No.808334

九番目の熾天使・外伝 ~短編㉒~

竜神丸さん

彼女が彼に惚れたワケ その4

2015-10-16 12:00:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3438   閲覧ユーザー数:978

「ぶっ潰せや、ウォーリアァァァァァァァァァァァァズッ!!!」

 

「!!」

 

アリスを貪り尽くそうとしたところを一哉に妨害され、怒り狂ったモディは周囲に停車していたオートバイ、ダンプカー、ブルドーザーなどの乗り物に針状の端末を打ち込み、一斉にロボットに変形させる。ロボット達は同時にガトリングを連射し始め、一哉は大きく跳躍する事で銃撃を回避する。

 

「ロラン、アリスを外へ!!」

 

「あぁ、分かった!! アリスちゃん、こっちだ!!」

 

「う、うん…!」

 

一哉に頼まれ、アリスを連れて建物の外へと脱出するロラン。しかし…

 

-ガガガガガガガガ…-

 

『邪魔者、排除スル…邪魔者、排除スル…』

 

「!? おいおい、嘘だろ…!!」

 

そんなロランとアリスの前に、双腕作業機のASTACOが轟音を立てながら立ち塞がった。ASTACOは二本あるアームを動かし、アリスを捕まえようとアームを素早く伸ばす。

 

「アリスちゃん、伏せ…がはっ!?」

 

「ロランさ…キャァァァァァァァ!?」

 

「ッ……しまった、アリスちゃん!!」

 

ASTACOの伸ばしたアームはロランを大きく薙ぎ払い、もう片方のアームがアリスを捕縛。そのまま真上に持ち上げられてしまい、ロランが右手から魔力弾を放とうとしたその時…

 

「でぇぇぇぇぇ…りゃあっ!!!」

 

『ギギ…!?』

 

突如上空から落下して来た全身鎧の青年が、アリスを捕まえていたアームを剣で攻撃。その衝撃でアームから抜け落ちたアリスを、別方向から飛んで来た金髪の青年がお姫様抱っこの要領で受け止める。

 

「カンナ隊長、人質は無事に保護しました!」

 

「よくやった。ラン、ウェイブ」

 

「!? …そ、その声は…」

 

後方から聞こえて来た聞き覚えのある声に、ロランは硬直した表情で恐る恐る振り返る。そこには軍服姿で凛と構えているカンナの姿があった。

 

「カ、カンナ隊長ッ!? いつ、この世界に…!?」

 

「ついさっきだ。戦闘の気配を感じ取って来てみれば、案の定だったな……ここにあのモディ・ブレッセンがいるのだろう?」

 

「ッ……えぇ、奴は今この建物内にいます。俺の連れが一人、モディと戦闘中です」

 

「ほぉ、確か嘱託魔導師だったか? それならぜひ観察させて貰いたいところだ」

 

「そ、そうですか(一哉逃げてー!!)」

 

「む? 何か失礼な事を考えなかったか?」

 

「いえいえ!! 決してそんな事は!!」

 

「そうか……まぁ良い。では早速、その嘱託魔導師の実力を見せて貰うとしよう」

 

「!? カンナ隊長!!」

 

ワクワクした表情で建物内に入ろうとするカンナを、ブルドーザーから変形したロボットが右腕の大型丸ノコを回転させ、カンナを斬り裂こうとして―――

 

「失せろ、雑魚が」

 

―――カンナが剣を一振りした瞬間、ロボットの全身が斬り裂かれ、バラバラになって崩れ落ちた。つまらなさそうな目でロボットの残骸をグシャリと踏み潰してから歩いていくカンナの後ろ姿を見て、ロランは引き攣った笑みを浮かべる。

 

「は、はは……あの人は心配するだけ無駄だよな」

 

「ロランさぁん!!」

 

「! アリスちゃん、良かった無事で…!」

 

