No.819971

恋姫無双ー異世界からの銃士ー

yuukiさん

恋姫無双シリーズのアニメ準拠のストーリーでキャラにオリ主を
加えました、最初はオリ主に仮面ライダーの力を持たせようと考えましたが、
変えてオリジナルの力を持たせようと思いました。

2015-12-21 14:42:13 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2497   閲覧ユーザー数:2385

 

SIDE ???

俺はいつもどおりの生活をしていた

毎日同じ時間に起きて、同じ時間に家を出て、同じ時間の電車に乗って、学校に行って

いつも通りの授業を受けて、友達としゃべって、遊んで、学校が

終わって、いつもと同じ帰り道を歩いて家に帰る

そんな事の繰り返しだった たった2年しか高校に通っていないのに

まるで何年も同じ事を繰り返しているかのように...

もう、飽きた 何もかもが変わらない人生

一人が怖くて周りに合わせて流されるだけの人生

否定されるのが怖くて自分の意見を前に出せない人生

自分が、今を生きる自分が、ひどく無気力で、情けなくて、

ちっぽけに見えるそんな自分だった

そんなある日、帰り道でふと夕暮れの駅のホームから沈んでいく夕日を

眺めていた

俺『......つまらなくて、情けない人生だな。』

自然とため息が出た そんな中ふと近くを見ていると

5歳くらいの子供を連れた親がいた

親はスマフォをいじっていて子供が黄色い線を越えて線路をのぞき込んでいるのに

気づかない

 『危ないなあの子供、もう電車が見えるぞ。』

実際、あと100メートルもない所に電車の先頭が来ていた

その時、親がやっと子供に気づいた

驚いて振り返る子供 その足は前足だけがホームの端にかかっているだけだった

 『おいおい、ほんとにやばいぞ。あのままだと風に煽られただけで...』

こういう悪い予想って当たるんだな...って後々思った

ホームの上に強風ではないが確かに風が吹いた

そしてバランスを崩した子供は後ろに向かって倒れた

親「きゃあああぁぁぁぁっ!!」

親の悲鳴が聞こえた

その時、俺はもう走っていた これって思考じゃないな 反射かな?

そう思った時、俺は右手を鎌のようにして子供をひっかけ、

ホームに向かって思いっきり体を左にひねった

そんなにない俺の力でも勢いを利用したのなら5歳の子供でも

ホームには届くだろう

俺は踏ん張る事ができずに線路の上に身を投げ出す形になった

そしてすぐ横にはもう電車の窓が迫っていた

 『そっか...死ぬんだ、俺』

それが俺の見た最後の光景に......なるはずだった

 

SIDE 関羽 

今の私は武者修行の旅をしていた

今はきれいな桃の木が並ぶ森の中を歩いている

その時、ふと近くに人が倒れているのが見えた

関羽「ん?人が......」

ひょっとして行き倒れだろうか、確認してみよう

木の陰になっていたので最初は足しか見えなかったが

木を回り込むと随分と変わった格好の男が倒れていた

  「この男、異国の人間か?随分と変わった服装をしているが...」

近くによって持っていた青龍刀を横に置き、男の傍らに膝をついた

  「おい、大丈夫か...おい、しっかりしろ...」

声をかけながら揺さぶると男は呻きながらゆっくりと瞼を開けた

男「...て、ん、し...」

こちらを見た男がそう言ってきた

 

SIDE ???

俺が目を開けた時、そこは桃らしき木が群生しており、俺に向かって

きれいな髪の色をした女の人が俺の顔をのぞき込んでいた

俺『そうか、俺は死んだのか。ここは天国でこの人は天使か。』

 「...て、ん、し...」

そう呟いて俺は再び気を失った

 

SIDE 関羽

私を天使と呼んだ男は再び意識を失った

しかし...天使とは...いきなり何を言い出すのだこの男は

は、恥ずかしいではないか

顔を赤くしながら男の顔を見るがどうやら再び気を失ってしまった

ようだ

......このまま放置するのも気が引けるし、もう少しここで

介抱してやるか

 

SIDE ???

