No.886915

真・恋姫この二人の冒険者に祝福を! 第五話

アサシンさん

このパーティーとチェンジで!

2017-01-03 07:02:48 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:989   閲覧ユーザー数:885

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルド内、酒場

 

 

その一角で不穏な空気を醸し出し、ギルド内は妙な静けさに包まれている

 

 

カズマ「おい、今何て言った?」

 

カズト「もう一度言って貰おうか」

 

 

その原因は自分と兄弟、そして目の前の席で酒飲んで飯を食べているパーティーの、確か自分達と大差ない冒険者歴を持つのにウチのパーティー並みの悪評を持つ金髪赤眼の男が言った言葉が原因だった

 

自分と兄弟がこの世界で二度目の死を経験して二日目。自分は兎も角兄弟が首チョンパされて治療&蘇生は出来たが血は戻らず。激しい戦闘は駄目だと言う事で他のパーティーなどで荷物持ちなどをさせてもらえないかとギルドの掲示板で一緒に探していたところで

 

 

金髪赤眼の戦士風の男「何度でも言ってやるよ、冒険者のくせして楽な荷物持ちの仕事だって?上級職が揃っているパーティーに居ながらもう少しマシな仕事に挑戦する気概はねぇのか?大体、お前達二人が足引っ張ってんだろ、なぁ。最弱職さん御二人よ」

 

 

之がある意味での原因である

 

ウチのパーティーは職業だけ見れば上級職三名に中級?普通?の盗賊一名に最弱職二名と言う。普通に考えれば足引っ張ってるのが二人も居るように思える

 

まぁ確かに癖は強いが王都等の大軍クラスでの運用を上手くすればかなり優秀なのだ・・・そう。大軍クラスであれば!

 

ウチは偶にしか一緒に居られないクリスを入れて六人。バランス的に見ればどう見ても自分と兄弟が足引っ張る状況しか想像できない・・・・・はぁ

 

自分と兄弟の沈黙を委縮しているのか言い返せないのかはたまたビビっていると取ったのか更に煽りに来た

 

 

金髪赤眼の男「おいおいダンマリかよ?なにか言い返せないのか最弱職。ったくいい女三人も引きつれてハーレム気取りかよ。さぞかし毎日この姉ちゃん達相手に二人で良い思いしてるんだろうなぁ?それとも二人一緒でないと一人も相手できないのかなぁ?」

 

 

ギルド内で爆笑が巻き起こる・・・はぁ。之でも自分結構な業物持っているつもりなのだが?

 

この男のパーティ(少女含む)とギルド内で自分達のベルディア戦等の活躍を知らない連中バカリが笑っている。逆に自分達の事を知っている連中が顔を顰めて面白くないと言った感じに席を立ち注意か喧嘩を起こそうとするヤツが何人かいた御蔭で兄弟はまだ耐えている・・・・ああ。そこの大丈夫だからその物騒な物は仕舞っとけ

 

 

めぐみん「二人とも相手にしてはいけませんよ、私なら何を言われても気にしませんよ」

 

ダクネス「そうだぞ、酔っ払いの戯言など捨て置け」

 

アクア「そうよ、あの男私達を連れているカズマとカズトに妬いてんのよ。私は全く気にしないからほっときなさいな」

 

カズト「そうだぞ兄弟、こんなアホ相手にしていても経験値も金も入らん」

 

カズマ「ああ、そうだn」

 

金髪赤眼の男「上級職におんぶに抱っこで楽しやがって、苦労知らずで羨ましいぜ!おい、今お前ら二人俺と代わってくれよ兄ちゃん達よ?」

 

カズマ「大喜びで代わってやんよぉおおおおおおおおおおお!!!」

 

金髪赤眼の男「・・・・・・えっ?」

 

 

あちゃ~、ヤッパリこうなった

 

兄弟の怒声に笑いが起きていたギルド内や様子を見守っていたヤツら。そして予想外の反応で硬直している金髪赤眼の男のパーティーメンバー

 

そしてジョッキを片手に固まり変な声を出したきんp・・・戦士風の男

 

そんな男に兄弟は止まらない。ああ、アクアたちちょっと離れといて。ああなった兄弟止まらないから、レイドボスも道端の石ころみたいに蹴飛ばしていたから

 

たしかあの時はネチネチしつこいムカつくPK連中相手に引っ張って来たボスモンスタークラスを何体も当ててやったっけな。結果は案の定全滅&二度とそのゲームで姿形も無く消えたっけ、自分は逃げられない場所を用立てて逃げられないようバッドステータス満載のモンスターの群れとプレイヤーだけに反応するトラップ仕掛けまくったっけ

 

 

カズマ「代わってやるって言ったんだよ!オイテメェこの野郎さっきから舐めた事抜かしやがって!ああそうだよ、確かに俺とブラザーは最弱職だよ!それは確固とした事実だわなぁ!・・・・だがなぁ。その後に何て言った?お前何て言いました?」

 

アクア「カッカズマ・・・さん?」

 

戦士風の男「そ、その後?えっとそのいい女を三人も侍らせてハーレム気取りかって」

 

 

兄弟がテーブルを殴りつけた

 

自分を除くギルド内全員がビクンッ!と体を震わせた・・・おい、荒れくれ者共それでいいのか?

 

 

カズマ「いい女ぁ!?それにハーレム!ハーレムってか!?オイお前、その顔に付いているのは目玉じゃなくてビー玉か何かなの?そうなの?何処にいい女が居るんだよ!俺の濁った目ん玉じゃぁ何処にも見当たらねぇ!お前メッチャいいガラスで出来たビー玉付けてんだなぁオイ!俺の濁った眼玉と取り換えてくれませんかねぇ?と言うか取り替えろやゴラァ!」

 

アクア・めぐみん・ダクネス「「「あっあれぇっ!?」」」

 

 

まぁ美人美少女である事は確かなんだが。頭の所に残念が入るんだよなぁ

 

あっ、兄弟が野郎の胸倉掴んで更に激昂している、完全にゲキオコである

 

 

カズマ「なぁおいこの野郎!教えて下さいよ!いい女?何処だよ、何所に居られるって聞いてんだよコラァッ!?てめぇこの俺と兄弟が羨ましいって言ってたな言ったな!あぁ?言ったよなぁオイッ!」

