No.791175

恋姫†無双 ~乗り越えなければならないもの~ 第三話


どうも~
ごめんなさい!
遅くなっちゃいました!!
6月中の更新とか厳しい!!

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2015-07-22 19:56:49 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:1963   閲覧ユーザー数:1766

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                               恋姫†無双

                          ~乗り越えなければならないもの~

 

 

                             『その名は北郷直刀』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 北郷直刀(ほんごうなおと)

 

 現代日本において、知らぬものなどいない空前絶後の天才で、近代最強の剣豪と呼ばれている男だ。

 

 北郷直刀ほど武勇伝に事欠かない人間も珍しいだろう。

 

 戦時中、彼は年齢が幼かったこともあり、戦場に出たことはなかったものの、北郷流を史上最年少で修め、免許皆伝、師範代にまでなった。

 

 当時、流祖北郷真刀(ほんごうまさと)の生まれ変わりと囁かれ、将来をとても嘱望されていた6歳児だった。

 

 8歳になるころには師範を易々と倒していたことから、あと少し年齢が上だったなら、師範にしたいと考える者がいたということは想像に難くない。事実、彼が10歳を迎えた時、北郷の宝刀全てを継承した。つまり、名目上はまだであるものの、事実上、この段階で彼は北郷流の師範に就任している。

 

 彼が15歳になるころには全国武者修行の旅と銘打って、日本中のあらゆる道場と交流試合をしていたそうだ。ただし交流試合というのは名目上のことで、事実上、全国道場破りの旅である。この頃からであろうか。北郷直刀が近代最強と呼ばれ始めたのは。

 

 20歳になるころには、彼には多くの渾名がついていた。中でも面白いのは『無敵の牙城要塞』である。これは、彼が強いからつけられたものではなく、彼があまりに女性からのアピールを拒み続けたために、女性たちからそう呼ばれるようになっていた。当時は同性愛者という疑惑が、まことしやかに囁かれていたという。

 

 しかし、彼が23歳になったころ、家族の前に突然女性を連れてきたこう告げた。

 

「彼女を俺の妻にする。異論は認めん。」

 

 当然親族はこぞって難色を示した。出自に関しても、『記憶喪失なので思い出せない』などと言われれば、その反応もあながち当時の風潮によるものだと一蹴できない。北郷一族から見れば、良家の血筋を入れたかったはずなのだ。

 

 北郷直刀は一人で立ち向かった。彼はこれまでに築いた多くの人脈を使って、結婚反対の過激派たちを、時に穏便に、時に苛烈に、時に隠密に、なにより徹底的に排除した。…当然殺したわけではないが。

 

 25歳のころ、遂に彼は父親になった。息子の名は北郷優刀(ほんごうゆうと)。母体が元来体が弱かったため、出産にはかなりの危険が伴ったが、母子ともに健康だった。

 

 しかし、数年後大きな問題が発生した。北郷直刀氏が言うには「問題にすらなっていない」とのことではあったが、息子の北郷優刀は、剣の才が平均以上のものを持っていなかったのだ。

 

 当然ながら、親族はこぞって我が子を北郷の次の当主とすべく暗躍した。そして北郷優刀は、彼らにやり玉に挙げられた。北郷優刀を暗殺しようとした者達もいたらしい。だがその全ては、父である北郷直刀の手によって徹底的に叩き潰された。

 

「俺の子供に文句のある奴は、俺を殺してから言え。貴様らの短い物差しで人間を測るな。北郷の当主として宣言する。人道を外れると言うのなら、北郷家から断絶、および北郷流を破門する。大の大人が子供に嫌味を言う暇があるのなら、剣の腕を磨いたらどうだ。」

 

 この後の出来事が北郷直刀の真価を天下万民に知らしめた。彼はこの言葉の通りに、本当に一切の手加減なく、兄弟のように育った従兄弟も、親のように慕った叔父たちすらも一切躊躇せずに切り捨てたのだ。

 

 そのせいで、一時は衰退した北郷家だが、またすぐに元の力を取り戻した。北郷直刀はその天才的な交渉術と、悪魔的な計算で北郷家の欠けた部分を修復して見せたのだ。

 

 それからおよそ20年後、天才歴史研究家として、名を轟かしていた北郷優刀は第一子を授かった。名を北郷一刀。長い北郷一族の歴史の中で、最も数奇な運命を辿ることになる、立派な男の子であった。

 

 

 

 

 

 

 