俺はどうやら死んでないらしい

再び目を開けた俺は木にもたれ掛かった状態だった

意識も先ほどよりはっきりしている

記憶もしっかりしている 俺は神宮寺 撃(しんぐうじ げき)で

俺はつい先ほど電車に刎ねられて死んだという記憶もちゃんとある

......あるはずなのに俺は死んでない

ゆっくりと体を起こしながら手を握り、足を動かして感触を確かめる

撃「腕も、足も、ちゃんと動くし感覚もある。目立った傷もない。」

正直言うとあまり驚かなかった...というか、驚けなかった

あまりにも突然すぎて自分がまだ生きてる事に実感が沸かなかった

ふと近く見回すと、先ほどの女の子が木に生っている桃をもぎっていた

そしてこちらを見て近くにやってきた

???「どうやら、目が覚めたようだな。私の声がしっかり聞こえているか?」

撃「あぁ、ちゃんと聞こえるし、わかるよ。」

???「そうか。そうだ、これを食べると良い。」

そう言って胸に抱えていた桃を差し出してくる女の子

撃「...ありがとう。」

受け取って早速桃をかじった 甘い果肉と果汁が口の中に広がってきた

 『味覚もしっかりしている...これは夢じゃない。現実だ、それに...』

周りを見回すが遠くには切り立った山が見える 都会のとの字もないような

場所だ

 『もっとも、桃がこれだけ群生していたら都会ですらないよな。

  ここがどこなのか、聞いてみるか。」

撃「あの、ちょっと、聞きたい事があるんだが...」

???「ん?何だ?」

撃「ここはどこなんだ?」

???「...お前、ここがどこだかわからないのか?」

撃「あ、あぁ。」

???「そうか...ここは幽州だ。」

撃「幽州、か。」

 『そうか、ここは俺の時代じゃないのか。過去なのか。

  幽州っていや三国志に出てくるもんな。」

???「?どうかしたのか?」

撃「え、あ、いや、なんでもない、助けてくれたこと、感謝するよ、

  ありがとう。」

???「気にするな、それよりお主はなぜこの様なところで倒れていたのだ?」

撃「それは...」

とと危ない、危うく『死んで転生しました』って言う所だったぜ

危ない危ない と言っても信じてもらえないだろうがな

???「...どうした?」

撃「すいません、あんまり、話したくなくて。」

???「そうか...ならば名だけでも教えてくれんか?」

撃「はい、僕は神宮司撃と言います。」

???「神宮司、撃?変わった名前だな。」

だろうな、この時代、日本はまだ倭として存在した国、日本語どころか

日本という国さえ存在しないのだから

撃「それで、できればあなたの名前を教えてほしいのですが。」

???「そうだな私の姓は関、名は羽、字は雲長だ。」

...ありゃりゃ、どうやら俺は時代どころか世界さえ飛び越えて転生したみたいだな

何てたって目の前にいるのが三国志の主要人物の名を名乗る女の子だもんな

撃「えっと、関羽さん、桃、ありがとうございました。」

そう言って立ち上がった時、近くで枝を踏んだ時になる『パキッ』という乾いた音が

聞こえた

その方向を見ると汚れた服と鎧と剣を持った男たち5人くらいが木の陰から出てきた

こいつら...山賊か...身なりがいかにもって感じだな

関羽「貴様ら、何者だ?我らの何のようだ?」

山賊ボス「へへ、ここら一帯は俺たちの縄張りなんだよ、許可なく入ってもらっちゃ~

     困るんだよ...だからとっとと金目の物おいて消えろ。」

そう言って肩に担いでいた剣をこちらに向けてきた

バカだなこいつら、もしこの子が史実の関羽と同じくらいの力を持っているなら

こんなまともに訓練もしていない賊なんて相手にもならないだろ

山賊ボス「そっちの兄ちゃんも高そうな服を着てるみたいだし、さっさとそれを

     置いていきな。それにそっちの女は...そうだな、奴隷商人にでも

     売るか、いい額になりそうだ。」

山賊B「その前に俺たちで楽しみましょうよ、頭。」

山賊ボス「おぉ、そりゃいい考えだな。ギャハハハ!」

腐った声に関羽さんは怒りの表情をしている 俺は賊を睨みつけ思った

弱者から搾取をして私腹を肥やすだけのクズが 偉そうな事言ってんじゃねぇよ

関羽さんが怒って前に出ようとした時、俺のポケットが急に光り出した

山賊ボス「な、何だ!?」

周りの人間が驚き慌てる中、

俺は驚きもせずポケットの中に手を突っ込んだ

中には何やら硬い金属の物が入っていた だが一部は木でできているのか

そこを握ると手になじんだ それをゆっくりと引き出す

引き出すのと同時に光は収まった そして俺が手に持っていたのは

この時代には存在しない...いや、概念すら存在しない物だった

それは

撃「コルトの...シングル・アクション・アーミー、か。」

それは、銃だった、拳銃だった

関羽「お前、それは一体?」

関羽さんも驚いた顔でこちらを見ている

そりゃ、この時代の人が光る銃なんて見たら驚くよな

つっても、俺の時代でも光る銃なんてなかったけど

俺は撃鉄をハーフコック、つまり半分だけ起こして

シリンダー、銃弾のある弾倉を自由にして、回転させた

SAAの装弾数は6発、全部入っていた

今思えば俺はこの時、精神がどうかしていたのかもしれない

山賊5人を目の前にして、剣を突きつけられているのに動揺もせず

持っていないはずの本物の拳銃がポケットから出てきたのに

驚きもせずに残弾を確認するとか、それに......