そこへアリスが泣き顔で駆け寄って来た為、ロランはそんな彼女を抱き寄せて頭を撫でる。そこへアリスを救助した金髪の青年―――ランが駆け寄る。

 

「ロランさん、無事ですか!」

 

「ランさん! あぁ、こっちは大丈夫だ……だが」

 

「えぇ、建物の中を見てきました……とても許せるような男ではありません」

 

ランもまた、建物内に並べられていた子供達の人形を見たのだろう。その拳はワナワナ震えており、憎しみの込められた表情を浮かべている。

 

「…まずはアリスちゃんの身の安全を守りたい。ランさん、何とか出来ないか?」

 

「えぇ、問題ありません。もうすぐボルスさんと、例の傭兵さんも到着する頃でしょうから」

 

「例の傭兵…?」

 

「あ、ラン君! やっと合流出来たね!」

 

ちょうどそこに、上半身裸で背中に装備を背負ったボルスが勢い良く駆けつけて来た。しかし、そんなボルスの姿を見て…

 

「…キャァァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

「ちょ、アリスちゃん!?」

 

アリスは悲鳴を上げた後、恐怖で意識を失ってしまった。やはり何も知らない女の子からしたら、ボルスの覆面顔が怖いのだろう。

 

「あ、あれ!? どうしたの!?」

 

「あぁ~……恐らく、ボルスさんの顔を見て怖がってしまったんだと思います」

 

「そ、そんな! じゃあ……悲鳴を上げれるくらいの元気はまだあるって事なんだね、良かった!」

 

(ポジティブ、ポジティブ過ぎるぜボルスさん!!)

 

自分が怖がられた事については何も言わず、アリスの無事を喜ぶボルス。そんなポジティブなボルスに、ロランは思わず目頭を押さえる。

 

「と、取り敢えずボルスさん、アリスちゃんの事はお願いします」

 

「うん、任せて! 彼女は絶対に僕が守り抜いてみせるよ!」

 

(ま、眩しい!! ポジティブなボルスさんが俺には眩しく見える…!!)

 

「ま、まぁ彼女の事はボルスさんに任せればひとまず大丈夫でしょう。僕達は一刻も早く、モディの人形にされてしまった子供達を……ロランさん、危ない!!」

 

「え……うぉ危なっ!?」

 

『ギギギギギギ…!!』

 

ボルスがアリスを連れて身を隠した直後、上空から大型のヘリコプターが無音で出現し、残ったロランとランの二人を狙ってガトリングを乱射。二人は二手に別れて射撃を回避する。

 

「あれもモディの操るロボットか…!!」

 

「僕に任せて下さい!!」

 

ランは飛行魔法を使って上空に舞い上がり、射撃を回避しながらヘリコプターの目の前まで移動。自身の武器である銃型デバイスの銃口を、ヘリコプターのコックピットに向ける。

 

「至近距離なら……厚い装甲も関係ありません!!」

 

発射した魔力弾がヘリコプターを貫き、ヘリコプターのボディが炎上。そのまま墜落し、地面に落ちると同時に大爆発を引き起こす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「消え失せろやクソガキがよォォォォォォォッ!!!」

 

『『『ギギギギギギ…!!』』』

 

「チィ…!!」

 

一方で、一哉はモディ率いるロボットの大群を相手に苦戦していた。モディの口から出て来た砲台からは火炎弾が発射された他、ロボット達は一斉にエネルギー弾を乱射し、一哉を一向に近付けさせない。それでも一哉は抜刀した太刀でエネルギー弾を打ち落とし、少しずつモディに接近していき、モディの身体を斜めに斬り裂いた。

 

「くたばれ屑が!!」

 

「な、ギャァァァァァァァァァァァァァ……なぁんちゃって!」

 

「!? 何…!!」

 

しかし斬り裂かれた箇所が、瞬く間に修復されていくモディ。あっという間に傷が消えたモディは、不意打ちに近い形で腹部から巨大なアームを出現させ、一哉を捕まえたまま握り潰そうとする。

 