 毎度思うことだけど、夜行バスってどうしてこう、体中が痛くなるんだろう?もうちょっと設計を考えてもいいと思うわけなんだよ。出発前の風景を思い出してもみろよ。華琳なんてバスを前にするとスッゲー不機嫌な顔になるし、霞なんかエチケット袋の予備の数をすごく念入りに確認してたし(霞はなぜかバイクも車も電車も問題ないのにバスだけ酔った)、朱里は穏とパーカーで即席クッション作ってたし、鈴々と季衣はお菓子の予備を心配してたし………最後は関係ないな。

 

 とにかく、夜行バスで半日以上揺られ、そこからさらに電車とバスを乗り継いで、ようやく目的地に辿り着いた俺たち一向。

 

 なんで飛行機や新幹線を使わないかって?青龍偃月刀なんて持ち込んだら、銃刀法違反で捕まるだろ?孔明の罠にしても限界があるんだから、偽装した武器が発見されるリスクをどうにかできるわけじゃないよ。

 

 まあ時間はかかったが何とか到着!…………したんだが、なぜ俺は道場でじいちゃんと対峙させられている?説明を要求する!!

 

「どうした一刀よ?かかって来んのか?」

 

「いや意味わかんねぇしよっ!?なんで荷物置いたら即道場なんだよ!普通『おお、着いたか。疲れとるじゃろう?荷物を置いたらゆっくりせい。』とか何とか言って休ませてもらえるのが常識なんじゃねーの!?!?」

 

「一刀よ、儂に常識なんか通用するわけないじゃろうが?」

 

「自分で言うんじゃねーーーーーッ!!!!!」

 

 だがいろいろ喚いては見ても、この老人は変なところで強情だからこれ以上の抵抗は無意味だ。本当に常識の通用しない祖父で、俺…泣けてくるよ。

 

 一刀は仕方なく、道場の壁にいくつか掛けてある木刀のうちの一本を手に取る。そして数度振ってから戻し、また別の木刀を手に取って同様の行動をとる。4本目を手に取った時、ようやく一刀はその木刀を手に祖父の元に戻った。

 

「決まったか一刀?」

 

「ああ。」

 

 一刀が戻った時、そこにいたのは先程まで言い合いをしていた祖父でも、よく我が儘を言って家族を困らせる老人でも、鈴々や璃々ちゃんを孫以上に可愛がる好々爺でもなく、近代最強と呼ばれた一人の剣豪がいた。

 

(…二本、か)

 

 剣豪は右手に標準よりやや長めの木刀を、左手に小太刀型の木刀を持ち、極めて自然にそこに立っていた。それはまるで、森に木が生えているように、梅雨に雨が降るかのように、リンゴが木から落ちるくらい当然のように。

 

 柳緑花紅。

 

 彼の好きな言葉の一つだ。

 

(まずいな…完全にスイッチが入ってる…!)

 

 短い間睨み合っていた二人。先に動いたのは一刀だった。

 

(後手になったら確実に負ける…!)

 

 一刀は初撃から必殺技を繰り出した。

 

 “亜龍逆鱗斬”

 

 愛紗の必殺技である“青龍逆鱗斬”を一刀風にアレンジしたものだ。しかし未だにオリジナルには遥かに劣る。愛紗に見せた時、驚かせることに成功したのはほんの一瞬だけだった。

 

 だが、今の亜龍逆鱗斬はあの時から数段進歩し、少なくとも蓮華には危なげなく勝利できるし、最近では猪々子や斗詩ともそれなりにいい勝負ができるところまで来ている。

 

 それほどの渾身の一撃を近代最強の剣豪の脳天に繰り出した…………………はずだった。

 

 

「たわけ!」

 

 だがその一撃は、近代最強にとってよくあるレベルの必殺技だった。

 

 一刀の一撃は彼の小太刀によって難なく受け流され、胴に長刀を叩きつけられようとしていた。

 

「―――――ッ!!」

 

 だがそこまでは一刀も読んでいた。

 

 一刀は木刀の柄頭(切っ先の反対側)を相手の木刀に当てて防御しつつ、自身は勢いに逆らわず、むしろ自分から飛んで威力を殺したのだ。

 

 だいたいからして、猪々子や斗詩といい勝負ということは、最低でも今の自分はそのレベルまででしかないということだ。つまりその程度のレベルで倒せるようでは、近代最強などと名乗れるはずもない。

 

 だから一刀はその先の手を考えた。まず相手にとって未知の技で先制攻撃。当然返しの手だけで自分はやられる。だが、やられない方法は本当にないのか?そもそも俺はどうやって外史で生き抜いてきた?