山賊チビ「しゃらくせぇ!とっととくたばれ!」

山賊の中でも小柄で弓を持っていた奴が背中から矢を1本取り出して

弓を射ようとしていた

俺はSAAを持っていた右手の親指で撃鉄をフルコックにして

そのチビの山賊の胸に向けた

完全に撃鉄を起こした事でシリンダーが1発分だけ回転した

山賊チビ「へっ!そんなからくりで俺が倒せるか!」

そう言った次の瞬間、俺は引き金を引いた

   『ガアァァァン!』

銃声を聞いて山賊だけでなく関羽も目を見開いていた

マズルフラッシュと共に放たれた銀色の弾丸は確実にチビの胸を貫いた

そして山賊のチビはだらんと腕を垂らして前のめりに倒れた

山賊A「ひっ!ひいぃぃぃっ!な、何だあれ!?」

もう一度撃鉄を起こし、チビの横にいたもう一人の男の頭に向けて引き金を

引いた

   『ガアァァァン!』

弾丸を眉間に食らった男はのけ反りながら後ろに倒れた

山賊ボス「何だありゃ!?逃げるぞ!こいつはやばい!!」

ボスの掛け声で残った3人は見たこともない銃の威力の慄きながら

逃げていった

これ以上は俺が撃っても当たるとは思えなかったし、これ以上弾を無駄に

しないためにもある程度3人が遠ざかると俺は上げていた腕を下ろした

そして次の瞬間、俺はまた気を失った

 

SIDE 関羽

   『ガアァァァン!』

私の目の前で山賊に奇妙なからくりを向けた撃

次の瞬間、そのからくりが火を噴いた

私は何が起こったのか全く分からなかった

あまりの出来事に呆然としていると、何かが倒れる音がした

そちらに目を向けると弓を射ようとしていた山賊の一人が倒れ、

そこから大量の血が流れてきた

関羽『何なんだ!?あのからくりは一体何なんだ!?』

声も出ず、ただただ驚いていると山賊の一人が怯えて逃げ出そうとした

そして撃と名乗った男は無表情のまま

再びからくりに火を噴かせた

   『ガアァァァン!』

すると怯えていた山賊は目を見開きな、頭から血を流しながら仰向けに倒れた

それを見て完全に戦意を失った山賊たちは走って逃げていった

しばらくそれを見ていた撃は上げていた腕を下ろすと、倒れてしまった

関羽「っ!?おい、撃、どうした!?おい!?」

慌てて駆け寄ると三度気を失ってしまったようだ。

  「また、気絶したのか......それにしても...」

私の目は眠ったような顔の撃からその右手に持つ、不思議なからくりに移った

  「これは一体......目覚めたら問いただしてみるか。」

私が生きてきたこれまででこのような武器が発明されたとは聞いた事もないし、

見たこともない。この撃という男、一体何者なのだ?

 

SIDE 撃

俺はどうやら過度のストレスで倒れたらしい

そりゃそうだろ、銃でとはいえ初めて人を殺したんだ

血だって怪我してちょっと流れたのを見たことがあるくらいだ

人を2人も殺してその死体を目の当たりにすればそりゃかなりのストレスが

かかるだろ

再び目を覚ました時は、さっきと同じように桃の木の陰に横たえられた状態だった

周りを見回すと関羽が俺の顔をのぞき込んできた

 

関羽「...起きたか、大丈夫か?」

ゆっくりと体を起こすと如何にも先ほどの事を聞かせろという雰囲気だった

撃「......関羽さんには恩があるから俺が答えられる事なら答えますよ。」

関羽「そうだな、私はお前の持つからくりの興味がある。」

撃「からくり?...あぁ、SAAの事か。」

関羽「えすえーえー?それがお前の持つからくりの名前なのか?」

撃「正式な名前は、コルト社製、シングル・アクション・アーミーだ。」

関羽「しんぐる?あくしょん?こると?お前は一体何を言っているのだ?

