No.88492

[恋姫になれなかった英傑達  中編]

zanettaさん

一気に展開が変わる中編です。
拙い文章かも知れませんが、感想の方、出来ればお願いします。(汗)

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2009-08-07 00:44:11 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:2110   閲覧ユーザー数:1929

[恋姫になれなかった英傑達  中編]

 

 

 

 

 

この間の騒ぎから、一ヵ月後。

本日の張三姉妹の公演も無事終了。

アタシは、親衛隊に割り与えられたの天幕の中で休んでいた。

 

波才「暴走してるだとー?」

彭脱「は、はい。そうらしいです」

 

で、奇妙な報告を受けた。

話によると、張曼成(「てんほーちゃんを崇拝する会」の「会長」)が、荊州の「南陽」と言う場所で新しい会員を集めていた所、現地の役人がケチをつけてきたらしい。

で、「てんほーちゃんを、馬鹿にするなーーーー!!!」と言う叫び声の元、役人を袋叩きに。

そして…………巡りに巡って官軍が出てきたらしい。

だが、そこまでされて黙っていないのはコチラも一緒。

結果、官軍の一大決戦で…………あっさりと勝ってしまったらしい。

 

波才「あー…………確かあの辺りは、「演出」? とか言う奴と、「流氷」? とか言う奴が、縄張り争いしてたっけ?」

彭脱「「袁術」と「劉表」ですよ」

 

要するに治安が悪く、互いの縄張り争いで税が重くなり(争うには金がいる)、住民には不満が積もっていた。

そこで元凶である官軍を倒した正義の集団が現れてしまったと。

 

波才「で、張曼成は?」

彭脱「そ、そのー、「会員が増えたぞー!」 と報告が」

波才「…………」

 

アタシは、頭が良くない。

でも、嫌な予感はした。

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで、アタシらは「黄巾党」なんて呼ばれ始めた。

元々、各地に散らばっていた会員や信望者は、ほとんどが農民。

しかも、こんな御時世でまともな役人に会う奴が居るはずも無い…………アタシも、その1人。

結果、南陽の一件を聞いた連中は「官軍を倒せる!」「張三姉妹による新しい世を!」「大陸を獲るぞー!」へと爆発的に増大した。

…………張三姉妹の「(歌で)大陸を獲るぞー!」もあったみたいだけどね。

うんで、何時の間にか、張三姉妹を知らない連中まで合流しだした。

流れで言うと…………

 

旱魃(かんばつ)、疫病、凶作、飢饉の兆候 ⇒ それでも農作物を造る ⇒ 役人が「税金だ」と持っていく ⇒ 何で、生活が苦しいのに持ってかれるんだ ⇒ 漢王朝のためだ ⇒ 漢王朝って何? ⇒ 偉い人だ ⇒ どう偉いんだ? ⇒ 誰も教えられない(勉学を学ぶ場所が無い) ⇒ このままじゃあ俺らが死んじまう ⇒ ならいっそ役人を ⇒ もう我慢の限界だ ⇒ それなら皆で ⇒ ワーーー ⇒ あれ? 簡単に倒せたぞ ⇒ もしかして ⇒ 俺らが皆で戦えば ⇒ 割と簡単に漢王朝を倒せるのでは? ⇒ 止める人が居ない(勉学を学ぶ場所が無い) ⇒ そうだそうだ! ⇒ そう言えば黄巾党も、世を変えるために戦って居るらしいぞ!(噂) ⇒ よし、そこに行こう! ⇒ 中黄太乙! 

