No.926662

マイ「艦これ」「みほ3ん」EX回:第5話<ブルネイの提督>

しろっこさん

お祭り広場の側で待機していた美保司令は、この泊地の提督に挨拶をする。しかし彼は怪訝(けげん)そうな表情を浮かべていた。

2017-10-18 21:42:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:456   閲覧ユーザー数:456

 

「え……えええぇぇぇぇ~!?」

 

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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)

 EX回:第5話(改2)<ブルネイの提督>

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 軽い足音を響かせながら私のところに寛代が戻って来た。

そして袖を引っ張る。

「なに?」

 

「……」

ブツブツ言っているので分かり難いな。だが私は直ぐに察した。

 

「そうか……彼が来るか」

 このブルネイ泊地……いや鎮守府と言うべきか? その長たる提督が直ぐ近くまで来たようだ。

 

僅かな期間とはいえ彼の世話になるのだ。きちんと挨拶しよう。

「寛代、全員招集だ」

 

「……」

頷きながらブツブツと通信する寛代。

 

そして直ぐ近くで通信を受けた金剛と夕立たちが、もぞもぞと反応している……何かゾンビみたいだぞ。特に夕立は『貞子』にも見える。

「お前たちは無理しなくて良いぞ」

 

「はい」

比叡が代わりに応えた。

 

 しかし二人とも、なかなか体調が戻らない。この暑さも影響しているのか?

 

 南国の気候だ。湿気が無くてカラッとして元気な人には良い感じだけど体調不良の者にはキツいだろう。

 

 数分と経たないうちに秘書艦の祥高さんと日向、それに龍田さんが私のところへ戻ってきた。

 

祥高さんは言う。

「青葉さんは夕張さんを連れてもっと取材したいとのことです」

 

「ああ、青葉さんは記者だからデータにも強いだろう」

それに今、病人の振りをした技術参謀が動いているとはいえ不安もある。

 

私は頷いた。

「それは許可を出しくれ」

 

「了解です」

我々の側としても夕張さんを補佐にして二人でこの鎮守府を、もう少し探索してもらおう……という魂胆だ。

 

私は立ち上がった。

「ブルネイの提督が近くに居られる。皆で挨拶に行こう」

 

「うー、▲☆……◎◆」

金剛は比叡に支えられてヨロヨロと立ち上がっている。

 

夕立には日向がサポートについた。

「ぽ……」

 

かなり具合悪そうだ。金剛も夕立も立っているのがやっとか。

 

「どうしようか?」

私は祥高さんを見た。彼女も困惑顔だ。

 

「この二人は休ませて私たちだけで挨拶に行こうか?」

「そうですね……」

そんな会話をしていたら広場の反対側に白い制服の男性が見えた。

 

「あれが……提督みたいよ?」

龍田さんが呟くように言う。彼は、かなりラフな感じだ。

 

私は帽子を被り直して言った。

「私がブルネイの提督に挨拶してくる。金剛と夕立は、この場で待機」

 

 私は他の艦娘たちと共に広場の反対側に向かう。お祭り広場は賑やかだ。

 

「ブルネイというより……ほとんど日本の縁日ね」

赤城さんが言う。確かに……いろいろな艦娘の姿もある。

 

私は近くに居た艦娘を見て言う。

「えっと、あれは島風か?」

 

「いや違う。頭のウサギ耳は島風っぽいけど他の部分は金剛だ」

日向が分析する。

 

「あれも量産型なのか?」

うちの金剛が見たらショックだな?

 

 仮装行列のようなカオスっぷり。もはや旅の疲れと混沌さに私自身が混乱しかけている。やれやれ……私自身が艦娘との日常生活に、やっと慣れてきたばかりなのに、いきなり艦娘が大量に目の前に……。

 

 あの嵐から、おかしなことばかり起きた。そしてこの鎮守府の状況だ。

しかもお祭りで……もはや正常な判断を妨げる要素が多過ぎる。

 

 だが事実は目の前だ。ここは腹に力を入れよう。

 

「あ、あの……」

 私は、おずおずと声をかける。

 

 体格の良い相手も気が付いたようだ。すぐに直立してシャツのシワを伸ばすと敬礼した。

「美保鎮守府の提督殿でありますな。お会い出来て光栄です。私はこの鎮守府を預かる金城大将です。以後、お見知り置きを」

 

「え!」

思わず絶句してしまった。

 

(大将か?)

実は内地でも大将という立場の軍人には、なかなか出会う機会が無い。地方なら、なおさらだ。

 

(道理で……自由な雰囲気と人格の大きさを感じる)

妙なところで相手の指揮官の器に感心する。私の周りの美保の艦娘たちもザワザワしている。

 

 ただ挨拶もそこそこに大将は私を上から下までジロジロと見ている……何か気に触るようなことしたかな?

 

 続けて彼は私の後ろの艦娘たちも見て、ちょっと安堵したような表情を浮かべた。普通の鎮守府の人間と理解したようだが? ……それはまた妙な雰囲気だった。

 

 彼は思い直したように腕時計を見て言った。

「さぁ、時間もそろそろですから、会場に向かいましょう」

 

「へっ? 会場? なんの?」

一瞬、何のことか理解できない私。

 

彼は腰に手を当てて大きく笑った。

「ハハハ、今更何を仰いますやら。これから私の艦隊と貴方様の艦隊とで模擬演習を行うのではないですか」

 

「え……えええぇぇぇぇ~!?」

ある程度、予測はしていたが会って早々に言われると驚く。

 

 少し遅れて後ろの方から比叡の「ひぇええ」という叫びが聞こえた。艦娘たちの無線モニターが通じていたようだ。

 

 お前の恐れていた通りの事態だな。

 

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※これは「艦これ」の二次創作です。

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サイトも遅々と整備中~(^_^;)

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PS:「みほ3ん」とは

「美保鎮守府:第三部」の略称です。

 

 


 
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