 

アクア「あ・・・・・・あのぅ・・・」

 

カズト「巻き込まれるから二人の所に戻りなさい」

 

カズマ「しかもその後なんと仰いましたてめぇ?なんつった?上級職におんぶに抱っこで楽しやがって?!苦労知らずだぁあああああああああ!!?お前にまつ毛が氷る寝床を知ってるか!?体力回復所か凍死一歩手前な環境で寝泊まりしたことあるか!ブラザーが居なかったら今以上にヒデェ暮らしを。お前は想像出来るかぁあああああああああ!!?」

 

カズト「確かに起きたら体が冷え切っていてまつ毛が氷って目が開けられなかったのはある意味恐怖を覚えたな」

 

戦士風の男「おっおおぅ・・・・!その、すまねぇイヤごめん。俺も酔った勢いで言い過ぎた。でっでもアレだ隣りの芝生は青く見えるっていうだろう?お前さん達は確かに恵まれている環境なんだぜ?普通駆け出しの街で上級職が三人もパーティーに居るなんて。さっき代わってくれるって言ったよな?なら一日、一日だけ代わってくれよ冒険者さん方よ。なぁお前らもイイか?」

 

髪で顔が隠れるくらいの優男「俺は、別に問題は無いぞ?今日のクエストは運良くゴブリン狩りだし」

 

茶髪を高い所で纏めている青いマントを羽織っている少女「あたしも異議な~しっ、でもダストあんたそっちのパーティーが居心地良いからってもうコッチに戻ってこないとか言い出さないでよ?」

 

バンダナを付けた堅実そうな青年「俺も構わん、ひよっこが二人増えた所でゴブリン相手なら問題無い。その代りと言っては何だがいい土産話をまっているぞ」

 

 

アチラのパーティーは問題なさそうだ

 

 

アクア「カズトカズト、なんかカズマが勝手に話進めちゃってるんですけど。私達あの男とパーティ組まなきゃいけないんですけど。私達の意見は?」

 

カズト「すまないが今日一日我慢してくれ。兄弟も相手も一日交換と言っている。明日戻ったらちょっと高い酒と肴も少し奮発しよう」

 

アクア「明日の朝ごはんは?」

 

カズト「熟成させたブルータル・アリゲーターのから揚げ二種類に、自作マヨネーズその他付け合せだ」

 

アクア「わ~い♪カズマとカズトが居ないのが不満だけど。私達のありがたみをアンタ達とあの男に教え込んでやるわ」

 

カズト「おう、ガンバレ。ほい、今日の弁当コレな。早弁するなよ?夜は食堂で好きなの食べてくれ。自分のおごりだ」ナデナデ

 

アクア「イッエ~イ!・・・えへへ~♪(にへら♪)」

 

めぐみん「ダクネスダクネス、あのアクアが子供みたいですよ」

 

ダクネス「ああ、そしてカズトはまるで」

 

カズマ「お前らその辺にしとけよ。おい、俺の名はカズマ。今日一日って話だがどうぞよろしく」

 

カズト「カズトだ、一日限りのパーティーだがよろしく頼む」

 

 

優男・少女・青年「「「は・・・はぁ・・・・」」」

 

 

 

こうして急にではあるが自分と兄弟は臨時パーティーを組む事と成った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金髪赤眼の男、ダストと言うなの男はウチの女性陣達と。自分と兄弟はダストのパーティーメンバーと自己紹介をしている

 

 

テイラー「俺はテイラー、片手剣が得物のクルセイダーだ、このパーティーのリーダーなんかをやっている。一日かぎりとは言え二人とも俺の指示に従ってもらうぞ」

 

カズマ「勿論だ、と言うより何時も俺やブラザーが指示する側だったから。そっちの指示してもらえるってなんか楽で新鮮だな」

 

カズト「ああ、自分も基本兄弟以外の指揮下に入るのは初めてだな」

 

テイラー「何?お前達があのパーティーのリーダーとサブなのか?上級職が三人も居るのに?」

 

カズマ「そーだよ」

 

カズト「正確には兄弟が戦略、自分が戦術的指揮を担当している。あの三人には絶望的に向いていないからな」

 

 

普通に堪えたら三人が絶句している。そんなに驚く事なのか?

 

気を取り直して今度は青いマントを羽織っている幼さが残る魔法使い風の少女が

 

 

リーン「あたしはリーン、見ての通りウィザードよ。魔法は中級まで使えるわ。よろしくね、ゴブリンなんて楽勝楽勝。あたしが守ってあげるからね、駆け出し君たち!」

 

 

むむぅ、年下に年下の後輩の様に扱われる、この妙な感覚は何なのだろう。めぐみんとは違って柔軟な対応が出来そうだ

 

最後に弓を背負った男だ

 

 

キース「俺はキース、アーチャーだ。狙撃には自身がある、まっよろしく頼むぜ?」

 

カズマ「それじゃ改めてカズマだ、クラスは冒険者・・・・・えっと俺も何か得意な事とか言った方がいい?」

 

 

之に三人が吹き出した。何故に?

 

 

テイラー「いや、別にいいと言うか。荷物持ちの仕事を探していたんだろう?カズマは俺達の荷物持ちでもやってくれ。ゴブリン討伐くらい三人で如何とでもなるしな。心配するな、ちゃんとクエスト報酬は五等分にしてやるよ」

 

カズト「待った、自分は兄弟とは違い戦闘は可能だ」

 

リーン「そう言えば君も居たね。名前教えて」

 

カズト「自分はカズト、クラスは冒険者だ、よろしく頼む」

 

キース「アンタも冒険者か、獲物は?」

 

カズト「近接戦闘は剣二本に槍二本、中距離は投げナイフや小型の弓、遠距離では投擲具や自作した道具その他諸々。一応何処のポジションでも対応可能だ」

 

テイラー「ほう?今まで相手して来たモンスターは?」

 

カズト「最近だと単身でジャイアント・トードを数体、二桁入ると無理だな」

 

テイラー「ゴブリンについてはどれくらい知っている」

 