 

 そしてその答えが、“柔”と“未知”だ。

 

 そもそも、あの外史の武将たちの力は普通に考えても怪力。貂蝉あたりなど考えたくもないレベルだ。そんなものを受け止めるなんてナンセンスだ。

 

 なら相手の攻撃を受け流し、相手の知らない攻撃で翻弄してやればいい。

 

 俺は吹っ飛ばされた流れのまま着地せず、地面に手をついて着地のタイミングと方向を曲げた。直後、俺の着地予定だった場所に影が見えたので、俺の判断は正しかったようだ。

 

「ソコだッ!!」

 

 ようやく着地した俺は、着地の途端に木刀で誰もいなさそうなところ(・・・・・・・・・)を切り上げた。

 

 手に伝わってくるのは固いものを叩いた確かな手応え。俺の木刀は、確かに近代最強の木刀に当たったようだ。

 

「ほう?」

 

 近代最強は感嘆の声を上げた。

 

 だがそもそも、それで押し勝てるわけがない。

 

 年齢こそ、既に高齢と言えるはずのこの男が、未だに近代最強の名を持っている。つまり、この男は恋と同様に次元が違う。

 

 だから俺は真正面から力勝負に持ち込まない。あくまで今のは、相手の斬撃の軌道を反らすことが目的なのだ。

 

 そしてそれが成功した以上、次の手に移る。近代最強は次に小太刀で突いてくるはずだ。

 

 だから俺は小太刀の間合いのさらに内側に体を押し進める。ここから当て身を…

 

「面白い茶番じゃが、甘すぎるわい。」

 

「ッ!?」

 

ドスッ!

 

 突然だった。

 

 足に鈍い衝撃が走り、体勢を崩す。

 

 何が起きたのか理解できなかった。

 

 ただ倒れ伏した俺の目の前にある木刀が、お遊びだったのだと静かに語っていた。

 

 

 試合終了後、俺はまたじいちゃんと道場で正対していた。

 

「一刀、さっきの技、まあまあ面白かったぞ。」

 

「そりゃどーも…。」

 

 褒められた気がしない。あっさり受け止められたし、そもそもまだ未完成の技だ。どうしても次の一撃への流れがうまくいかない。

 

 だがそれよりも俺は、気になっていたことがあった。

 

「じいちゃん、なんで今本気じゃなかったんだ?」

 

「ん?」

 

 そう、祖父は決して本気じゃなかった。いかに初手を流そうとも、二手目には詰んでいたはずだ。

 

「お前が儂の本気を引き出そうなど千年早いわいッ!!………というくだらん質問では、なさそうだの一刀よ?」

 

 俺は首肯を持って答えた。

 

「俺はさっき、じいちゃんの目を見て本気の目だと思った。でも蓋を開けてみたら全然だ。完全に子ども扱い…。実力が足りてないのはわかってるけど、そもそもさっきの技って「みなまで言うな一刀。」…じいちゃん?」

 

 じいちゃんは疲れたように溜息を吐いた後、「今日はもう疲れたじゃろう?戻って休んでおれ。」と言って木刀の手入れを始めた。

 

 ……結局何がしたかったのかわからなかった。

 

「一刀。」

 

「ん?」

 

 道場を出ようとした矢先、じいちゃんは背を向けたまま声を一言言った。

 

半人前のまま(・・・・・・)では、そこまでじゃぞ?」

 

「……………………………………………………………………………………………………。」

 

 おっしゃる通りだ。

 

 何でもお見通しだな、じいちゃんは。

 

「ごs…一刀さ~~~ん~~~~……?おじい様~~~~……?ご飯の用意ができましたよ~~~…………!」

 

 月か…そういえば、皆思わず「ご主人様」って言いそうになるな。ずっと呼んでたから、簡単には変わりにくいところなのだろう。俺だって、学校で皆のことを『四方さん』って言っとき呼ばなきゃいけなかったし?でもなんで皆の苗字として登録されてるのが同じ『四方』なんだ?愛紗は『四方愛紗』って言うんだぜ?…可愛いから全然OKだがな!!!!

 

「ん~~~!すぐに行くぞい月ちゅぁ~~~~ん!!」

 

 道場から声を返すには、それなりの声が必要だとはいえ、「月ちゅぁ~~~~ん!!」の部分で殺意を抱いた俺は、多分おかしくないと思う。いくら孫娘を可愛がる祖父のような目をしていたとしても、だ。

 

「じいちゃん、そのうち絶対に叩きのめすからな!」

 

「一刀、男の嫉妬は本気で見苦しいぞ…?」

 

 じいちゃんの呆れ顔にも譲れないものはある。俺、独占欲こんなに強かったっけか?

