして雪蓮たちが裏切っていないって思うんだ?どうしてそんなに信じられるんだ?」

 

一刀だって雪蓮たちの事を信じたい。心から信じたいのだ。だが感情というものは存外に厄介なものだ。一度でも疑ってしまうとそれが頭から離れない。そして不信感を募らせていくのだ。だが、美羽の顔は不信感などなかった。

 

「なぜじゃと?………そんなもの簡単ではないか。」

「……簡単?」

「うむ。あやつが雪蓮だからじゃ。」

 

一刀は最初何を言っているのか分らなかった。

 

「………し、雪蓮だから?」

「うむ♪雪蓮じゃ。あやつが雪蓮でいる以上妾たちを裏切ることなどしやせんじゃろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪蓮たちが裏切ってなどいない根拠。それは『雪蓮だから』。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あまりにも論理的ではなかった。根拠ですらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……だけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでだろう?美羽の言葉がとても説得力のある強い言葉に聞こえてしまうのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雪蓮だから………か。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀は思い出していた。雪蓮たちとの思い出を。初めて会った時の事。

 

 

『はじめまして、袁術の使者としてやってきた北郷一刀です』

『はじめまして、私が孫策よ。』

 

 

 

みんなでお祭りで馬鹿をやった事。

 

 

『絶対に負けないからな、雪蓮!』

『こっちだって負けないわよ!』

 

 

 

一緒に黄巾党を相手にした時の事

 

 

『さあ、行こう!俺たちの力を見せてやろうぜ!』

『ええ!みんな行くわよ!』

 

 

 

雪蓮たちと別れた時の事

 

『一刀、大好きよ。』

『俺も。雪蓮、愛しているよ。』

 

 

一刀は今までの思い出を頭の中でフィードバックしていた。その思い出のすべてはとても美しいものであった。雪蓮たちの思い出の中に嘘などはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『雪蓮が雪蓮だから』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、美羽の言葉がようやく理解できた。そうだ。雪蓮は雪蓮じゃなかったのか?どうして疑ったりなんかしたんだ。相手は雪蓮なんだ。疑うなんて言葉は俺たちと彼女たちの間には存在しないはずだったというのに。

 

 

 

 

 

…………………………………………

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

…………

 

 

一刀はすでに美羽と七乃さんの言葉に対する怒りなどはなかった。それどころか何か悟ったような心境に達していた。いままでギリギリと襲ってくる頭痛もいつの間にか消えていた。

 

「一刀?」

 

美羽は一刀の変化に気付いた。だが、一刀はボ~としたまま何も話さなかった。

 

一刀は悟ったのだ。美羽は雪蓮の事を裏切ったとは思っていない。いや、思っていないどころか『裏切り』という単語の存在さえ無いものにしている。美羽がそこまで聡明な子だとは思ってはいないがどうしてもそう思ってしまう。

 

「お~い、一刀~。聞こえとるのか~?」

 

さっきから美羽が呼んでいる。耳には入ってきていたがついつい考え込んでしまったために頭の方には入ってこなかった。

 

「聞こえているよ、美羽。」

 

一刀は気がついた。先ほどの美羽の答えに対して何も答えていなかったことに。

 

「そうだな、雪蓮たちが俺たちを裏切るわけないか!」

 

「ふん、何を当り前なことを言っておるのじゃ。」

 

「お嬢様は孫策さんたちの事が本当に好きですしね♪」

 

「な、何を言っておるのじゃ!あ、あ奴等は妾たちの部下なのじゃぞ!」

 

「でも、孫策さんたちの事、好きなんですよね?」

 

「それは……まあ………好きと言えば好きじゃが………」

 

美羽は少し赤くなりながらムキになっている。そんな美羽の事がとてもいじらしく思う。一刀は思わず美羽と七乃さんの二人に抱きついてしまった。

 

「こ、これ!一刀。いきなりなんじゃ////!」

「そうですよ~♪ずいぶんと積極的ではありませんか?」

 

二人は色々と喚いているが、一刀には聞こえなかった。ただ二人に対する感謝の気持ちで一杯だったのだ。

 