「油断したなぁ、馬鹿ガキめがァ…!!」

 

「ッ……無駄に厄介な奴だな!!」

 

アームの隙間から太刀を抜いて、一哉はアームを切断して脱出。そこへ他のロボット達がガトリングを乱射したり巨大ドリルを突き立てたりと容赦なく攻撃を仕掛ける。

 

『敵、排除……ギギギッ!!』

 

「ぐっ!?」

 

バイク型ロボットに掴まれ、地面に薙ぎ倒される一哉。そのまま攻撃しようとするバイク型ロボットをショットガンのゼロ距離射撃で吹っ飛ばしながら、一哉は脳内で必死に考え続ける。

 

(あの再生能力が厄介だな。再生させないまま奴を倒すには、何か弱点を見つける必要が……ん?)

 

薙ぎ倒されたまま地面に寝転がっていたからか、一哉の視界には建物の天井が映っていた。その瞬間、一哉は一つの作戦を閃いた。

 

(確定した訳じゃないが、試してみるか…!)

 

「! おっと」

 

一哉はモディにもショットガンを向けて発射し、モディは身体を反らしてそれを回避。銃弾はそのまま建物の天井にまで飛んでいき、ちょうど天井にあったスプリンクラーを破壊し水が地上に降り注いでいく。

 

「おやおや、何処を狙ってるんですかねぇ? 私はこちらにいますよ生意気な坊や?」

 

(奴はまだ気付いてないな……よし、次は…!)

 

一哉は立ち上がり、再びモディやロボット達に対して射撃を繰り返す。銃弾はどれも外れるかロボットのボディに当たるだけで、何一つ致命傷は与えられていない。

 

「おやおや、一体どうしました? 射撃の腕前は、随分とお粗末なようですねぇ?」

 

「ふん、言ってろ……貴様はこの場で確実に叩き潰す!!」

 

「それはそれは……精々やってみろや、カスでゴミな生意気小僧がよォッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『邪魔者、纏メテ排除スル…邪魔者、纏メテ排除スル…!!』

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

建物の外では全身鎧の青年―――ウェイブがあちこちを素早く駆け回りながら、ASTACOの振り回すアームを的確に回避していた。先程からウェイブは何度も攻撃しているものの、ASTACOは大してダメージを負っている様子は無く、ひたすら光弾を放ち続けてウェイブの動きを制限していく。

 

「くっ!? この重機、俺の動きを読んでやがる……うぉわっ!?」

 

ASTACOのアームに掴まれた廃車がウェイブ目掛けて投げられ、ウェイブは慌ててそれを回避。しかしその動きも読んでいたのか、もう片方のアームがウェイブの身体をガッチリ挟み、そのまま両方のアームで掴んで完全に逃げられなくする。

 

「いぃ!? ヤッベ…」

 

『邪魔者、排除スル…!!』

 

するとASTACOの本体部分が突如変形し、その内側に鋭利な刃を持った巨大ミキサーが出現。ミキサーが高速で回転する中、両方のアームで捕まえているウェイブを頭から少しずつ入れようとし始める。

 

「うぇぇぇぇぇぇぇ!? ちょ、待て待て待て待て、お願いタンマタンマ!?」

 

アームで両腕も封じられている為、必死にもがく事しか出来ないウェイブ。このままではミキサーに巻き込まれてミンチにされてしまう。

 

その時…

 

「ウェイブ!!」

 

黒いセーラー服を着た黒髪の少女が飛び出し、ウェイブを捕まえている両方のアームを一本の刀で攻撃。しかしそれだけではアームは壊れず、少女は連続でアームを斬りつける。

 

「クロメ!?」

 

「待ってて、今助けるから!!」

 

黒いセーラー服の少女―――クロメは何度もアームを斬りつけ、それによって片方のアームが切断される。しかしもう片方のアームがまだ残っており、どんどんウェイブをミキサーに近付けようとする。

 