 

「…ひとつ言い忘れとったがの、一刀……道場ではする(・・)なよ?」

 

「しねぇよ!!!!」

 

 

 その日の夕食は絶品だった。曰く、世話になっている恩を返すために皆で(・・)頑張ったらしい。とても美味しそうだった。

 

 ただ春蘭…君の料理は別の意味で絶品だったよ?あの桂花が若干目を逸らしながら、テーブルの下からそっと胃薬を差し出してくれた時には、正直涙が出そうだった。…いや、春蘭のスープ(?)で涙腺は刺激されっぱなしだったけどさ。

 

 運良く(?)春蘭には喜んで食べているように見えていたようだ。どんどん追加される液体(?)を俺は無心に胃袋に押し込んだ。むしろ全部俺が食べきるために頑張った。

 

 いいんだ。あの紫色(?)の何かの犠牲は俺だけでいい。皆美味しい料理を食べているだけなのに、なぜか空気が葬式のときにオメデタの話題が出た時ような、どっちに感情を向けるべきか悩む、苦しい食卓になっていたが忘れよう。

 

 なお、愛紗は星と鈴々が頑張って押さえてくれていたようだ。いくらなんでも、じいちゃんの前で偃月刀振り回されたら言い逃れできない。

 

 なお、終始秋蘭は春蘭を止めようと奮闘してくれたが、テンションがMAXになっている春蘭には効果無しだったし、華琳は華琳で止めたら周りに被害が及ぶと思ったらしく、祈るような目でこちらを見ていた。

 

 ああ、紫苑…冥琳…君達がもし仕事の都合がついていたら、こんなことにはならなかったのかな……?

 

 二人ともフランチェスカの教師だから、どうしても都合がつかなかった。その関係上、璃々ちゃんと大喬・小喬姉妹も留守番だ。麗羽たちは…同じく向こうで白蓮が頑張ってくれているはずだ。

 

 まあ、璃々ちゃんに惨劇を見せなくてよかったと思おう。

 

 記憶にはないが、俺はどうやら完食したらしい。紫色の顔で部屋に辿り着けずに倒れていたのを、思春と蓮華で運んでくれたようだ。

 

 皆、愛してるよ。心から愛してるよ!ただ春蘭は…最低限食べ物を作ろうか?

 

 ちなみに、翌日の昼過ぎのことである。

 

「ご主人様?起きてるか?」

 

「お兄ちゃん?大丈夫なのだ?」

 

 翠と鈴々が俺の部屋にやってきた。

 

 俺はと言えば、絶賛布団で寝込み中だ。

 

「起きてるよ。」

 

 俺が起き上がろうとすると、翠が手伝ってくれた。正直ありがたい。胃が苦しいせいか、ちょっとでも負担になりそうな体勢を体が拒否しているようだ。

 

「大丈夫なのだ?」

 

 鈴々が心配そうに俺の手を握ってくれる。

 

 正直嬉しいんだが、これだと俺が余命僅かな末期患者みたいに見えると思うのだが、どうだろう?どこのドラマだよ…。

 

 ん?この匂いは…

 

「いやさ…ご主人様、今日何にも食べてないって聞いたもんだからさ…えっと「鈴々と翠でお粥を作ったのだ!」…そうそれだ。食べ…られ「いただこう!」即答!?食欲ないんじゃなかったのかよ!?」

 

 考えるまでもない!鈴々と翠が紫苑に料理を習っていたのは知っている!その二人が俺の為に…繰り返して言うが俺の為に!大事なことだからもう一度言うぞ?俺のためにわざわざお粥を作ってくれたんだぞっ!?他の選択ないだろ!?一択だろ!!!!

 

 おぉ…鍋を持ってくる鈴々のはにかんだ笑顔と、翠の若干自信なさそうな笑顔だけで俺もう満腹だ!だが俺は完食まで満腹にはならん!胃袋よ、もう少しだけ頑張ってくれ!!