「美羽、七乃さん。ありがとう。」

 

二人はどうして一刀がお礼を言っているのか分らなかった、だけど好きな人に感謝されるというのはとても気持ちのいいものだ。当然のように彼女たちは調子に乗った。

 

「お前たちのおかげで迷いがなくなったよ。」

「よく分らんが………妾たちのおかげなのじゃな?」

「ああ、そうだよ。やっぱり美羽はすごいよ。」

「ふふ~ん!当り前じゃ!」

「よかったですね、一刀さん。」

 

七乃さんはどうだか分らないが、美羽は全く気が付いていない。一刀の感謝の気持ちは言葉では言い表せないほど大きかったのだ。一刀は心の底から美羽たちに感謝した。雪蓮たちとの関係を思い出させてくれたのだから。

 

 

「ふあ~……」

 

 

感動の余韻に浸っている最中、美羽が気の抜けたあくびをしてきた。

 

「どうした、美羽。眠いのか?」

「う、うむ。」

 

無理もないだろう。もう夜中だ。美羽ならそろそろ寝る時間だろう。

 

「よし、今日は三人で寝ようか?」

 

一刀の積極的な提案に二人は目を点にした後、顔を沸騰させた。

 

「な、なんじゃいきなり!/////」

「え、嫌か?」

「い、いや……嫌と言うわけではないが……」

「あはは。今日の一刀さんは本当に大胆ですね♪」

「お前たちのおかげだよ。」

 

こうして一刀たちはその日同じベットで寝ることになった。美羽を真中に一刀と七乃さんが美羽を包むような感じだ。

 

美羽は幸せそうな寝息をたてている。一刀はそんな美羽の寝顔を横で見ていた。

 

 

美羽は完全に寝てしまっただろう。一刀もそろそろ自分も寝ようと思い、目を閉じようとした時だった。

 

「………一刀さん、まだ起きていますか?」

 

反対側から七乃さんの声が聞こえてきた。七乃さんもまだ起きていいたようだ。

 

「起きていますよ、七乃さん。」

 

美羽を起こさないように小声での会話だが十分に聞こえる。

 

「孫策さんの事、もう大丈夫みたいですね。」

「ええ。七乃さんと美羽のおかげです。」

 

もう迷わない。一刀は雪蓮の事を信じる。信じて信じて信じぬく。もう疑ったりなんかしない。そう思っていた。

 

「それは良かったですね。でも、孫策さんの事が解決しても状況は良くなったとは言えません。むしろ、今はとても危ない状況に陥っていますよね。私たち。」

「………そうですね。」

 

そうだった。雪蓮の裏切りが本当であっても嘘であっても今の状況はあまり変わらないのだ。汜水関が半日で落とされてしまったのだから。

いくら三国志最強の武将である恋が守っている虎牢関だって一か月間持ちこたえるのはとても難しいはずだ。

 

いや、それどころか連合が鉄壁の虎牢関を通らないという選択肢だってある。虎牢感は鉄壁の関として有名だ。そんな危険なところを通るより、かなり遠回りになるが函谷関から洛陽に向けて進軍しすると考える人間だっているかもしれない。

 

そもそも敵が汜水関と虎牢関のあるルートを選んだのは、その道が洛陽までの最短ルートであると同時に兵糧の量を計算した上での作戦のはずだ。だが、汜水関がわずか半日で落とされてしまった。つまり、汜水関で消費するはずだった兵糧に余裕ができてしまったのだ。だから函谷関を渡ろうと考える人たちだって現れるかもしれない。

 

こちらの軍は洛陽の守りに加えて、長安侵攻のために軍を使っている。ただでさえ虎牢関に送っている兵でギリギリだというのに、もう一つの函谷関に割る兵力なんてあるはずがない。

 

つまり、一刀たちは絶体絶命のピンチだということだ。

 

「もしかしたら三人でこうして寝るというのも、もう出来なくなるかもしれませんね。」

 

七乃さんはどこか諦めたような感じに答える。

 

