No.824162

孫権伝ー21

ユウヤさん

新年明けましておめでとうございます。今年一発目は霞回です。

それでは本編どうぞ。

2016-01-10 11:23:05 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3435   閲覧ユーザー数:2731

 

 孫権伝第21話

 

 『ヤクソク』

 

 

 

 

 俺達が洛陽に到着してしばらく経った。連合は集合の兆しを見せ、これより虎牢関、汜水関の両方に部隊を配置しようと皆がせわしなく動く中、俺はやるべきことを終わらせて悠々自適に街を徘徊してる。

 

 一刀「月と賈詡の働きもあって、洛陽も笑顔に溢れつつある・・・か。」

 

 こうしてみると前回の反董卓連合の時もこのくらい笑顔があふれて・・・いや、それこそ違和感か。攻めて来た俺達に笑顔を向けること自体がおかしいのだから。ちなみに此処には十常侍はそこまで悪い事はしていない。張譲も野心が有ったり、腹黒かったり、悪党臭がしたりと色々あったが、月達が此処に来てから一気に悪行が露見し、ぼろくそにやられてつい最近追放したらしい。

 

 一刀「はぁ、結局霞の記憶を取り戻す切っ掛けが見つけられなかったなぁ。」

 

 此処の所、霞に色々話を聞いたり鍛錬を手伝ったりと接点を多く作ってみたんだけど、どうにも分からない。秋蘭の話だと俺に対しては懐かしい感覚は感じはいるてるらしい、だけど俺に対してはそんなそぶりを見せていない。・・・おっと?朴念仁の鈍感種馬野郎が何言っての?って声が聞こえるぞ?俺だってあれ以来努力してんだからな?そこんところ分かってくれよ?・・・月の件で帳消し?・・・ゴメンナサイ。

 

 一刀「はぁ。」

 

 うむ、最近ため息が止まらない。どうしたものだろう。

 

 張遼「ん?なんや北郷やないか。こんな所でため息とはいい御身分やなぁ。」

 

 一刀「文遠か。俺は俺の仕事はとっくの昔に終わらせてるからな。」

 

 ちなみに終わらせたのは雛里が半日掛けて終わらせる仕事量だ。それをニ刻で終わらせた。

 

 張遼「ほ、ホンマか?・・・ちゅう事は今は?」

 

 一刀「暇。」

 

 いや、本当に暇なんですよ。どうしたらいいですか?

 

 張遼「なら・・・ちょっと面貸しぃ。」

 

 ・・・あれ?何やらニュアンスがおかしくないですか?

 

 一刀「お、俺なんかしたか?」

 

 張遼「ん??・・・ああ、なんやろうな。なんか知らんけど、北郷と二人きりになるとイラッとするんや。なんでやろ?」

 

 マジですか!?やべぇ・・・本気で記憶戻す努力しないと『なんや分からんけど一発ぼこらせろや』って事になりかねない!

 

 一刀「ま、いい、けど・・・何処に行くの?」

 

 張遼「川原や。」

 

 へ?厠?釜屋?ガマや!・・・ツッコミが不在のこの状況寂しいです。・・・で、川原?

 

 一刀「洛陽に川原ってあったっけ・・・」

 

 ちょっと考えてしまった。確かに洛陽は川沿いにある街だ。けど・・・川原?

 

 張遼「安心しぃ。街の中にある小さな川原や。」

 

 一刀「・・・ああ、あそこか。」

 

 思い出した。確か霞に服を買ってやって・・・そして・・・あれ?もしかしたら・・・霞の記憶フラグって・・・そこ、なのか?

 

 一刀「・・・夜に・・・しないか?」

 

 張遼「へ?今やって行ってるのに?」

 

 一刀「ん。ちょっと考えが有って。酒も用意する。俺が作った酒だ。味も保障する。」

 

 張遼「酒!りょーかいや!そんなら・・・月が真上に来るまでに居ってな!」

 

 一刀「ん、了解だ。」

 

 酒が有る。それを聞いた霞はそのまま喜々として城に走って帰って行った。さて、俺は服屋にでも直行するか。最悪布が有ればすぐに作れる。本当に作れるのかって?馬鹿にしないで貰いたい。見せてやるよ本当の神技って奴をな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一刀「・・・服も無ければ布も無い!これは手詰まり感マックスじゃないか!?」

 

 最終的に材料すらありませんでしたって洒落にならん。月にでも聞いてみるか?あの独特の色合いと質感が有る布はなかなかみつからないと思うけど・・・もともと西涼の地域の民族衣装だった筈だし。

 

 一刀「よし、まずは蝋燭だな。あの頃は既存の物を大量に使ったから・・・いろんな色の火をともせる特殊な成分を含ませた自家製の蝋燭を使って・・・えっと・・・有った。これとこれと。ん、問題無し。一旦城に戻るか。月に布を用意してもらえればいいな。」

 

 そのまま城へと走って駆け抜ける、街中の人込みをすり抜けて、時折明らかに人では無い何かを視界の端に捉えつつ・・・

 

 ??「でゅふ♪下着見てってねぇ~ん♡」

 

 ・・・おえ。やなもん見た。とにかく城に戻らねば。夜までにあの衣装、作って見せる!じっちゃんの名にかけ、じゃなくて、俺の信念にかけて!