 

 

「鈴々、蓋を開けるときは気を付けろよ?」

 

「わ、わかってるのだ!」

 

 翠の忠告に答えつつ、慎重に蓋を開ける鈴々。

 

 蓋が開いた途端、『モワッ…』っと湯気が立ち上る。それと同時に中の芳しい香りが部屋に充満する。

 

「これは…雑炊、じゃないな。中華風のお粥?」

 

「ちょっとアレンジしてみたんだ。」

 

 鍋の中身は若干普通のお粥と違っていた。普通のお粥は米を炊くときに水の割合を上げただけのものだ。対してこれは、そこに薄く切った人参、程よい大きさの大根、小さめのおそらく鶏肉があり、その上に一つまみほどのきざみ葱が乗っていた。

 

 うん、普通以上にとっても美味しそうだ。

 

 死にかけていた俺の胃袋が、早く食わせろと言わんばかりに『グゥ…』っと小さく鳴った。

 

「た、食べてみてくれよ。一応味見はしたんだ…。」

 

 そういって恥ずかしそうに頬を掻く翠を、俺は思わず抱きしめそうになったが、ちゃーんと自重する!俺は節操のある男だ。大丈夫、ちゃんと弁えているさ。

 

「いただきます。あむ…むぐ…もぐ…。」

 

 ……………………………………………………………………………………………………。

 

「あ、あの…ご主人様?」

 

「お兄ちゃん?」

 

「ま、不味かったよな!そうだな!ごめん!そんなの吐き出しちゃってく「美味ぁぁぁぁいいい!!!!」ヒャッ!?」

 

 俺の突然の叫びに、翠は可愛い悲鳴を上げて尻餅をついてしまった。

 

「いきなりなんだよッ!?」

 

「美味い!美味いぞ!翠、鈴々!お前ら料理上手いな!!本気で美味いぞ!!」

 

「え、えと…あ、ありが、と、な…?」//////////

 

「えへへ~♪」//////////

 

 俺の言葉に素直に赤くなる二人が、可愛くて可愛くてしかたがない!

 

 だが本気で美味い。野菜はよく煮込んである。多分早朝から用意していたんだろうと思う。鶏肉は柔らかくなるように工夫したのだろう。肉の固さはどうすれば柔らかくなるのか知らないのだが、風味から察するに、一度焼いてから煮込んでいるのか?出汁にも何か仕込んでいるな?多分醤油は入っていると思うのだが、それ以外までわかるほど、俺は料理に詳しくない。

 

「あっそうだ!お兄ちゃん、食べさせてあげるのだ!」

 

 NA☆N☆DA☆TO!?

 

 MA☆ZI☆DE!?

 

 鈴々は優しく俺の手からレンゲを取ると、鍋の中からお粥を掬い、『フゥー…フゥー…』っと冷まして俺に差し出してくれる。

 

 うん、ちょっとした病人も悪くない!

 

「はい、お兄ちゃん、あーんっ!」

 

「あーんっ!むぐむぐむぐ…うん!美味しい!!」

 

 

 あ、ヤヴァイ!俺今、絶対放送禁止クラスに顔が弛んでるぞ?

 

「ほら、翠もやってみるのだ。」

 

「え、あたっあたしっ!?」

 

 ああ鈴々…成長したな。昔は自分とその視界の範囲内にあるもののことだけだったのに、少しずつ周りも見えるようになって…今では俺に夢中になりながらでも、隣で嫉妬と居心地の悪さで困っている翠に気付けるところまで来たのか。少し寂しいような、嬉しいような、複雑な気持ちだ。

 

「ご、ごしゅ、ご主人様…あ、あーんっ!」

 

「あーんっ!むぐむぐむぐ…うん!美味しい!!」

 

 あー…俺生きててよかった!

 

「お兄ちゃんお兄ちゃん!ちょっと目を閉じてほしいのだ!」

 

「ん?どうした鈴々?」

 

「早く~!」

 

 『む~!』と頬を膨らませる鈴々を見て、俺は早く目を閉じた方がいいと判断した。

 

 …何か怒らせることでもしたか?

 

「んぐっ!?!?」

 

 突然だった。唇に柔らかい感触が広がり、口の中に先程と同じとても美味しい味が流れ込んできた。それが口移しだと気付くのに、さほど時間はかからなかった。

 

「んむ…む、む、む……ぷは~!どうなのだ!お兄ちゃん専用お粥、鈴々風味なのだ!!」

 

 腰に手を当てて堂々と宣言する鈴々の顔は、先程までとは比べ物にならないくらい真っ赤で、それがとても可愛く、美しい、愛おしい乙女の顔だった。

 

 綺麗だ。

 

 とても素直にそう思う。愛おしさが胸の奥から溢れ出してくる。

 

 俺は思わず抱きしめたくなる衝動を『ギュッ!』っと抑え込んだ。

 

「ちょ!鈴々!おま、ちょ、ななななな!?何やってんだッ!?ご主人様も人前で鈴々を抱きしめてんじゃねぇーーーー!!!!」

 

 ……………あれ?おかしいな、自制したはずなのに、鈴々が腕の中にいるぞ?