 

…………と、こんな感じだ。

ただまあ、大集団になれば、アタシみたいな荒くれ者の中でも、凶悪な連中が入って来る訳で…………結果的には、賊化しちまった。

 

 

 

 

 

 

で、さらに一ヵ月後。

親衛隊の天幕に、1人の信望者がやって来た。

 

張曼成「ど、どどど、どうしよう! こ、こんな事になるなんて…………」

波才「…………まあ、こうなっちまったらな」

 

アタシは溜息をつく。

張曼成以下、「てんほーちゃんを崇拝する会」は、逃げてきた。

何でも、怖い連中が幅を利かせ、抑え切れなくなったそうだ。

 

波才「…………」

 

アタシは知っている。

官軍の強さ…………いや、しつこさを。

メンツを潰された奴らは、隠すために、もしくは巻き返すためにどんな手でも使う。

何せ、領民から奪っているお陰で、金だけはある連中だ。

ちょいと賞金首にしても良い。

ちょいと兵を揃えても良い。

ちょいと残酷な刑罰を見せしめにやれば良い。

 

波才「…………」

 

ココまで来たら手は2つ。

「完全降伏」か…………「行くとこまで行く」か。

そして「完全降伏」は…………張三姉妹を官軍に差し出すこと。

 

波才「…………出来る訳は無いね」

 

こんな御時世だ。

美少女であるあの子たちが、どんな酷い目に遭うか。

同じ女として、何よりあのクソ役人どもを喜ばせるようなことはしたくない。

だが、アタシがココから居なくなって大丈夫かどうか…………。

そんな風に、悩んでいた時だった。

 

彭脱「波才さん…………」

 

彭脱が何か言い難そうに、天幕に入ってきた。

 

波才「どうした?」

彭脱「そのー…………官軍が作った、張三姉妹の手配書なんですが…………」

 

 

 

 

 

 

身長は人間2人分、ヒゲモジャの大男、腕が8本、足が5本、角とシッポ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭が良くないアタシが、決断するのには十分だった。

 

波才「彭脱! 馬元義を呼んで来な!」

 

 

 

 

 

 

 

豫州の潁川。

帝都・洛陽とは黄河を通じて繋がっている場所。

しかし、あいにく20000の兵を乗っける船など用意出来る筈も無く、陸路で行く事は誰にでも判る事。

それも、ココを集結場所に選んだのは、この辺りで一番食い物が手に入る場所だから。

何せ…………

 

波才「メシは、汝南郡に送った彭脱が用意しているが、足りないのは判ってる! 何せ頭数はすげーからな! だからとっとと洛陽まで突撃するぞ!」

黄巾賊「「「「「オオオオオーーーーーーーーーッッッ!!!!!」」」」」

 

…………と言うわけだ。

ま、「張三姉妹親衛隊隊長」の肩書きは伊達じゃない。

ちなみに今のアタシは…………

 

「張三姉妹直属の重臣」。

「黄巾党の渠帥」。

「黄巾軍・洛陽方面侵攻軍総司令官」。

 

…………である。

アタシ自身が、豫州で流しまくった噂だ。

一ヶ月もしたら、20000人集まった。

20000だよ、20000。

ちょいと腕っ節に自信があるだけの田舎娘が、20000を軍勢を率いる大将さ。

あの娘達は、本当に凄かったのだろう。

…………なんか、本気で勝てそうな気がしてきた。

 

波才「官軍なんて皆殺しだーーーーー!!! 今こそ黄天の世を作り上げるぞぉぉぉーーーーー!!!」

黄巾賊「「「「「オオオオオーーーーーーーーーッッッ!!!!!」」」」」

 

しかし、これは賭け…………いや、賭けですらないかもな。

張三姉妹に行きかけている目を、コッチに向けて、その間に他の連中があの娘達を逃がすという。

幸いにも、アタシと同じ「渠帥」扱いの張曼成が、張三姉妹の本陣に居る。

あとは、奴に任せれば良い。

逃がさなきゃいけない事ぐらいは、アイツも判ってる。

…………大元は、アイツがしでかしたことだしな。

 

波才「ハッハッハッ! アタシもとんでもない悪党だね!」

 

あの娘を逃がすため<だけ>に、アタシはコイツらを利用するのだ。

でも、気分は良い。

何せ、アタシも官軍には恨みがある!。

そうだ…………アタシは、各地で官軍相手に暴れる連中が羨ましかった。

だってアタシも、奴らをぶっ殺したかった!!!。

 

波才「行くぜーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」

黄巾賊「「「「「オオオオオーーーーーーーーーッッッ!!!!!」」」」」

 

 

 

 

 