カズト「主に十匹前後で行動している小鬼みたいなやつで道具を自作する。弱いが群れると人に害を成すからカエルよりも危険視されているってくらいだ。自分と兄弟は討伐経験がないな」

 

カズマ「ゴブリンか。確かに戦った事ないな」

 

キース「まぁ良いんじゃね、危なくなったら俺達がフォローするからよ」

 

リーン「そうそう、大船に乗ったつもりでいなさい!」

 

テイラー「そうだな、一応は遊撃兼カズマの護衛でもしてくれ」

 

カズト「承知した」

 

 

 

こうして自分達はいざゴブリンが居付いたとされる。隣街に続く山道に向かう、テイラー曰く今から向かい討伐出来れば夜には戻って来れるそうだ

 

因みにギルドから出る時に、後ろで不穏な単語が聞こえて来たが・・・・・まぁダストとやらが何とかしてくれるだろう

 

人之を人身御供というのだったか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山へと行く道中の草原でテイラーたちと今回のゴブリン討伐の事を聞いたところ色々と不可解な事と知らなかったことが分かった

 

先ず当たり前だがこの世界の冒険者は冬の間は仕事をしない、だが今回は何故か森に棲んでいる筈のゴブリンが山道に居付いた事により討伐クエストが出たので狩りに出ている事

 

次にこの世界のゴブリンは野生の亜人種に分類され。動きが素早く小柄ではあるがとても狂暴であり人や家畜を集団で武装し襲うとの事でかなり危険視されている為、一匹辺りの討伐報酬が二万エリスもするのだ

 

 

リーン「しっかし何でこんな住みにくい所に住み着くのかなゴブリン達は?まぁ、御蔭でゴブリン討伐なんてめったにない美味しいクエストが出て来た訳だけどさ!」

 

 

そう、それである。のんびりと目的地へ向かう中言ったこの事が先ほどから気になる

 

この時期冒険者が働かないのは、この過酷な環境で行動するのが殆ど強者しかないからだ

 

そんな環境で、しかも暮らしにくい場所にゴブリンが住み着くものなのか?

 

何て考えながらも歩みを進めているが全くと言って位に問題が起こらず全員が緊張した雰囲気を醸し出している。荷物持ちをしている兄弟が何かワクワクしている・・・・今までまともな冒険者生活が出来ていなかったからな

 

テイラーが止まり自分達も止まると地図を広げた

 

 

テイラー「ゴブリンが目撃されたのがこの山道を天辺まで登り、やがてちょっと下った所らしい。山道の脇にゴブリンが住みやすそうな洞窟でもあるのかも知れない、ココからは気を引き締めてくれ」

 

 

おお、之が本来あるべきパーティーの形!自分、感動しました!

 

どうやら兄弟もこの指示に感動している

 

カズマ「・・・・ダバー(号▽泣)」

 

だって号泣してるもん

 

 

リーン「わぁっ!?どうしたのいきなり」

 

カズト「あ~自分達のパーティーじゃこんな冒険者らしいことが皆無だったから、それに感動しているんだ。問題無いから続けて良い」

 

キース「今までどんな事して来たんだよ?!」

 

カズマ「攻撃が当たらないクルセイダーが嬉々としてモンスターに突っ込んで。敵味方地形諸共爆裂魔法でブッ飛ばすアークウィザードに、支援魔法や回復魔法を一番大事な時に使わず借金を良く作って、戦闘ではまるで役に立っていないアークプリーストですが何か?(真△顔?)」

 

テイラー「そりゃぁお前達がリーダーとサブをするわけだわな!?」

 

 

 

理解が得られたようで何よりだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

草原を抜け、岩肌が目立つ山道を入った、草木があまりない岩山な印象を持つ。道中も緊張感を持ち進んでいると

 

 

カズト「ん?止まって欲しい、後方から何かが近づいてくる。兄弟」

 

カズマ「ちょい待ち・・・・・ホントだ、山道をコッチに向かって何か来てる。接触まで三分くらいか?」

 

カズト「ああ、だが単体だ。冒険者では無いな」

 

カズマ「だな、敵感知に引っかかったって事はモンスターだ、でもこの時期に一体だけ?」

 

 

自分と兄弟の会話に三人が驚いた顔をしている

 

 

テイラー「・・・・お前達索敵スキルなんて持ってるのか?いやそんな事より後ろから来ているのはゴブリンでないことは確かだな。こんな所に一体で行動するほど強いモンスターなどこの辺には居ない筈だが。山道は一本道だ。そこの茂みに隠れた所で直ぐに見つかってしまうだろう、迎え撃つか?」

 

カズト「いや、迎え撃つ必要はない」

 

カズマ「ああ。俺達潜伏スキルを持ってるから、これくらいの茂みに隠れても多分見つからないぞ。このスキルはスキル使用者に触れているパーティーメンバーにも効果がある。折角都合よく茂みがあるんだし、とりあえず隠れとくか?」

 

カズト「出来ればすぐに隠れよう、視認できる距離まで後一分だ」

 

 

三人は自分達の言葉にまた驚きはしたが直ぐに茂みに隠れる選択をした

 

流石は場数を踏んで来た冒険者だ。判断も行動も迅速だ

 

コレは解からない相手に臆病なほどに警戒し生存率を上げる・・・・ウチのパーティーではありえない事だ

 

結果、その判断が正しかったことが直ぐに証明された

 

自分達が登って来た山道から現れたのは、一言で言うならデカイ牙を二本生やしたネコ科と思われる猛獣だった。しかも虎やライオンよりもデカく真っ黒な体毛に覆われ強靭でしなやかであろう肉体を持つサーベルタイガーの様だ

 

視認出来た瞬間に三人から。特に自分の手を握っているリーンの手から緊張と恐怖を感じ。慌てて空いている手で自分の口を塞いでいる

 

この特徴、そして今回のゴブリン討伐。コイツの仕業か

 

しばらく自分達が居た所の地面を嗅いでいたが、興味を失ったかのように元来た道を戻って行った

 

完全に自分と兄弟の感知範囲外に出た事を話したら。皆止めていた息を吐き出し新鮮な空気を入れる

 

 

リーン「ップハァー!ここここここ、恐かったぁ!初心者殺し!初心者殺しだよ!?」

 