「そ、それは………」

 

一刀は七乃さんに『大丈夫だよ』なんて言葉をかけることが出来なかった。今の状況は本当に切迫しているのだから。大丈夫なんて曖昧な言葉をかけるわけには行かなかった。

 

「そんなに心配しないでください。一刀さん。」

 

だが、七乃さんは屈託のない笑顔で答えてくれる。

 

「もし敵さんがやってきたら、この私が守ってあげますから。」

 

七乃さんは冗談風に言う。だけど七乃さんの笑顔があまりにも眩しいもんだから、本当にどうにかなりそうな気がする。

 

「あはは。それって俺の台詞じゃ……」

 

一刀も笑いながら冗談で返す。

 

「うふふ、それは私より強くなってから言ってくださいね。」

「……精進しますよ。」

「はい、頑張ってくださいね。」

 

二人はクスクスと笑っている。

 

「う、う~ん……」

 

途中、美羽が大きな寝返りをした。二人は同時に口を押さえた。美羽は寝返りをしたまま起きなかった。どうやら起こさずに済んだようだ。

 

「さてと、それじゃあ私たちもそろそろ寝ましょうか。」

「そうですね。」

 

そうして二人も目を閉じた。一刀は寝ている美羽を抱きしめた。美羽は安らかな寝顔で寝ている。

 

(守りたい。この二人を。俺の大切な家族を。)

 

一刀は二人を守りたい。そう真摯に思った。そして一刀は一人である決断をしたのだ。

 

 

朝が来た。太陽はまだ顔を出していないが外は薄く明るくなっている。

 

一刀は起きだした。隣には美羽と七乃さんがやさしい寝息をたてている。一刀は二人が起きないようにそっとベットから起き上がった。

 

「よし、行くか。」

 

一刀は部屋から出て詠たちが軍議をしている場所へと向かった。

 

「う~ん………。」

 

一刀が詠たちの所に行くとすでに軍師の三人は起きて頭を抱えている。軍師の朝は早いというがこの三人は特に早い。

 

「よっ!おはよう。」

 

一刀は元気に挨拶した。詠たちも一刀の存在に気づき、作業を一時中断したのだ。

 

「あんたにしては随分と早いわね。」

「おはようございます、一刀殿。」

「おはようなのです、お兄さん。」

 

みんなの顔には疲れが見える。ロクに眠っていないのは明白だろう。

 

「珍しいな、風がこんな時間に起きているなんて。」

 

本当に珍しい光景だ。普段の風なら誰の前でもどんな状況でもすぐに眠ってしまうというのに。

 

「失礼ですね~。風だってやる時にはやるんですよ。」

「おうおう、ずいぶんな言いようじゃねえか、兄ちゃんよ。」

「ははは。ごめんごめん。風に宝譿。」

 

風の頭の上に乗っかっている不思議な帽子にも謝った。風が言うには彼女とこの帽子は別人らしいから。

 

「ずいぶんと元気になられたようですね。もう平気なのですか?」

「うん。もう大丈夫。」

 

一刀は雪蓮の事を三人に話した。もちろん三人とも一刀の考えには反対した。あまりにも論理的ではなかったからだ。だが、一刀には迷いなどはなかった。一刀は自信満々に答える。この三人は一刀と雪蓮たちとの絆を知らないのだ。だから、一刀はどれだけ深い絆で結ばれているのかをこの三人に熱論した。

 

「それにさ、この報告書によると華雄の方からけしかけたって書かれている。もしかしたら止むを得ず倒してしまったのかもしれない。」

 

一刀は美羽たちのおかげで冷静さを取り戻していた。だから雪蓮が裏切っていないという根拠を三人に聞かせていた。

 

「た、確かに可能性としてはあるかもしれないけど………」

 

詠は言葉を濁している。可能性としてはあるかもしれないけど確率があまりにも低いからだ。

 

「確かに小さな可能性だけど………俺は雪蓮たちを信じたいんだ。」

 

一刀の目には迷いなどはなかった。もう三人を説得できる一歩手前まで来ていた時、稟が聞いてきた。

 