「ちょ、待て、これヤバいって…うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」

 

「駄目、間に合わない……ウェイブゥッ!!!」

 

「任せろ!!」

 

直後、真横から出現したミロシュがもう片方のアームを一振りで切断。それにより解放されたウェイブがミキサーに落ちないよう、ミロシュが蹴り飛ばしてウェイブを何とか地面に着地させる。

 

「す、すまねぇミロシュさん、助かった!!」

 

「礼なら彼女に言ってやれ。君を助けようとして必死だったのだからな」

 

「あぁ……クロメ、ありがとな」

 

「うん、ウェイブも無事で良かった…!」

 

ウェイブに頭を撫でられ、嬉しそうに頬を赤らめながら笑顔になるクロメ。そんな二人の空気など知った事じゃないとでも言うかの如く、瞬時にアームを自己修復したASTACOが再びアームを伸ばして来た。

 

『邪魔者、排除スルゥ…ギギギギギギギギ!!』

 

「よし、合わせるぞクロメ!!」

 

「OK!!」

 

「「せぇーのっ!!」」

 

『ギギッ!?』

 

ウェイブとクロメの繰り出した斬撃で、またもアームが真っ二つに切断される。その間にも上空まで大きく跳躍していたミロシュが刀を両手で構え、そのまま一気に急降下。ASTACOも残った方のアームをドリルのように回転させて迎え撃つが、ミロシュの振り下ろす刀が回転するアームとぶつかった瞬間、彼の刀がどんどんアームを破壊していき、一気にASTACO本体に迫っていく。

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」

 

-ズガガガガガガガガガガガガガガガガァァァァァァァァァァァァァァァンッ!!!-

 

『ギギ、ギ……ギィィィィィィィィィィィィィィィッ!!?』

 

遂には本体まで真っ二つに斬り裂かれ、ASTACOのボディ全体が大爆発。ミロシュが地面に着地すると同時に、その周囲にASTACOの残骸が散らばっていくのだった。

 

「うっはぁ、すげぇ…」

 

ミロシュの戦闘力に圧倒されながらも、全身の鎧を消して黒髪の青年の姿に戻るウェイブ。そんな彼の呟きなどまるで聞こえていないのか、ミロシュはブツブツ小言を呟き始める。

 

「全く、何故私はこうも置いてけぼりにされなきゃならんのか、そもそもカンナ殿が先に行かず説明も怠らなければ良いというのに、どうして奴はあんなにも厄介で面倒で私を疲れさせるようなマネばかりするのか、何か、私はそんなに嫌われているのかブツブツブツブツブツブツブツブツ…」

 

「…あの~、ミロシュさ~ん? もしも~し?」

 

「ウェイブ、聞こえてないみたいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい加減くたばってくれねェかよォ? クソガキがァッ!!」

 

「ッ……はぁ!!」

 

そんな中でも、モディやロボット達を纏めて相手取っていた一哉。彼の繰り出す銃撃はさっきよりも命中率が大きく下がり、今では一発もモディ達には当たっていない。そんな彼等の戦闘を、離れた位置からカンナはじっくりと観察していた。

 

(ふむ、実力は悪くないようだな。私よりも年下のようだし、ロランから聞いた話によると彼はミッドチルダの出身でもないようだし……が、微妙に私の好みではないな。あまりに不愛想で、可愛げという物が無い)

 

…否、どうやら恋人に出来るかどうかの観察をしていたようだ。そんなカンナの考えている事など露知らず、一哉はモディやロボット達によって建物の隅まで追い詰められていた。

 

「はぁ、はぁ…」

 

「おや、どうしました? もう終わりですか? だったら俺の為に人形になってくれても良いんだぜェ?」

 

「黙れ……お前みたいなクズ野郎の人形にされるくらいなら、死んだ方が遥かにマシだ」

 

「…だったら、俺の嫌いな物が一体何なのかか教えてやろうか? …今のお前みたいな、何をやっても屈しそうにない生意気なクソガキだよッ!!!」

 