キース「しっ、心臓止まるかと思った!助かった・・・・あれだな。ゴブリンがこんな街に近い山道に引っ越して来たのは。初心者殺しに追われたからだぜ?」

 

テイラー「ああ・・・・・しかし厄介だな。よりにもよって帰り道の方に向かって行ったぞ、これじゃ街に逃げ帰る事も出来ないな」

 

カズト「アレが初心者殺しか。ゴブリンやコボルド討伐しなくて助かった」

 

カズマ「なぁ皆、アレそんなにヤバいヤツなのか?」

 

 

兄弟がそう言うと三人は何言ってんだコイツ?みたいな顔をした。まぁしょうがない

 

 

カズト「兄弟、アイツは比較的弱く初心者冒険者がよく相手をする美味い相手であるゴブリンやコボルドの群れを襲ってアッチコッチに追いやって、それを餌にクエスト又は遭遇した初心者冒険者を狩る。その名の通りに駆け出し冒険者を狙って狩る初心者殺しの異名を持つモンスターだ」

 

カズマ「何それコワイ、ブラザーは知ってたのか?」

 

カズト「自分も見るのは初めてだ。確か水の都アルカンレティアや最前線の王都がある地方に生息しているがこんな所に居る筈がないモンスターだ。ちなみにアイツを狩れるようになると中堅どころ冒険者と呼ばれる」

 

リーン「あたしたちは普通の冒険者だし!あんなの倒せないし!?」

 

テイラー「補足すると奴は比較的弱いモンスターの周りをうろうろして、弱い冒険者を狩るんだよ。しかも餌であるゴブリンが狩られたりしないように守り定住したりしないよう定期的に追いやったりして狩場を変える狡猾で危険度が桁違いに高いモンスターだ」

 

カズマ「何ソレマジで恐いんですけど?!」

 

 

一端落ち着いて今後の話をすると、まずはゴブリン討伐を済ませようと言う話になった

 

理由は餌であるゴブリンの血の匂いにつられ餌を護ろうと初心者殺しが戻って来るかもしれない、そこで入れ違いに山道を降りようと言う話だ

 

勿論やり過ごす時は自分と兄弟の潜伏スキルと索敵、敵感知スキルを使えば万事うまくいく・・・筈だ

 

今後の方針が決まった所で兄弟が荷物を持ち進もうとするとリーンが兄弟に預けていた荷物を持った。理由を聞くと

 

 

リーン「もし初心者殺しに会ったら皆で逃げる時。カズトは兎も角カズマも身軽な方がいいからね、あたしも持つよ、そ、その代わり二人の潜伏と索敵スキル頼りにしてるよ?」

 

 

おどおどしつつ・・・・・何故か自分の事を頬を染めちらちらと見つつ言っている。この感じ、昔近所で面倒を見る事に成った女の子の反応と似ているな

 

なんてかなり昔の懐かしい事を思い出しているとキースとテイラーもリーンの言葉に慌てて兄弟に預けていた自分の荷物を取る

 

 

キース・テイラー「「べっ別に、俺達は二人を頼りきっている訳じゃないからな?」」

 

 

カズマ・カズト「「(おっと、ツンデレ頂きました)」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初心者殺しが戻って来る気配は無く、順調に登って行くと頂上に付いて下り坂に入る処で足を止めテイラーが地図を取り出した

 

もうそろそろゴブリンが目撃されて地点らしい

 

 

テイラー「どうだ二人とも、敵感知には反応があるか?」

 

カズマ「ああ、この山道を下って行った先の角を曲がるといっぱいいるな、俺達が登って来た方の道からは初心者殺しが近づいてくる気配は今の所は無い・・・・だけどちょっと多過ぎな気がするんだが。どう思う?」

 

キース「いっぱいいるってのならゴブリン確定だな、連中は群れるもんさ」

 

カズマ「いや、俺やブラザーってかウチのパーティー幸か不幸か今までゴブリン系のクエストしたこと無いから解からないんだが、ゴブリンって普通どれくらいの数で群れるんだ?感知出来てるだけでもちょっと数えきれないぞ?ブラザー、そっちは?」

 

カズト「兄弟の言う通りだな、自分には索敵スキルと言うのも持っているんだが、曲がり角、恐らく向こう側は行き止まりで側面は崖に成っている様でそこに溜まっているんだろうが。この数は異常だぞ?一族と言うより集落クラスの規模だ」

 

リーン「ね、ねぇそんなにいるの?二人がこう言ってるんだしちょっと何匹いるのかコッソリ様子をうかがって、勝てそうなら・・・・」

 

 

リーンが自分と兄弟が感知した、多すぎるという言葉に偵察と撤退を提案しようとしたが

 

 

キース「大丈夫大丈夫!二人にバカリ活躍されてちゃたまんねぇ!おっし行くぜ!」

 

 

後衛職が前衛置いて先に行くとか之如何に?

 

慌ててテイラーがキースを追って曲がり角から飛び出し、そして二人同時に叫んだ

 

 

キース・テイラー「「ちょっ!多っ!!」」

 

 

叫んだ二人に続いて自分と兄弟がリーンを護る様に先に向かい角を曲がり飛び出した先には

 

 

リーン・カズマ「「ちょっと待って!マジで多いんですけど!?」」

 

カズト「コレはちょっと洒落に成らないな」

 

 

自分達の目の前に、少なくても三十匹以上のゴブリンの群れが、見た感じ見た目は小鬼そのまんまで小学校低学年くらいの身長。だが武器を手に持ちギョロっとこちらを見ている、下手なホラーより怖い

 

 

リーン「言ったじゃん!だから言ったじゃん!!あたしコッソリ数を数えて様子を見た方がいいって言ったじゃんバカリじゃん!?」

 

 

一番前にテイラー、その後ろにリーンとキースを置いてその間に自分と兄弟がテイラーの斜め後ろに陣取る

 

キースが矢を番えながら悪態をついている

 

 

キース「ゴブリンが群れるって言ってもせいぜい十匹くらいだぞ!何だこの数は!?」

 

テイラー「無駄口叩いてないでさっさと射抜け!どのみちこのまま逃げたって初心者殺しと会うだけでなく、コイツ等との挟み撃ちにされる可能性の方が高い!」

 

