No.898733

真・恋姫†無双 異伝「絡繰外史の騒動記」第十七話


 お待たせしました!

 一応、改めて連合による虎牢関攻撃から

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2017-03-26 13:51:21 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:3958   閲覧ユーザー数:2892

「焙烙玉、放てっ!そこっ、焙烙玉の次は大石装填!あまり焙烙玉ばかりだとすぐに打ち止めにな

 

 るぞ!!」

 

「何人か掻い潜って来てるで!連弩隊、一斉射!!この距離で撃ち洩らしなんかしたら大笑いもん

 

 やで!!」

 

 俺と真桜の指示で城壁上の投石器部隊と連弩部隊が迫り来る敵兵に対し、雨あられと焙烙玉・大

 

 石・矢を浴びせかける。その物量に連合の兵達は何人かが馬出付近に辿り着くのがやっとの状態

 

 で、一刻もすると撤退していく。

 

「よし、撃ち方やめ!!」

 

「ふぅ、また随分とやられとるなぁ、向こうさんも。こないに毎日毎日やって来て結構やられては

 

 退却するって、何やおかしいんちゃうんか?」

 

「…確かにおかし過ぎる。もしかしたらこっちは陽動で別働隊が洛陽を攻めるとかだったりして」

 

「えっ!?そうやったら大変やないですか!?」

 

「…とか詠も思って、霞の部隊に回ってもらったらしいんだけど、まったくそんな事も無いってさ」

 

「…だったら、ただ単に毎日大勢の兵を殺すだけなん?それってどうなんやろ…ウチの大将やった

 

 ら絶対せえへん話やな」

 

「ええ、私だったらとっくの昔に撤退してるわね」

 

 俺と真桜が連合のやっている事に対する疑問を話していると、そこに華琳がやって来る。

 

「あれ?華琳は留守担当だったんじゃないの?」

 

「そっちは袁術…っていうか、張勲が張り切ってるわ。もう青州と徐州は制圧したそうよ。元々あ

 

 っちの諸侯はとっくに連合を見限ってたってのもあるそうだけど…という事で、予州を制圧した

 

 私はやる事も無くなって、一応こっちのお手伝いってわけ」

 

「へぇ、并州は馬騰軍が制圧したって話だし、北で残すのは冀州と幽州だけか」

 

 

 

 ちなみにさっき言った『留守担当』というのは、連合がこっちに攻め寄せている隙に各地を制圧

 

 …連合に主力を割いていて留守部隊だけしかいないであろう所を制圧するという意味であったの

 

 だが、ほとんどの諸侯は既に連合を見限って領地に戻って来ており、すぐさまその担当の馬騰軍

 

 や袁術軍(袁術軍は連合を裏切ってこっちに付くなり、腹心の張勲さんが担当すると手を挙げた)

 

 が、北部の当該地域に兵を向けるとほとんど抵抗する事も無くこちらに従っていたのであった。

 

「ええ、でも北で残るのは今こっちにいる軍の本拠、強く抵抗してはくるでしょうね」

 

「でも、華琳様~、主力はこっちにいるわけやし、馬騰軍と袁術軍を相手にしてそないに長くは持

 

 たへんのでは?」

 

「普通に考えれば真桜の言う通りなのでしょうけどね…少なくとも、それがこっちに伝わる位の時

 

 間稼ぎをする位の力は残しているとは思うわ」

 

 ・・・・・・・

 

 その頃、連合の陣にて。

 

「…まさか私達を此処に引き付けておいてその隙に領土を掠め取ろうとは…さすが田舎娘はやる事

 

 が野蛮極まりないですわね」

 

「戦の最中に野蛮とか言ってる場合じゃないだろう?早く戻らないと…帰る所が無くなったら元も

 

 子もないのは分かってるだろう!?」

 

「でも、此処で背中を見せたら死んでいった兵士さん達に申し訳が立たないよ!向こうがこっちの

 

 領土を攻めるっていうのなら、いっその事こっちも向こうの本拠を!」

 

「桃香、何をおかしな事を言ってるんだ!?向こうの本拠に行こうものなら、その瞬間に虎牢関の

 

 軍勢がこっちに襲い掛かってくるに決まっているじゃないか!それに、もう冀州や幽州が攻めら

 

