No.91160

天の御使いと守護者~14話~

鴉丸さん

刑天たちが仲間となり、蜀を目指す狂骨(雅樹)

そして、その頃の蜀は―――

2009-08-23 09:38:23 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:3101   閲覧ユーザー数:2554

 

 

大陸動乱編「合流」

 

 

―――Side 雛里―――

 

 

雛里の日記

 

長坂でご主人様が残ってもう10日がたち、私たちは蜀に入りました でも、星さんや紫苑さんがいたのには驚きました(真名はすでに交換している) そして、翠さんたちがやって来ました なんでも、突如得体の知れない軍団に攻撃されたらしく蒲公英さんと二人になってしまい、縁がある私たちを頼ってきたそうです 

一刀様たちはご主人様のことを忘れてしまっています でも、私や白連さん、華雄さんは覚えている・・・ご主人様、私たちはここでご主人様の帰りを待っています だから、早く帰ってきてください 追記:星さんがご主人様のことを覚えていました・・・なんででしょう? 

 

 

一刀「街の様子はどう?」

 

 

朱里「おおむね、歓迎してくれています これなら、問題ないと思います」

 

 

桔梗「当然だな 劉璋殿が触れ回っておられたし、お館様と桃香様の噂はこちらにも響いているのでな」

 

 

桃香「えへへ~」

 

 

焔耶「凄いです!桃香様!」

 

 

それも、全部ご主人様が手を回しておいたおかげなんですけど・・・劉璋殿に渡りをつけたのは私になっていました・・・ご主人様が私を交渉の場に連れて行ったのは「もし、自分のことを忘れられても雛里がいれば『雛里が渡りをつけた』とおもうから」ってことなんでしょう でも、そこまでしてくれているご主人様を忘れてしまうなんて、仕方がないと分かっていても・・・

 

 

白連「まあまあ」

 

 

華雄「私たちだけでもそれを知っていればいいだろう?」

 

 

星「しかし、雅樹殿は凄いですな そこまで、考えて行動をしていたとは・・・」

 

 

本当です もし・・・例えばですよ?敵になったとしたら、いつの間にか足場を削られている可能性もあります・・・本当に例えばですよ?

 

 

―――Side 一刀―――

 

 

俺たちは、幽州から逃げてきて蜀に入ったんだけど・・・長坂では何故助かったんだっけ?

まあ、鈴々が何とかしてくれたんだろう ただ、そういうと雛里たちが微妙な顔をするんだけど でも、蜀に入ってから何か忘れている気がする・・・なんだ?

 

 

愛紗「大変です!」

 

 

一刀「へ?ど、どうした!?」

 

 

何か起こったのか?

 

 

愛紗「成都の外に張翼をはじめとしたいくつかの部隊と付近の盗賊が結託して攻撃を仕掛けようとしています!」

 

 

一刀「な!?桔梗、どういうことだ!?」

 

 

桔梗「くそ!申し訳ない・・・もともと、劉璋殿が治めていた頃から張翼はたびたび反抗的な態度を取っていた おそらく・・・」

 

 

蜀を乗っ取るつもりだった・・・そして、まだ体勢が整っていない今を狙って?

 

 

紫苑「そういうことでしょうね・・・」

 

 

一刀「だからって、そんなことをさせる訳には行かない!出られる部隊を優先的に迎撃にまわしてくれ!」

 

 

全員「「「御意!」」」

 

 

 

―――Side 張翼―――

 

 

張翼「お前ら!今なら、蜀を乗っ取ることができる!進めぇ!」

 

 

へっ、老いぼれが引退して今度来た幽州の連中が体勢を整えていない今なら俺が、この国を統べることができる・・・やってやる!

 

 

兵「張翼様!前方に、敵部隊が!」

 

 

張翼「いくら、強くてもこの物量差だ!構うことはない、行け!」

 

 

―――Side 華雄―――

 

 

華雄「くそっ!こいつら・・・」

 

 

迎撃に出た私たちは押されていた・・・もともと、兵数差があるのと盗賊もいるとはいえそれなりに統率が取れているのが原因だった

 

 

桔梗「華雄!大丈夫か!?」

 

 

華雄「問題ない・・・といいたいところだが・・・」

 

 

まずいな・・・北郷たちのところにも敵が入り始めた・・・くそ!

