No.903402

マイ「艦これ」「みほちん」第66話<アウトレンジ>

しろっこさん

万事休すと思われた次の瞬間、港湾内に多数の魚雷攻撃……そこに現れたのは新しい艦娘だった。

2017-04-30 09:46:37 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:342   閲覧ユーザー数:340

「得意のアウトレンジで撃ったからね」

 

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マイ「艦これ」「みほちん」

:第66話<アウトレンジ>(改)

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「え?」

私は頭を上げた。……北上の反対側だと? つまり外洋側になる。どういうことだ?

 

「北上さんの反対側から?」

大淀さんが眼鏡を掛け直している。

 

 夜の港湾内では深海棲艦が、その長い髪を振り乱している。

 

「グウウ」

何度も振り返って確認しようとしている。だが奴らの電探には映らないらしい。

 

 ……外海から、いったい誰が魚雷を発射しているのか?

 

呉オジサンも頭を上げた。

「我々にとっては、まさに形勢逆転だが」

 

「新手(あらて)ですか」

神戸もドサクサに紛れて艦娘を助け起こしている。

 

「痛いですっ」

……って、おい! 比叡っ! ワザとらしいって。

 

 海上では、なおも魚雷攻撃でズドン、ズシンという地響きが響き渡る。

 

「もはや手持ちの、ありったけの魚雷をぶち込んでいるようだな」

舞鶴が呆れたように言う。お前は相変わらず分析力はあるな。

 

 言われるまで気付かなかったが、確かに撃ち過ぎだ。

 

「いい加減、止めてもらわないと美保鎮守府が崩壊するぞ」

私も寛代から手を離して立ち上がった。

 

 狭い港湾内の各所で次々と水柱や火柱が上がっている。こうなると深海棲艦も、逆に回避のしようがない。

 

「敵の駆逐艦は次々と直撃弾を受けて轟沈しています!」

大淀さんは立場上、ついつい状況報告をしてしまう。

 

「ああ……」

私も応える。やはり職務を全うしようとする艦娘は良いな。

 

 その時だった。寛代が私の袖を引いて指差した。

「あっ……あれ」

 

突然、北上の間近で潜望鏡が上がった……と思ったら? 水着を着た、赤い髪の毛の潜水艦タイプの艦娘が浮上した。

 

「あれは確か……」

大淀さんが首をかしげる。

 

呉オジサンが応えた。

「おお、伊168か?」

 

「168?」

潜水艦娘か?

 

「イムヤ、やったね!」

彼女は海上でガッツポーズを出す。

 

「ひょっとして、わざわざ出向いて来たのか?」

私は言った。

 

すると北上の手前に顔を出した伊168。海の上から私に敬礼すると大声で叫んだ。

「提督、報告します! 呉鎮守府から来た伊168だよ……じゃない、です! 到着したと思ったら睨みあっているから……呉に報告したら『撃て』ってことだったから。得意のアウトレンジで魚雷発射だよ?」

 

「え? ……呉の命令?」

私は呉オジサンを振り返った。

 

「あ……、いやワシは食堂に居ったから知らん。代理の者や」

彼は慌てて頭を振った。

 

すると舞鶴が分析を始める。

「伊168は、港湾の外……射程ぎりぎりの外洋から酸素魚雷を一気に発射。その爆破の混乱に乗じて港湾内へと進入。決して水深は決して深く無い美保鎮守府の港湾内で敵の船底ギリギリかい潜(くぐ)って通過というところか」

 

今度は神戸。

「おまけに夜ですから、ちょっとミスすれば敵と接触か、爆破の水圧に巻き込まれる危険性は十分にあります。それをすべてクリヤーして最後に埠頭の手前にいる北上のところまで一気に到達してきたようです」

 

「なんとも……器用なやつ」

私は呆れるやら、感心するやら。

 

伊168は続けた。

「あと、この港湾の入り口近くでバタバタしてた、ちっこい潜水艦と補助している軽巡がいたけど。忙しいから無視してきたからね」

 

「それって……まるゆか? あんなのが今夜の哨戒班だったのか?」

私は大淀さんを振り返った。

 

「えっと……」

彼女は困惑している。

 

「軽巡も居たって……そりゃ単なる仲間はずれじゃないか?」

私が言うと大淀さんは弁解する。

 

「はぁ……済みません。人員のチェックはしたはずですがパーティとか混乱があって……」

 

私は呆れた。

「いや、君を責めているわけじゃないけど……これ陸軍に知れたら文句言われそうだな」

 

私は混乱する湾内を見ながら言う。

「もし今夜、その軽巡の随走艦が居なかったら今ごろ暗い夜の海に轟沈だぞ!」

 

すると埠頭まで近寄った伊168が続けた。

「あとさぁ、ちっこいのは当てにならないけど。もう一隻、入口に黒塗りで化けたのが居たけど?」

 

「なに?」

それは聞いてない。

 

すると、燃えさかる港湾内を縫うようにして、何かが高速でやってきた。新手の敵か?

 

 だが寛代を振り返ると彼女は平然としている。つまり……友軍らしい。よく見ると全身黒く塗った軽巡か? ……どんどん近づく。

 

「おい、何の真似だ?」

私は叫んだ。

 

 

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※これは「艦これ」の二次創作です。

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PS:「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。


 
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