 れてるのは兵士達にも伝わっている、此処で涼州に行くなんて言った日にはほとんどの兵が逃亡

 

 する事位分かるだろう!」

 

 

 

「それじゃ、白蓮ちゃんはこのまま逃げ帰れって言うの!?」

 

「まだ今なら全軍で当たれば戻る事位は出来る。おそらくただ撤退するだけなら、向こうもこっち

 

 に攻撃は仕掛けて来ないはず…戻れさえすれば、その後どうするにしろ一息つく事位は出来る」

 

「その後どうするか決めなきゃ一息ついたって仕方ないじゃない!」

 

「今のままじゃ遠からず兵達が逃げていくだけだぞ!!」

 

「いいえ、このまま逃げ帰った所で全員が付いてくるとは限りませんわ!ならば、こちらの正義を

 

 示すのが兵達をまとめる最善の方法ですわ!!」

 

「そうだよ、麗羽さんの言う通りだよ!!」

 

「……………………分かった、もう勝手にしろ」

 

 公孫賛はそう言うと席を立つ。

 

「白蓮さん、何処へ行くのです?」

 

「私も勝手にさせてもらうだk『そういうわけにはまいりませんわね…猪々子さん』…なっ、これ

 

 はどういうつもりだ、麗羽!」

 

 公孫賛が陣を出ようとする所を袁紹は文醜に命じて拘束させる。

 

「知れた事、このまま白蓮さんにいなくなってもらってはさすがに困りますので、しばらく此処で

 

 大人しくしてていただきます。白蓮さんの軍の指揮は桃香さんに執ってもらいます…よろしいで

 

 すわね、桃香さん?」

 

「はい、既に星ちゃんに行ってもらってますので、すぐにでも動かせるかと」

 

 二人のその言葉を聞いた公孫賛の顔は驚愕に包まれる。

 

「なっ!?麗羽、桃香、それは私の部下に全員死ねと言う事か!」

 

「まさかそのような…しかし、向こうを攻めるからには少なからず犠牲は付き物ですわよね、桃香

 

 さん?」

 

「そうですね…でも、大丈夫だよ白蓮ちゃん!白蓮ちゃんの白馬義従が前線に立っている間に必ず

 

 愛紗ちゃんや鈴々ちゃんが虎牢関を攻め落としてくれるから!!」

 

 

 

「…桃香!!お前、何言ってるのか分かっているのか!?」

 

「本当は白蓮ちゃんと一緒に戦いたかったけど…これも仕方ないよね?こうしないと、洛陽の人達

 

 を董卓から助け出せないんだよ…絶対、白蓮ちゃんの所の兵士さん達の犠牲は無駄にしないから」

 

 公孫賛が怒りの声をあげるが、劉備は何処吹く風とばかりにそう言うと陣を出て行こうとする…

 

 しかし。

 

「申し上げます!!公孫賛様の軍勢が撤退を開始してます!!」

 

 そこに飛び込んで来た伝令の一言で場の雰囲気が変わる。

 

「どういう事ですの、白蓮さん!?」

 

「まさか、白蓮ちゃん…最初からそのつもりで」

 

「私は知らな…いや、そうではないか…さあ、私の事は気が済むまで煮ても焼いても好きなように

 

 してくれ」

 

(よくやってくれた。すまん、そして…ありがとう。星、朱里…すまないが、後は頼んだぞ)

 

 ・・・・・・・

 

 その頃、公孫賛軍にて。

 

「趙雲様、本当によろしいので?公孫賛様は袁紹様の陣に向かわれたままですが…」

 

「ああ、大丈夫。これは私達が伯珪殿から頼まれた事だからな…なあ、朱里よ」

 

「はい、私もその場にいましたから間違いありません。公孫賛軍は北平へ撤退、それが公孫賛様の

 

 意志です」

 

 趙雲に話を振られた諸葛亮はしっかりとそう答える。

 

 ちなみに謹慎しているはずの彼女が何故、公孫賛軍にいるのかというと…。

 

 ・・・・・・・

 

 ~諸葛亮がいる経緯~

 

「劉備様、少々よろしいでしょうか?」

 

「えっ…どうしたの、星ちゃん?急にそんな改まって…」

 

「いえ、朱里の事ですので、あまり砕けた会話はと…」

 