気が付けば、アタシも、各地の村を襲って略奪を繰り返す賊になっていた。

でも構わない。

もう戻れないアタシには相応しい。

そして、この罪悪感の元凶が、都の天子さまだ。

崇拝の念などとうに捨てた。

今あるは、憎悪、復讐心、欲望、野望…………アタシみたいな賊には相応しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは、初戦。

官軍の兵は1000人足らず。

しかも、役人を逃がすために無理矢理の殿部隊らしい。

アタシの率いる、潁川黄巾軍は20000。

一刻で蹂躙した。

勝った、初勝利だ。

さらに、近隣の村々から続々と増援が加わった。

 

 

 

 

 

2戦目。

すでに、逃げしていた太守の軍勢、5000。

アタシの率いる、潁川黄巾軍は50000。

十倍だよ、十倍。

これも、太守の首を取って、あっと言う間に終わった。

さらにさらに、近隣の村々から続々と増援が加わった。

 

 

 

 

 

3戦目。

「しゅしゅん」? とか言う将軍の黄巾党討伐軍。

総勢、10000。

アタシの率いる、潁川黄巾軍は80000。

場所は、ダダッ広い草原。

ただ、向うには2000を越える騎馬兵が居た。

 

波才「だからどうしたーーーーーーー!!!!!」

 

ブンッ、とアタシの斧が、馬の首を刎ねる。

ドガドガ、と草原に落ちるクソ兵士。

そして、クソ兵士に他の連中が群がる。

 

朱儁軍騎馬兵「ぎゃあーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」

 

馬鹿にしすぎだ。

騎馬兵が2000ぐらい居た所で、アタシらは止められない。

騎馬兵が居る事など、追われ続けたアタシは良く知ってる。

そして、馬さえ仕留めれば良い事も。

これだけは、潁川黄巾軍全員に浸透させた。

まあ皆も、馬に乗る奴が厄介だって事は知っていたけどな。

 

 

 

 

 

 

そしてアタシらは、豫州の北東端、長社城に辿り付いた。

アタシの率いる、潁川黄巾軍は100000を越えた。

あと一歩で、洛陽のある司州に入れる!。

 

 

 

 

 

波才「あとは、彭脱達が上手く集めてるかどうか、だな」

 

 

 

 

 

 

 

―――――官軍サイド

 

 

 

豫州の北東端、長社城。

謁見の間では、緊急会議が開かれていた。

 

皇甫崇「もーーーう! なーーーにやってるのよーーー朱儁はーーー! 一当てだけのはずでしょーーー!? 被害出すぎよーーー!」

 

彼女の名は、皇甫崇。

官軍の左中郎将であり、今回の黄巾党討伐の総司令官。

金色の髪を背中で束ね、優しげな緑の瞳を持ちながらも、身に纏った重厚な鎧が、将軍としての覇気を感じさせる。

…………間延びした喋り方が、全部ぶち壊しているが。

 

朱儁「うう、今回は引き際を見誤った私が悪かったわよ! ああ! 騎馬隊を再編成にしないと! ああ、金子が…………今月は赤字だわ…………私のお金が…………」

 

彼女の名は、朱儁

官軍の右中郎将であり、今回の黄巾党討伐の副司令官。

銀色の短めの髪に、青く鋭い瞳を持ち、軽装ながらも「気迫」を感じさせる武将。

…………ただ、発言から察するに、お金第一主義らしく、将としての威厳を含め全部ぶち壊しているが。

 

皇甫崇「折角ーーー呂強の旦那が話を付けたんだからーーーしっかりしてよねーーー! 私だってーーー陛下にーーー「お任せ下さーーーい!」って自信満々にーーー言っちゃったんだからーーー!」

朱儁「…………信用して良いの? その宦官? 金払い悪いわよ?」

 

朱儁に発言は最もだった。

宦官。

最早連中は、皇帝を操り、専横する事しか考えていない。

 

皇甫崇「呂強の旦那はーーー数少ないまとも派よーーー。あの人がーーー居なかったらーーー…………各方面へのーーー討伐命令がーーーさらに3ヶ月は遅れてたわねーーー」

朱儁「…………みーーーんな、お金集めて、勝手に動いてるわよ? 袁紹なんて、大盤振る舞いだし…………横領の隙も沢山あったし」

 

