No.797346

夏休みだよ!思いで作ろう!

スーサンさん

ボルサラ新作です!
今回でこのボルサラ小説は最終回です!
理由は察してください。
サイトで続きをアップしてますので良ければ読んでください!
サイト:http://www.geocities.jp/shinoujp/index.html

続きを表示

2015-08-20 17:05:35 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5698   閲覧ユーザー数:5690

「サラダ、大事な話があるんだ。今度の休み、修行場に来てくれってばさ!」

 マジメな顔でボルトは付け加えた。

「みんなに内緒で……」

「え……?」

 それを言われたのが実に三十分前だった。

 

 

 いつものバーガー屋でサラダはなぜかシカダイといのじんと一緒に電脳空間を旅していた。

「ついに来ちまったなぁ……」

 シカダイの言葉にサラダは冷たく言い放った。

「まだ、目的の闇の神殿までかなりあるわよ!」

「バカ、そっちじゃねぇよ!」

 シカダイの言葉にサラダはムッとした。

 いのじんもクスクスと笑った。

「ボルトがサラダに告白する日が来たってことだよ♪」

「なっ……!?」

 敵を斬るはずの斧が的外れになり、慌てて敵からバックステップを踏んで距離を開けた。

「いきなりなにをいうのよ、アンタ達!?」

「なにって……」

 傷ついたサラダのキャラクターに回復アイテムを与え、シカダイは呆れた顔をした。

「男が女を誰もいない場所で大事な話といえば……」

「もう告白しかないよね♪」

 サラダは顔を真っ赤にした。

「な、なんでそういう答えになるのよ!? あのボルトよ!?」

「親父が言ってたぜ。ボルトの父ちゃんは自分から母ちゃんに告白したって……」

「ッ……!?」

 ギョッとするサラダにいのじんもニコッと笑った。

「うずまき家ってそういうところしっかりしてそうだよね!」

 いやらしく自分を見るシカダイ達にサラダは返す言葉を無くし、ゲームの画面に目線を戻した。

「あ……?」

 気付いたら自分だけじゃなく、シカダイやいのじんのキャラクターも殺られるはずもない雑魚に負け、拠点へと戻るか否かの選択肢が浮かんでいた。

「……面倒臭ぇ」

 それはシカダイなりの悪態であった。

 

 

 そして約束の日がやってきた。

 その日、サラダはビックリするぐらい可愛らしい服を着て、本来不釣り合いな修行場に立っていた。

 白を基調としたドレス風のワンピースでフリフリもたくさんあり、頭にはこれまたオシャレな花のカチューシャが着けられていた。

 どこかの国のお姫様……

 今の世代風にいうなら「RPG世界の囚われのお姫様」を彷彿させる可憐さにサラダは顔を赤くし、ボルトを待った。

 もっとも、サラダの血には名門「うちは一族」の血が流れてるのだ。

 対してボルトはあの名家・日向の宗家の息子。

 肩書だけなら恐ろしいヒエラルキーが生まれても可笑しくない二人が待ち合わせをしてるのだ。

 凡人なら恐ろしくって見てるだけで気を回してしまいそうな光景なのだ。

 今まさにサラダの姿は名家の王子様を待つ気品高きお姫様なのだ。

 格好だって雰囲気だっていつもより品高くなってもおかしくないだろう。

「……」

 若干、動きづらい服のまま、サラダはソワソワした。

(だ、だいじなはなしって……や、やっぱり)

 ボッと赤くなった。

「い、いや、深く考えちゃダメ!」

 首を振り、サラダは乱れた前髪を整えた。

「も、もうそろそろね……」

「待たせたってばさ!」

「ッ……!」

 修行場に走ってくるボルトを認め、サラダの心臓の鼓動は早くなった。

(落ち着け……落ち着くのよ私!)

 もうちょっとの反応でも鼻血が出そうになりサラダは自分を抑えようと心を沈めた。

「わざわざ悪いな……」

 サラダの前に立つとボルトは彼女を夢中にさせる笑顔を浮かべた。

「わざわざこんなところに呼びつけちまって」

「べ、べつにひまだったからいいわよ!」

 真っ赤な顔を背けるサラダにボルトはマジメな顔をした。

「どうしてもこの話は他の奴には聞かせたくなくって……」

「……」

 ドキドキしながらもサラダはボルトの蒼い目をジッと見た。

 大好きで綺麗な深く澄んだ瞳。

 吸い込まれそうなほど真摯な瞳が自分を見てると思うとサラダはそれだけで爆発しそうだった。

「サラダ!」

「は、はい!」

 思わず直立不動になるサラダにボルトは頭を下げた。

「白眼の開眼の仕方を一緒に考えてくれってばさ!」

「よ、よろこんで!」

 思わず返事を返してサラダは首を傾げた。

「今、なんと?」

 ボルトは首を傾げた。

「白眼の開眼方法を考えてくれって言ったんだが?」

「な、なんで?」

「俺、未だに開眼してないから……」

「なんで私に?」

「お前、写輪眼にいつの間にか開眼してるからなにかキッカケとか知ってるんじゃないかと思って……」

「他には!?」

「特になにも……」

「……」

「……?」

「ケポォ……」

「サ、サラダ!?」

 口から真っ白な魂を抜くサラダにボルトは慌てて彼女の身体を抱き起こした。

「どうしたんだってばさ、サラダ!? しっかりしろ!?」

 身体を抱きながらボルトは涙目で叫んだ。

「たすけてくださぁい!」

 世界の中心で二度目の愛を叫んだボルトであった。

 

 

 草場の茂みでシカダイとミツキ、いのじんも口からエクトプラズムを吐いていた。

「ごくん!」

 魂を飲み込み、シカダイは今にも爆発しそうにイライラした。

「俺達の純情は誰が返してくれるんだ?」

 同じようにいのじんも魂を飲み込んだ。

「そもそも出刃亀しようとしたボク達に問題あるけどね……」

 ようやく魂を飲み込み、ミツキも苦笑した。

「まぁ、ボルトらしいといえばボルトらしいけど……」

 三人ともいう言葉を失い、サラダに写輪眼覚醒の話を聞いているボルトに石を投げつけてやった。

「あぅ!?」

 石がぶつかり、ボルトは目を回した。


 
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