 

此方が状況的に不利と、三人の表情と自分達との人数の差を見て、余裕と見たのだろうギャッギャと嬉しそうな声をあげつつ迫って来た

 

しかも弓矢持ちが居るのか矢が飛んで来てテイラーに突き刺さった

 

テイラー「痛えっ!ちくしょう矢をくらった!弓構えているゴブリンを先に倒してくれ!リーン、風の防御魔法を!」

 

キース「今から詠唱しても間に合わねぇよ!全員何とかしてかわせぇ!」

 

 

二人が叫ぶ中自分と兄弟は落ち着いて空に向けて手をかざし迎撃する

 

 

カズマ「ウィンドブレス!」

 

カズト「ウィンドブレス!」

 

 

攻撃力こそないが飛び道具、それも風の影響をもろに受ける矢ならばコレで当てられまい

 

 

テイラー「よくやった二人とも!」

 

リーン「ウィンドカーテン!」

 

 

自分達が矢を撃ち落としたところでリーンの魔法が完成した。自分達五人を囲む様に渦巻く風が吹いている

 

成程、之なら確かに初級を取らず中級を取ろうとするか

 

見て見ろ、兄弟が超目を輝かせて感激している。自分達の初級魔法か爆裂魔法しか知らないからな・・・・・最弱と最強の魔法しか知らないとか極端すぎる

 

 

カズマ「この地形ならアレが一番効くよなブラザー!」

 

カズト「肯定だ、水はそちらに任せる!二割で十分だ」

 

テイラー「お前達、一体何を・・・・」

 

 

テイラーの前、ゴブリン達が登って来る下り坂の手前へ

 

 

カズマ「クリエイト・ウォーター!」

 

カズト「フリーズ!」

 

 

兄弟が坂道を水浸しにし、自分が凍らせる事で自然の滑り台のような状態にして。登って来たゴブリン達が面白いくらいに転がり滑り落ちて行った

 

 

テイラー・キース・リーン「「「おおお!」」」

 

 

登ろうとしては滑り落ち、何とか登って来ても滑り転げ落ちないようプルプル震えながら歩く以上に遅い歩みで登り切れた所で。自分と兄弟の剣で切り伏せた

 

踏ん張りの聞かない氷上と踏ん張りの効く地面では雲泥の差だろう

 

 

カズマ「テイラー!この足場が悪い中でも登って来るゴブリンはしばこうぜ!ブラザー!」

 

カズト「ああ、キース!今から自分はゴブリンの頭上に物を投げる、それを狙撃!リーンは風系統の魔法で風をそこに集中させるか威力のある魔法で一掃せよ!。詠唱が完了するまでは自分とキースはゴブリンを一点に集めるように射抜け!」

 

テイラー「よくやったカズマー!カズトー!よしお前ら!何だか知らんが心強い二人の指示通りに動くぞ!馬鹿げた数が相手だが二人か作ってくれたこの状況じゃぁ関係ない、ゴブリンなんざやっちまえ!」

 

キース「うひゃひゃひゃ♪何だよコレ!?やりたい放題じゃんか!真中に集めんだよな?まかせな!」

 

リーン「いっくよー!強力な風系統魔法!ド真ん中にいっちゃうよ~♪」

 

 

 

まさに一方的な殲滅戦だった

 

兄弟とテイラーが、何とか登って来たゴブリンを安定して倒し、自分は籠手から経済的に安心して撃ちまくれるスリングショットで小さな鉄球を、キースは弓と狙撃スキルで狭い中それでも更に集めるように外側に出ているゴブリン達を撃ち抜いた

 

 

リーン「カズト!何時でも撃てるよ~♪」

 

カズト「了解した!キース、射抜け!」

 

キース「任せな!」

 

 

自分は火炎玉と更に二つ、ベルディアの城攻略用に作って置いた可燃性粉塵玉と可燃性気体玉を手首に何時も巻いていたスリングで投擲し、キースが後者二つを射抜いて。最後に火炎玉を投擲した所へ

 

 

カズト「やれキース!リーン!」

 

キース「狙撃!」

 

リーン「撃ち込むよ~!?」

 

 

キースが狙撃で射抜いた瞬間、火炎玉が割れた瞬間、リーンの、恐らく中級でもかなりの威力を持つ風魔法が渦巻いき

 

内部で爆発が起こり、先に投げた二つが入り混じった風に炎が移り。炎を纏った風が吹き荒れ自分達の所にまで爆風と炎の風が届いた

 

魔法の効果が切れると共に消えたそこには一体残らず砕け散り燃え尽きたゴブリン達の灰が残るのみだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴブリン討伐の帰り道、近くの洞窟内にて休憩中

 

 

テイラー「クックック♪あ、あんな魔法の使い方、今まで聞いたこともねぇよ!何で初級魔法が一番活躍してるんだ?クハハハハ♪」

 

リーン「ほんとだよー!あたし魔法学院じゃぁ初級魔法なんて。取るだけスキルポイントの無駄だって教わったのに!ふふっ♪ふふふっアハハハハハ♪そ、それが何アレ!」

 

キース「うひゃひゃひゃ♪やっやべぇ♪こんな楽にゴブリン討伐したの初めてだぜ?!いやぁ俺はアノ時、ゴブリンの群れ見た瞬間、オワタってマジで思ったぜ?」

 

 

各々先ほどの戦闘の余韻がまだ引いているらしい

 

内でもこんな風にスムーズに事が運べばいいのだが・・・・・運べたとしてもカツラギの様な例があるから安心出来ん

 

 

リーン「それに初級魔法にこんな活用帆があったなんて」

 

 

リーンがこちらを見ながらつぶやくとキースとテイラーもこちらを見つつうんうんと頷いている

 

この洞窟内にはクリエイト・ウォーター&アースを使い氷の机と土の椅子と竈が出来ており三人は椅子に座りつつ竈の方に居る自分達を見ている

 

隣りでは兄弟がお湯を沸かし。自分はリンゴを剥き皮をポットに、身を作り置きしといたパイ生地に加え竈に入れて焼いている最中だ

 