 

 

桔梗「華雄!」

 

 

な!?別のほうに気を向けた一瞬で敵兵が懐に入り込んで私を斬ろうとしていた―――

 

 

敵兵「もらったぁ!」

 

 

一刀「華雄―!」

 

 

そんな・・・ここまでなのか・・・雅樹・・・助けてくれ!

 

 

??「急いできて正解だったか?」

 

 

私の前にいた敵兵は、突如現れた黒い影に吹き飛ばされた・・・まったく、遅いぞ?・・・

 

 

―――Side 狂骨―――

 

 

ふう・・・いやな予感がするので急いできたら、予感が的中していたな こいつらを傷つけるわけにはいかんからな・・・さて―――

 

 

狂骨「―――覚悟はできているか?」

 

 

俺の「大切なもの」に手を出した罪は重いぞ?

 

 

―――Side 桔梗―――

 

 

なんなんだ?あの男は・・・華雄を助けたと思ったら敵陣の中に突っ込んでいった 死ぬ気か?

 

 

狂骨「ふん・・・この程度で俺を殺す?なめるなぁ!」

 

 

しかし、その心配は杞憂だったようだ 細身の剣で目で捉えられないほど速い斬撃を繰り出していた・・・凄まじいな

 

 

敵兵「隙あり!」

 

 

な!?しまった、油断していた隙に地面に倒された・・・この距離はやられる!?「戦場での油断は命取りだぞ?・・・俺以外は」なんだ?

 

 

 

 

―――Side 刑天―――

 

 

狂骨が突然走り出したから、何事かと思えば・・・楽しそうなことをしているな ん?あれは・・・確か蜀の将、厳顔だったか?ふむ、見捨てるのも夢見が悪いな・・・

 

 

刑天「戦場での油断は命取りだぞ?・・・俺以外は(だって、斬られてもすぐに治るから)」

 

 

この俺が助ける、か・・・やはり、変わってきているのかもな・・・ま、悪い気はせんな

 

 

桔梗「な、何者だ?」

 

 

刑天「別に・・・唯の、通りすがりだ まあ、お前らを助けに来た 立てるか?」

 

 

桔梗「あ、ああ・・・」

 

 

ん?妙な得物を使っているからもっとゴツゴツしていると思ったが―――

 

 

刑天「意外に細い体をしているな」

 

 

桔梗「な、貴様!?」

 

 

ふむ・・・面と向かって言われるのは恥ずかしいのか?顔を赤くしているが(皆大抵そんなです)

 

 

刑天「まあいい お前は華雄を連れて、本陣の防衛に向かえ・・・聖、涼お前らもついて行け!」

 

 

聖・涼「「了解(です)!」

 

 

桔梗「お前はどうするんだ?」

 

 

ん?心配してくれるのか?

 

 

桔梗「ええい、黙れ!」

 

 

ふっ、怒るなよ・・・しかし、その問いは愚問だな?もちろん・・・

 

 

刑天「敵陣に突っ込むに決まっている!」

 

 

桔梗「は?」

 

 

さあ・・・お前らは俺の血を滾らせることはできるか?俺に、『死』を見せることはできるか?

 

 

―――Side 一刀―――

 

 

突然、横から現れた黒い外套を着た男が華雄を、灰色の外套を着た男が桔梗をそれぞれ助けて敵の中に突っ込んでいった・・・すごい もしかしたら、恋以上の武かもしれない 実際、あの二人がいるところに二つの広場みたいなものができている 

 

 

愛紗「何者なんだ・・・あいつら」

 

 

その言葉は、ここにいる全員の言葉だった・・・数人を除いて・・・

 

 

―――Side 狂骨―――

 

 

狂骨「ふっ!」

 

 

敵兵「ガッ!?」

 