「一刀殿の気持は分かりますが………もし、本当に裏切っていたらどうするおつもりなんですか?」

 

一刀は少し悩んだ。雪蓮たちを疑ったからじゃない。この三人を納得させる事ができる言葉を選んでいたのだ。だけど、この三人に取り繕った言葉なんか通じるはずがない。一刀は思ったことを口にした。

 

「それでもだよ。」

「………え?」

「それでも俺は雪蓮を信じる。」

 

三人は一刀の言葉に呆気にとられ口を開くことが出来なかった。

 

「たとえ、裏切られたとしても信じ続ける。信じて、信じて、信じて、信じて、信じぬいてみせる。その結果、殺されることになっても雪蓮たちを信じ続ける。」

 

その場の空気が固まった。

 

 

一刀の言葉でその場の空気が固まった。だが、すぐに気が付き一刀を責める。

 

「あ、あんたね~……!」

 

詠はとても怒っている。一刀はこれからいろんな罵声を浴びせられる事になると覚悟した。だが、稟が助け舟を出してくれた。

 

「詠殿、もうそのくらいでよろしいのではありませんか?」

 

稟の助け船に驚いたのは詠だけではない。一人もまた驚いていた。

 

「稟!あんた何てこと言うのよ!」

「主である一刀殿が孫策殿たちを信じたいというのですから、我々も信なくてはなりません。」

「そ、そうだけどさ………。」

 

一刀は詠の前まで来て頭を下げた。

 

「頼む。雪蓮たちを信じさせてくれ。」

 

一刀は涙目に答える。そしてとうとう詠も折れてくれた。

 

「わ、分かったわよ!だから顔をあげなさいよ!これじゃ、まるで僕が悪者みたいじゃない!」

「うん。詠、ありがとう!」

「お、お礼なんていいわよ。信じることなんて個人の勝手なんだから。」

 

照れているのか怒っているのか今一つ分らない詠にみんなで笑ってしまった。もちろん詠がその笑いに対して怒鳴り声を出したのは言うまでもない。

 

ようやく詠たちの説得に成功した。そもそも詠たちにとって雪蓮たちの裏切りはそう大きな問題ではなかった。一番問題なのは連合の動きだ。この問題に対してはどんな問題も大したものではない。

 

「どうしたらいいのかしら………」

 

詠たちは頭を抱えている。それもそのはずだ。敵の兵糧に余裕ができた。つまりその分、移動することができるのだ。虎牢関を通るとは限らない。もっと安全なルートを選ぶかもしれない。

 

詠たちは悩んでいる。あと一か月間、時間稼ぎをしなければならないのだ。しかも連合がどのルートでやってくるのか分らない。それどころか兵を二手に分かれさせるかもしれないのだ。二手に分かれさせても兵力はあちらの方が大きいのだから。

 

「せめて、一週間ほど足止めが出来ていれば……!」

 

稟が嘆くのも分かる。だが、嘆いても状況が良くなるはずがない。そんな中一刀が三人に提案を持ち込んだ。

 

「なあ、みんな。大切な話があるんだ。」

 

詠たちは考えるのを止め、一刀の方を見た。

 

 

三人は一刀の方を見た。

 

「大切な話って何?一刀。」

 

一刀は息を飲んだ。もしかしたら自分の提案は三人を怒らせるかもしれないからだ。

 

 

 

 

「ああ。その………俺を虎牢関へ行かせてくれないか!?」

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

「………は?」

 

 

 

 

沈黙が走った。だが、その沈黙も詠の怒号でかき消えた。

 

「は、はあ!!あんたいったい何考えているのよ!そんな事できるわけないじゃない!」

 

詠だけじゃない。稟も怒っている。だけど風は表情が読めない。

 

「あんたが行ったところで、どうにもならないじゃない!」

「一刀殿、連合の狙いは貴方なのですよ。」

「だからだよ。だから虎牢関に行きたいんだ。」

「!!」

 

詠たちは驚いた。一刀の策が分かったからだ。

 