 

「ん?お兄ちゃん元気になったのだ!」

 

 そう言って鈴々は俺の×××を優しく撫で上げた。

 

「り、鈴々!お、おま、お前な!いやちょ、チョットマテおいィッ!?!?」

 

「翠も一緒にする(・・)のだ!」

 

 あ、終わった。

 

 俺の平穏な療養生活は24時間もたなかった。

 

 

 

 

 

(太守様がご精務の最中ですので、しばらくお待ちください。)

 

 

 

 

 

 

 そして夜である。

 

 日輪が沈み、砕けた月が空に輝きだす頃、俺の隣で鈴々と翠が寝息を立てていた。

 

 いや…?

 

「翠は起きてるな?」

 

「………ばれたか。」

 

 狸寝入りがばれたのが気に入らないのか、ちょっと不満げに口を尖らせて起き上がった。

 

 真っ白な裸体に月の光が反射して、神々しいまでの愛おしさが鎌首をもたげてくる。

 

 俺の視線に気付いたのか、翠はサッと胸元を隠した。

 

「じ、ジロジロ見んな!バカ太守!」

 

 んー、いい罵倒をいただきました♪

 

「なんだろ…今ご主人様を『サクッ』と殺ってしまいたくなった…。」

 

「それはヤメテーーーーー!!!!!!」

 

 ヤンデレマジカンベン!!

 

「なあご主人様…ちょっと、いいか?」

 

 翠は何か思いつめた様子で、切り出してきた。

 

「いいよ。」

 

 翠の態度に、俺は居住まいを正す。それだけの話だと思ったから。

 

「ご主人様、あたし…ちょっと悩んでることがあってさ………。」

 

 翠はとても言いづらそうに、歯切れ悪く語りだした。

 

「あたしら、さ…ぶっちゃけほら……『あっち』の人間じゃん?」

 

 翠の言葉に俺は首肯を持って応える。

 

 今は口を出して良いときじゃない。

 

「あーあれだ。つまりその、あたしたちは向こうで、ほら!いろんなことしてきたじゃん?で、だそのー、つまり…あのだな……。」

 

 俺は翠の言葉を待つ。待ち続ける。

 

 それが俺の、『主人』としての正しい在り方だと思うから。

 

 それが俺の、『男』としての正しい在り方だと思うから。

 

「……………………………………………………………………………………………………。」

 

 だがなぜか翠はここで静かになった。

 

 何か言いづらいことなのだろうが、ここで止めると言うことは、翠の性格的に…

 

「だーーー!!!!もうやめだ!!やめやめ!!!!こういう回りくどいのはあたしじゃねぇーーーーー!!!!!」

 

 あ、やっぱり翠が遂にキレた。

 

「ご主人様、単刀直入に言うぜ?」

 

 翠の言葉に、俺はまた、黙って首肯した。

 

「ご主人様、あたしらさ…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当にここにいていいのかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

ども~、心は永遠の中学二年生です。

 

ごめんなさい、マジで遅いですね・・・

 

二か月ですもんね。

 

わかってます、はい。

 

仕事忙しいとか、言い訳になりませんね・・・。

 

マジでネタが浮かばんのですよッ!?

 

どうしよう!?!?

 

しかしとにかく頑張るしかないですね・・・。

 

それとみなさんごめんなさい!

 

今回は激甘風味ですので、コーヒーはブラックで飲むことをお勧めいたします!

 

あと、今後レンゲは蓮華とは表記せずに、レンゲとカタカナで行きます。

 

正直、区別尽きませんし?

 

それと・・・あと、なにかありましたか?

 

「何かありましたか、じゃありませんわ!!」

 

ギャー!お猿さん!?

 

「ぬわぁーーんですってーーー!?わたくしは三公を輩したかの袁家の当sh」

 

ほーらこれ何かわかるかな~?バナナだよ~?

 

ほ~ら右~左~………ほ~~ら獲ってこ~~~~~~い!!!!!!

 

「ウキィーーーー!!!!!」

 

ではでは皆様、またの機会に!ちなみに私は今のうちに逃げる!!

 


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