 

 

「朱里ちゃんの?」

 

「はい、皆が何度説得しようともずっと檻の中から出て来ようともしない者をそのままにしておく

 

 のも如何なものかと…」

 

「でも、朱里ちゃんももう完全に意固地になっちゃってるし、どうしようもないんじゃないの?」

 

「しかし、離反したともいえる者をこのままでは劉備様の沽券に係わるのではと…」

 

「それじゃ、星ちゃんはどうすれば良いと思うの?」

 

「とりあえずは追放という形にされればよろしいのでは?」

 

「追放!?」

 

「ですから形式的にです。とりあえずは…そうですな、伯珪殿に預かってもらうというのは如何で

 

 しょう?さすれば、もしすぐに戻ってもらう必要があった場合にでも、連絡は容易かと」

 

「分かった、星ちゃんに任せる」

 

 こうして諸葛亮は公孫賛預けになったのだが…。

 

 ~その後、公孫賛の陣にて~

 

「おい、星。何でいきなり私が朱里を預かる事になるんだ?しかも監視とか言ってお前までこっち

 

 に来るし…」

 

 どうやら公孫賛は何も聞いていなかったらしく、一緒にやって来た趙雲にそう問い質していた。

 

「こうでもしなければ、伯珪殿は誰にも相談しようとしないではありませんか」

 

「…どういう意味だ?」

 

「どういうもこういうも、預かっているという形とはいえ、朱里程の知恵者が近くにいるのですか

 

 ら、今悩んでいる事を相談すれば良いのです。こういう事は一人で抱え込まぬ方が良いですぞ」

 

 趙雲にそう言われ、公孫賛は図星をさされたような顔になる。

 

 

 

「…というわけでだ、伯珪殿は朱里の考えを聞きたいそうだ」

 

 そして趙雲はそのまま公孫賛を諸葛亮の所に連れて来ていた。

 

「私の考え…ですか。しかし、白蓮さん程のお人なら私が何も言わずとも、既に答えは出ているの

 

 ではないのですか?」

 

「………………」

 

 諸葛亮にそう聞かれ、公孫賛は言葉に詰まる。それこそ諸葛亮に言われずとも、彼女の中では既

 

 に答えは出ているからだ。しかし…。

 

「分かっている、分かってはいるんだよ…でも、私が…私までもが見捨てたら、桃香は、麗羽はど

 

 うなるんだ?他に助けてやれる奴なんていないじゃないか…私には、私には二人を見捨てる事な

 

 んて出来ないんだよ…」

 

 公孫賛はうなだれた表情で搾り出すようにそう呟く。

 

「白蓮さんの仰る事は分からないでもないですが…だから兵達に死ねと命じるわけですか?だとし

 

 たら、上に立つ者として失格と言わざるを得ませんが」

 

 しかし、その思いも諸葛亮にあっさりそう切り捨てられ、その表情をさらにうなだれさせる。

 

「まあ、そういじめてくれるな、朱里。伯珪殿もどうしたら良いか分からなくなっているからこう

 

 してお前に話を聞きにきているのだ。何か良い考えは無いか?」

 

 さすがにその姿を見て少々不憫そうな顔を公孫賛に向けながら、趙雲はそう諸葛亮に話しかける。

 

「考えと言っても…軍を率いる者としてはさっさと撤退して兵の損害を抑えたい、しかし個人とし

 

 て袁紹殿と劉備殿を見捨てておけない…両方を同時になど無理が…あえて言うなら、軍は撤退さ

 

 せて白蓮さんが個人で残るという位しか…」

 

「…その場合、私が不在の軍は誰が指揮するんだ?自分で言って何だが、私以外にこれだけの軍を

 

 指揮出来る者はいないぞ?」

 

 

 

「ならば、その役目、私が引き受けましょう」

 

「星…それが何を意味するのか分かってるのか、お前?」

 

「はい、なかなか居心地の良い場所ではありましたが、このような事態になっても思い切った決断

 

 も出来ない主様の下ではさすがにこれ以上は…伯珪殿がこんな裏切り者に任せてくれるのならば、

 

 ですが」

 

「私も同行します。策…とも言い難い物ですが、口にした以上は最後まで見届ける必要があります

 

 ので」

 

 趙雲の言葉に諸葛亮がそう言い添える。

 