「昨夜、一晩中考えていたんだ。」

「………自身をおとりに使うおつもりですか?」

「うん。そうだよ。」

 

あと一か月間、連合を足止めしなければならない。だが、連合の進路が読めない。兵を分割することもできない。でも目標である一刀が虎牢関にいると敵が知ったらどうだろうか?間違いなく全軍を虎牢関に投入してくるはずだ。つまりこちらも兵を虎牢関だけに集中することができる。

 

「それはいい考えかもしれませんね~。」

 

風は残酷なくらい冷静に褒めてくれた。稟も何も言わない。だが、詠だけはこの提案に断固反対していた。

 

「ふざけないで!そんな作戦、認められるわけないじゃない!」

 

詠は激怒している。彼女だって馬鹿じゃない。一刀の策がいかに素晴らしいのか分らないはずはない。だが、あまりにも危険すぎる。一刀は詠たちの主だ。主をそんな危険な策に使うことなんてできない。

 

「だったら教えてくれ、詠。ほかに良い作戦があるのか?」

「………それは……」

 

詠が答えられるはずがなかった。答えられないゆえに今まで悩んでいたのだから。

 

「だ、だけど、あんたは戦えないじゃない!」

「うん。でもおとりとしてなら絶対に役に立つはずだよ。」

 

一刀は覚悟を決めている。一度決めたら一刀は絶対に引かないだろう。でも詠はそれでも諦めきれなかった。

 

「………どうして?」

「……何が?」

「どうして、そんな事を言うの!?あんたに何かあったら月が悲しむじゃない!」

「……詠?」

「うんうん!月だけじゃない!神楽さまだって、美羽だって悲しむ!」

 

いつの間にか詠は目に涙を浮かべている。悔しいのだ。一刀を修羅場に送る事しかできない自分自身の不甲斐無さに。だから、軍師らしくない言葉を次々に言う。

 

「稟も風も………僕だって……!」

 

詠は一刀を引き留めようと必死だ。だけど一刀は静かに首を横に振る。

 

「ありがとな、詠。でも行かなくちゃ。」

 

一刀の決意は固かった。

 

「守りたいんだ。美羽を、七乃さんを、みんなを。もちろん詠、お前もだ。」

 

詠は顔を真っ赤にしている。さすがに一刀のこの台詞はあまりにも恥ずかしい。でも、一刀の言っている言葉は本心だと分かる。それだけでも十分に嬉しいというものだ。

 

 

詠はついに諦め、台の上にある書簡に何かを書き止め、一刀に渡した。

 

「これは?」

「僕たちが考え抜いた虎牢関での策。ねねに渡して頂戴。」

「詠、分かってくれたのか?」

「勘違いしないでよね!ねねの事だからあんたが行ったらすぐに追い出されると思ったからよ。僕たちからの説明も書いてあるから。」

 

どちらにしろ許可が下りた。一刀は早速支度をし始め、詠たちに別れを告げた。

 

「ちょっと、月たちに挨拶もないまま行く気なの!?」

「ああ、月たちに会ったら絶対に止められそうだしな。適当に言っておいてよ。」

「分かったわ。………気をつけなさいよ。」

「ああ、やばくなったらすぐに逃げるさ。」

「一刀殿、御武運を。」

「うん。ありがとう。稟。」

「気を付けてくださいね~。」

「ああ、分かっているよ、風。」

 

一刀は三人の軍師に見送られていた。

 

「それじゃ、行ってくる。」

 

一刀は馬に乗り、手を振って三人に別れを告げた。この洛陽にも別れを告げるように大通りを走っていた。さすがに早朝だけあって人の姿が見えない。ところが城門まで行くと、そこに一人の人影があった。

 

「……あれは……七乃さん!?」

 

一刀は驚いた。間違いなく七乃さんだった。七乃さんは一刀の事を待っていた。

 

「………七乃さん、どうしてここに?」

「一刀さんが起きた時、私も起きていましてね。一刀さんたちと会話を聞いてしまったんです。」

「………そうだったんですか。」

 

少し、沈黙が走る。一刀は悩んでいた。どうして城門前にいたのか?それ以前に一刀たちの会話を聞いてなんとも思っていないのだろうか?