モディは右腕をチェーソーに変形させ、バチバチと電流が流れている刃先を一哉の顔に向ける。そんなモディに対して……一哉は今までよりも冷静な口調でボソリと呟いた。

 

「貴様が馬鹿で助かったよ」

 

「あぁん? 何を寝ぼけた事を言って…」

 

-ピチョンッ-

 

「…ん?」

 

その時、モディの頭に水滴が落ちて来た。水滴が頭に落ちて来た感覚に、モディは思わず天井を見上げてようやく気付いた。一哉が今からやろうとしている事に。モディが周囲を見渡すと、あちこち壊されたスプリンクラーの水で地面が水浸しになっていた。

 

「ス、スプリンクラーの水……テメェ、まさか!!」

 

「貴様の身体は自己修復が可能のようだが、ショートしてる間はどうなんだろうなぁ?」

 

一哉は一本の電磁クナイを取り出す。

 

「自己修復、出来るものならやってみろ!!」

 

「ま、待て!? やめ―――」

 

モディが言葉を発しようとした直後、一哉は電磁クナイを濡れている地面に向けて投擲。一哉が出現させたマントで身を隠すと同時に、電磁クナイが濡れた地面に刺さり…

 

-バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!-

 

「アバババババババババババババババババババババババババババババババ!!?」

 

『『『ギガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ…!!』』』

 

モディやロボット達に、一瞬で広まった強力な電流が襲い掛かった。モディやロボット達が電流でショートを引き起こしている中、一哉は纏ったマントのおかげで電流を防ぎ、離れた位置でその光景を見ていたカンナは感心した様子で眺めていた。

 

「スプリンクラーの水を利用するとは、面白い事をするじゃないか…」

 

-ドガガガガガガガガァァァァァァァァァンッ!!!-

 

カンナがそう呟く中、ショートしていたモディやロボット達が一斉に大爆発を引き起こした。しかしカンナが素早く展開した結界魔法のおかげで、その大きな爆発音が街の方まで聞こえる事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グ、ガガ…ッ……な、何故……だ…ァ…」

 

電流が収まった後、ロボット達は見事に全滅し、モディも全身が黒焦げでボロボロになっていた。ショートした所為で自己修復も出来なくなった彼はその場に倒れ伏し、一哉は身に纏っていたマントを翻し、その場を立ち去ろうとする。

 

「(お、おの、れ……せめて、奴だけ、でも…)死ねェッ!!!」

 

それでも懲りず、一哉の後ろ姿目掛けて口からエネルギー弾を発射するモディ。もちろん、それは既に一哉にも見抜かれており、一哉は後ろを振り返らないまま太刀を振るってエネルギー弾を掻き消した。

 

「…なぁ、モディ・ブレッセン」

 

「!?」

 

「そんなに人形が欲しいなら……テメェを人形にしてやるよっ!!!」

 

「ホバァ!?」

 

そして振り返った一哉は、取り出したワイヤーロッドを伸ばしてモディを捕縛し、まだ壊れていなかったミキサー車に叩きつける。壊れたミキサー車の容器に叩きつけられたモディはコンクリートの中に頭から突っ込み、どんどんコンクリートの中に沈んでいく。

 

「ちょ、待ッ……ガバボァババボ…!? ゴボ、ガボ……ォ…ッ…!!」

 

「…随分と醜い人形になったな」

 

数分後、自らもコンクリ人形になってしまったモディ。そんなモディに対し、一哉はグレネードランチャーの銃口を向ける。

 

「不細工な人形は嫌いなんだ……潰れろ!!」

 

そしてトドメの一撃を放ち、モディは木端微塵に粉砕。モディだった破片(・・・・・・・・)が周囲に散らばる中、一哉はグレネードランチャーを収納する。

 

「気は済んだか、変態野郎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、モディ・ブレッセンとの戦闘は終わりを告げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued…

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
4
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択