No.873014

Triangle Goddess! 第30話「海賊再び」

Nobuさん

気が付けばこの物語ももう30話か……。

2016-10-05 07:20:14 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:384   閲覧ユーザー数:384

 その頃、テンプレムの海ではというと……。

 

「さあ、砲撃開始だ!」

「はい、団長!」

 逆戟蒼海団が、別の海賊と戦っていました。

 団長・青鮫のレオーネの乗る船が、敵の船に対し砲撃を行いました。

 砲弾は命中し、敵の船に損傷を与えました。

「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ! まずは周りの船から撃沈させるぞ!」

「そうだな! やろう!」

 

「ふむ……ではこちらも砲撃をさせてもらおう。ゆくぞ!」

 赤い鎧の戦士が、レオーネの仲間の船に砲撃を行いました。

―ドォォォォン!

「ちぃっ、やるな! だが、ここで引くわけにはいかない!」

 砲撃によって船が揺れましたが、まだ大した被害にはなっていませんでした。

 レオーネは敵の接近を狙うため、船に指示を出しました。

「敵が近付いたら、お前達も近づけ。そして水雷だ!」

「はい!」

 レオーネの的確な指示により、

 敵の船が近付いてきたところにレオーネ側の船も近付き、水雷で攻撃しました。

 水雷は、近い敵に対しては当たりやすいのです。

―ドゴォォォォォッ!

―ドゴォォォォォッ!

 一方の敵も、水雷でレオーネ側の船を攻撃しました。

 すると、レオーネ側の船が浸水してしまいました。

「しまった! 船が傾きました!」

「なら、別の船で守る!」

「はい!」

 レオーネは浸水が発生した船を後ろに下がらせ、別の船が近付いて敵の船に衝角しました。

 この攻撃は命中率と威力が高い代わりに、失敗すれば大きな損傷を負う、諸刃の剣です。

―ドォォォォォォン!

 衝角に成功し、赤い鎧の戦士が乗る船に大きな損傷を負わせました。

 同時に船が浸水し、行動速度を下げました。

「むぅ……! なかなかやるな……」

「悪い事は言わない、撃沈されるまでに降伏するんだな。こちらも無駄な殺生は好まないのでね」

「断る! 戦士として、引くわけにはいかぬからな! こちらも全力で相手をさせてもらおう!」

 赤い鎧の戦士が、距離を取りレオーネが乗る船に砲撃を行いました。

「どうやら、撃沈するまで引かないようだね……。なら、行くよ! お前達!」

「はい!!」

 レオーネの部下の一人が敵側の船に砲撃を行いました。

―ドォォォォン!

「うわぁっ!」

「凄い威力ですよ、これは!」

「感心している場合ではない、もう俺達の船は……」

「えええええええええええええ!?」

 当たり所が悪かったのか、敵側の船は呆気なく撃沈されました。

「よし、まずは一艘撃沈したよ!」

「団長、この調子でどんどん行きましょう!」

「ああ、無論守りを忘れるなよ」

 

 レオーネ側の船と、敵側の船の砲撃は続きました。

 相手の攻撃が当たらないように舵を取りつつ、相手に攻撃を当てるように砲撃を行いました。

「ほらほら、どうしたんだい? 動きが鈍いよ!」

「浸水しただけだ……これしきの事、俺にはかすり傷でしかない!」

 そう言い、赤い鎧の戦士が、レオーネの船に突撃しました。

 レオーネはその船をかわし、残った船で砲撃を行い、赤い鎧の戦士の船に火災を発生させました。

 船の炎は風によって広がり、赤い鎧の戦士達は消火活動をするしかありませんでした。

「む、無念だ……! 降伏する……!」

 そう言うと、赤い鎧の戦士はレオーネに降伏しました。

 

「これでもう、海賊活動はしないね?」

「無論。誓うぞ、ここではもう海戦はせぬ」

 赤い鎧の戦士は、嘘を言っている様子ではなく、レオーネは彼を信じる事にしました。

「さて、相手も降伏したし、これで引き上げるとするかね」

「はい!」

 レオーネら逆戟蒼海団は、これ以上戦う必要はないと判断し、引き上げました。

 一方、赤い鎧の戦士はというと……。

 

「戦士としての誇りか……主の命か……どちらを取ればいいのだろうか……」

 2つの物事のどちらを選ぶか、迷っていました。


 
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