 

「七乃さん。」

「はい?」

「何も言わないんですね。」

「はい。何か言ったところで一刀さんは虎牢関に行くのをやめませんよね?」

「それは……まあ……。」

「それなら何も言いません。でも挨拶くらいに来てくれてもいいんじゃないですか?」

「す、すみませんでした。」

「うふふ。冗談です。もし別れの挨拶に来ていたら絶対に引き止めていましたもの。」

 

七乃さんも一刀の覚悟を分かってくれていた。そのため一刀を責めるようなことなどはなかった。

 

「七乃さん、美羽の事よろしくお願いします。」

「もちろんです。お任せくださいね。」

 

別れの挨拶も済んだ。一刀はそろそろ行こうと思ったが、七乃さんが訊ねてきた。

 

「一刀さん、最後にお願いが……」

「お願い?」

「はい、ちょっとお耳を。」

「……え?」

 

言われるがまま、一刀は耳を七乃さんに近付けた。すると七乃さんは両手で一刀の顔を押さえて唇を重ね合わせてきた。

 

「んっ!ん~!!…ぷは!……七乃さん?」

 

いきなりの事だったから一刀は困惑していた。七乃さんは顔を赤くしながら、

 

「無事に帰ってこれるおまじないです♪」

 

なんて冗談を言う。

 

「………ずるいですよ、七乃さん。」

 

一刀は馬から降りて、改めて七乃さんと正面を向いた。そして、今度は一刀から口付けをした。

 

「七乃さん、愛しています。」

「私もですよ。お嬢様と同じくらい一刀さんを愛しています。」

「あはは。」

「うふふ♪。」

 

一刀は馬にまたがり、改めて別れの挨拶をした。

 

「必ず帰ってきます。待っていてください。」

「はい。御武運を。一刀さん。」

「はい!」

 

一刀は馬を走らせた。ちょうどその時は太陽が昇ろうとしていた時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道中、一刀は美羽と七乃さんの事を思っていた。

 

(必ず守る。美羽を、七乃さんを、大切な仲間を!)

 

一刀は太陽に向かって馬を進めていた。だが、一刀はまだ実感していなかった。相手はあの太陽のように強大な力を持っているという事に。

 

 

連合軍:袁紹軍side

 

 

汜水関を破った劉備軍と孫策軍の噂はたちまち広まり、各諸侯たちにその名前を覚えられていった。

 

「麗羽様、ただいま戻りました。」

 

顔良は汜水関の戦いが終わったために自分の陣に戻ったのだ。

 

「おかえり~、斗詩~。」

「ただいま、文ちゃん。」

 

顔良は経過の報告をするため、主である袁紹を訪ねた。

 

「麗羽様~!文ちゃんも聞いて聞いて!孫策さんって本当にすごいんだよ!」

 

「へえ~。どんなふうにすごかったんだ?」

 

「うん!敵将が門を開けていきなり奇襲をしてきたの!それでね、その奇襲で劉備軍と孫策軍は瓦解寸前まで追い込まれたの!」

 

「ふんふん、それで!?」

 

「それでね、孫策さんが敵将と戦ってね、少し苦戦してたみたいだったけど、目にも止まらぬ剣技で敵将をやっつけたの!」

 

「へえ~!そいつとアタイとどっちが強いかな!?」

 

「う、う~ん………良い勝負じゃないかな?」

 

「なんだよ~!そういう時は嘘でもアタイの方が強いって言うんだぜ~。」

 

「もう、文ちゃんたら~。それでここから何だけどね、敵兵さんたちは孫策さんたちに恐れをなして逃げて行ったの!それをすかさず追撃して汜水関を落したんだよ!かっこよかったな~。」

 

顔良は雪蓮の戦いに惚れ込んでしまったようだった。彼女の仲間の文醜も顔良の話に耳を傾けていた。だけど、肝心の袁紹だけは、

 

「………………………。」

 

