No.882821

真・恋姫この双子に爆焔を! 第三話

アサシンさん

紅い瞳の導力魔法使い

2016-12-10 07:00:22 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1197   閲覧ユーザー数:1128

 

 

 

 

 

 

 

かずぴー作、魔導具工房にて。俺は作業台に座っている

 

金属を扱う為のちょっとした小さな魔力炉に金細工用の道具一式に専用の作業台

 

今席についている作業台には灯りとルーペに可動式固定用工具、他俺作の魔導工具一式

 

そして机の上には用意したマナタイトの原石

 

 

かずぴー「よし、始めるか」

 

 

俺は専用に拵えた手袋を付けてマナタイトを両手で包み込み。内部に魔力を通し浸透させ馴染ませる

 

 

かずぴー「第一工程を開始」

 

 

マナタイト内部の魔力へ手袋越しに流した純粋な魔力を操作する、魔力を練り収束させつつ更に一定の魔力を少しづつ込め

 

 

かずぴー「第二工程へ移行」

 

 

初級魔法の一つ、土属性の魔法を発動手前の状態でマナタイトに注ぎ魔力を込めるのを止めて内部に込められた魔力を更に精密に繊細に操作する

 

 

かずぴー「織り返し、織り返し、織り返し、織り返し、織り返し」

 

 

手に包まれたマナタイトが輝き、その形を変えて行く

 

 

かずぴー「術式刻み、回路形成、研ぎ落とし」

 

 

まるで磨かれ更なる輝きを持つ宝石へと至る様に

 

 

かずぴー「最終工程」

 

 

込められた魔力と魔法が馴染み一つに

 

 

かずぴー「魔力収束工程、放出工程、拡散工程・・・完了」

 

 

包み込んでいた掌を広げるとその中には琥珀色の宝珠が一つ、元々の素材と魔力の輝きをウチに秘めている、魔力洩れや込められた魔力も消えていない

 

何度も何度も練り、織り返した工程の副産物かよく見ると滑らかな層の様な物が見える

 

 

かずぴー「・・・・・出来た」

 

 

改め用意して置いた真珠等の宝石を入れて置くケースに宝珠を保管して座りっぱなしだった身体を伸ばすと背骨や関節各所からミシミシボキボキと音が鳴った

 

 

かずぴー「初めての作業だったが、どうしても時間が掛かるな」

 

 

作業台の端に置いてあった魔道具製の鈍い銀色の懐中時計の短針が一つ進んでいる。かなり集中していて時間の間隔が曖昧になっていたが一つ作るのに結構時間が掛かったようだ。ちなみに集中しやすい様に雑音が少ない深夜に作業をしている、今は夜十一時だ

 

 

かずぴー「後三つ慎重に作れたとしてそれまでにコツを掴めれば慣れるかな」

 

 

側に置いてあるケースから先ほど使ったのと同じくらいのマナタイトを取り出し、先ほどと同じ様に手袋を嵌めて作業を始める

 

 

 

 

 

 

魔力を馴染ませてから同じように第一工程から第二工程に移る。次は水属性を込めると

 

 

かずぴー「・・・・・感触が違うな」

 

 

先ほどの琥珀の宝珠が粘土を練るようなイメージで上手く言ったのだが。こちらは違う

 

 

かずぴー「流れる水」

 

 

魔法を込めた所で川の流れの様に、それか容器から水が溢れ出て零れる様な感覚だ

 

 

かずぴー「流を緩やかに、容器に入れ、静かな水面へ」

 

 

流を操作して器を決めて波打ち溢れ出さない様に操作・収束を

 

 

かずぴー「渦巻け、されど決壊せず」

 

 

先の第二工程の内容を変え、静かに、でも流が停滞しない様に水を導く。するとマナタイトが輝き始めた

 

 

かずぴー「術式刻み、回路形成、濾過と浄化を・・・・・最終工程へ」

 

 

魔力を収束・放射・拡散の工程を得れば。その手には蒼い宝珠が一つ、清い泉のような美しさと水深を思わせる層がある

 

 

かずぴー「属性によって工程を変える必要があるか。感覚的な所がヤッパリ大きいな」

 

 

懐中時計を見てみると別工程が入ったからか殆ど最初と同じ時間が経過していた

 

 

かずぴー「残りは二つ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かずぴー「ヤッパリか」

 

 

先ほど蒼の宝珠を作った時同様、魔法属性を込めた所で感覚が全く違う、水属性は魔力の水があふれて濡れては消えたが、今込めている属性は風

 

 

かずぴー「微風くらいの強さで助かったな」

 

 

之が竜巻や台風クラスだったらカマイタチは勿論俺もこの部屋も無事じゃ済まなかった

 

 

かずぴー「術式刻み、回路形成、空を自由に吹け・・・・・最終工程へ・・・・・完了」

 

 

手の中には翡翠色の宝珠が出来上がる

 

 