焼き上がる数分前で兄弟がポットの網の所に紅茶の茶葉を淹れ湯を注ぎしばし待つ

 

丁度アップルパイが焼けた所で窯からだし。兄弟が人数分のカップに紅茶を注ぐ、一滴残らず

 

注いでいる内に自分はパイを切り分け、使い捨ての紙に包み配る

 

皆が席に着きまずは紅茶を一口

 

 

カズト「腕をあげたな兄弟、この前より美味い」

 

カズマ「ブラザーの焼いたパイ何時もより美味いく感じるな。戦った後だからか?」

 

キース「・・・・すげぇ美味い」

 

テイラー「ああ、ダストに煽られて行った言い店とは比べられん程にな」

 

リーン「ハムハム♪コクコク♪っはぁぁぁ~♡本当に初級魔法って便利なんだね~・・・って違う!何で二人ともこんなに色々出来るの!?そもそも初級魔法ってなんなの?!それに男なのに女の子より上手ってどういうこと?!」

 

カズマ・カズト「「そもそも初級魔法ってこういう風に使うもんじゃないのか?それと料理に関してだが俺(自分)達料理スキル取ってますが何か?」」

 

リーン「無いそれねぇ何ソレ?!そんな魔法の使い方と考え方。今まで見た事も聞いた事も無いんだけど!?それに料理スキルって普通あたしたちと無縁だと思っていたのに普通取る?冒険者が料理上に成るのがこんなに素晴らしいとか知らなかったんですけど!」

 

キース・テイラー「「冒険者ってなんだっけ?」」

 

カズマ「まぁ今は飲んで食べて休もうぜ。帰りは初心者殺しに警戒して帰らないといけないし」

 

カズト「全くだ、そうでなければ空調なんて匂い何て知った事かと料理を作るつもりだったのだが仕方がない。今回はコレで勘弁してくれ」

 

リーン・キース・テイラー「「「イヤイヤイヤ、十分ですから!」」」

 

 

その後、自分か兄弟。むしろ二人してウチでパーティー組まないかとも誘われたが、今回みたいな偶にならいいと言っとく

 

 

カズマ「テイラーは街に戻ったらちゃんと治療しとけよ。一応消毒して回復魔法で傷は治したが念のためにな」

 

リーン「あ~あ、それにしても今日で二人は元のパーティーに戻るのかぁ」

 

キース「だよな~、ついにウチにも回復魔法が使える仲間が!って思ったんだがなぁ」

 

テイラー「二人ともその辺にして置け。治療してもらってその上こうしてご馳走に成ってるんだ。今回の功労者にこれ以上世話に成る訳にはいかん、それに二人は自分のパーティーメンバーが待っているんだ。都合が会えばまた一緒に冒険すればいい」

 

 

しっかり休み、準備を整え下山する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りは先頭に兄弟、殿に自分を置いて進んでいるのだが

 

山道は勿論、草原に入っても初心者殺しとは遭遇していない

 

 

 

テイラー「・・・・・妙だな。キース、千里眼の方はどうだ?」

 

キース「進む先には今の所ヤツは見えない、左右も同じ」

 

リーン「う~、このままアクセルに変えれるといいんだけど」

 

カズト「そうはいかないようだ、後方五時の方角から単体で何かが接近中!色は黒!全員走れぇ!」

 

 

自分の掛け声に全員がアクセル方面へ向けて全力疾走する

 

 

カズマ「あの猫野郎!見晴らしが良いココで俺達を待ち伏せしていたのか!」

 

カズト「どうもそうらしい。奴は相当狩り慣れているな、全く洒落に成らん。三味線にしてやろうか?」

 

テイラー「とにかく走れ走れぇ!」

 

キース「はぁ・・・はぁ・・・クッソ!最後の最後でコレかよ!?」

 

リーン「無駄口叩いてないで脚動かしなさいよ!ってマズイよヤバいよ!このままじゃ追いつかれちゃうよ!?」

 

 

皆で走る中、突然テイラーが止まり反転して盾を構た

 

 

テイラー「リーン!カズマとカズトを連れて街へ逃げろ!俺が足止め、キースは援護射撃!街に戻ってこの事を知らせろ!」

 

キース「おおおおっおう!むぁまままま任せろ!?そうだよな!二人は他所のパーティーの人間だからな。今日は一番頑張ってくれたんだ、今度は俺達が頑張る番だよな!」

 

 

おおおお!

 

兄弟と二人して声には出さなくても感動する。之が冒険者!これこそがあるべき冒険者の姿だ!

 

此処は俺に任せて先に行け!・・・・・聞けないなぁ

 

 

リーン「ほら逃げるよ!・・・・・?どうしたの早く逃げないと」

 

 

自分と兄弟はアイコンタクトを取り頷き。リーンの手を振り払いテイラーの影に隠れる

 

接敵まで後十秒・・・・五・・・・四・・・三・・・二・・・一!

 

 

リーン「ちょっとカズマ!カズト!?」

 

キース「お前ら何してんだ。早く逃げろ!」

 

テイラー「おらぁぁぁぁあああ!掛かって来いよこの毛玉野郎がー!」

 

 

初心者殺しがテイラーに襲い掛かる瞬間

 

テイラーの後ろに隠れていた俺達は飛び出した

 

 

カズマ「ウィンドブレス!」

 

カズト「クリエイト・ウォーター&フリーズ!」

 

初心者殺し「キャイィィンッ!?」

 

 

 

兄弟が掌にコッソリと作っていた砂を風で飛ばし目を潰し

 

自分が更に水を掛け凍結させることで完全に視覚を奪った、ついでに鼻もあまり聞かなくなっているだろう

 

 

 

カズト「兄弟!脚!」

 

カズマ「クリエイトウォーター!アンドフリーズ!」

 

 

視覚を奪われ混乱し、威嚇をしている初心者殺しの脚を更に兄弟が水と氷の初級魔法で固めた

 

コレで脚を奪った

 

自分は兄弟が機動力を殺いだ瞬間に初心者殺しに接近し

 

 

カズト「おらぁっ!」

 

初心者殺し「ギャィ・・・・!?」

 

 

顎を蹴り上げ無理やり口を閉じさせると、閉じた口に掌を押し当て。初級水魔法で作った水を直接口内に入れ

 

 

カズト「兄弟・・・・・やっちまえ!」

 

カズマ「フリーズゥ!」

 

 

 

無理やり大量の水を飲ませ呼吸を封じ、其処へ兄弟が残っている魔力を使った全力の凍結魔法を唱えた

 

液体である筈の水は固体の氷に成る

 

しかも口から入って通るであろう場所には一通り通っている筈だ。それが一気に凍結したどうなる?