 

これであらかた、始末したか?首謀者は・・・逃げたか ま、別に放っておいてもいいか どうせもう何もできん

 

 

刑天「そっちはどうだ?」

 

 

狂骨「ん?・・・何か物足りんな」

 

 

やはり、若干感覚が変化しているからか・・・バトルマニア化している気がするな

 

 

刑天「まあ、俺も似たような感じだが・・・それより今は、やることがあるんじゃないか?」

 

 

そういって、刑天は北郷軍の本陣を指した そこには―――

 

 

雛里「ご主人様―!」

 

 

雛里たちが、手を振っていた・・・何故、星も手を振っている?

 

 

そして、一刀たちと合流しいろいろ説明をした結果分かったことがいくつかあった

まず、星が俺のことを覚えていたこと 翠たちが得体の知れない(おそらく白装束)連中に追われて逃げ延びてきたことなどが収穫だった

とりあえず、俺のことは幽州にいた頃から雛里たちに助言をしていた流れ者と説明しておいた そして、俺は今宛がわれた部屋で

 

 

雛里「お帰りなさい、ご主人様」

 

 

白連「無事でよかったよ」

 

 

華雄「でも、少し遅いんじゃないか?」

 

 

星「・・・ふふ♪」

 

 

・・・囲まれていました♪

 

 

刑天「まあ・・・仕方ないんじゃないか?」

 

 

いや、確かにそうなんだが・・・ちなみに、刑天は一刀に事情を話し(といっても、重要な部分や、于吉たちのことを省き)俺たちの仲間となった 愛紗たちは、不満そうだったが・・・ま、当然といえば当然か?

 

 

桔梗「しかし・・・『仙人』が実在するとは・・・」

 

 

桔梗は、刑天たちの監視役としてここにいる・・・自ら買ってでた気もしないでもないが・・・

 

 

聖「くっ・・・第一婦人の座は渡しません・・・」

 

 

涼「・・・ボクにも強みはあるよね?」

 

 

・・・スルーで

 

 

狂骨「しかし・・・何故星が覚えていたのか・・・」

 

 

雛里「確かにそうですね・・・」

 

 

刑天「お前と星の間で何か・・・そうだな、感じあうところがあったんじゃないか?」

 

 

全員「「「感じあうところ?」」」

 

 

『((同類だ))』

 

 

狂骨・雛里・白連・星「「「「あ・・・」」」」

 

 

あれか!

 

 

刑天「心当たりがあったようだな」

 

 

・・・そんなんでも、ありなのか!?意外と基準甘いな!

 

 

刑天「・・・人生、そんなものだぞ?」

 

 

 

―――2週間後―――

 

―――Side 刑天―――

 

 

え~と、厨房はこっちだったか?部屋を覚えるのも一苦労だな・・・

 

 

桃香「あ・・・」

 

 

ん?北郷と劉備と関羽か

 

 

愛紗「何をしている?」

 

 

ふむ 不信感たっぷりってところか?

 

 

刑天「別に?ただ、散歩していただけだが?」

 

 

愛紗「本当だろうな・・・」

 

 

ま、疑う気持ちも分かるが・・・

 

 

刑天「こっちは、一応臣下の礼をしたんだ・・・全て、とは言わんが少しは信用してもらいたいな?」

 

 

一刀「あはは・・・分かっているんだけど、ね」

 

 

桃香「やっぱり・・・その・・・」

 

 

愛紗「ご主人様の命を狙っていたんだ・・・当然だろう?」

 

 

刑天「・・・もういい 付き合いきれん」

 

 

北郷「あ、ちょっと!」

 

 

刑天「武神関羽がここまで無能だとはな・・・」

 

 

愛紗「何だと!きさm「黙れ」な!?」

 

 

段々イラついた俺は、関羽の首に剣を当てた・・・癪に障る・・・

 

 

刑天「いくら、俺が北郷を殺そうとしたとは言えこの時代だ 敵が味方になる事も珍しくはない 俺は、お前らの仲間としてここに居る だが、お前らがそう認識していないのなら・・・お前らのために剣を振るう理由はないし、于吉たちの情報を渡す気もない」

 

 

一刀「于吉たちのことを知っているのか?」

 

 

刑天「まあ、『元』仲間だしな・・・」

 

 

一刀「だったら、どこにいるかも分かるのか?」

 

 

刑天「知ってどうするつもりだ・・・まさか、戦いを仕掛けに行くつもりか?」

 

 

一刀「え?あ、ああ・・・」

 

 

・・・こいつ!

