No.920618

アーキテクトさんと二人暮らし! プロローグ

NDさん

クラスメイトのアーキテクトさんと二人暮らしすることになった主人公がアーキテクトさんとイチャコラスケベする小説のプロローグです。

2017-08-31 17:48:51 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:998   閲覧ユーザー数:997

八月十八日。夏休みも半ばを過ぎ、そろそろ課題に手をつけないと終わらねーなーなどと思い始めたその日、突然に呼び鈴が鳴った。

万年床と化しつつあった布団から寝巻きのままノソノソと起き上がって扉を開けた。

「おはよう」

想像だにしなかった透明な声に、ぼけていた精神が急速に覚醒して目の前の現実を理解させた。

「あ、アーキテクト、さん……?」

そこにいたのはクラスメイトのアーキテクトさんだった。

涼やかな色のショートの髪、一見するとロボットのような冷たげな印象を与える所謂”ジト目”、人形のような白い肌。最近になって転校してきたにも関わらず、クラス男子による女子人気投票では”もう一つの特徴”も相まって堂々の一位に輝いている。

そんな彼女が自分のような特に接点のない男子の下宿先に訪ねてくる理由が思いつかず、バカ丸出しで口をあんぐり開けて呆けているとアーキテクトさんが先に口を開いた。

「今日から、お世話になります。よろしく」

「……?」

意味が理解できなかった。お世話になる?誰が?何に?

「え、と、どういうこと……?」

ユーモアもウィットもない言葉だがそれしか言うことがなかった。

「聞いて、ない?」

アーキテクトさんが端正な顔を傾げて聞く。かわいい。いや、そうじゃなくて。

「聞いてない、って……誰に?」

「あなたのお母様に」

は?母さんに?全く理解が追いつかない。何一つ現状が見えてこない。

どうしたらいいかわからずアーキテクトさんを見やると、額や首元に浮かぶ汗に気づいた。

「あー……なんだかよくわからないけど、とりあえず入って。汚い部屋で申し訳ないけど」

「了解」

ドアを抑えつつ、靴を脱ぐアーキテクトさんを見つめる。なんだかドッと背中からよくわからない汗がふきだし、同時に下腹部に血流が流れるのを感じた。

アーキテクトさんの”もう一つの特徴”は、グラビアアイドル顔負けのおっぱいとスタイルの持ち主なのだ。

 

 

△△△△△

 

 

 

「えーっと、つまり。アーキテクトさんが、企業研修で行ったのが俺の母さんの勤めてる”ファクトリーアドヴァンス”で、そこで母さんと仲良くなって、俺がここで一人暮らししてる事を知って、母さんに今一人暮らしの為の部屋を探してる事を話したら、俺の部屋に住んだら、と言われて了承した、っていう認識で、合ってる……?」

「肯定、それで間違いない。ハルさんから連絡がいってると聞いていた」

絶句した。そして趣味の雑誌と本の山からスマホを探しだしてメールボックスを開いた。

高速で画面をスワイプさせて母親からのものを探すと、はたしてそれは合った。

10日ほど前の日付で送られてきたそれには、事情の仔細とアーキテクトさんが越してくる日取りが記載されており、メールの最後に親指を人差し指と中指の間に通して握りこぶしを作りながらウインクをする母さんの自撮りが添付されていた。

「母さん……」

もともと奔放な人で、今の会社に落ち着くまでは年3回レベルで転職をしていた(それでもあまりに優秀なのでどうにかなっていたと父さんから聞いた)らしいが、ここまで奔放とは思っていなかった。一人暮らしの男子高校生の部屋に美少女を送り込んで同棲させようとするとは……。

「でも、困った。話がされてると思って荷物はこちらに送ってしまったから、泊まる場所探さないといけない」

アーキテクトさんが正座を崩さずに、全く困ってなさそうな冷静な声音で言った。どうやら俺が、アーキテクトさんと暮らすのを嫌がってると思っているようだ。

「いや、こっちが悪いんだし越してくるのを拒否したりするつもりはないんだけど……幸い、部屋一つ余ってるし」

それは事実だった。母さんがコネやらなんやらで高校進学時に用意してくれた部屋は高校生の一人暮らしには過分な広さで部屋を一つ余らせて物置と化してしまっていた。

「というか、えっと、そんなことよりアーキテクトさんはいいの?いくら部屋を分けられるとはいえ、男と一つ屋根の下で一緒に暮らすなんて……」

「……? 敬遠する理由が見つからない、どういうこと?」

アーキテクトさんがまた小首を傾げる。ちくしょうかわいい。おっぱいが大きい。

じゃなくて、これはマジでわかってない顔だ。元々、なんか浮世離れした感じだなとは思ってたけどまさかここまでとは。

「いや、ほら、俺に襲われたら、とか、そういう」

「襲うの?」

「いや、襲わ、ないけど……」

「なら問題はないと思う。 これからよろしく」

「あ、はい。よろしくお願いシマス……」

また呼び鈴が鳴った。

「はい」

アーキテクトさんが制服のスカートを揺らしながら玄関へ歩いていく後ろ姿を見ながら、これから自分が正気を保てるか、という気持ちが首をもたげる。

「とりあえず、家では自家発電できないな……」

俺は小さく呟いて、腰をあげ到着したらしい引越し屋さんのもとへ向かった。

 

 

 

△△△△△

 

 

 

こうして始まった俺とアーキテクトさんの二人暮らしから二ヶ月。俺とアーキテクトさんは恋人になった。


 
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