黙っていた。

 

「どうしたんですか?麗羽様。」

 

「………………………。」

 

「斗詩~!もっと聞かせろよ!劉備軍と孫策軍の奴らの事。」

 

「うん!でも本当にかっこよかったな~!その後、孫策さんは「もう結構ですわ!」………れ、麗羽様?」

 

「孫策軍の話はもう結構です!それより、顔良さん!」

 

「あ、はい。」

 

「どうして、あなたも混ざって汜水関を落とさなかったんですの!?もし、あなたが汜水関に一番乗りを果たしたなら、この名声はすべて私のものでしたのに~!!」

 

「む、無茶言わないで下さいよ~。そもそも監視が目的で行ったんですから。そんな兵300位で奮闘なんか出来るはずないじゃないですか~。あ、そうそう!孫策さんたちを監視した結果ですけど、何も分りませんでした。あの人、全く怪しい動きなんかしていませんでしたよ。」

 

「そんな事はもうどうでもいいんですの!問題なのは汜水関攻略の名声がすべて孫策軍と劉備軍のものになってしまったことですわ!」

 

「そりゃあ、あんなに頑張ったんですから………」

 

「キー!!お黙りなさい!この名家である私を差し置いて名声を得ようなんてずうずうしいにもほどがありますわ!」

 

「は、はあ~……」

 

「姫の本音はやっぱりそっちか……」

 

顔良と文醜の二人は自分たちの主の正直さに呆れていた。

 

「斗詩さん、猪々子さん。次の虎牢関では私たちが出ますわよ!」

 

「え、え~!!」

 

「おっ!ようやく出番か~!楽しみだぜ!」

 

「ちょ、ちょっと二人とも~。相手は虎牢関だよ!」

 

「そんなもの、あんな劉備軍と孫策軍相手に半日も持たなかった北郷軍なんて、大したことなかったのですわ!この私たちにかかれば半日どころか、ほんの数刻で落として見せますわ!お~ほっほっほっほ!」

 

随分、余裕たっぷりに言う。顔良が気に病むのも当然だろう。

 

「孫策さんたちと劉備さんたちはどうするんですか?」

 

顔良は聞いてきた。両軍の強さは本物だ。彼女たちを利用すればもっと簡単に攻略できると思うのだが………

 

「その二人にはずっと後方の輜重隊の警護にでもあたらせますわ。」

「それって嫌がらせじゃ………」

 

顔良は思ったことを口にしてしまった。要はこの袁紹は孫策と劉備の二人にこれ以上の名声を与えたくなかったのだ。

 

「何か言いました?斗詩さん。」

「い、いいえ!何でもないです。」

 

さすがに同じことを言うわけにはいかなく、顔良はとっさに誤魔化した。

 

「でも、麗羽様?」

「なんですの?」

「私たちだけで虎牢関を落そうというのは少し無理がありますよ~。だからどこかの軍と共同でやらないと……。」

 

なにせ相手は超がつくほどの鉄壁を誇る虎牢関だ。さすがに馬鹿でも自分たちだけでは無理があると分かるだろう。

 

「それもそうですわね~………それなら華琳さんにでも手伝ってもらいましょうか。」

「分りました~。曹操さんに伝言を送っておきますね。」

 

そうして、袁紹軍は曹操軍と虎牢関攻略にあたったのだ。

 

 

曹操軍side

 

 

「華琳様、袁紹軍から命令が来ました。袁紹軍と一緒に虎牢関攻略にあたれと。」

「……そう。」

 

曹操は静かに報告を聞いていた。すべて曹操の思い通りに事が運んでいる。だが、彼女はそれを嬉しがらない。それもそのはずだ。彼女にとって今までの出来事はすべて手の内の出来事だったのだから。

 

「袁紹め!虎牢関ごとき、我らだけで十分だというのに……!」

 

彼女は夏候惇。夏候惇は袁紹たちの提案が気に入らない様子だった。

 

