「支配人、蒼崎、げんぶ、刃、ディア……準備は良いな?」
「あぁ、問題ない」
「こっちも全然OK!」
「準備万端だ」
「私も大丈夫です」
「いつでもどうぞ、okakaさん」
「よし、始めようか……桃花、頼む」
≪了解しました、一城様≫
そして…
≪トレーニングモード・Sプラン……開始します≫
-ブゥゥゥン-
「「「「「!!」」」」」
六人の周囲にデータ粒子が出現し、それらが次々とある存在を形成していく。それらの姿を見て、okaka以外の五人は驚愕の表情を示す。
「アイツ等は…!!」
「グゥゥゥゥゥゥ…!!」
“地のエル”と呼ばれる、闇の力に仕えし獅子…
「フッフッフ…」
黄金の鎧を纏いし、不死鳥の戦士“仮面ライダーオーディン”…
「ハァァァァァ…」
“アークオルフェノク”……その姿、全てのオルフェノクを従えし王なり…
「グルルルルル…!!」
人によって生まれし、地獄の番犬“ケルベロスⅡ”…
「シャァァァァァァァァ…!!」
人を捨て、最強のネイティブと化した“グリラスワーム”…
「フン…」
死神“デスイマジン”……構えしは、命を刈り取る鋭き大鎌…
「グォォォォォォォォォッ!!」
ファンガイアの頂点に君臨されし、チェックメイトフォーのキング“バットファンガイア”…
「ククク…」
“ユートピア・ドーパント”……たった一人の、朽ち果てし理想郷…
「フゥゥゥゥゥゥゥ…」
無を司りし、六人目のグリード“恐竜グリード”…
「ハッハッハッハッハ…!!」
全てを射殺す、孤高の射手座“サジタリウス・ノヴァ”…
「フフフフフフ…♪」
賢者の石を手にした“グレムリン進化態”……その心、既に人に非ず…
「フンッ!!」
大君主となりし、一人の強者“ロード・バロン”…
「クハハハハハ…!!」
野望に満ち溢れし、狂気の科学者“ゴルドドライブ”…
そして…
「僕の事、笑顔にして欲しいなぁ…♪」
笑顔を振り撒きし、白き闇“ン・ダグバ・ゼバ”…
十四体もの強豪達が、六人の前に姿を現した。
「おいおい、マジでか!?」
「地のエルに、オルフェノクの王……それにダグバまでいるのか……なるほど。確かにこれは、気を抜くとヤバい事になるな」
「おいコラokaka、これ本当に大丈夫なんだろうな…?」
「大丈夫だ……たぶん」
「たぶん!? たぶんってどういう事だオイ!!」
「奴等のデータ調整は全部、桃花に任せっきりだったからな。桃花の調整次第では、俺ですら勝てるかどうか分からなくなる」
「マジかよ…」
「まぁとにかく、挑むしか無いさ……行くぞ!!」
「「うわぁ嫌な予感しかしない」」
≪≪ドライバー・オン≫≫
okakaはプロトディケイドライバーを、支配人はゲネシスドライバーを腹部に装着。刃、ディアーリーズはそれぞれクリムゾンドライバー、ウォーロックドライバーを腹部に召喚。げんぶは一定のポーズを取り、その腹部にアークルが出現。蒼崎は右腕に付けていた腕輪型装置のボタンを押し、瞬時に全身が黒いインナーに包まれる。
≪≪シャバドゥビタッチ・ヘンシーン…≫≫
≪メロンエナジー……ロック・オン≫
≪カメンライド…≫
「「「「「「変身!!」」」」」」
≪≪チェンジ・ナウ≫≫
≪ソーダァ! メロンエナジーアームズ…!≫
≪ディケイド!≫
okakaは複数のエフェクトが重なり、仮面ライダープロトディケイドに…
支配人はメロンエナジーアームズを被り、仮面ライダー斬月・真に…
げんぶのは肉体が瞬時に変化し、仮面ライダークウガに…
蒼崎は転送されたアーマーが全身に装着され、仮面ライダーG3-Xに…
刃は紅色の魔法陣を通り、仮面ライダークリムゾンに…