朱儁の言葉は真実。

南皮の袁紹。

陳留の曹操。

南陽の孫策。

「劉」の姓を名乗る義勇軍までいる始末。

 

皇甫崇「…………それはーーーまあーーーともかくとしてねーーー」

朱儁「…………」

 

皇甫崇のあからさまな誤魔化しに、朱儁は冷たい視線を向けるだけだった。

 

皇甫崇「潰せたのよねーーー? 補給路はーーー?」

朱儁「ええ。兵糧の大規模な補給計画があったみたいだけど、汝南郡にはすでに別働隊が入ってるわ。彭脱とかいう奴の軍勢と一戦交えたそうだし、東西南北全ての補給路は潰したはず。一番重要な、連中が持ってた高価な品も回収済みよ。商人とも話を付けたわ」

 

勝ち続けたが故に、戦線が延び切った黄巾党。

補給が追いつかないのは当然だった。

…………最も、朱儁の狙いは微妙に違うようだが。

 

皇甫崇「向こうはーーー気がついてるのーーー?」

朱儁「さあね? 勢いに任せた突撃だけみたいだし、そろそろ息切れすると思うわ。貧乏だし。それに…………」

 

瞬間、2人の将軍は笑みを浮かべ合う。

長い付き合いゆえの、阿吽の呼吸だった。

 

皇甫崇「きゃはははっ! 城攻めーーーだもんねーーー!」

朱儁「城の補修費は、経費からも落とせるし、こんな所に査察なんて来ないから、水増し請求しても大丈夫だし、良い事尽くめね!」

 

…………将軍・朱儁の狙いは、まったく別にあるらしい。

官軍の未来が危ぶまれる一面だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都・洛陽の東側を守護する砦、虎牢関。

左右を険しい崖と山脈が囲む、完璧な防衛要塞。

別名、『難攻不落悪逆非道絶対無敵七転八倒』の虎牢関!(恋姫本編とちょっと違う?)

荒々しい黄色の大地と広大な青空が重なると言う壮大な景色を、少女は1人、虎牢関の城壁の上から眺めていた。

 

?「…………」

 

強い風が、触覚の様な髪を2本生やすと言う変わった髪形の髪を揺らす。

幼さと無邪気さが残る緋色の両眼は、ただ地平線の向うに佇む、山脈を眺めていた。

 

?「…………来る…………でも…………まだ、ちょっと…………遠い?」

 

戦機。

彼女特有の本能により、何が起こるのかをある程度予測出来る。

無論、謀略知略の類には弱いが。

 

?「呂布殿~、呂布殿は何処へ~?」

 

そんな彼女を探す声の主は、さらに幼かった。

 

呂布「陳宮……」

陳宮「おお! 呂布殿ぉ、探しましたぞ! 実はさっき何進から早馬が来ましてな! 「洛陽に何時帰ってくるんだ!」などと! まったくなのです! 今は黄巾賊が、この司隷に迫っていると言うのに…………」

呂布「…………」

陳宮「……呂布殿?」

 

しかし、呂布は陳宮の言葉を最後まで聞かなかった。

彼女の仕事は「洛陽を護る」である。

そして、それが最も安全に行える場所を、彼女は本能で感じ取った。

 

呂布「…………汜水関に…………行く」

陳宮「は? し、しかし、何進から命令は…………」

 

 

 

 

 

呂布「…………大丈夫、洛陽は…………洛陽、だけは大丈夫。…………多分、問題があるのは…………汜水関」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※本SSのキャラ、正史における解説

 

 

 

●皇甫嵩(こうほすう)

中常侍・呂強と共に、霊帝に「このまんまじゃ負けるよー。この間追い出した(党錮の禁)人達を呼び戻して軍権与えてよー。あと、城で飼ってる馬と、売官とかで稼いだお金も出し惜しみ無くね」と言った、凄い人。