「春蘭。あなたは虎牢関を甘く見すぎよ。」

「か、華琳様~……しかし……」

「姉じゃ、華琳様の言う通りだぞ。しかも虎牢関を守っているのは天下に名高い飛将軍、呂布なのだから。」

「う~……しゅ~ら~ん。」

 

曹操はこの夏候惇の事をひとまず捨て置いた。先ほど夏候淵のいった人物が気になったからだ。

 

「呂布………聞いたことあるわね。どういう人物か知っているの?秋蘭。」

「はい。一人にして千の一軍に匹敵するとか。」

「ずいぶんと大袈裟ね。でも、それほどの人物ならぜひ欲しいわね。」

 

曹操はつぶやく程度の事だったのだが、夏候惇がその言葉に強く反応した。

 

「お任せください、華琳様!華琳様のためなら呂布の十人や二十人は捕えて見せましょう!」

「あら、頼もしいわね。」

「あ、姉じゃ!華琳様もお戯れが過ぎます。呂布を仲間にしようと思いでしたら私たちすべての将を死なせるとお考えください!」

「ふ~ん……秋蘭にそれほど言わせる人物か。分かったわ、秋蘭に免じて呂布は諦める事にしましょう。」

 

そもそも曹操たちには目的がある。それは名を上げることは勿論のこと、北郷軍にいる優秀な将や軍師たちを捕え、従わせようとしているのだ。

 

曹操はこの戦いですべての戦いが終わるとは思っていない。むしろ、この戦いの後に真の乱世が始まると予見していた。そして、彼女は来るべき乱世のために優秀な人材を欲しているのだ。

 

「でも、秋蘭。北郷一刀だけは諦めないわよ。北郷一刀を捕えれば、おそらく呂布も投降してくるでしょうしね。」

「そ、それは分りましたが………本当に北郷一刀は虎牢関に現れるのでしょうか?」

「必ず現れるわ。仮に現れなくても、虎牢関は麗羽たちに任せて私たちは虎牢関を大きく迂回して洛陽に行けばいい。それくらいの兵糧は残っているでしょ?桂花。」

 

桂花と呼ばれた少女はすぐさま曹操のもとに行った。

 

「はい。汜水関での戦いでほとんど兵糧を消費せずに済みましたから。洛陽には余裕をもって行けます。」

「そう、でも出来る事ならこの虎牢関に来てほしいわね。」

 

曹操の考えは全くもって正しい。一刀が虎牢関に来れば無駄に兵を疲れさせることはなくなるうえ、袁紹軍と虎牢関に集中できる。何より大きな理由は、孫策軍がいないことだ。汜水関での大きな功績はかえって諸侯たちの反感を買ってしまった。そのため袁紹によってずっと後方の方に配置されてしまったのだから。

 

「さてと、もう私たちの邪魔をする者はいないわ。全軍、虎牢関に向けて進軍するわよ!」

「御意!」

 

曹操たちは兵たちを纏め上げ、陣形を整えようとしていた。曹操はの考えは正しい。だが彼女はまだ体感していない。北郷軍の最強の将であり切り札である呂布の力を。虎牢関での戦いは間違いなく彼女の予想を上回るに違いないだろう。

 

 

 

続く

 

 

あとがき

 

こんばんわ、ファンネルです。

 

いよいよ次回は虎牢関の戦いです。一刀は華琳の予想通り虎牢関へと向かいました。

 

最近、学校が忙しくて小説の方はかなり低迷中です。でもプロットは出来上がっていますので。ネタには苦労していません。

 

いまさらですが、僕の北郷一刀という人物の人物設定を言います。

 

僕にとっての一刀は、イケメンで、種馬で、見境がなく、でも愛情に関しては人一倍強い。ステータスは、すべてが中途半端。戦闘力に関しても一般兵士しかありません。でもいざとなったら補正がかかるくらい頼りになる。そんな存在です。

 

今回も一刀がみんなの反対を押し切り、虎牢関へと向かいましたがそれは美羽と七乃さんを守るためと思いください。

 

虎牢関の戦いは二話くらいにしようと思っています。

 

では、次回もゆっくりしていってね。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
192
21

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択