   訳が分からんぞ。」

撃『そりゃそうか、この時代の人間じゃ英語なんか知るわけもないか。』

 「そうだな、順番に説明するとだな。これは今のこの世界には絶対に存在しないはず

  の武器だ。」

関羽「どういう事だ、存在しないのならなぜお前がそれを持っている?」

撃「確かにこれはこの『時代』には存在しない、でも、俺はこれがある時代から

  来たと言えば?」

関羽「何?」

撃「これは俺の時代では銃、という類の兵器だ。」

関羽「兵器?これがか?」

証拠を見せようと思った俺はSAAを操作して弾薬の装填、排莢の使う

ローディング・ゲートから1発の弾を取り出した

撃「この金属製の筒の中には火薬が詰まっているんだ。」

関羽「火薬が?」

撃「そしてこの金属の筒の底にも同じようなものが仕込んである。

  底をこの部分、撃鉄と呼ばれる部分で叩くと...」

SAAの部分や弾を指さしながら説明する撃

 「衝撃が筒に伝わって底の火薬が発火、それがさらに筒の中の本火薬に引火して

  爆発、筒の中にある鉛の塊は、爆発の勢いでここから押し出され、

  ...狙ったものを貫通する。それが銃だ。」

一通り銃の説明を終えたが、目の前では関羽はポカンとしているだけだった

そりゃいきなり未知の兵器の説明されたって理解できないよな

 

SIDE 関羽

こいつは何を言っているんだ!全く理解できない!

私も火薬の事は理解できる だがそれ以降コイツが何を言っているのか

さっぱり理解できん!

撃は説明を終えたのか、私の顔を見てから取り出した金属の筒をもとあった場所に

戻した

一体こいつは何者なんだ!?

というか、先ほど言っていた時代とは一体どういう事なんだ

関羽「撃、お前は一体何者なんだ?なぜそのような武器と風変りな服を着ている?

   お前は一体何なんだ?」

私は知りたい、こいつの正体を!

 

SIDE 撃

あ~やっぱりそういう質問来るよな~

まぁ予想はできてたし、教えて不味い事じゃないか

撃「関羽、嘘だと思ってもいいから聞いてくれ。

  俺は今君が生きているこの世界の時代の人間でもなく、

  ましてやこの世界の人間ですらないかもしれないんだ。」

関羽「どういう事だ、わかるように説明してくれ。」

俺の肩を掴んで揺らしながら詰め寄ってくる関羽

撃「実は俺たちの世界で、君の名は過去に存在した有名な武将として知られているんだ。」

関羽「私の名がか?」

撃「あぁ、名前も、姓も、まったく同じだ、唯一の違いは性別が男だという事だ。」

関羽「なっ!?お前の世界の過去に男の私がいるというのか!?」

撃「詳しい事はこれからの歴史に関わるだろうから言えないけど、そうだ。

  でも俺の前にいる君は女の子だ。これが正しければ、俺はこの世界の未来からでは

  なく、今君たちのいる世界とは別の世界からこの世界へと飛ばされてきたんだ。」

そう言われて、ゆっくりと俺の肩から手を放す関羽

関羽「...信じられない、この世界とは別の世界が存在するなど。」

撃「それはお互いさまさ、俺だって女性の関羽と会う事があるなんて

  思いもしなかったよ。」

関羽「...しかし、なぜお前は世界を飛び越えてこの世界に?」

撃「......俺のいう事を信じてくれるのか?」

関羽「お前の持つ銃が何よりの証拠だ。」

撃「そうか...信じてくれるのか...だが、生憎と俺もこの世界に来た理由は

  わからないんだ......なんせ、俺は...」

死んだんだ、そう言うつもりだったが言葉が続かなかった

関羽「...どうした撃?」

撃「あ、いや、何でもない。」

関羽「そうか...だがお前はこれからどうするんだ?

   異世界の人間のお前に行き場があるのか?」

撃「...そうだよな。今の俺には行き場所も何もないもんな。

  あるのは...これだけか。」

手に持ったのは、人殺しの道具『コルトSAA』

関羽「......撃、提案があるんだが。」

撃「何?」

関羽「私は今、武者修行の旅をしているんだ、帰る家もないんだ。

   似た者同士、とは言えんかもしれんが、私と一緒に来ないか?」

撃「......良いのか?俺は関羽の修行の邪魔になるかもしれないぞ?」

関羽「構わんさ。それにお前が私の邪魔をするようには見えんからな。」

撃「...そうか、なら、その申し出受けさせてくれ。どうせ行く宛のない

  この体、旅をするのも悪くない。」

関羽「そうか、これからよろしく撃。」

撃「こちらこそ、よろしく、関羽。」

そうして握手をする俺と関羽

これが俺が飛ばされた世界で、はじめって会った武将、関羽との出会いだった

         1話 END

 

 

 

 

 

 
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