ディアーリーズは白銀の魔法陣を通り、仮面ライダーウォーロックに…
六人の仮面ライダーが揃い、強豪達を前に戦闘態勢に入る。ダグバとオーディンを除いた強豪達が、六人に向かって一斉に駆け出す。
「「「「「「…オォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」」」」」」
「「「「「グルァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」」」」」
「うし……行くぞ!!!」
「「「「「おぉっ!!!」」」」」
プロトディケイドが先頭に立ち、六人の仮面ライダーも一斉にその場から駆け出した。
「「グルァッ!!!」」
「超変身!!」
マイティフォームからドラゴンフォームに変化し、地のエルとバットファンガイアの振るう鉤爪を大ジャンプでかわすクウガ。着地した先に待ち構えていたアークオルフェノクの振り下ろした大剣を回避し、その腹部にパンチを炸裂させるが、やはりドラゴンフォームではパワーが低く、すぐにアークオルフェノクに斬りつけられる。
「やはりドラゴンフォームじゃ無理か……超変身!!」
「ヌッ!?」
アークオルフェノクの大剣を奪い取り、クウガはタイタンフォームに変化。大剣から変化したタイタンソードを振り回し、アークオルフェノクとバットファンガイアを怯ませる。
≪カイジョシマス≫
「げんぶ、伏せろ!!」
「! おっと」
「「「グガガァッ!?」」」
その間に“GX-05”というガトリング砲を構えていたG3-Xが、地のエル、バットファンガイア、アークオルフェノクを纏めて狙い撃つ。クウガは直前でしゃがんだ為、彼には銃撃が当たらずに済んだ。しかし…
「ククク…!!」
「!? な…」
「何…!?」
その時、謎のエンジン音と共にタイタンソードとGX-05が粒子化して二人の手元から消滅し、離れた位置にいたゴルドドライブの両手に収まってしまう。ゴルドドライブはタイタンソードを放り捨て、ベルトのイグニッションキーを操作する。
≪ヒッサーツ・フルスロットル!≫
「フンッ!!」
「「うぉわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」
ゴルドドライブの構えたGX-05から放たれた銃撃は上空に飛来し、それらが雨のようにクウガとG3-Xの周囲に降り注いでいく。
「シャアッ!!」
「くそ、思ってた以上にやり辛ぇ……どぉわ!?」
「支配人さ…あいたっ!?」
「フフフ…♪」
デスイマジンの大鎌をソニックアローで弾いていた斬月・真。そんな彼の背中をグリラスワームが攻撃し、彼に加勢しようとしたウォーロックをグレムリンが笛型の剣“ハーメルケイン”で攻撃。ウォーロックはグレムリンの腹部を蹴りつけ、ウォーロックドライバーに指輪を翳す。
「ッ…邪魔をするな、グレムリン!!」
≪ディフェンド・ナウ≫
「フフフフフ……ハァッ!!」
「!? そんな……うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「ディア!!」
獅子の顔を模した壁を出現させるウォーロック。しかしグレムリンが振り下ろしたハーメルケインはそんな壁を容易く破壊し、ウォーロックに容赦なく追撃を加えていく。斬月・真もウォーロックの窮地に気付くも、デスイマジンとグリラスワームが彼を容赦なく妨害する。
(くそ、ディアにグレムリンをぶつけたのがマズかったか…!! 奴の持ってるハーメルケインは、魔法による防御を容易く貫く能力があるからな…!!)