かずぴー「今回は髪が少々乱れたくらいで済んだが。これは今後の課題にしてっと、次で最後か」

 

 

第一工程を終え第二工程で魔法属性、火を込めると

 

 

かずぴー「そりゃ燃えるよな」

 

 

前髪の先を少し持って行かれた。案の定炎と言えるレベルじゃないが火の粉が少し溢れて来た、紅く輝いているのが火と手袋の隙間からでも良く見える

 

 

かずぴー「炎を産む物を中心に、炎の息吹きを。燃えぬ器を。火が住いし場所を」

 

 

火を収め、育む様に

 

 

かずぴー「術式刻み、回路形成、糧を得て燃えよ・・・・・最終工程・・・・・完了」

 

 

手を開くと其処には紅い宝珠が先ほどまで溢れてた炎を中に収めて触れると冷たいのだが温かな感覚がする

 

 

かずぴー「出来ましたぁぁぁ~・・・・・・あぁ~疲れたぁ」

 

 

宝珠を他三つが入っているケースに保管して席を立ち、工房の端に小さく設けてある休憩室に入ると作業着を脱ぎシャワーをさっと浴びてベットに身体を投げて眠りにつく

 

意識が沈む前に見えた外は夜明け前の境界線の色合いをしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かずぴー「原点から見て見ればこっちの方が正しかったのか」

 

 

四つの宝珠が出来て三日たった

 

あの後は水属性から派生する氷。火属性から派生する火傷、風属性から派生する電撃、土属性から派生する石化等々派生形や属性概念を少し変えて作ったりと試行錯誤している内にマナタイトの原石から加工は一つに大体五分から十分くらいで出来るようになった

 

確かにマナタイトを原石に作ればかなり良質な宝珠が出来上がったが。コレからの試験で何らかの理由で砕けたりした時に備えてある程度楽に量産出来る方法は無いかと思って、作業の御蔭か十数レベルも上がりレベルが上がらなくても上がり続けるステータスで物は試しにとやって見た事がある

 

 

かずぴー「原石を使うんじゃなくて欠片に属性を付与して集めて一つの宝珠にする。あっちじゃぁ原石は宝石としての価値があったからな、元々欠片を使って宝珠に加工してたっけ」

 

 

そう、別にいきなり高品質や良品質なマナタイトその物バカリ使う必要は無い。あまり質がよくなかったり小指の爪やそれ以下の欠片に基本属性を別々に付与、寄せ集めて圧縮したり不純物を取り除けば使われた欠片の量によってその品質の宝珠が出来た

 

専用の魔道具も作りコレである程度作業が楽になったのが昨日、その更に前の日は丸一日宝珠を量産した

 

そして今日は

 

 

かずぴー「やっと魔道具本体の製作が出来る」

 

 

宝珠の大きさや質がどの程度なのかを見てからじゃないと作れなかったので今日まで作れなかったのだが、二日間掛けて一通りデータは揃った

 

 

かずぴー「まずは本体の基本骨子を」

 

 

基礎と成る部品をある程度その形より大きめに作った金属から削り出す。余計な所を切り落とし、細かな所や仕上げを残し次の部品に取り掛かる

 

大きな部品が終われば次は内部に使う細かな部品に取り掛かる、少しでも削り過ぎればそれ自体が一瞬で使えなくなる作業なので慎重に時間を掛けてゆっくりと加工して行く

 

全ての部品が仕上げを待って全て加工し終えた

 

 

かずぴー「・・・・ふぅ~。一通り出来たな、仕上げて組み合わせて微調整したら」

 

 

一端休憩と気分転換に外に出て畑に水をやる。今作っている魔道具を組み終わったら井戸でも掘るか。手動と風車でくみ上げて貯水池へ汲んで出来た川の側に水車を置いて・・・・・やる事がまだまだあるなぁ~

 

一応、クリエイトウォーターを再現した魔道具で毎日風呂を沸かせるくらい水は豊富だが無くて困る事は無いだろう

 

用意して置いた水と自作カロリ〇メイトを食べて日向ぼっこを満喫してから工房へ戻る

 

戻ってからが本当の戦場だった、仕上げに磨き組み上げ。宝珠を填め込むヶ所とこの魔道具の心臓部とも言える所を結晶回路で繋ぐ作業など久々に神経をすり減らした。以前は・・・ああそうだ、まだそけっとさんと一緒に修行と言う名の狩りに同行する前、ファイヤードレイクを何とか倒せたところに一撃熊とエンカウントして手持ちの道具や武器で何とか逃げようとしたら妙に強い初心者殺しにまでエンカウントしたり里では一番弱い部類に入る一撃兎の集団に突っ込んでしまったりして何とかボロボロになったが生きて帰れたあの日以来だ

 

過去の想い出(トラウマ)は置いといて

 

 

かずぴー「最終調整に入る」

 

 

殆ど完成した魔道具最後の調整を始める、それは所有者専用の魔道具にするだけだ

 

