No.905926

マイ「艦これ」「みほ2ん」第15話<強襲>

しろっこさん

敵機が来襲する中、司令たちは敵を避けるために敢えて市街地へ向かうが、そこでいきなり敵機に遭遇した。

2017-05-16 20:33:17 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:314   閲覧ユーザー数:314

「だれだよメロンって……ああ、夕張さんか」

 

----------------------------

マイ「艦これ」「みほ2ん」

:第15話<強襲>(改2)

---------------------------

 

 空襲警報で人通りの無くなった道路を、ひたすら港のある旧市街地方面へ向かう軍用車。こうなってくると空からでなくても、かなり目立つ。

 

 おまけに金髪で長髪という、ただでさえ目立つ夕立が後ろの銃座で構えているから強烈だ。オマエは馬賊か、大道芸人か? ……って感じだな。

 

そんな夕立が言う。

「敵さん、来ないねぇ……つまんないっぽい」

 

「来なくて良いよ!」

思わず反論……する間もなく、幹線道路沿いの大きなビルの陰から、いきなり敵機が顔を出した。

 

「え?」

「うわ!」

ハッとする日向と私。いや、向こうの敵機もビックリしたに違いない。相手からも一瞬、慌てている雰囲気が伝わってきた。

 

「突破します!」

日向はアクセルを踏み込んだ。すかさず夕立は敵機を目がけて軽機関銃を連射した。

 

「ポイィィィ!」

およそ銃を撃つには似つかわしくない叫び声を上げて銃を撃つ夕立。バリバリという音と共に機銃が火を噴き、薬莢が当たり一面にバラ撒かれる。キンキンという金属音が響く。

 

オマエは撃つときも叫ぶのか? いや、それ以前に、この軽機関銃は敵機に効くのか?

頭を伏せながら私には着任当日、弓ヶ浜で寛代と二人で敵機に追い回された、あの忌まわしい記憶が蘇る。

 

 だが私の心配とは裏腹にボガーンという鈍い音と共に地響き、そして衝撃波が来た。

 

「まさか?」

頭を抑えながら振り返ると、直上の敵機が粉砕されていた。

 

こんな機銃で? ……というのが正直な感想だ。

バラバラと敵機の破片が降り注ぐ中を軍用車は速度を上げ、敵機の爆発現場から遠ざかる。

 

 私の疑問を察したように日向が応える。

「見た目は小さいですが艦娘の機銃と同等の威力があります」

 

良く知っているな。日向も実はメカには詳しそうだな。

 

 敵機の大きな破片は後方でそのまま幹線道路に落下してガシャンという大きな音を立てた。その他の破片もまた周りの建物に落下して、カンカンという金属音が響く。

 

 ある程度、落下する敵機の破片からの安全な距離をとった上で一旦、道路脇に車を止めた日向。

 

彼女は肉眼で後ろを確認しながら続けた。

「実は、この機銃での地対空射撃は今回が初めてです」

 

「ぽいぃ、すごいっぽい!」

撃った夕立本人も感心している。

 

「艦娘が撃ったことと併せて至近距離から射撃したことも威力を高めたと思います」

日向は冷静に分析している。

 

 ……ということは、例えば私が遠くから撃っても、ほとんど効果がないということか。

 

夕立は、なおも喜んでいる。

「ぽいぃ! やっぱりメロンちゃんの仕事? すごいっぽい!」

 

私は軽く帽子を持ち上げて夕立を振り返らずに正面を向いたまま言った。

「だれだよメロンって……ああ、夕張さんか」

 

本人が居ないと言いたい放題だな。まあ、夕張さんもメロン程度では怒らないだろうが。

 

 しかし喜んだのもつかの間。

 

「まだ来る」

寛代の一言で全員がハッとした。

 

「もう港が近いが、どこかに隠れるところがあったかな……」

私は大きく見える高尾山を見ながら呟いた。

 

夕立がホルスターを気にしながら言う。

「日向の言った通りっぽい。こうなって来ると、もう拳銃どころじゃないっぽい」

 

「ソレは言えてるが敵もこっちも極端だよな」

私は帽子を被り直す。まぁ、艦娘が絡むと何事も派手になるな。

 

夕立の声が続く。

「ねぇ司令、さっきから固まっているっぽい。どっか打ったっぽい?」

 

「いや……」

相変わらず私は正面しか見ていられない。

 

「痛いっぽい?」

夕立なりに心配してだろう。私の背中に手を当てて様子を見てくれる。

 

「おい、ダイジョウブだって!」

気持ちは有り難いが……恥ずかしいのと振り返るのが難しいので困惑する。

 

「ねぇ、ひょっとして破片が当たったっぽい?」

夕立は銃座を降りて私の真横で片ひざをついた。彼女の太ももにスカートがチラっと見えて……さすがに、これはヤバいヤバい。私は余計に硬直した。

 

 敵の攻撃よりも私が夕立の今の姿勢を直視する方が違う意味での流血惨事になりそうだ。

 

「良いよ、何とも無い」

私は手を振りながら帽子を深く被って誤魔化した。

 

「ぽい?」

しかし……さっきの母に対するサポートや、私への心配ぶり……夕立も意外と優しいんだな。

 

「では、出します」

寛代と状況を確認していた日向は車を発進させた。軍用車は、旧市街へと入って行く。

 

 

------------------------------------

※これは「艦これ」の二次創作です。

------------------------------------

サイトも遅々と整備中~(^_^;)

http://www13.plala.or.jp/shosen/

 

最新情報はTwitter

https://twitter.com/46cko/

------------------------------------

PS:「みほ2ん」とは

「美保鎮守府:第二部」の略称です。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択