「ギギギギギギ……シャアッ!!」
「!? しまっ……がぁ!?」
ウォーロックの方に気を取られていた所為で、斬月・真は対峙していたグリラスワームのクロックアップ発動を許してしまう。目に見えない速度で動くグリラスワームに斬月・真が何度も攻撃される中、そこにウォーロックが転がり込む形で割って入り、斬月・真と背中合わせになる。
「ディア、選手交代と行こう」
「そうですね……グレムリンの方はお任せします」
「ネイティブの方を任せるぞ」
「了解!!」
≪アクセル・ナウ≫
指輪を翳し、同じく目に見えない速度で動き出すウォーロック。ウォーロックの姿が消えた後、斬月・真はグレムリンのハーメルケインをかわすと同時にデスイマジンの大鎌を上方向に蹴り上げ、その腹部にソニックアローの斬撃を炸裂させる……が、デスイマジンは何事も無かったかのように斬月・真を左手で殴りつける。
「ヌン!!」
「ごふっ!? そうだ、コイツ無駄にタフなんだった……あぁもうめんどくせぇ!!」
≪ジェネラル・ナウ≫
『『『フッ!!』』』
「ヌゥ…!?」
そんなデスイマジンの周囲に、赤い血液で出来たクリムゾンの分身体が三体出現。三体がデスイマジンを取り押さえる中、斬月・真の隣にクリムゾンが降り立つ。
「支配人さん、こちらは私にお任せを」
「刃か、すまない!!」
≪メロンエナジースカッシュ!≫
斬月・真はゲネシスドライバーのレバーを押し込み、エネルギーの充填されたソニックアローでグレムリンに斬りかかっていく。一方でデスイマジンはクリムゾンの分身体達を少しずつ押していき、最終的に三体纏めて大鎌で斬り裂いた。
「フンッ!!」
『『『グワァァァァァァァッ!?』』』
「へぇ、やるみたいですね……なら精々楽しませて貰おうかぁ!!!」
≪インフェルノ・ナウ≫
「ッ…!!」
クリムゾンも丁寧な口調が乱暴な物に変わり、指輪をドライバーに翳す。するとデスイマジンの周囲で次々と爆発が起こり、デスイマジンを怯ませる。
≪アタックライド・イリュージョン!≫
≪CONFINE VENT≫
「あ、くそ!? 地味にうぜぇなアイツ…!!」
≪ADVENT≫
『ピィィィィィィィィィィッ!!!』
「うぉ危な!?」
一方でプロトディケイドは、イリュージョンで分身を生成しようとして失敗していた。オーディンが発動したコンファインベントで、能力の効果を掻き消されてしまったからだ。更にオーディンが契約している金色の不死鳥型モンスター“ゴルトフェニックス”まで上空から現れ、プロトディケイド目掛けて無数の羽をコントロールして飛ばして来る。
「えぇい、面倒な…!!」
「グガァッ!?」
「ぬぅ…!!」
プロトディケイドは飛んで来る羽をライドブッカーで一通り撃ち落とし、すぐにライドブッカーをガンモードからソードモードに変形。接近して来たケルベロスⅡ、恐竜グリードを順番に斬りつけていくが、目の前から大剣グロンバリャムで斬りかかって来たロード・バロンと鍔迫り合いになる。
「!? 戒斗か…!!」
「ハァァァァァァ…!!」
「面白い……受けて立とう!!!」
プロトディケイドとロード・バロンの剣が交わり、刃先がぶつかるたびに激しく火花が散る。しかし剣を交わせている最中にロード・バロンが後方に下がり、何かと思ったプロトディケイドは真上を見て気付いた。高く跳躍していたユートピア・ドーパントが、プロトディケイド目掛けてドロップキックを繰り出して来ていたのだ。
「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」
「ぬぉわっと!?」
「フンッ!!」
「ぐ…!?」
ギリギリでユートピア・ドーパントのドロップキックを回避するプロトディケイドだったが、そんな彼にサジタリウス・ノヴァが容赦なく回し蹴りを炸裂させて来た。ケルベロスⅡや恐竜グリード達も離れた位置から火炎弾やエネルギー弾を放ち、プロトディケイドにまるで隙を与えようとしない。
「くっそ、コイツ等……何か俺が思ってる以上に強くなってないか…!?」
≪まぁ、強いのは当然でしょうねぇ≫
「!? 竜神丸…!」
トレーニングルームの上空にディスプレイが出現し、竜神丸の顔が映し出される。
≪何せ、今あなた方が戦っている怪人やライダー達は皆、調整したのは桃花さんではありませんから≫
「は? なら一体誰が……ま、さ、か…」
≪はい、我等が団長です☆≫
「何してくれてんだあの人ォォォォォォォォォォォォォッ!!?」
よりによってOTAKU旅団の団長であるクライシスがデータ調整をしていたなんて、一体どういう事だ。プロトディケイドは思わず頭を抱えたくなったが、今は戦闘中なのでそうしている暇すら存在していない。
≪団長曰く「多少レベルを上げただけだから問題は無い筈」だそうです。良かったですね、これでもまだ生易しいレベルだそうですよ?≫