「分かった…二人がそう言うのなら、私も腹を括る。一応、もう一回説得に行ってくる。説得に成

 

 功すればすぐに戻ってくるから、そのまま撤退だ。しかし、一刻経って私が戻らない時は任せる」

 

「伯珪殿…ご無事で」

 

「ああ、もし捕まっても私一人位の事なんかどうとでもするさ…だけど、もし、もしもの場合だけ

 

 ど…その時は、北平に公孫淵って従姉妹がいる。彼女に太守の地位を譲るって伝えてくれ。そし

 

 て、出来ればだが…二人にはそのまま北平に留まって彼女を支えてやって欲しい」

 

 公孫賛はそう言うと深々と頭を下げる。

 

「もしもの話など聞きたくもござりませなんだが…私は三日経ったら人から聞いた話を忘れてしま

 

 う困った癖がありましてな。もしかしたら今の話を忘れてしまうかもしれませぬので、伯珪殿の

 

 お帰りを北平でずっと待っておるかもしれませぬが、それでもよろしければ」

 

「私もこの所、檻の中ばかりにいたので、少し忘れっぽくなっている感じがするので、白蓮さんと

 

 の約束を忘れて待っていそうな気がしますけど…大丈夫ですか?」

 

「ははっ…星だけでなく朱里にまでそう言われるとは予想外な事もある物だな」

 

 こうして、公孫賛は袁紹と劉備の説得に向かい、その間に二人は軍の撤退の準備を進めていたの

 

 であった。

 

 

 

 ・・・・・・・

 

「さて、撤退はうまくいきそうだが、白蓮殿は大丈夫であろうか?」

 

「あの方はあれで意外にしぶとそうな感じがしますから大丈夫ではないかと」

 

「ふっ、意外に朱里も言うものだ…ところで、北平に行く前に平原に寄っても良いか?」

 

「…何故です?」

 

「作り置きしたメンマがそろそろ食べ頃なのだ。今なら私達の行為は留守居の者達に知られておら

 

 んだろうから、回収しておきたいのだ。それに朱里とて、寝台や棚の後ろに隠したあれをそのま

 

 まにしておけぬであろう?」

 

「…本当は雛里ちゃんに全部あげるつもりで諦めていたのですが、ちょっとだけ惜しくなってきま

 

 した」

 

「ならばすぐに行動あるのみ!」

 

「皆さん、追手をかけられないよう速度を上げます!」

 

 こうして趙雲と諸葛亮は平原に寄り、目当ての物を回収するや、そのまま公孫賛軍を北平へと撤

 

 退させたのであった。

 

(ちなみに馬騰軍と袁術軍は公孫賛軍単独での撤退はあり得ないと考えており、諸葛亮が全ての裏

 

 道を熟知していて誘導していった為、気が付いた時には既に警戒網を突破されていたのであった)

 

 ・・・・・・・

 

「公孫賛軍が撤退した!?」

 

 二日程経って、敵方に潜ませている間者より公孫賛軍撤退の報告が入り、全員が驚きの表情を見

 

 せる。

 

「ええ、信じられないかもしれないけど本当よ。けど、公孫賛本人はまだ留まっているらしいわ」

 

「それって、自分自身を囮にしつつ部下を全員逃がしたって事かいな?」

 

「それ以上詳しい事は分からないみたいだけど…これで向こうの戦闘力は半減したと言っても過言

 

 では無いわ。此処まで戦力差が開いたならもう閉じこもっている必要も無くなったわね」

 

 

 

「それじゃ、賈駆っち…」

 

「ええ、一応は月に了解を取ってからになるけd『その必要な無いぞ』…えっ、葵様!?」

 

 詠が打って出る許可を月に取ると言ったその時、馬騰が現れる。

 

「公孫賛軍撤退の報は既に月の耳にも入っている。そして月からの伝言だ『打って出るかどうかは

 

 そちらの判断に任せる』とな。此処に命令書もある。さらに言えば、私はその為の援軍として此

 

 処に来た。打って出るなら我が西涼騎馬隊に先鋒を任せて欲しい」

 

「ちょっと待った!先鋒はあくまでも董卓軍、ウチやで!!幾ら馬騰はんでもそれだけは譲れへん

 

 で!!」

 