功績から見て、官軍最強の将軍であり、張三兄弟の軍勢を含む黄巾軍の半分以上は、この人が潰したようなもの。(青州黄巾党を数えると、微妙かも)

この功績で、「左中郎将」から「左車騎将軍」に出世した…………のだが、三国志ではほとんど出ないし、あまり有名ではない悲しい武将。

とにかく、後漢王朝きっての文武両道の良将だったはず。

あと、正史では董卓が死んだ後で「太尉」にまでなったらしい。(献帝に仕えていたのかも)

 

本SSでは、間延びした喋り方をしながらも、本質を見極め、冷血に効率の良い作戦を実行出来る将軍。

何だかんだ言って、官軍で一番仕事をきっちり成功させられる人。

…………ちなみに喋り方は、他のSSで使ったオリジナルキャラを流用してます。(汗)

 

 

 

●朱儁(しゅしゅん)

後に「江東の虎」の異名を持つ孫堅を「君、才能あるからウチに来てー」と言って召抱えた人。

皇甫嵩と上手く連携しながら、各地の黄巾軍と戦う。

波才には一度負けたが、荊州の南陽黄巾軍を殲滅したのはこの人。

勝ったり負けたりしているが、この功績で、「右中郎将」から「右車騎将軍」に出世した。

皇甫嵩同様に優秀な将…………なのだがとある某三国志の漫画だと、他人の功績を奪う小物で狡賢い将軍になってしまう。

おそらく、漫画を描く上で「この頃の劉備って何してたんだろ? 正義のヒーローなのに、悪役の曹操の方が活躍してるし。このまんまじゃ、曹操のライバルにならんぞ? しょうがない、他の将軍の功績を劉備のモノにするか」で、ターゲットになったと思われる。

とにかく、皇甫嵩と並ぶ、文武両道の良将だったはず…………なのだが、董卓の死後、董卓の元部下の内乱に巻きまれ、最後は病死してしまったらしい。

 

本SSでは、孫堅が途中退場したため(真・恋姫設定)、孫呉の戦力が居ない状態で苦労している将軍。

お金大好きで、ある程度平和なら横領汚職OKな困った人で、商人でもやった方が大成出来る人。

でもだからこそ、官軍全軍の財政を取り仕切れる凄い人。

 

 

 

 

あと、ついでに

 

 

 

 

●呂強

宦官。

「中常侍」だが、「十常侍」には数えられていない。

正義感が強く、清廉潔白を好み、私利私欲ゼロな人だったらしい。

黄巾党の危険性を察知し、皇甫嵩に指揮権与えるように霊帝に進言したりしたが、後漢王朝末期で、そんな「善人」が賄賂などをやっている連中から恨まれる対象にならないわけがなく、結果、<歴史上>は、霊帝に処罰を与えられかけた時に、自ら毒を飲んで「自殺」した事になっている。

…………<歴史上>は、ね…………………………………………個人的には、「他殺」だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書き

 

波才のイメージは「農民出の、姉御肌の身内贔屓」です。

性格は「霞」で、思考回路が「詠」とイメージしていただければ、判りやすいかと。

…………要するに、まともに会った事も話した事も無い連中の面倒は、まず見ませんし、命を背負う気もありません。(←後編の伏線)

というか、昔の農民は軍事に参加する時はそうじゃないとやっていけなかったとか?

 

昔の村々は、領主に護られながらも、ある程度は自立していました。(治安と警備も含めて)

そのため、自身の村が不作等で立ち行かない場合は「他の村で奪い、自分の村に還元する」も珍しくなかったそうです。

日本の戦国時代でもそうですが、「最強」と謳われた武田家でさえ、徳川家の領土で「乱取り」「乱妨取り」をしたとか。

農民兵は結局の所「奪う」が目的だったそうです。

 

なおヨーロッパでも、人を殺し、街を焼き払った海賊の目的が、奪った品を自分の街に還元するためだった事もあるとか。

政府公認海賊(イギリス、スペイン)も居たようです。

 

長い説明になりましたが、「波才」と言うキャラクターはあくまで「当時の農民」の出である事にこだわりました。

 

 

 

 

 

 


 
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