 

しばらく頭を振り動けない四肢も含め全身を暴れさせどうにかしようとするもほんの数十秒で段々と抵抗は弱くなり

 

最後にはクタッとあっけなくその巨体が大地に伏した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「あ”~疲れた。超疲れた!」

 

カズト「俺もさすがにこう何度も死にそうになると敵わん」

 

カズマ「ブラザー、また口調戻ってるぞ」

 

カズト「最近自分の呼称が戻る事が多いな」

 

 

はぁ疲れた~

 

っと地面に座り込む自分と兄弟の会話に。完全に固まっていた三人が徐々に現実を理解し始めた

 

 

テイラー「・・・・っは、ハハハ、ハハハハハ!」

 

リーン「ふふっ・・・・ウフフフフフ♪」

 

キース「くっ・・・クハッ!うひゃひゃひゃ♪」

 

 

何か壊れたように笑い出した

 

まぁそれはそうか、初心者殺しに遭遇して生きている、しかも逃げるのではなく討伐。それを成したのが自分と兄弟、最弱職と言われる冒険者なのだから

 

生存とありえないどんでん返しにそれは笑いたくなるか、おっと。いつの間にか自分と兄弟も笑っている、三人の笑いに釣られたかな?

 

三人の中からテイラーが自分達に近付き背中をバシバシ叩いて聞いて来た

 

 

テイラー「ハハハッ!さっきのはアレは何だ!二人とも何をしやがった!?ブハハハハ♪」

 

 

俺に自分と兄弟は胸部を守っている鎧の所を叩き返しながら答える

 

 

カズマ「初級魔法だ初級魔法!俺達は冒険者だぞ。スキルポイント高くて初級魔法くらいしか覚えられねぇ!アハハハハハ♪」

 

カズト「全くだ、レベルが上がり易くても取るのに苦労する。それに取れたとしても使えなきゃ意味が無いしな」

 

キース「初心者殺し倒しちまうような最弱職の駆け出し冒険者なんているかよ!うひゃひゃひゃっ♪は、腹痛ってぇ!生きてるぞ!初心者殺しに会って俺達生きてるぞ!?」

 

リーン「有りえないよー!この人達有りえないよ色々と!一体どんな知力してるのさ。ねぇ二人の冒険者カードちょっとみせてよ」

 

 

自分と兄弟は特に隠す必要も無いので冒険者カードを渡す。無論ステータス以外は見ないように言ってリーンに渡す

 

 

リーン「あ・・・・アレ?カズマのステータス殆んど平均だし。知力も普通、カズトも平均よりかなり高いけどアークウィザードクラスではないし・・・・・って。高っ!?この二人幸運。超高い!!」

 

キース「うぉっ!なんじゃこりゃ!?」

 

テイラー「お・・・おい?今回こんな都合よくクエストが上手くいったのは二人の幸運の御蔭じゃねえか?お前ら拝んどけ拝んどけ!御利益があるかもしれねーぞ!?」

 

 

いや、意味不明

 

 

カズト「それより皆、コイツ貰っていいか?」

 

キース「コイツって、初心者殺しか」

 

カズト「ああ、之だけデカくて質も状態もかなりいい。色々と作れそうだ」

 

カズマ「そうだな~どんなのが作れる?」

 

カズト「まず毛皮や牙、骨は勿論結構応用が効くし、後は内臓系は魔法薬とかの材料に成るから売ってもいいかもな、見て見たいと解からないが筋肉の筋とか時間と手間暇さえかければ弓の弦とかにも使えるかな」

 

リーン「ちょちょちょちょっと待って。何話してるかあたし判らないんですけど?!」

 

カズト・カズマ「「コイツを素材にして何が作れるか会議」」

 

テイラー「魔法薬って。ああ、カズトの魔力なら作れてももんだいない・・・・か?」

 

カズマ「俺達一応鍛冶スキル持ってるしな。俺はチョットした物作ったり直したりするくらいしか出来ないが。俺達の使う一部の装備やアイテムはブラザーの作品だしな」

 

リーン「万能にも程があると思うんですけど!?」

 

キース「ダストいらねぇから二人ともマジでウチに来てくんない?」

 

カズト「いやいや、今回は今日一日の筈だろう。そしてコイツの素材は今日限りとは言えパーティーメンバーで分け合う事に何の問題も無い。作れる武具の数的にも此処に居る五人で丁度だな。さて皆・・・・・コイツの素材で作る武具が欲しい物は挙手を」

 

カズマ・テイラー・キース・リーン「「「「はいっ!」」」」

 

カズト「素直でよろしい。作るのに時間がかかるから今すぐは無理だが、とりあえずコレ運ぶか」

 

 

帰りの道中。初心者殺しの様にモンスターと遭遇する事は無く順調に進めた

 

時々兄弟と一緒に倒した初心者殺しにクリエイト・ウォーターとフリーズで素材が傷まない様に魔法を重ね掛ける

 

それとコイツを引っ張ろうとしたらテイラーとキースに凄く反対と言うか自分達がするからと押し切られてしまい

 

殿に自分、先頭に兄弟、そして三人を真中にしてアクセルの街への帰路に付く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクセルに着くまで。自分がリーンに『初級魔法の使い方、工夫を凝らせ』を教えていたらなんか凄い懐かれて兄弟から負の感情がたっぷり詰まった視線を浴びせられてしまった。いやこれは男女のそれではないぞ

 

それにテイラーとキースが。ダストにバレると面倒だぞと教えられた。何でも知り会いの女友だちとかが知らない野郎と一緒に居るのは気に食わないという質らしい。嫌だからそんなんじゃないから、自分ビン底ですから?