 

 

 

 

 それからしばらくして・・・結論から言うと・・・

 

 一刀「出来たぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!新作水着ぃぃぃぃぃ!!!!」

 

 ・・・あれ?俺って何してたっけ???

 

 一刀「・・・はっ!約束有ったんだった!!」

 

 すっかり忘れてました。月が少しずつ昇って行くのが見えたので急いで準備して小川に向けて走り出した。え?民族衣装??あぁ、あれね?速攻出来たけど何か?

 

 一刀「急げ急げ~。」

 

 蓮華「一刀?そんなにいそい―――もう行っちゃった。何なのよ、もぅ。(´・△・`)」

 

 一瞬蓮華が見えた気がしたが・・・今は霞との約束が重要です。ごめんよ蓮華。

 

 それから半刻もしない内に準備を完了し、来たるべき決戦(デート)に向けて待機する事になった。次第に月が真上に差しかかろうとしていた時に声が聞こえてきた。

 

 張遼「北郷~?居るか~~~??」

 

 一刀「ああ、文遠。こっちこっち。」

 

 張遼「北郷が酒を用意しとるんならウチは肴をと思って色々持って・・・来た・・・はぇ~。こりゃまた・・・すんごいなぁ。」

 

 一刀「だろ?さ、こっちに来て座ってくれ。」

 

 そのまま向かいに座らせようとしたのだが、あれ?なぜ隣に座るのでせう?

 

 張遼「ん?どうしたん?」

 

 一刀「あ、いや、別に・・・さ、どうぞ。」

 

 ひとまず今は彼女と話す事が先決だ。そのまま俺は用意していた日本酒を彼女用に用意していた器に注いで渡してやる。

 

 張遼「へぇ?こんな酒見たこと無いわ。んくんく。くは~~~。うまい!」

 

 一刀「それは良かった。さてと・・・文遠は俺に話が有ったんだろう?」

 

 俺の問いに肴として持ってきたメンマをかじりながら彼女は俺に向き直っていた。

 

 張遼「ああ、そうやったな。・・・なあ北郷。ウチと何処かで()うた事あらへんか?」

 

 いきなりか。

 

 一刀「それは・・・どう言う意味だ?文遠は俺と会った事が有るとどうして感じたんだ?」

 

 張遼「わからん。北郷を初めて見た時懐かしい感覚に囚われた。せやけど同時にいら立ちも覚えた。」

 

 なぜ?どうして?そんな考えだけが俺の中をめぐる。彼女の苛立ちの正体が俺には分からなかった。だけど、次の彼女の言葉に俺はハッとさせられた。

 

 張遼「なんちゅうか・・・裏切られたっちゅう感じがしたんや。」

 

 裏切り、つまり俺は彼女を裏切ったのだ。なぜ?どうして?そんな事を考えるなんて馬鹿みたいだ。あるのだ。彼女が怒る理由が確かに存在した。俺はそれを知っている。

 

 一刀「・・・文遠。この光景に見覚えあるか?」

 

 張遼「なんや突然、聞いてるのはウチやっちゅうに。まあ、確かに覚えが有る気がする。それがどうかしたん?」

 

 一刀「・・・この服は覚えが有るか?」

 

 張遼「・・・こんな可愛らしい服ウチには覚えが・・・??た、確かに懐かしい気が・・・どう言うこっちゃ?」

 

 ああ、そう言う事か。試していないフラグが有ったな。彼女の怒りを受ける。そのためにも・・・

 

 一刀「文遠は・・・もし自分が生きてる間に世の中が平和になったらどうするんだ?戦う必要が無くなったら。」

 

 張遼「それは・・・そう・・・旅が・・・したい気がす、る。」

 

 一刀「・・・そうか。一人旅か?」

 

 張遼「・・・ちゃう。二人や。」

 

 一刀「・・・ふぅ。なあ、文遠。明日手合わせしよう。君が勝てば俺は君の疑問に答えよう。」

 

 張遼「北郷が勝ったら?」

 

 一刀「特にない。俺が求めるのは仲謀の天下だ。それが延いては俺の望みに繋がる。」

 

 張遼「せやったら、ウチが北郷の部下になるっちゅうのはどうや?」

 

 一刀「いいのか?」

 

 張遼「ええよ。」

 

 一刀「・・・・・・なら、()()だ。」

 

 張遼「・・・わかった。」

 

 そのまま俺達はその場を後にした・・・訳が無かった。酒も肴もまだあるのだから。ただ、会話はほとんどなかった。静かに月を見て、酒を飲み、肴を齧る。明日、俺は、彼女の怒りを一身に受ける。全力で。全開で。裏切りの報いを受ける。

 

 

 

 

 

 前回のあらすじ

 

 一刀はプリッとしたお尻がキュートなぶちひめと出会う。

 

 しかし彼女は名前が無いようです。

 

 

 ぷちひめ†むそう

 

 『ふぁんふぁん』

 

 一刀「ふむ、名前が無いのは不便だな。」

 

 ??「もぅ?」

 

 一刀「外見は蓮華似、なられんふぁ?いや、それは紛らわしい・・・」

 

 彼女を膝の上に乗せ、頭を撫でながら考える一刀。一見するとロリコンです。

 

 一刀「決めた!君の名前は『ふぁんふぁん』だ!!」

 

 どこぞの授受者のあだ名に似た感じに納まりました。

 

 ふぁんふぁん「もぅ♡」

 

 おや、気に入った様子です。オチ?ありません。続く!

 


 
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