 

 

愛紗「ご主人様が狙われているのだ 当然だろう!」

 

 

刑天「・・・お前らには失望した」

 

 

これが、狂骨が人を捨ててまで守ろうとした奴らか?

 

 

刑天「貴様らが蜀に来てどれほど経った?一月ほどだろう・・・まだ、それほどしか経っておらず、太守が変わって民の心はまだ安定していない・・・それなのに遠征をする気か?遠征に行っている隙に魏や呉が攻めてきたらどうする?于吉たちに勝ったが帰る場所がない・・・ってことになるぞ?」

 

 

一刀「あ・・・」

 

 

刑天「足元がしっかりしていないのに上を目指すのは馬鹿のすることだ・・・自分の命が狙われているのは分かるが・・・そんなこと、この時代特に珍しいものでもあるまい?実際、魏や呉の王である曹操や孫策はその地位ゆえ命を狙われている・・・だが、しっかりと国を優先している・・・もちろん、自分の命を守ることを忘れてはいないが・・・それに比べてお前らは・・・俺には貴様らの公私の分別が甘いように感じるのだが?」

 

 

全員「「「・・・・」」」

 

 

狂骨「少し言い方がきついんじゃあないか?ま、俺も人の事は言えないが・・・」

 

 

―――Side 狂骨―――

 

 

将棋に誘ったのに遅いから何しているのかと思えば・・・

 

 

一刀「狂骨・・・」

 

 

狂骨「まあ、自分の命を狙っているやつの詳しい情報を知る事ができるからそういう気持ちになるのは分かるがな・・・刑天はもう少し優しく言ってやれ・・・」

 

 

俺も、月たちにきつい言い方をしたからなぁ・・・後が面倒だぞ?

 

 

一刀「いや、刑天の言うとおり国のことを考えていなかった・・・ごめん」

 

 

刑天「・・・俺に謝られても困るが・・・」

 

 

とりあえず、それはもういいとして―――

 

 

狂骨「愛紗は、もう少しこいつを信用してみろ その態度じゃあ、いずれ重要なときに手ひどい傷を負うぞ?」

 

 

愛紗「む・・・」

 

 

一刀の事が心配なのは分かるけどな・・・

 

 

愛紗「分かった・・・これからの行動で示してもらう」

 

 

刑天「ご勝手に・・・」

 

 

とりあえず、少し歩み寄ったってことでいいのかね?

 

 

一刀「え~と、とりあえず頼むな?刑天」

 

 

刑天「ああ」

 

 

狂骨「じゃあ、宴会でもするか!」

 

 

全員「「「「え?」」」」

 

 

こういうときは、パ~っと飲んだほうがいいだろう?これから、一緒に戦っていく仲間との親睦を深めるためにもな?ただ飲みたいわけじゃあありませんよ?

 

 

最近、えらく更新が早い作者です^^; 

 

今回の分析とテーマ

 

仲間のピンチに現れるのは王道 桔梗や、紫苑といった年齢高めの人は素直な感想に弱い(作者だ

 

け?) てな感じですw

 

しかし、書いていてなんですが『同類だ』で記憶が残っているって・・・^^;

 

さて、次回からですがしばらく、ネタやキャラ崩壊たっぷりの閑話や拠点フェイズを書いていきま

 

 

なので、拠点フェイズでのアンケートをとりたいと思います

 

月・詠と白連意外で(もうこの二組は書いているので^^;)

 

とりあえず、今いるメンバーで見てみたいものがあれば回答お願いします^^


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
34
3

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択