専用の魔道具にコレをセットし俺の魔力を込めれば、この魔道具は俺専用に適合する

 

 

かずぴー「・・・・・出来た・・・・・のか?」

 

 

俺は恐る恐る回復・修理にも使う魔道具から俺に適合した魔道具を取り出す

 

見た目は丸みがある懐中時計だが秒針も蓋も無い。裏には両端に向かって伸びる矢印が二つ重なり表に一つの丸い窪みがある

 

オリジナルを直接作るのではなく、その前の試作品として作った物だ、オリジナルよりも二回りも小さなそれの中央にある丸い窪みに俺は一番最初に作った琥珀の宝珠を填め込んだ

 

すると魔道具は眠りから覚めたかのように起動した。魔力が行き渡り裏の針もゆっくりと周り始めた

 

キチンと起動したのを確認した俺は出来たばかりの魔道具を手に外へ飛び出し、新型の魔道具や武器、魔法等の試しに使うための試験場へと走った

 

試験場は極圧で高い土壁で周囲が囲まれており理論上ではあの人の魔法でも一発だけなら耐えられるように対魔・対物理強度をギリギリ持つこの場所で、俺は魔道具を手に持ち集中する

 

 

かずぴー「はぁぁ・・・!」

 

 

今必要なのは魔力では無い、魔法を発動させるための集中力ただ一つ。発動するために必要な条件は満たした、感覚で分かる

 

故に何の疑問も無く、魔道具を片手に持ち、空いているもう片手を正面に向け。魔法名を唱える

 

 

かずぴー「ストーンバレット!」

 

 

発動した、子供の拳程の大きさはある石礫が真っ直ぐに土壁へ飛び、まるで大口径の銃弾が着弾したような粉塵を上げて着弾した。あの世界の魔法が発動した、オリジナルと同じ物なのか、それともこの世界の物なのか記憶が曖昧で思い出せないが。確かに発動した

 

煙が晴れると其処には穿たれた穴と中に形を失っていない石礫がある

 

あの人の魔法の一撃を受け止められる土壁にだ

 

 

かずぴー「・・・・・発動した?魔法が、初級魔法じゃないこの魔道具から?」

 

ぺたり・・・・・ポロポロポロ

 

かずぴー「あははは、身体に力が・・・入らない。それに、どうして涙が・・・・・・涙が止まらない?」

 

 

俺はその場に座り込み、夕日が差す試験場の中央で夕日が沈むまで涙が止まらなかった

 

月が星空に顔を出した頃には何とか立ち上がれるようになり。魔道具を胸に抱き家へ帰った

 

風呂も夕食も取らずに裁縫道具を取り出し魔道具専用のポーチを今まででもっとも最速で創り上げた。見た目は魔道具同様専用のポケットの無いズボンなどにベルトなどで通して付ける懐中時計用のポーチを早速ベルトに通し魔道具を入れる

 

 

かずぴー「ああ、この重さ、この身に付けている感覚・・・・・心地良い」

 

 

コレはとある物語のとある世界で産まれた英雄達の伝説、軌跡の物語に登場する物。祖の名は、祖が発動せし魔法の名は

 

 

かずぴー「戦術導力器((タクティクス)オーブメント)導力魔法(オーバルアーツ)」

 

 

彼の世界で空の時代に英雄達が愛用し持っていたそれが。この世界で、一人の魔法に恵まれなかった少年の手で産まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この外史に続きを!

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

どうもアサシンです

 

やっと?登場しましたかずぴーのメイン魔道具。戦術オーブメント!今作では戦術導力器(タクティクス・オーブメント)と書いています

 

世代等はオリジナルでスロットは一つだけで空の軌跡で登場した六つのスロットがあるそれの一個版です。この作品で登場した之は第零世代と呼称して頂ければ(見た目は本当にちっちゃい懐中時計)

 

この世代では属性単一の宝珠(クォーツ)だけと成っています、天眼等の便利クォーツは空属性だったりするのでこの世界の魔法での再現が難しいですね、かずぴーには頑張ってもらいましょう

 

盗賊スキルなんかを応用すれば出来そうな気がしないでも無いですがほぼ無理かもです。そっちは別の魔道具で何かするかもです

 

今度は初級魔法を魔改造してしまいます?

 

この世界って便利そうな魔道具が多いのに何故かジッポライターとか無いんですよね。日本の転生者たちが一部料理を再現していたりしますが、肝心要な物が無かったり。原作主人公あれでもかなり優秀ですね・・・その高い幸運が相殺されていなければ

 

そしてかずぴーは幸運値が±ゼロとか、良い事も悪い事も起きない・・・・・むしろ悪い事が起きる?

 

 

 

 

では次回予告へ

 

 

 

次回 真・恋姫この双子に爆焔を! 第四話

 

       紅い瞳の魔弾の射ち手

 

 

 

 

 

 

ではでは

 

 

 

 

この双子に爆焔を!

 

 


 
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