No.837635

Triangle Goddess! 第2話「近付く異変の足音」

Nobuさん

割と展開が早いのがこの物語の特徴です。

2016-03-16 17:46:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:311   閲覧ユーザー数:311

 ゴブリン達を倒したジャンヌ、ゲール、バイオレットは、神界へ戻ってきました。

 

「はぁ……」

「この区域は平和で魔物なんかほとんど出ないはずなのに、なんでゴブリンが出たのでしょうか?」

「分かんないなぁ。綻びがあったのと関係があるの?」

 「綻び」というのは、結界に空いている穴の事。

 ここから魔物が出てきてしまう事があるのです。

 結界は1000年前―神様達から見れば「つい最近」―張り直されたはずなのに……。

「この事を知っている人に、話を聞いてみましょう」

「そうですね」

 ジャンヌ達は、結界の神ラシュートのところに行きました。

 

「結界に綻びがあった?」

「はい……」

「おかしいな、張り直したばかりなのにまた綻びるなんて……」

「何か、神界で異変があったのでしょうか?」

「ゲール……」

「お姉ちゃん……」

 ゲールは不安そうな様子で言いました。

 姉ジャンヌと妹バイオレットも、それに影響されているようです。

「お願いします。あたし達に原因を調査させてください」

「原因を調べるのか? 見習いのお前達には危険すぎるぞ?」

「そこを何とか! ……お願いします、ラシュート様」

「駄目だ、お前達は大人しくしていなさい」

 やっぱり駄目か、とジャンヌ達は諦めて帰っていきました。

 

「でも……」

「やっぱり諦めきれませんよ、お姉様!」

「そうだ、お姉ちゃん! 夜、こっそり神界を抜け出して……」

「駄目ですよバイオレット」

 バイオレットの提案をジャンヌは蹴りました。

 ジャンヌは真面目な性格のために不正を嫌うからです。

「どうすればいいんでしょうか、お姉様……」

「ラシュート様の言う通り、ここは大人しく……」

 ジャンヌが言いかけた、その時です。

 

―ゴゴゴゴゴゴゴ

「な、何!?」

 突然、向こうで轟音が鳴り響きました。

 気になった三姉妹は、急いで轟音のした方に行きました。

 

「一体どうしたんですか!?」

「見習いが来るんじゃない!」

 三姉妹の目の前にあったのは、黒い空間でした。

「これは、あの時の綻びと同じ……!」

 それを見たバイオレットは、思わず飛び込みたくなってしまいました。

「いけない! バイオレット、そっちは……!」

 ジャンヌは制止しましたが、バイオレットはそれを聞かず黒い空間に突っ込んでいきました。

 次の瞬間、バイオレットは消えてしまいました。

 恐らく、黒い空間に飲み込まれてしまったのでしょう。

 

「バイオレット!」

「行くな!」

 妹が飲み込まれたのを知ったジャンヌは、上位神の命令も聞かずにその黒い空間に飛び込みました。

 すると、彼女もバイオレット同様、黒い空間に飲み込まれてしまいました。

 

「お姉様……バイオレット……」

 残されたのは次女のゲールのみ。

 彼女はぐっと拳を握りました。

「……ごめんなさい、私も行きます!」

「待てーーーーーーーーーーっ!!」

 そして、ゲールもまた、黒い空間の中に飛び込みました。

 

 果たして、黒い空間に飲み込まれた三姉妹は、どうなってしまうのか。

 それは、次のお話で分かるでしょう。


 
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