No.821063

【獣機特警K-9ⅡG】参上、ストレィキャッツ海賊団【交流】

古淵工機さん

トリッカーズの手柄をまんまと横取りしちゃいましたw

■出演
ミウ:http://www.tinami.com/view/610063
テムナ:http://www.tinami.com/view/610065

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2015-12-27 00:13:52 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:962   閲覧ユーザー数:942

それはある日のこと。ある政治家宅にこんな手紙が届いた。

 

『今夜0時、ドルガ・チートマン産業省長官宅のミスティムーンを頂きに参ります トリッカーズ』

 

ラミナ警察署。

「…で、ウチらに相談ちゅうワケですか。ドルガ長官どの」

テムナ・ツルハシが応対しているのは、カイゼル髭をたくわえた中肉中背のテラナーの男性。

「ああ、なにしろミスティムーンを手に入れるのにはひどく苦労したからなあ。ま、とりあえず警備のほうは頼むよ」

するとその言葉を聞いていたミウ・カワグチがドルガに向き直って告げる。

「わかりました。では我々ラミナ警察署にお任せください」

「うむ、期待しとるぞガッハッハッハ」

ドルガが去ってしばらくの後、生活警備課。

「でもなーんか…あのドルガってお偉いさん?腑に落ちないんだよな」

愚痴をこぼすのはアード・レポル。

「んー、そらなあ。見るからに悪いことしてますーみたいなツラしてたからなぁホンマ」

「『トリッカーズに狙われる』って時点で腹の内が読まれてるような気もするけど…」

 

「ま、一番楽しいのはブツがトリッカーズに取られた後やろね。次々に悪事が暴かれてくんは毎回見てておもろいからなあw」

「テムナ、それを言うなそれを。とにかく今はトリッカーズが来ても対応できるようにドルガの家の周りを固めるよ」

…そして深夜0時。ドルガ・チートマン邸。

 

「でもさー。ホントに来るのかなトリッカーズ」

「何やアード、変なこというなや」

「あいつらが予告状を出したんなら、必ず来るよ」

同じころ。ドルガ邸を見下ろす小高い丘。

「こちらルプス!思った通り裏手は警備が手薄だぜ」

「ロクにガードマンも配置してないなんて…こちらラピヌ、準備OKよ」

「こちらディア!状況は把握したわ。タイミングしくじるんじゃないわよ!」

 

ディアの合図で、トリッカーズが侵入を開始した。

いとも簡単にセキュリティをかいくぐり、目的のお宝・ミスティムーン目指して一直線だ。

 

「あ。ミスティムーン発見!」

「よし、いい感じよ。あとはこのまま用意しておいたメッセージカードとすり替えて…」

と、あと一歩でバニーとヴィクセンがミスティムーンを盗み出そうと思っていたその時だった!!

「!?」

「きゃあ!?」

『バニー!?ヴィクセン!!…いったい何があったの!?』

「それがいきなりすごい音がして…あたしたちは何とか無事だったけど…」

「あっ!大変よヴィクセンお姉ちゃん!ミスティムーンが!!」

「なんですって!?」

 

そこに置かれていたのは一通の手紙。

『トリッカーズへ あなた方が狙っていたミスティムーンは我々がいただきました。元の持ち主にはこちらで渡しておきますにゅ S.C.海賊団』

一方そのころ。

「い、一体どうなってるんだ!」

「あ、ドルガ長官どの」

息せき切ってドルガがやってきたころには、屋敷からは炎が上がっている。

「こりゃどういうわけだ!お前らがついていながらけしからん…なんだあの海賊船は!?」

ドルガが見つめた先には、全長100メートルほどの高速宇宙船が一隻。

 

「…ああっ、あれはストレィ・キャッツ海賊団の『キャッツ・ネイル』だわ!」

「そんなこたあどうでもいい!こうなりゃ俺が直接乗り込んで奪い返してやる!海賊どもめが!!」

そう言ってドルガは自家用ジャイロで乗り込もうとする。

キャッツ・ネイル船内。

「ターゲット、本船に接近を試みているようです」

船内のモニターを見つめながら、ナノカ・ジョバッサが声を上げる。

「どうする船長?」

そう訊ねたのはナノカの姉、シズハ・ジョバッサ。

シズハの問いに、船長であるキャプテン・ミミナは立ち上がる。

「…うーん、ここまでしぶといとは思ってなかったにゅ。ミズホさん、ショックレーザーをあのヒゲダルマ目がけて発射だにゅ」

「OK!一発で決めさせてもらうわよぉ!?」

ミミナの指示に答えたのは狙撃手のミズホ・ロングブロウだ。

 

ミズホが意識を集中すると、キャッツ・ネイルの側面砲塔からショックレーザーが発射され、ジャイロに乗ろうとしたドルガを直撃!

「ぎゃあ!?」

「あっ!長官どの!!」

「いててて…くそぉ…」

すると、ドルガの頭上に何やら小さなメモリ媒体が落とされた。

「あいた!?くそっ!なんなんだこの海賊め、人を馬鹿にしやがって…」

「ふふん、悪いけどあんたがある企業の社長から騙し取ったっていうミスティムーンは確かにいただいたにゅ!」

見ると、キャッツ・ネイルの甲板上には船長のミミナが立っていた。

 

「んなこたわかってんだ海賊野郎!さっさと返しやがらねえとひどい目にあわすぞ!!」

「残念だけどもう何をやっても無駄だにゅ。あんたの身辺も洗って司法省に送り付けてあるからにゅ」

「なん…だと…?」

すると、ドルガの近くにいたミウの端末に電話が入る。

「はい、ラミナ署のミウ・カワグチです…あ、アイヴィーさん!え!?ドルガ長官への逮捕状を?発行したって?…はい、了解です…」

「ぬぐぐ…ええい!よこせ!!」

「あっ、ちょっと!?」

ドルガはミウから端末を取り上げる。

 

「もしもし!お宅のところの警官がわけのわからんことを…、え…バカな…!?逮捕状は…本物…だと…!?」

さっきまでの威勢はどこへやら、急に青ざめるドルガ。

「…ははーん、さては大ピンチってやつかな?ドルガさーん?」

 

まるでおちょくるかのように、ドルガに声をかけるアード。

「ウソだ…こんなのウソだ…全部、全部台無しだ…」

ドルガはがっくりうなだれ、地面に手をつき泣き始める。

「…あーぁ、ボロが出ましたなぁドルガさん。ほな、署まで来てもらいますわ」

こうしてドルガ・チートマンは御用となったのだ。

しかし翌日、カナコ・ホワイトフォーンの住むマンション。

「だーーーーーっ!面白くないわ!!」

「カ、カナコお姉ちゃんってば…」

「なにがストレィキャッツよ!トリッカーズの手柄を横からまんまと盗んでいくなんて!!」

「まったくだぜ!おかげでこっちのメンツは丸つぶれだ!なぁユキヨ!」

「そうよね!こんな屈辱的なことってないわよねタカト!」

「ストレィキャッツ海賊団…いったい何者なのかしら…」

 

…かくしてファンガルドの平和は守られたが、それはトリッカーズにとっても新たな戦いの始まりだった。

一体どうなる!?


 
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