 馬騰は月の言葉を皆に伝えると、自らが先鋒に立つ事を申し出るが、即座に霞が異議を唱える。

 

「張遼、悪いが私も引き下がれんぞ。向こうには文台の娘もいるようだしな」

 

「引き下がれへんのはウチかて同じや!此処で先鋒を同盟軍とはいえ、他のもんに任せるなんちゅ

 

 う事が知れたらウチらの面子かて丸潰れや!!」

 

 そう言って馬騰さんも霞も睨み合ったまま一向に引き下がる気配を見せない。此処で味方同士が

 

 もめてる場合じゃないってのに。詠もどうすれば良いか悩んでいる感じだし…やれやれ。

 

「あの~、少々よろしいでしょうか御二方?」

 

「何や?一刀はウチの味方してくれるんちゃうんか?」

 

「お主が北郷か…此処での防衛は見事であった。だが、これは打って出る話、お主の出る幕ではあ

 

 るまい?」

 

「まあ、馬騰様の仰る通りなのかもしれないのですけど、何時解決するか分からないものをそのま

 

 まというのは、よろしくないんじゃないかと。此処で足並み揃えていかないと、月様に迷惑をか

 

 ける事になるのではと思いまして…」

 

「それじゃ、お主には何か良い案でもあるのか?」

 

 

 

「案…という程の物でもありませんが、此処は先鋒を二つにして、右翼側を霞、左翼側を馬騰様と

 

 いう風にしたらどうかと」

 

「ふむ…確かに何も先鋒が一つである必要は無いからな」

 

「そうやな…此処で馬騰はんと喧嘩しとっても話の進展なんて無さそうやしな。ウチも一刀の案で

 

 ええで」

 

 俺が二人に先鋒にという案を言うと、二人はあっさりとそれに乗ってくれる。

 

「二人が問題無いなら、一刀の案の通り先鋒は霞と葵様、そして恋とねね、それと曹操殿は遊軍と

 

 して後方からの援護を頼むわ」

 

「応っ!」

 

「任しとき!!」

 

「分かった」

 

「了解なのです!」

 

「分かったわ」

 

 ようやくこの戦も最終局面か。此処までの戦力差ならそうそう負けはしないだろうけど…窮鼠

 

 猫を噛むとも言うし、油断は禁物だな。

 

 ・・・・・・・

 

 そして一刻後、虎牢関の前には先鋒の霞と馬騰さんの軍が勢揃いしていた。こうして軍勢を上

 

 から見れるとは、なかなか壮観な眺めだな…とか思ったその時。

 

「師匠!向こうの軍勢の動きがおかしいで!!」

 

 真桜に言われ、そっちの方を遠眼鏡で見ると…敵軍が後退というか、単に算を乱して逃げ出し

 

 て行く者と、何やら奪い合いをしている者とに分かれているような感じになっている。

 

 そしてこっちに向かってくる人影が一つ…どうやら、向こうに潜り込ませた間者のようだ。

 

「賈駆様に御注進!!袁紹軍・劉備軍の兵達による反乱で軍は壊滅!敵軍の主だった者達の消息

 

 は不明!残った兵達はバラバラに逃げ出す者・食料を奪い合う者とに分かれて混乱している状

 

 況です!!」 

 

 そのあまりにもあっさりとした終わり方に、先鋒にいる霞と馬騰様の口も開いたまま塞がらな

 

 い状態となっていたのであった。

 

 

                                         続く。

 

 

 

 

 

 

 あとがき的なもの

 

 mokiti1976-2010です。

 

 毎度毎度投稿が遅くなりまして、申し訳ございません。

 

 とりあえず、急転直下な感じはありますが、反董卓連合との戦は

 

 大体これで終わりです。

 

 まだ袁紹主従・劉備主従・孫策の行方の探索等、後始末は残って

 

 おりますので。

 

 とりあえず次回は袁紹軍・劉備軍崩壊の顛末及びそれぞれの行方

 

 についてお送りする予定です。

 

 

 それでは次回、第十八話でお会いいたしましょう。

 

 

 

 追伸 反董卓連合編が終わったら、しばらく拠点的な話をお送り

 

    する予定です。そろそろメインヒロインも決めていきたい

 

    と思っておりますので。

 

 

 

 

 


 
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