「桃花ァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」
≪申し訳ありません、一城様。クライシス様の命令には逆らえませんでしたので…≫
≪まぁそういう訳ですので……六人共、生きて帰って下さいねぇ~♪≫
「帰れるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
クライシスの言う
「くそ、道理で戒斗が他の奴等とも連携してる訳だ…!!」
「ハァッ!!!」
「ちょ、危な……ぬぉわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
そんなプロトディケイドの空しい叫びも、サジタリウス・ノヴァの放った炎の矢による雨で無情にも掻き消されてしまうのだった。
そんな中…
「フフフ…」
遂に、
「ハァッ!!」
「んな……どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
「蒼崎!! くそ……変身ッ!!!」
ダグバが右手を翳した瞬間、G3-Xの立っていた場所が大爆発を引き起こした。それを見たクウガは全身に黒い炎を纏い、アルティメットフォームへと変身する。
「ダグバ……お前は俺が倒す!!」
「面白いね……君の力で、もっと僕を笑顔にしてよ…!」
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
クウガは炎の纏われた右手で拳を握り締める。ダグバも同じように拳を握り締め、互いに強烈なパンチを繰り出すのだった。
≪SWORD VENT≫
「フンッ!!」
「な、オーディン……ぬぉわっ!?」
瞬間移動で現れたオーディンが、斬月・真をゴルトセイバーの二刀流で何度も斬りつけてから蹴り倒す。そのままオーディンはすぐに姿を消し、それと同時にグリラスワームに押し負けたウォーロックと、デスイマジンの大鎌で斬りつけられたクリムゾンの二人が吹き飛ばされて来た。
「くっそ、あの死神野郎がぁ…!!」
「何なんですか、あのネイティブ……強過ぎでしょう…!?」
「「「グルァァァァァッ!!!」」」
「「な…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」」
「ディア!! 刃!!」
≪ロック・オン≫
地のエル、アークオルフェノク、バットファンガイアが一斉にエネルギー弾を放ち、ウォーロックとクリムゾンが大爆発の中に呑み込まれる。それを見た斬月・真がソニックアローにメロンエナジーロックシードを装填し、必殺技を発動しようとしたが…
「フハハハ…!!」
「!? しま…」
≪メロンエナジー!≫
「うぉわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
ゴルドドライブが発生させたエネルギーによって、ソニックアローが装填したメロンエナジーロックシードごと奪われてしまう。ゴルドドライブはそのままソニックアローを構え、斬月・真を容赦なく狙撃する。
「「ゼリャァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」」
「くっそ、こうなったら…!!」
≪ファイナルアタックライド・ディディディディケイド!≫
ユートピア・ドーパント、サジタリウス・ノヴァのダブルキックを回避したプロトディケイドは、カードを装填して必殺技を発動。その場から跳躍してディメンションキックを繰り出し、飛んでいく先ではロード・バロンがグロンバリャムを構えて迎え撃つ。
「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!」
プロトディケイドのディメンションキック。
ロード・バロンのグロンバリャム。
二人の攻撃がぶつかった瞬間、その場で大爆発が発生するのだった。
数時間後…
「―――それで、どうでしたか皆さん?」
「ど、どうでしたか、じゃねぇよ…」
「「「「「ぜぇ、ぜぇ、はぁ、はぁ…」」」」」
あれから結局、強豪達を誰一人倒せないまま終わってしまった六人。既にボロボロで疲れ果てていた六人に、見学を決め込んでいた竜神丸は呑気に声をかける。
「ま、全く勝てなかった…………あんなにも、強いのか……ダグバは…」
「あ、改めて思い知ったぜ……アイツ等、マジで強いわ…」
「まぁさっきも言ったように、団長がレベル調整したのだから当然ですけどね。どうします? もう一回やってみますか?」
「「「「「「やめてくれ冗談抜きで!!」」」」」」
竜神丸の提案に、六人の意見が一致したのは言うまでもないだろう。
~終わり~
Tweet |
|
|
5
|
0
|
追加するフォルダを選択
少ない時間で適当に書いたらこうなりました。