 

色々と普段どんな相手と戦っているのか。どの相手ならどのように立ち回るか等を話していると何とかアクセルの外壁までたどり着き中に入る

 

 

リーン「あ~疲れた~。やっと着いたよぉ。今日は今までで一番の大冒険だったねぇ!」

 

 

それに賛同しながら街の中を歩く、中に入る時門番がテイラーとキースが引っ張って来てくれた初心者殺しに驚いて事情を話す事になり。自分達の代わりにギルドへ報告しに行ってくれた。後は報酬を貰うのとコイツを保管するだけだ

 

ギルドの裏手から今や自分専用と成っている保管庫に初心者殺しを置いて。兄弟が扉を開けてギルドに入ると

 

 

アクア「ぐずっ・・・・ふぇっく・・・えっぐ・・・・あ。かじゅまぁ!かじゅとぉ!」

 

 

泣きじゃくるアクアを見て兄弟が扉を閉めた

 

 

カズト「どう思う兄弟?」

 

カズマ「言わなくても解かるだろブラザー」

 

 

バンッ!と扉が今度は内側から開けられた

 

皆の視線が集まった先には。本来この三人のパーティーメンバーである男だった

 

 

ダスト「オイッ!ちょっと待て、イヤ待ってください!気持ちは本当に心底よ~く解かるがドアを閉めないでくれよっ!」

 

 

ダストはグッタリしためぐみんを背負い。アクアは何やら頭部が少し湿っぽい白目を剥いているダクネスを背負っている、兄弟が耳を塞いで他三人がダストと兄弟の成り行きを見守っている中。自分はアクアの元へ

 

 

カズト「何があったんだアクア?とりあえずその湿っている物はその辺に転がしといて。落ち着いてあの後何があったか教えてくれ。な?」

 

 

防御特化型駄目セイダーを床に転がし泣きじゃくっているアクアの頭を撫でたり背中をポンポンしながらあやすと少しづつ落ち着いて話をしてくれた

 

何でもあの後。デカイクエストを受けようと思ったけど丁度いいのが無いのとダストが無理ッス。自分姉さん達との力量差があり過ぎて危ないっすと

 

それでとりあえず情事発注されているクエストでその辺のモンスターを狩ろうと出かけたと

 

そこでダストがめぐみんが爆裂魔法を付けると知ってそりゃすげぇと言ったのが不運の始まりだった

 

今日はまだ撃っていない爆裂魔法を気分を良くしためぐみんが何もない所で魔力全部を込めた渾身の爆裂をブッパなし。その音に釣られて初心者殺しがやって来て。それにダクネスが突っ込んだ、幸いにも鎧も剣も万全だったので大丈夫だとダストは思ったのだろう、そのまま突っ込んで行きガブガブ♪されたと

 

っで、アクアも何とかしようとしたが結局、ダストが魔力切れで動けないめぐみんを、アクアがガブガブ♪されて白目剥いている駄目セイダーを担いで逃げ回って何とか振り切れたと

 

 

カズト「よしよし、よく頑張ったねアクア。大丈夫、その黒い毛玉なら帰りに狩ってやったからもう居ないよ」

 

アクア「ぐすっ・・・ほんとぉ?」

 

カズト「ほんとほんと。だから安心しな」

 

アクア「・・・・うん」

 

 

背中をポンポン。頭をナデナデしている内に落ち着いたのか、自分の服の裾を握ったまま目元に小さな雫を零して寝てしまった

 

う~ん、やっぱり幸運て何気に影響するだろう。コレ

 

現に自分と兄弟はゴブリンを十体単位で討伐してレベル上がった上に一匹辺り二万エリス。借金返済に一歩近づいただけでなく、共同で初心者殺しの討伐も出来た

 

アクアを自分ので悪いが長椅子丸々借りてアクアを寝かせ膝枕していたらギルド職員が。あの初心者殺しが何気に賞金首だったとかで前金としてかなりのエリス紙幣と硬貨を渡された、額が額なのでまたまた日を改めて渡してくれるのだそうだ

 

カズマ「よ~し皆!あの毛玉野郎の賞金でパーッとやろうぜ!今日の労いと新しいパーティー結成のお祝いだ!好きなだけたらふく食って飲んでくれ」

 

キース・テイラー「「おおー!」」

 

リーン「・・・・むぅ!(頬プックリ♪)」

 

カズト「リーン?何をむくれている?こっちで一緒に食わないか?ちょっと動けないんだ」

 

リーン「・・・・うんっ、いいよ♪」

 

ダスト「待ってくれ!今朝の事は謝るから!土下座でも何でもするから俺を元のパーティーに!それとそこのビン底ぉ!後でギルドの裏に来いや?!」

 

カズマ「コレから新しいパーティーでがんばって♪」

 

カズト「断る」

 

リーン「そうだよ、あたしたちの恩人に何言ってんの?ダストこそ、そっちのパーティーでやっていけば?」

 

キース・テイラー「「うむうむ」」

 

 

ダスト「俺が悪かった!今朝の事も謝罪文書いて慰謝料だって払うから許してください!リーン達も俺を捨てないでくれぇぇぇぇぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この外史に続きを!

 

 

 

 

あとがき

 

どうもアサシンです

 

 

GEがやりたいです!でもソフトは無論ハードのゲーム機も環境もない・・・・・・投稿されている動画も殆どゆっくりと言う名のゆっくりしていない肉声実況が音声であったりプレイ動画が残念な物ばかり!しかもいつの間にか初代のリメイク?最新版までもガガガガガガガガガ!!?

 

・・・・ふぅ。もちつきました、映像や神器が綺麗で新しい要素や物語が満載で、しかもキャラクターの表情が豊かで、何時かやりたいですね

 

今回はアニメ化されなかった原作の話の前編?でした

 

リーンに至ってはアニメでは一言も喋っていませんしorz

 

そして何故かリーンとフラグ的な物が。それとカズトが完璧にアクアの母的ポジションに・・・・・本当に久々に何故こうなったです

 

 

では次回予告へ

 

 

 

次回 真・恋姫この二人の冒険者に祝福を! 第六話

 

       このリッチーさんに安らぎを!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではでは

 

 

 

 

 

 

 

この二人の冒険者に祝福を!

 


 
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